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出て来ておいでよブラバッキー

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第二章

「私達貿易ト勉強ニ来タ」
「ああ、光の巨人と友達か」
「しかも公認みたいだし」
「光の巨人が認めたんならな」
「侵略者じゃないわね」
「ジョワッ」
 ここで光の巨人、地球担当のタイガーが成人男子の大きさでクラスに出て来た、赤と銀色の模様の身体だが何故か顔にはモザイクがかかっている。
 その巨人がだ、生徒達に言うのだった。
「安心し給え、リトルグレイ星人は侵略者ではない」
「巨人さん達がいつも相手にしているですか」
「凶悪な連中とは違うんですね」
「そうだ、平和的な宇宙人なのだよ」
 このことを保障するのだった。
「だから安心し給え」
「ならいいですけれど」
「それなら」
「宇宙人皆兄弟姉妹」
 タイガーはこうも言った。
「この言葉を忘れないでくれ」
「わかりました」
「巨人さんが言われるのなら」
「それなら」
「私達も」
 納得するのだった、人類への彼等の信頼は絶対だった。
 そしてタイガーは満足した顔で頷いてだ、先生が開けてくれた窓からだ。
 両手を身体の前にやって寝た姿勢で飛んで何処かに飛び去った、生徒達は彼を見送ってからこう言った。
「ああして飛べるのは光の巨人だけだし」
「自作自演でもないわね」
「じゃあ間違いなくね」
「この人侵略者じゃないね」
「別にね」
「そうした人じゃないんだな」
「リトルグレイ星人嘘ツカナイ」
 チャーリーもこう彼等に応える。
「皆サン仲良クシテ下サイ」
「うん、じゃあね」
「それならね」
「仲良くしましょう」
「誤解して御免ね」
「色々と」
「ハマ君はリトルグレイ系アメリカ人なんだよ」
 先生が彼のその国籍を語る。
「アメリカ人であることは事実だよ」
「好物ハはんばーがートこかこーら」
 チャーリーはこうも言った。
「和食モ大好キ」
「他には?」
「他に好きなものはあるの?」
「タコ焼キ、焼キソバ、オ好ミ焼キ」
「随分和風だなあ」
「大阪じゃない」
「漫才ト落語大好キ」
 また言ったチャーリーだった。
「ソウシタ場所ニモ行キタイ」
「まあとにかくか」
「うちのクラスに転校してきたってことで」
「光の巨人さんも大丈夫っていうし」
「それならね」
「色々言って御免な」
「これから仲良くしましょう」
 生徒達は謝罪もしてだった、そのうえで。
 何はともあれチャーリーを迎えた。チャーリーは生成優秀だが体格のせいか運動は苦手だった。だが礼儀正しく公平かつ親切な性格でだ。
 次第に生徒達の人気者となった、そして。
 興味がある落語を学ぶのだった、着物を着てだ。
 落語研究会で座敷に座って落語をしてみてだ、こう言ったのだった。 
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