ハチャメチャな青鬼
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第4話
前書き
前回、ルイス君が退場しました。
さぁ、今回の犠牲者は・・・?
頭を失ったルイスの体が、床に落ちた。
「せ、先生・・・?」
「あ、あぁ・・・!」
志玄と琴音は、立ち止まってしまっている。
しかし、泰斗は。
「くっ!」
効かないとは思っていたが、あえて妖刀で殴った。
言わずもがな、囮になる為である。
当然、全裸の巨人に当たった時点で止まった。
だが、そいつの狙いが自分に移るのを感じ取った泰斗は、階段に駆け出した。
「はやく逃げて!」
泰斗が呼びかけると、ようやく琴音が再起動した。
「兄さん、逃げますよ!」
「放せ琴音!先生が!」
「私たちの誰か一人が脱出すれば帰れるんです!今は逃げましょう!」
いいつつ、琴音が志玄を抱き上げた。
そして、泰斗とは別の階段から逃げた。
[あれ?私たち置いてかれました?]
[マスターも動けませんしね。ここで止まってましょう]
・・・ルイスの相棒達のそんな会話が虚しく響いた。
・・・その頃、泰斗。
「しつこいな、こいつ!」
愚痴をこぼしつつ、泰斗は1階まで降りてきた。
そして、廊下で止まって、全裸の巨人に正対する。
全裸の巨人が腕を伸ばしてきたとき、その腕に妖刀を立てる。
そして、棒高跳びの要領で全裸の巨人を飛び越え、そのまま駆け出す。
「う、うまくいった!この方法でどうにかなるのは意外だった!」
言いつつ、2階に戻る。
そして、先ほど開いた部屋に転がり込んで、隠れられそうな場所を探す。
角にあるタンスに目を付けた泰斗は、そこに飛びかかった。
タンスの戸を、妖刀を使ってテコの原理でこじ開け、タンスに飛び込んで、扉を閉める。
直後に、バタンと、ドアが開く音がした。
そして数秒後、ドアが閉まる音がした。
その数秒が数時間のように感じられた泰斗だったが、ドアが閉まる音がしたのを確認してから、扉を
少しだけ開けて、外の様子を伺う。
全裸の巨人がいないのを確認した泰斗は、タンスから出た。
「結構狭いな、タンス。キツイぞ。まぁ逃げ続けるよりはマシなんだけどさ・・・。
・・・ん?」
そして、邪魔になると考えて隅の方に放った妖刀を拾った時、何かに気がついた。
それを拾い上げると。
「・・・鍵?」
鍵だった。
『1F 図書室の鍵』と書かれた紙の入ったタグまで付いている。
「・・・こんな感じで鍵が見つかればいいんだけどな・・・」
そんな簡単じゃないよな。
そう思いつつ、泰斗は階段で1階に降りた。
しばらく1階を探索していると、ドアに付いたプレートに『図書室』と書かれた部屋に着いた。
「ここか・・・?」
手に持った鍵を差し込んで、ドアノブを捻る。
ガチャ。と音がして、扉が開いた。
中の様子を伺い、捕食者がいない事を確認してから、泰斗は図書室に入った。
「本棚が多いな・・・。視界が悪い・・・」
つぶやきながら、いろいろと探索していると。
「ん?メモ?」
泰斗が、古びたメモを見つけた。
「なになに。
『この館にはとんでもない化け物がいる。全裸のブルーベリー色の巨人だ。
いちいち言うのも面倒だから青鬼と呼ぶが、こいつはかなりヤバイ。
銃で撃ったりしても効いてないし、何かに特化したタイプもいる。
このメモを見た奴、ここから逃げろ。これを使え』
・・・玄関の鍵だ。話が旨すぎる気もするけど・・・」
そこまで言って、視界が少し暗くなったのを見た泰斗は、咄嗟に振り向いて妖刀を盾にした。
直後、捕食者―青鬼が、拳を振り下ろした。
(お、重い!なんて力だ・・・!)
上からの力に耐えつつ、泰斗が青鬼を観察してみると、やけに筋肉質だった。
そして、腕も太くなっている。
(特化型って奴か・・・!?)
そこまで考えたところで、泰斗は考えることが出来なくなった。
目の前の青鬼が、脇腹に蹴りを入れたからだ。
ゴキリ、と嫌な音が泰斗の体内で響いた。
その痛みで、力が緩んだ。
その隙を見て、青鬼がアッパーを繰り出した。
泰斗の体が、紙のように浮き上がり、数秒空を舞い、叩きつけられた。
妖刀も遠くに吹き飛んでしまった。
そして、泰斗に青鬼が飛びかかり、足で泰斗を固定した。
そして、泰斗の顔面に青鬼の拳が振り落とされた。
後書き
以上です。
最後のシーンは、スクワット青鬼です。
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