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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0774話

『おい、アクセル。あの艦は一体何だ?』

 右腕を失ったバトル・ギャラクシーと、それに従う数十もの戦艦からの攻撃を回避しながら、ニーズヘッグの隣を飛んでいるアルトが俺に向かって通信を送ってくる。即座に俺に尋ねる辺りはある意味さすがだよな。
 いやまぁ、ASRSによって何も無い場所からいきなり現れた艦、マクロス世界で製造されているのとは全く違う艦影、異形の機体でもあるニーズヘッグ、異世界勢力シャドウミラー。それらを考えれば、俺に尋ねるのは決して間違ってはいないのだが。
 こちらへと向かってくる無数のビームとミサイルを、T-LINKシステムによって操られた24機のファントムによるビーム弾と腹部拡散ビーム砲で迎撃、あるいはジャマーで逸らす。同時にヒュドラに内蔵されているT.T.キャノンによって曲げたビームにより、戦艦の1つを真横から撃ち抜き爆散させて、宇宙空間に爆発の花火が1つ咲く。

「俺達シャドウミラーの旗艦でもあるシロガネ。……大きさとしてはマクロス・クォーターより若干大きい程度だし、その戦力も勝るとも劣らぬといったところだな」

 そんな俺の言葉を証明するかのように、シロガネは艦首モジュールに黒いエネルギーが集中していくのが見える。それを見ただけで、アルトには次にシロガネが何をするのか分かったのだろう。まぁ、つい先程ニーズヘッグの放ったブラックホール・ランチャーをその目で見ているんだから、同種の兵器でもある重力波砲だと考えが至るのは当然か。

『おい、待て! バトル・ギャラクシーにはランカが!』
「大丈夫だよ。シロガネがマクロス・クォーターに勝るとも劣らぬと言ったのと同様に、シロガネの艦長であるマリューもマクロス・クォーターのジェフリーに勝るとも劣らぬ能力を持っているからな。……そうだろ?」
『さて、どうかしら。私はそのジェフリーという人を知らないから何とも言えないけど、シャドウミラーの旗艦でもあるシロガネの艦長を任されている者として下手な真似は出来ないわね。それに何より、アクセルが見てるんですもの。久しぶりにあった恋人としては、張り切らざるを得ないでしょう? ……グラビティ・バスター、拡散モード。狙いはあの特機と思われる機体の周辺にいる取り巻きよ。……撃てぇっ!』

 その言葉と共にネオ・グランゾンの胸部パーツを流用して開発された艦首モジュールから広範囲に重力波砲が放たれる。その威力に関してはニーズヘッグのブラックホール・ランチャーと比べるとかなり低いが、逆に攻撃範囲に関してはブラックホール・ランチャーとは比べものにならない程のものを持っていた。
 一撃。シロガネから放たれたたった一撃によって、バトル・ギャラクシーの周囲に存在していた護衛艦はその半数以上が撃破される。
 ……にしても、バトル・ギャラクシーは種別的には戦艦なんだけどな。まぁ、最初から強行型だったから特機と見間違うのも無理は無いか。

『すげえ……何て威力だ。……じゃなくて! おい、今恋人とか聞こえたぞ!? シェリルはどうするんだよ!』

 アルトはグラビティ・バスターの威力に唖然としつつも、すぐに我に返ってそう尋ねてくる。

「その辺は既に全員了承済みだし、シェリルも知ってるからな。お前が心配する事じゃ無い。それよりも、お前はもっと心配する事があるだろ?」
『え!? ……マジか。いや、そうだな。確かに俺が今やるべきはランカを助ける事だ』
「よし、じゃあ早速行くぞ。幸い奴等は今の攻撃で混乱しているし、挟み撃ちの状況に対処しなければいけない。それを考えれば、更に奴等の手は少なくなる」

 事実、俺の言葉を証明するかのようにギャラクシー船団の戦艦は当初の半数以下となった艦数のうち、更に半分。最初から考えて4分の1近くもの艦を反転させてシロガネへと向かわせている。向こうにすれば、これまでの戦いやランカのライブの時に恐らくは映像で見た俺という存在はともかく、シロガネに関しては完全に想定外だったのだろう。その対応をするべく残存する戦力の半分を振り向けたのだ。

