転生とらぶる
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マクロスF
0771話
ランカの巨大な姿がバジュラ本星に浮かび上がる。それこそ、この惑星のどこにいても分かるような、それ程に巨大な姿。
『アクセル、どうなってるの? 知ってる子? 敵の中に姿を現したんなら……きゃあっ!』
マリューがシロガネから俺へと通信を送ってくるが、会話の途中で悲鳴を上げる。何が起きたのかは明らかだ。つい先程まではシェリルの歌によって混乱し、あるいは戦闘行動すら取れなくなっていたバジュラが、ランカの歌によってその力を取り戻したのだ。……いや、メギロートから送られてくるフロンティア船団との戦い、あるいは惑星上で行われている俺達シャドウミラーとの戦いでもバジュラの力は戦闘が始まった時以上のものを感じさせる。
現にシロガネはフォールドによって突然真横に現れたナイト級バジュラから放たれた強力なビームをまともに食らったのだから。
だが、それでもさすがにシャドウミラーの旗艦でもあるシロガネだけあり、Eフィールド、G・テリトリーの2つによって完全にビームの遮断に成功していた。ビームコーティングされた装甲まで到達しなかった辺り、ダメージ的にはかなりの余裕があったのだろう。ただし、その衝撃までは完全に消しきれなかったようだが。
とにかくマリューの無事を確認した以上、俺がやるべき事は……
「マリュー、そっちにダメージは無いな?」
『え、ええ。衝撃でちょっと揺れたけど、ダメージは皆無よ』
「そうか、なら地上の戦闘はお前達に任せてもいいな? 戦闘指揮に関しては今まで同様コーネリアに任せる」
ニーズヘッグを脅威と認識したのだろう。通信をしている間にも次々に重兵隊バジュラや機動兵隊バジュラが姿を現してはこちらへと向かって攻撃を仕掛けてくる。
だが、VF-25やYF-29に乗っていた時ならともかく、俺のパイロットとしての能力を存分に活かせる機体であるニーズヘッグに乗っている時点でその攻撃は無意味だ。
T-LINKシステムによる機体制御で、操縦をするでも無く俺の念動力に従って空を縦横無尽に動き回る。当然バジュラから放たれる重量子ビームやミサイル、弾丸、あるいは近接攻撃用の刃や手足といったものも、その全てが当たること無くあらぬ方向へと飛んでいく。
「幾ら能力が上がったところで……俺とお前達の能力差を覆せる程の物じゃ無いんだよ! アダマンハルパー、ナインテール・モード!」
その言葉と共に、ニーズヘッグの持っていた巨大な鎌が9条の鞭へと姿を変える。同時にその鞭をブラックホールエンジンと時流エンジンの圧倒的な出力を使って振るい、10数匹のバジュラが一瞬にして砕け散り、その破片を降らせて大地を血と肉片で染める。
『アクセルはどうするの? っ!? バジュラを近づけないで! 対空ビームバルカンの弾幕が薄いわよ! 敵の集まっている地点に向けてホーミングミサイルを発射、それを囮にして連装副砲と連装衝撃砲を撃って!』
向こうも向こうでバジュラに攻撃を集中されているのだろう。こちらに通信しながら量産型Wへと指示を出している声が聞こえてくる。
「全て纏めて消滅しろ。……メガ・バスターキャノン、発射!」
俺もまた、こちらへと重量子ビームを放とうとしている10匹程の重兵隊バジュラへと向かい、ヒュドラ後部に内蔵されているメガ・バスターキャノンを放つ。
莫大なエネルギーの奔流が放たれる。その威力は反応弾すらも無効化するバジュラでも防ぐ事が敵わず……それどころか、こちらへと向かって重量子ビームを撃ち込もうとしていた重兵隊バジュラの集団が瞬時に、文字通りの意味で消滅した。
それを見ながらシロガネで量産型Wへと指示を出しているマリューへと改めて言葉を続ける。
「この惑星内の戦いは、幾らバジュラの動きが良くなったと言ってもまだ7:3で俺達シャドウミラーが有利なままだ。しかも幹部の乗っている機体を抜かした状態でな。ここにコーネリア達の戦力を考慮すれば9:1くらいには出来るだろう。……短期間、ならな」
