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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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ニ十章
  戦後×攻守同盟

「ふう・・・・。何とかなったか」

正確にはまだ城攻めは終わっていない。未だ続いているけど。主戦場は南二の丸も通り越して二の丸に行っているんじゃないのかな。移動中に見た感じでは、その辺りまで厳重ではないし、正面の大手門と裏の千貫門が落ちた時点で事実上勝敗は決まったもどうぜんだな。

「あー。殺った殺った。久々に良い運動したぜ」

「・・・・・・・!」

「雀も思う存分鉄砲撃ちましたー!気持ち良かったーってお姉ちゃんも言っています!」

「俺達も久々にいい運動をしたと思う。それに蒼太たちも撃ちまくったからな。皆もお疲れだ」

長尾勢が制圧完了した城門付近にいた俺達。久々の運動だったからな。俺達が大暴れしなかったら、大手門を開けるどころか、混乱をもたらす事さえ、出来なかっただろうな。

「鞠も!鞠も頑張ったのー!」

「無論だ。鞠も本当によくやったぞー」

「えへへー」

そういってニコニコしながらしがみ付いてきた鞠の頭をそっと撫でる。

「・・・・・・」

無言の小夜叉だったが、鞠を放してから小夜叉にも頭を撫でてやった。そしたらさらに無言になったけど。

「雀も雀もしてほしいです!」

「・・・・・・」

「お姉ちゃんも!」

俺ははいはいと言いながら小夜叉と離れてから、烏と雀がしがみ付いてきたけど。

「えへー」

「・・・・・・・!」

「そいや、千貫門の連中はどうなったんだ?」

「さっき小波と沙紀からの連絡があった。千貫門もひよが頑張って開けたそうだ。綾那ところも無事だと」

「そうか。・・・・やるじゃねーかあいつらも」

「ハニー!皆さん!」

「おう。梅に雫」

俺達の元に城内から戻ってきたのは、梅だった。その傍らに雫がいる。

「ハニーも皆さんも、ご無事で何よりですわ!」

「梅がここにいるということは一葉たちは?」

「一葉様と詩乃は、歌夜さんと桐琴さんと共に千貫門の援護に向かっています」

「私と雫さんは今回あまり手柄を立てる場面がありませんでしたから、こちらに出向くようにと」

「・・・・ンなこと言って、寄せ手の少ねえ千貫門で暴れたかっただけだろ。公方と母は」

「もう。風情のないことばかりおっしゃいますわね、ちんくしゃは!貴女はそうやって血だらけになっているのがお似合・・・・。って血だらけじゃありませんの!大丈夫ですの!?」

「あ?こんなもん全部返り血に決まっているだろ。さっきまで一真もこれくらいの返り血を浴びたけどな。この程度の喧嘩で怪我なんかするかよ。一真、あれやってくれ」

「あ・・・・そ、そうですの・・・・。・・・・相変わらず無茶苦茶ですわね。ってハニーも浴びたのですの!」

俺は小夜叉に向けて浄化をしてやった。そしてたら血だらけだったのがすでに返り血を浴びる前に戻っている。

「まあな。と、小夜叉。終わったぞ、梅も雫もお疲れ様だ」

「・・・・ありがとうございます」

「ふふっ。そう言っていただければ、私も報われた気分ですわ」

こうやって仲間と話していると、改めて一区切りついたのだなと思った。で、感じた気配がやってきた。

「一真」

「・・・・どうだ?見事依頼任務を果たしてやったぞ。大手門と千貫門の攻略」

「ええ。相変わらず、まさかと思った事をやってくれるのね。あなたは」

「利害が一致しただけだし、必要なことだからな。これ以上の恩賞の支払いの引き延ばしは勘弁だな」

「さて。どうしようかしらね~?」

「・・・・・・・・」

「・・・まあいいわ。今日はもう下がって良いわよ。秋子が寒梅を手配しているそうだから、好きに使うといいわ」

「分かったが、俺はもう一仕事やらなければいけないようだな」

「もう一仕事?」

「あれを見よ」

俺が指差すとそこにいたのはドウターとゼットンがいた。しかも空から俺達を見ていたけど。

「あれはあなたに任せるわ。私たちには本丸を落とす仕事があるから」

と言って行ってしまった美空だったが、俺はドライバーを出してメモリを出した。

「ハニー!お気を付けてですわ!」

「分かっているよ『God Emperor!』変身!」

そして変身した俺は空高く飛んでドウターを屠りながらゼットンに向かった。分身をしたので護法五神を呼び出してからの変身をした仏たち。そして最後の決め技。

『Joker!MaximumDrive』

『Black Steel Joker!MaximumDrive』

そして分身体と本体に向けてのライダーキックで梅たちがいるところに向けて放った。ちょうど地面に陥没してから消滅したので、変身を解いたら護法五神も解いて神界に戻らせた。そして寒梅はと聞かれたので、雫に宿のことだと伝えたけど。