『いや、ちょっと待てよ。本当にいいのか? 向こうは10隻近い戦力だぞ!? さすがにアクセルのところの旗艦でも、戦力的に1:10じゃ厳しいだろ!? 応援に向かった方が……』
「シャドウミラーの戦力を過小評価して貰っては困るな」

 その言葉を証明するかのように、シロガネから発進するシャドウミラーの部隊。前線指揮官でもあるコーネリアのラピエサージュを始めとした他の幹部達の機体も出撃してくる。その中でも特に目立っているのは、当然ながらエキドナのヴァイサーガ、ギルフォードのヴァルシオン改、ムラタのトリニティゲインの特機3機だ。

『おいおいおいおい、何だよあの馬鹿げた大きさの機体は』

 唖然としたアルトの声。それが視線の先にある機体がどれだけ有り得ない存在なのかを如実に現している。
 
「特機という種類の機体だ。それよりあまり油断するな。向こうも次の手を出してきたぞ!」

 そもそも、馬鹿げた大きさと言えばバトル・フロンティアの方が圧倒的に上だと思うんだが、マクロス世界の住人にしてみれば特機とマクロス級は色々と違うのだろう。
 映像モニタには、反転させた戦艦から無数の機体が出撃してくるのが見て取れる。同時に、それはこちらを警戒しているバトル・ギャラクシーや残りの戦艦からも同時だ。だが、その出撃してきた機体を見てアルトは思わず驚愕の声を上げる。

『ちょっと待て! あの機体は……ゴーストV9!? 嘘だろ!?』

 出撃してきた機体は2種類。1種類は既にお馴染みとなったギャラクシー船団で採用されているVF-27。これに関しては問題無い。予想済みだったと言ってもいいだろう。だが、もう1種類。あからさまに無人機であることを示すそのシルエットがなんなのかを俺は知っていた。その系譜ともいえる機体をフロンティア船団でも使われているのだから当然だが、しかしギャラクシー船団から出撃したその機体は、以前ルカのVFの講習でも出てきた機種だ。即ち、マクロスプラスに出てきた無人機ゴーストX-9の直接的な後継機でもあるV9。
 だが、考えてみればギャラクシー船団はインプラントやサイボーグといった行為が合法であり、逆にそれを追求しているのだ。それを思えば、ギャラクシー船団がゴーストV9を使うのはある意味で当然だろう。例えそれがかつて地球のマクロスシティを一時制圧した機体の直系機であったとしても。
 にしても、かつてのスーパーノヴァ計画でゴーストX-9と戦ったYF-21を開発したゼネラル・ギャラクシー社をスポンサーにしているギャラクシー船団がゴーストV-9を使うとはな。
 否、だからこそか。だが……

「それでも、まだまだ甘い。俺達を、シャドウミラーを甘く見て貰っては困るな」

 呟く視線の先では、シロガネから無数に出撃してくるメギロートとシャドウ。
 そして当然ゴーストV9は、バトル・ギャラクシーに接近している俺達に向かっても攻め寄せてくる。

「ニーズヘッグの名は伊達じゃないんだよ!」

 素早く、そして複雑な軌道を描きつつ俺の方へと向かってくるゴーストV9だが、その程度のマニューバで俺をどうにか出来ると思って貰っては困る。
 放たれたミサイルはジャマーを展開してあらぬ方向へと逸らし、ビームはヒュドラのスラスターを操作して全て回避。……のみならず、そのままツイン・ドライブを全開にして逆にこちらからゴーストV9との距離を縮め、ヒュドラの先端から伸びた18本ものビームサーベルで横を通り抜け様に斬り捨てる。そのままエナジーウィングから刃状のエネルギーが面射撃とも呼べる程の密度で放たれ、得意の機動力や運動力を活かす間もなく撃破されていく。
 チラリとステータス表示されている撃墜数を見るが、やはり無人機の為なのだろう。数字は全く増えていない。
 その様子に内心で舌打ちをし、アルトもまた俺と同様にゴーストV9を撃破している光景を見て小さく頷く。
 新統合軍の機体もかなり押されてはいるが、シロガネが背後から放った一撃が効いているのだろう。向こうの戦力の数自体が減らされている事もあって、新統合軍のVF部隊も3~4機でゴーストV9やVF-27を1機相手にするという戦術をとっている為に損耗はそれ程ではない。
 それらを見ながら、再度シロガネに通信を送る。

