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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十六章 後編
  三昧耶曼荼羅×神々の戦い

「桐琴さん、小夜叉さん、ご無事ですか?」

「応よ。詩乃、さっさとずらかるぞ!」

「はい!」

森一家を率いて後退してくる桐琴さんと小夜叉さんと合流して、勢いに任せて川に飛び込みました。そして、私たちは川から出たのですが、あちら側では態勢を立て直した鬼たちが咆哮を上げながら来ましたね。

「ああっ!鬼がこちら側に来るよ!」

「梅さん、早く援護射撃をっ!」

「言われなくとも分かっておりますわ!」

鉄砲で出来る限り、狙いを定めて撃ちますが鬼は来ます。この流れが速い川の流れなのに。こういうときは一真様がいるといいのにと思ったときでした。

「やれやれ。最近売出し中の織田勢がどんな奴らか見に来てやったのに。がっかりさせないで欲しいわ」

「だ、誰ですっ!?」

「今は不審者に構っていられないのっ!誰か、こいつをさっさと捕縛しなさい!」

「あら。せっかくあなた達を助けるのに、邪魔するっていうの?」

「・・・・やれやれ。誰が来たのかと思いきや」

「あはっ・・・」

「長尾景虎。久しいな、美空」

「ええ。お久しぶりね、一葉様」

「挨拶は良い。何をしに来た?」

「さっき言ったでしょ?あなたたちを助けに来たの♪」

「そうか。ならば早くしろ」

「・・・あのねぇ。いくら公方様でも、もう少し言い方ってものがあるんじゃないの?」

「余裕がなくてな。頼む」

「・・・へぇ。公方様なのに、そんなに簡単に頭を下げちゃうんだ?」

「余裕がないと言った。何だったら土下座でもしてやろうか?」

「ちょっとお待ちを、さすがにそれはそれがしが許しませんぞっ!」

「しかしこの虎猫が、しろと言った。・・・・頭一つで主様が稼いでくれた時間を無駄にするなら安いものだ」

「ふーん・・・・一葉様昔と変わったわねー。素直で良い女になったという感じ・・・それって、あの田楽狭間の天人が一葉様を変えたってことかしら?」

「知らん。早くあの鬼達を何とかしろ!」

「じゃあ、何とかしてあげるわ。あなたたち、さっさと退いてくれる?そこにいると邪魔だから。柘榴!兵たちをどかしてくれる?」

「はいっす!」

といって、兵を退かし始める柘榴と呼ばれた少女。

「はっ?」

「鬼は私が皆殺しにしてあげる。だからさっさと兵を退がらせて。巻き込まれても知らないわよ♪」

美空と呼ばれた少女が、自信ありげに笑いながら口を開いた。

「ふふっ、さぁ派手にぶちかますわよーっ♪おいで!私の妹たち!」

「な、なんですのあれっ!?」

「あれは護法神四天王・・・・っ!」

「多聞天、持国天、広目天に増長天。そしてその長、帝釈天・・・・一真様以外の者が召喚するとは」

「やれやれ。護法五神を現世に召喚するとはまた、荒唐無稽のお家流だな・・・・毘沙門天と繋がったらしいとは聞いていたが」

「刀をたくさん召喚する人に、荒唐無稽と言われるとは、長尾殿も不憫ですなぁ」

「樹木を操るお家流を使う、エセ風流人が言う言葉でもあるまい?」

「ふむ。これは一本取られましたな」

「すごいのー!かっこいいのーっ!でも一真のときの方がもっとかっこよかったの!」

そう、帝釈天と四天王を見るのはこれが初ではない。随分前に、一真が召喚したことがあった。戦う時と、半透明であるが現世に召喚されたこともある。帝釈天と四天王たちに言わせるなら、一真は創造神であり兄である。少女のお家流を見て盛り上がる仲間たち。

「帝釈、ごめんねー。初のお披露目だから派手に行きたくって」

片目を瞑り、戯けた様子で謝る少女に帝釈天は重々しく頷き返した。この少女は帝釈天と四天王を召喚はできるが、喋れない。おそらく、この少女だけ聞こえているんだろう。少女のお家流らしいからな。

「さぁみんな!日の本の法を守る神として、異形の者どものを皆殺しにしてあげましょ♪さぁお行きなさい!私の可愛い妹たち!」

少女の言葉と同時に、戦装飾に身を包んだ帝釈天と四天王が、光の如く、鬼達に向かって疾走った。でも、帝釈天と四天王は思った。あなたの妹ではないと、それと我らの主は一人で戦っている創造神様なのだと。そう思いながら行く。