「ってこたあ、湯も使えるのか」

「うん。あそこ、広いお風呂もあったの!」

「・・・・・・・♪」

「やったー!お風呂ー!」

「それは助かりますわね。ゆっくりお湯に浸かれるなんてどのくらいぶりかしら・・・・」

風呂なら俺は毎日入っているけどな。

「鞠も入りたいけど、一真も一緒に入るのー!ダメなの?」

と聞かれたけど、それは皆の意見を聞いてからだといったら全員入りたいとのことだ。小夜叉も風呂くらい別にいいとか言ってたが、いいのであろうか。

「ここにいても怒られるのがオチだから、千貫門組と合流したら、城下に戻るか」

「で、お風呂?」

「それもいいけど・・・・」

「とにかく、早く撤収してハニーと楽しいお風呂ですわ!皆さん、あともう一仕事ですわよ!」

「「おーっ!」」

とりあえず黒鮫隊のメンツもトレミーに帰還させたし、俺らの春日山は改めて終わりを告げた。久々の危険な任務だったから、楽しんだけど。皆が全力でやってくれたから最高の結果になることが出来た。さっきのドウターは予想外だったけど、すぐにケリがついたし。後は春日山を取り戻した美空がどう出るかは分からないけど。こればかりは明日になれば分かる事だろうよ。それに俺には頼もしい神や仏が山ほどいるからな。これ以上難題が付かないでほしいなーと思った。美空が春日山を取り戻して、一夜が明けた。

「もう落ち着いたかな?空」

俺達の前を歩くのは空だった。大所帯の俺達に少し驚いた様子だったけど、それでも気絶せずにこうして案内してくれる。

「はい・・・・晴景様は相変わらず逃げたそうですが・・・・残った母様はそれほど重い処分にはなりませんでした」

「逃げたのか。そうなっていたら俺達が追いかけてとっ捕まえるのにな」

もし本丸を俺達でやるんだったら、逃げる前に気絶させとくよ。さすがに頸までは取らないけど。晴景派を指揮してたのは政景は空の実の母親ということになるのか。実の母親が謀反をして、娘の空を人質にするなんて。本人たちはどんな気分だったのかな。ん?耳にはめている通信機から連絡が来たな。晴景を狙撃したらしい。一応マークしてたのを黒鮫隊が逃げてるところをやったとかな。その情報は伏せておくか。で、狙撃された晴景は消滅の炎で塵にした。

「あの・・・・・?」

「一真様」

「悪い。これで連絡を聞いていた」

「着きました。・・・・お姉様。織斑様以下の皆様をお連れ致しました」

「通して頂戴」

その部屋にいたのは、美空だけじゃなく秋子や柘榴、松葉といった、春日山の主要な将が揃っていた。入ったら早々に神界から護法五神を召喚したけどね。何言われるか分からないし。

「大所帯ね」

「みんな来いと言ったろ?」

「まあいいわ。本当ならちゃんとした評定の方が良いのだろうけど一応一真はまだ裏方だから・・・・悪いわね」

「知った顔の方が落ち着くよ。それにこいつらもいた方がいいだろうし」

前は軍議の端っこにいたけど、今日は知り合いばかりだから、適当な所に皆で腰を下ろす。俺も座ろうとしたら、帝釈天は左、多聞天は右、そしてあとの3人は俺の後ろに座った。空も俺達が座ったのを見届けて、柘榴たちの側の席に腰を下ろした。

「さて、織斑一真様」

「おう」

畏まった声だったけど俺はいつも通りの声で反応した。それに美空が俺に様付をするのはこれも二回目かもしれんが、周りには護法五神がいるからだろう。あと見えないだろうけど、不動明王もいるけどな。こちらも女性。あと俺はこの世の全てを創造したと言われている創造神でもあるからな。無論こいつら仏や神や人間を創ったとも言われるけど。

「この度の春日山城攻城戦。勝利を得ることが出来たのはひとえに織斑様の助力があったればこそ・・・・その功を素直に認め、かねて貴殿より要請のあった織田との攻守同盟を受け入れよう」

「それはどういう風の吹き回しかな?」

「何よそれ。私ってそんなに信用ないの!?」

「まあ、今までに散々引き延ばしてきますからねぇ・・・・」

「こればっかりは御大将が悪いっす」

「御大将のせい」

「何?だったらやめようかしら」

「冗談だ。受け入れようではないか」

むくれていた美空にそう言って俺は背筋を伸ばす。

「織田家棟梁、織田久遠信長の恋人、織斑一真またの名を創造神の名において、長尾家との攻守同盟を受け入れる・・・・ありがとう、美空」

「・・・・越後のために働いてくれた、その借りを返すため、ひとまず鬼とやらの駆逐するために力を貸す。・・・・ただそれだけよ」

「それだけでも感謝する。美空がそう言ってくれるのなら、護法五神は改めて美空の力になるであろう」

そういったら美空の身体から光輝いた事で、お家流の封印処置を解除したためだ。そして帝釈天と四天王も力を貸すというオーラを美空に授けた。ただし乱用をすると神罰が下るとも言っておいた。これで美空たち長尾勢の力があれば鬼のよる戦力も上がるだろう。

「とはいえ・・・・・」

「その先からは分かっていることだ。同盟を結んだからといって、明日明後日に兵を出すことは出来ないんだろ?ただし俺からは織田との同盟ということだから、久遠に繋ぎを取る許可をくれ」

長尾家が鬼との戦いに力を貸してくれる事もだが、何より俺達が無事な事を知らせたいしな。

「あら。空たちを助けるときに、色々画策してたじゃないの?」

「まあな。俺達の船でもいけるが、今はそれだけでいいし。あとは松平家の処遇だ。三河に帰りたいらしいからな」

「あー。そんなのもいたわね」

春日山を取り返すのが最優先だったから、忘れていたと思うけど。

「そういえば、今日は草の子とか殺る殺る言ってるのはいないんす?」

「松平衆の三人なら、一度、葵の所に戻らせている。向こうにも挨拶や報告も必要だと思ってな」

柘榴の言ってる殺る殺る言うのは戦国最強と戦国最狂のどちらかは知らんけど。こういう席は大抵森の親子は来ないから、代わりに各務が来ているけど。 
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