「マリュー、赤い機体は無人機である分、無茶な機動を取る事があるから気をつけろ。それと、モスグリーンの機体は戦闘機以外にも人型や、半人型とも呼べる形態になる事もあるぞ」
『敵は動きが速いけど所詮戦闘機よ! スパイダーネットで足を止めて! 同時に、対空ビームバルカン砲で近づけさせないで! 分かったわ。大丈夫、安心して。シャドウミラーはあの程度の敵にどうにかされるような弱い部隊じゃないのは、アクセルが一番よく知っているでしょう?』

 そんな風に笑みを浮かべ、再びシロガネの指揮へと戻っていく。
 全く、頼もしい艦長だよな。
 なら、少しでも向こうを動揺させる意味でもいつもの演説をさせて貰うか。これで少しでもグレイス達が動揺してくれたら儲けものってな。
 通信をオープンチャンネルにし、小さく息を吸ってから口を開く。

「シャドウミラー各機、敵を殲滅しろ。向こうは所詮他人を利用する事でしか自らの利益を得られない弱小共だ。幾多もの世界の戦乱を制したシャドウミラーの力を見せつけろ! それがこの世界での俺達シャドウミラーの力の証明となる。嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!」

 その言葉がどれだけの影響を与えたのかは分からない。だが、少なくてもシャドウミラーの幹部達に関しては間違いなく士気が上がるだろうし、オープンチャンネルであった以上ギャラクシー船団も、そしてフロンティア船団も話を聞いていた筈だ。
 フロンティア船団に関して言えば別に威嚇する意味も無かったのだが、それでもこの戦闘終了後の交渉を思えばこちらの戦力と練度を見せつけておいて悪い事は無いだろう。
 もっとも、ギャラクシー船団の戦力に対しては思った程動揺を誘う事が出来なかったらしい。いや、ギャラクシーの戦力は無人機でもあるゴーストV9とサイボーグ用の機体でもあるVF-27なのだから無理も無いか。

「アルト、行くぞ。ランカのいる場所は把握できているか?」
『あ、ああ。バジュラの動きが止まった時に大体の位置は……』
「ならとっととランカを助け出すぞ。このままギャラクシーを好きに動かせる状態にしておくというのは嬉しくない」
『分かった、ランカのいる場所は恐らくこの辺りだ』

 その言葉と共にVF-25Fからのデータが送られてくる。表示されたのは、バトルギャラクシーの胴体部分。ある意味で予想通りと言えば予想通りの位置だ。

「よし、分かった。なら行くぞ。俺が胴体部分に穴を開けるから、お前はそこから突っ込んでいけ」
『了解!』

 その言葉を聞き、アルトの機体を先導するようにして最大の武器である右腕を失ったバトル・ギャラクシーへと突っ込んでいく。とは言っても向こうにもマクロス・キャノン以外の武装も当然数多くある。放たれるミサイルはジャマーの効果によって逸らし、ビームや弾丸は回避しつつアルトに当たりそうな物だけをニーズヘッグの防御装置で弾いていく。こちらにちょっかいを出そうとするVF-27やゴーストV9もいるのだが、それらの敵は念動力によりコントロールされたファントムやヒュドラから発射されるビームで通り抜け様にダメージを与え、あるいは撃破していく。
 何気なくステータスを表示すると、そこに恐らくVF-27を撃破しても撃墜数が増えている様子は無い。ちっ、ギャラクシー内部かどこかから遠隔操作されている機体か。
 とにかくやるべき事は決まった。撃破しない程度の、アルトのVF-25Fがバトル・ギャラクシー内部に突入する程度のダメージを与えるというのが若干面倒だが、あの巨体を考えればそれ程神経質になる必要は無いだろう。

「加速」

 精神コマンドの加速を使い、ただでさえ周囲を飛び回っている機体とは桁外れの機動力を有するニーズヘッグの速度を上げる。そのままツイン・ドライブ、ヒュドラのスラスター、エナジーウィングの推力をそれぞれ全開にすると急速にバトル・ギャラクシーの巨大な姿が近づいてくる。
 向こうも向こうでこちらを危険だと判断したのだろう、残った左手や各所からビームやら弾丸やらミサイルやらを発射してくるが、その全てをかいくぐり……