「すごいな、あれは。ワシでもあんなのは無理だな」

光の玉が走るたびに、あちこちから聞こえてくる鬼の断末魔。夜闇の中を走る光が触れる度に、目に見える速度で鬼達が蒸発していく。

「おいおい、こんなの反則技じゃねーか。でも一真だったらできそうだな、なぁ母ぁ!」

「うむ。それに一真は・・・・とこのことは内緒だったな」

桐琴が何かを言いかけたが、ここに部外者がおるからあえて言わなかった。小夜叉は反則だなとか言いつつも、一真ならできそうだとか言っていた。他の者たちも頷きながら。

「んー・・・・数が多いわねー。めんどくさいから纏めて殺っちゃおっか」

そんな物騒な呟きに呼応するように、戦場を走っていた光玉が、鬼を囲むように移動した。

「三昧耶曼荼羅!」

少女が発すると同時に、籠目紋が天に向かって強烈な光を発する。

「鬼が・・・・蒸発していく・・・・?」

「凄い・・・・・」

「ふぁー、きれー・・・・」

「・・・・ふぅ。はいおしまい。みんなお疲れ様。戻って良いわよ」

「御大将、お疲れ様っすー!大活躍っすねー!でも柘榴の分も置いといて欲しかったっすー」

「あ、ごめん。忘れてた」

「ひどいっすーっ!」

少女の部下がぶーすかと盛大に不満を漏らしていた。そんな場違いな明るさに毒気を抜かれ、私たちは呆然と立っていた。

「・・・・越後国主、長尾景虎。まずは我々を助けてくれたことに礼を言おう」

呆然とする私の代わりに、一葉様が警戒を含んだ声音で少女に礼を言った。

「いえいえ、どう致しまして」

「・・・・で、だ。率直に聞こう。・・・・越後の龍がなぜ加賀に出張ってきているのだ?」

私たち全員の疑問に代弁するように、一葉様は探るような声音で問いかける。

「さぁ?どうしてでしょー?」

「・・・・・・」

惚ける者に、一葉様はジッと見つめていた。その瞳は、普段のではなく緊張したような色のようだ。

「越後の龍、長尾景虎殿は最近、越中に兵を入れたという話も聞こえてきております。越中を抜けたあとに備え、加賀内部の物見と共に、中央で興った織田勢の実力を確かめに来た・・・・と見ますが」

「うーん・・・・当たらずとも遠からず、かなぁ~」

「なるごど。ということは、一真様を見極めに来たということですね」

「・・・・・・」

詩乃の指摘に何も答えずにこの少女は不敵な笑みを浮かべる。つまり当たりなんだろう。

「どう見極めるつもりだ?第一ここには主様はおらんぞ」

「確かにそうよね。なぜ、あの男はいないのかしら?」

とそのとき、地響きが聞こえてきたことに驚く詩乃達。いったい何事かと思いきや小波から聞かされた。

「皆さん!この地響きは、先ほどまで私たちがいたところから響いています。あれをご覧ください!」

と小波が、指を差すとあちら側の陸側から煙と共に何かが現れた。煙が晴れたらそこにいたのは・・・・。

「な、鬼だと!?」

「どういうこと?まだ鬼がいたなんて聞いてないわよ。柘榴、やりなさい」

「了解っす『その必要はない』誰っすか?」

声が聞こえたので、辺りを見渡す仲間たち。すると鬼の真上から空を飛ぶ者たちが近づいてきた。翼が12枚ある者から、順番に降り立ったけど。その姿を見たことある者もいたけど。

