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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十六章 後編
  お家流×神の力

「ご主人様、自分にやらせてもよろしいでしょうか?」

「小波がか。どうやって?」

「奥義を使うことですので、しばしお時間をください」

「分かった。IS部隊は一度こちらに戻ってこい。俺と一葉で時間を作る」

小波はゆっくりとした動作で、印を組み始めた。どんなお家流が出てくるか分からんがな。目を瞑り、神経を集中させる小波だった。

「一葉、俺達で小波の精神集中を邪魔しないようにするぞ!」

「うむ。背中は任してくれ、主様」

俺が持つ剣は、いつもより光輝いていた。俺がそうさせている。

「光り輝く刀、か。その刀は、主様にとってどのような意味を持つのだろうな?」

「ふ、刀が光ってるのではなく俺がそうさせているんだからな。いくぞ、一葉!」

「分かっている。自由に暴れさせてもらう!」

俺と一葉で鬼の集団の中に行く。小波の護衛はIS部隊の者に任せた。全ての鬼を俺と一葉の刀で、斬り捨てていく。小波に近づく鬼どもはビームサーベルで次々と斬り捨てて行く。数が増えようが、俺達には関係ないことだ。たまに地の精霊を使い、足場を固めらせてからの斬撃をビームブーメランのように飛ばして鬼の命を斬り捨てる。

「ははははははははははっ!」

一葉は笑いながら鬼と対峙してたけど、リミッターが外れた状態みたいに暴れていた一葉だったけど。
俺もだけど、少しテンションがおかしくなっているが、まあいいだろう。

「どうした!鬼の力とやらはその程度かっ!?もっともっと余を楽しませよ!」

「そうだな。鬼ども!お前らの力はその程度なら頭使って来いやーーーーっ!」

楽しみながら鬼を駆逐する俺と一葉。それは笑いながら斬り捨てていくので、戦闘狂みたいになっていた。まあ、幽が側にいないからリミッターが外れているのであろうな。俺と一葉は剣の舞ではなく死の舞をして踊りながらの刀を振るう。IS部隊も、俺達を見て苦笑してたそうだ。とそのときだった。小波付近にいる黒鮫隊の者から連絡がきた。

「隊長。小波さんの準備が整いました」

「よし。一葉、小波の準備が整った。一度退くぞ!」

「分かった、主様」

俺と一葉は小波の後ろまで行き、来る鬼達がビームライフルで撃ちながらであった。

「小波、頼むぞ」

「はっ」

頷いた小波が、力強い声で呪文のようなものを唱え始める。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前!食らえ鬼ども!伊賀流奥義!妙見菩薩掌!」

小波が声を上げると同時に、練りに練り込まれた小波の氣が一気に爆発した。小波の身体から立ち上がる、炎のような氣は、まるで光の柱のように天に向かって放たれる。

「へぇー」

「ほお・・・」

「来い!北辰より出でて邪悪を打ち祓う、妙見菩薩が慈悲の手よ!」

「むっ・・・・!?」

「なるほど。あれは手か、いや拳か」

小波の叫びと共に、天空に現れた巨大な拳。まるでオベリスクの巨神兵みたいなあの技みたいだった。
その拳が、俺たちの前にいる鬼達に向けて轟音と共に落ちていく。俺や一葉も何とか立っていられたが、ただの足軽だったら立っていられないほどの地揺れと、吹き飛ばされそうなほどの衝撃波を発生させて、拳は地にいる鬼達を押しつぶした。

「というか、妙見菩薩かよ。酒飲み友達だったが、小波のお家流のとはな」

六百はいたであろう鬼達は、空より振ってきた拳に押しつぶされて息絶えた。

「なかなかの威力じゃな。主様の攻撃並みじゃの」

「そうだな。まあ俺も出来ないことではないけど」

「なかなかの威力だけど、体力持ってかれているな。あの技は」

で、倒れた小波に野郎どもに渡したドリンクを飲ませた。すると光出して、技を出す前に戻ったけど。

「なるほどの。あの技は威力が高い分、身体に負担かかるわけじゃな。だが、主様のおかげで身体に支障はないだろう」

「はい。ご主人様のおかげで、この奥義を出す前になりました。ありがとうございます、ご主人様」

「さてと、鬼との間にできたから。一葉、トドメは任せるぞ」

「うむ!主様も剣の分身体を創ってくれ」

「わかった!」

力強く頷いた一葉は、鞘から刀を抜いて地面に突き立てた。俺は剣を持ちながら創造の力を発動。小波の奥義であるお家流の次は、一葉のお家流だ。鬼達はあれだけのことなのに、仲間の鬼達を見向きもせずに俺の剣に向かってくる。一葉の隣で、集中するが近づいてくる鬼にはIS部隊が、迎撃をしてくる。その間に次々と創造させる。

「一葉も準備を頼む。俺も一葉を守りながら戦ってやるよ」

「うむ。その言葉だけで、力が湧くものだ!」

「背中は守らせてもらう。行くぞ!」

俺は黄金の氣を練って解放したが、一葉は白く輝く氣を解放させた。

「須弥山の周りに四大州、その周りに九山八海。その上は色界、下は風輪までを一世界として、千で小千世界、その千で中千世界、更に千で大千世界。全てを称して三千大千世界、通称三千世界と云う。余の知るところの刀剣よ。余の知らぬところの秋水よ。存在しながら実在せぬ、幻の如き宝刀よ。今、その存在を星天の下に顕現させ、余と余の愛しき人と一緒に、存分に働いてみせい。子狐丸よ、歌仙、妙法村正よ。吉音が宝刀、暁丸よ。詠美が愛刀、蒼穹丸よ」

名を呼ぶごとに、一葉の周りに浮かぶ刀たちだけど。今懐かしいのを聞いたな。吉音と詠美が持つ刀も召喚したのかよ。すげぇよ。吉音と詠美が聞いたら驚くぞ。俺も驚いているが、黒鮫隊の者も驚いている。あの刀は、拠点にいるはずの吉音と詠美の刀だとな。俺は俺で聖剣を呼び出すというより分身体だな、持っている聖剣の分身体でも当たると痛いけどな。あと祝福の能力で、分身させた聖剣のオーラも強くなっているけど。

「外道に堕ちた魂たちを、その存在を滅するまで、徹底的に刻み尽くせ」

荒ぶってもいなく、滾ってるわけでもない。淡々と呟く一葉の言葉に応じ、刀たちと俺の聖剣たちは臨戦態勢を整える。

「「いけ」」

俺と一葉の息を合わせて、刀と聖剣に命じた。

「もう一度だ、主様!」

「分かっている!聖剣よ」

小波の妙見菩薩掌と一葉の三千世界。あと俺の聖剣の分身体での攻撃。三人の攻撃を食らって、鬼達は千に届くほどの屍を大地に晒す。その様子を見た、後続の鬼達が足を止めた。 
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