「アダマンハルパー展開! モード・ランス!」

 その言葉と共に、ニーズヘッグ以上の大きさを持っていた大鎌は瞬時に馬上槍へと姿を変える。それもより大きく、鋭く、固く、だ。
 ニーズヘッグが馬上槍を持っているのでは無く、寧ろ馬上槍にニーズヘッグがくっつているような状態のまま、まっすぐに突き進み……アルトが送ってきた、ランカがいると思われる場所から少し離れた場所へと向かって突撃する。
 ギャリリリンッ、という聞き苦しい金属音を立てながらも、馬上槍はバトル・ギャラクシーの脇腹を見事に抉り取り、俺の後ろをついてきていたアルトがその中へと突入していく。
 それを見ながらGを無視して機体をその場で反転。内部へと突入しようとしていたアルトを待とうとしたところで、背後を突破してきたのだろう。メギロートとシャドウがこちらへと向かってくるのに気がつく。
 丁度いいとばかりに俺に近づいてくる敵を撃破するように量産型Wに命令し、俺はやるべき事をこなすために準備を整える。

「T-LINKシステム、フルコンタクト! トロニウム・エンジン、フルドライブ!」

 T-LINKシステムとのリンクレベルが跳ね上がり、同時にトロニウム・エンジンのフルドライブにより出力が高いレベルで安定する。T-LINKフレームによって形作られている装甲が赤く輝き、同時に機体各所から真紅の粒子が放出される。

「愛、直撃。……バリオン創出ヘイロウ、起動」

 精神コマンドを使用し、T-LINKシステムを通してニーズヘッグの背中に背負われているバリオン創出ヘイロウが起動、バトル・ギャラクシーの右腕を吹き飛ばしたブラックホール・ランチャーとは桁違いのエネルギーを生み出し、そのエネルギーはT-LINKシステムによるコントロールに従って砲身へと注ぎ込まれる。
 ブラックホールエンジンやトロニウム・エンジン、魔力、念動力といったエネルギーを1つに纏め上げ、その全てのコントロールをT-LINKシステムによって行う。
 チラリ、とバトル・ギャラクシーの脇腹から脱出してくるVF-25Fの姿を確認。

『アクセル! ランカを救出したぞ!』

 喜色満面の声に頷き、映像モニタにランカの顔が映し出されているのを確認して小さく頷く。だが声は掛けない。そのような余裕が今は無いのだから。
 それ故に無言で行けと目で命令し、トリガーのロックを外すべく口を開く。

「嘲笑する虐殺者の名の下、神々の黄昏をここに」

 そしてトリガーが引かれ……砲口から放たれる極小規模のブラックホール。ネオ・グランゾンが使用する縮退砲で放たれるブラックホールよりも小さいが、それは圧縮率を余計に高めているが故だ。全てに破滅をもたらす漆黒の塊が、バトル・ギャラクシーに接触した瞬間に重力崩壊を引き起こす。そして重力崩壊が周辺へと広がる直前にトロニウム・エンジンの最大駆動によって作り出された莫大なエネルギーが放たれ、重力崩壊を起こしていた空間に着弾。重力崩壊を一時的に押し留め、その代償として重力崩壊とエネルギーが融合し、結果的に更に凶悪な破壊力を生み出す。
 既にこの時点でバトル・ギャラクシーはその形を保てない程に破壊され尽くしていた。周囲へと広がろうとしたその破壊的なエネルギーをT-LINKシステムにフルコンタクトした事によって増幅された俺の念動力で生じた結界が包み込み、バトル・ギャラクシー以外への干渉を遮断する。
 ただし外に影響が出なくなった分、念動力の結界とも呼べる存在により行き場の無くなった重力崩壊と莫大なエネルギーはより圧縮され、濃縮され、破壊力を二乗倍にしていく。次にその念動力の結界そのものをグレートグランドマスターキーによって生み出された魔力で覆い隠して周囲から完全に隔絶し……魔力の結界が解除された時、既にそこにはバトル・ギャラクシーと呼べるべき物は何1つ残っていなかった。それこそ、部品の1欠片すらも。
 神々の黄昏、ラグナロク。それが終わった後に生き残っていたのは伝承通りに嘲笑する虐殺者の名を持つニーズヘッグだけだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1390
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1113 
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