「主様!無事だったか!」

「もしかして、この男が天人?胡散臭いわねー。柘榴、この男をどかしなさい。私がまたやってやるわ」

「了解っす。あれ?掴めないっすよ、この人の身体を」

「どきなさい。本当だわ、だったら松葉!」

我の上から降りてきた者を跳ね返して、我の後ろに落ちてきた。

「大丈夫?松葉」

「この男に触れたと思ったら、跳ね返された」

「当たり前だ!我たちの主様だぞ!」

と言って、空から来たのは、先ほど我たちと戦っていた者たちだった。

「誰じゃ!?」

「我から自己紹介をさせよう。10人の女は十羅刹女、阿修羅、八大夜叉大将と金剛力士だ。皆の者、頭が高いぞ!」

「十羅刹女、阿修羅、八大夜叉大将と金剛力士は、護法善神のメンツですか!?」

「主様に触れようなどとは、殺してやろうか?」

「八大夜叉大将、やめておけ。我の仕事をしなければならないからな、こいつらを見張っておけ」

と言って、浮かびながら言った。

「さてと、再び神界よ。我の声を聞いて参上されたし、来い!」

言って金色の魔法陣で召喚されたのは、さっきこの少女が召喚した者たちだった。

「え、嘘。私の妹たちを召喚したですって!!!」

「正しくは我らの主ですよ」

「帝釈が喋った!?」

「あんたの妹になった覚えはないんだからね、私たちの主はここにいるお兄ちゃんなんだから!」

多聞天が、美空にそう言った。そして、再び創造神は言った。

「天候よ、我の声聞いて変えよ。雨から夜空に変われ!!!」

言った瞬間雨はやみ、黒い雲はなくなり夜空が広がった。

「あ、あなたは何者なの?」

ここにいる者たち全てが、謎に包まれていたので我は答えようとしたが帝釈天と四天王が答えた。

「いいか、聞いて驚きなさい!」

「このお方はこの地球いや宇宙を創り、そして生物を創りだした者」

「そしてこのお方は、我らをも創った御方」

「我らを創った御方のことをこう言う!」

「このお方こそ、我らを創りお前たち人間を創ったと言われている創造神様だ!」

しばらく無言になったが、耳を塞いだらここにいる一真隊以外の者たちが叫んだ。

『え?ええええええええええええええええっ!』

「創造神って、架空ではなかったの?」

「一真がどんな神までは知らなかったが、まさか創造神とはな。ワシらの想像以上に偉い神だったとは」

「やかましい!今はあの鬼達を滅殺するまでだ。行くぞ!サテライトシステム起動!」

前を向いて、翼が形を作るとそれはDXのツインサテライトキャノンの発射状態になった。装甲カバーを展開し広げるラジエータープレートはエネルギーチャージの際に発生するビームに変換し切れない余剰熱を強制排出する装置なのであり、放熱時は激しく吹き出す熱によって手足が金色に発光している様に見えるようにしている。月面の太陽光発電施設から送信されるスーパーマイクロウェーブを我の真上に展開しているところに、受信をする。そしてスーパーマイクロウェーブのエネルギーを、直接ビームに変換させる。

「よし。まもなく来るぞ!」

スーパーマイクロウェーブが来た瞬間に光輝き始めてここにいる者達にとっては、目の前が真っ白になった感じだ。そして、目の前ではチャージ中の我がいた。月の光をも取り込むつもりだから。

「さてと、発射準備はいいと。帝釈天と四天王よ、五芒星を描き魔法陣を俺の目の前に描け!」

帝釈天と四天王は、光玉となりて、五芒星を描いて魔法陣を縦に置いた感じだ。これでツインサテライトキャノンと聖なる炎が混ざり、聖なるキャノン砲の完成だ。

「ツインサテライトキャノン、発射!」

撃ちだした瞬間に、五芒星を通り青白くなりて、鬼の集団に向かう。既に支配は解いたので、解けたと思ったらもう死んでるのだ。鬼達は声を上げるもなく、どんどん死んでいくがまだまだ止まらない。進んでいく、極太ビーム。

「何よこれ。私のより反則じゃない」

「というか、毘沙門天があの男の言う通りになってるっすよ」

「どういうこと?」

「だから言ってるだろうに。我らの主なのだ、創造神の力と言ってもこれは一部に過ぎない」

威力をセーブしながら、肩にしょってるキャノン砲。本当なら重いが、これは我の翼が創ったこと。
だから重くないし、エネルギーがある限り撃ち尽くす。そして十分が経ったときに、最後尾にいる鬼を潰したと聞いたので撃ち終えた。

「ふう、全ての鬼はぶっ潰したと。お前らも神界に帰っていいぞ」

ツインサテライトキャノンから、元の翼になりながらそう言うと帝釈天と四天王以外の者は金色の魔法陣と共に帰って行った。さてと、鬼は潰したが、来るのかよ。ゼットンが。

「終わったみたいなの?」

「御大将ー、あれを見てくださいっす!」

指を差したところには、先ほどいた鬼と入れ替わっていたのか、ゲートを潜ってきたドウターの集団。

「あれは、敦賀城で倒したはずでは?」

「あいつは蘇るのさ、何回倒してもな。ということで、帝釈天と四天王!あれを使うぞ」

と言って、我と帝釈天と四天王が取り出したのはドライバーだった。帝釈天だけは違うようだけど。

「あれは、一真様と同じ物。ということは!?」

詩乃が驚いている最中に、我たちはドライバーを腰に巻いた。そしてメモリを取り出した。

『God Emperor!』・『『Boosted Gear!』』・『Divine Dividing!』・『Boost!』・『Divide!』

左から我、持国天、増長天、広目天、帝釈天、多聞天だ。

『変身!』

多聞天がDivideのメモリをダブルドライバーに挿すと、多聞天の身体が消えて帝釈天のベルトの方にディバイドメモリがある。それを挿したあとにブーストメモリを差してから変身した。

「何よ、あれ?鎧?」

「あれは一真様が使う姿ですが、まさか護法神四天王も変身するとは」

そして我たちは、赤白龍神皇帝に赤白龍皇帝と赤龍帝の鎧と白龍皇の鎧となった。戦い、ゼットンと戦うが、分身体となったので分身体は、帝釈天たちに任せて我は本体へと向かった。帝釈天たちにとっては弱いのか、すぐやられていた分身体にこれを喰らわせていやった。

『Joker!MaximumDrive』

帝釈天たちは次々とライダーキックを放ち、終わらせた。我も黙っていられない。

『Black Steel Joker!MaximumDrive』

ライダーキックを放ちながら川の中に落ちて爆発した。我たちは、詩乃たちがいるところに戻ってから変身解除した。そのあと、帝釈天たちは神界へと戻ったけどね。手を振りながら。 
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