そう。俺やメギロートはともかく、コーネリア達は人間だ。戦闘を続ければ嫌でも疲労が蓄積してくる。それはシャドウミラーの、メギロートと並んだ主戦力でもある量産型Wも同じ事。人造人間である以上、どうしても疲れの類は蓄積する。
そしてバジュラの最も脅威なのは、その物量なのだ。それを考えれば、何日間も延々と戦闘を続ける訳にはいかない。
「バジュラが戦闘力上昇をしたのは間違いなくランカが……」
呟き、ヒュドラのビーム砲を放って機動兵隊バジュラ数匹を纏めて撃破しながら、映像モニタに映し出されている巨大なランカの姿を視界に入れる。
「あそこにいる映像の女が鍵になっている。で、そのランカを正気に戻す為の手段が、今現在宇宙で苦戦している訳だ」
ランカを正気に戻す鍵、それは2人いる。ランカのライバル兼姉的存在のシェリル。そして、ランカの恋人……とまではいかないが、それでもランカの兄でもあるオズマを除いて最も親しい存在であるだろうアルトだ。
その2人は現在宇宙でバジュラを相手に、アルトはVF-25で、シェリルは歌で戦っている。
ランカを殺すのでは無く、助け出す。その手段を選択するのならこの2人の協力は不可欠だろう。
『……分かったわ。まぁ、実際にアクセルがいない状況でもこっちの戦力が勝っているのは事実なんだし、何とかなるでしょう』
事実、こうして会話をしている間にもホワイトスターの方からメギロートやシャドウが転移してきては素早く自分達がやるべき事をやっていく。
メギロートは戦闘用のAIに従ってバジュラの数を減らすべく数機が一斉にサークル・レーザーを放っては数匹の機動兵隊バジュラを消滅させ、同様に数機のメギロートが重兵隊バジュラの懐に潜り込んでは角で腹を突き刺し、あるいは腹の部分を噛み千切っていく。
質では圧倒的にこっちが有利で、尚且つ量に関しても次第にどうにか逆転しつつある。
ただ、ランカの歌のせいでバジュラが攻撃的になって的確な行動を取るようになったので、力尽くでバジュラの親玉、クイーンまで辿り着けるというのは色々と甘い考えだったらしい。
にしても、何故ランカが?
いや、誘拐された以上は洗脳なりなんなりをされているんだろうけど……それにしても、まさかバジュラと行動を共にするとはな。その辺に関しては恐らくグレイスが何らかの手段をとったんだろうが……
「とにかく、惑星上での戦いは任せるぞ。俺は宇宙の方に向かうから」
『ええ、分かったわ。気をつけてね。……新しい恋人にもよろしく伝えておいてちょうだい』
「そうだな、きっとお前達とは仲良くやっていけるよ。……システムXN起動、転位座標入力。転移フィールド生成開始。……転移」
光の繭のような転移フィールドがニーズヘッグを包み込み、次の瞬間には周囲の景色が惑星から宇宙空間へと変わっていた。そして、真っ先に目に入ってきたのはバジュラ艦でもあるナイト級バジュラが、その先端を展開して今にも強行型になっているバトル・フロンティアへと……
「させるかっ! メガ・バスターキャノン、発射!」
その言葉と共に、後部ヒュドラに内臓されているメガ・バスターキャノンから巨大なビームが放たれる。そのビームは、まさに先端を展開していたナイト級バジュラの真ん中を貫通し、更にその奥にいたもう1匹のナイト級バジュラを穿って、2匹同時に爆散させた。そのまま向こうを混乱させないように身体を20代から15歳へと変えてからバトル・フロンティアへと通信を送る。
「こちらS.M.S所属のスカル4、アクセル・アルマー大尉だ。バトル・フロンティア、応答を」
その言葉の後、数秒して通信が繋がる。現れたのは、グラス大統領との会談の時に新統合軍側のトップとして出てきた人物だ。確かペリオ准将だったか。
『救援感謝する。それで、アクセル大尉。君がここにいるという事は、ホワイトスターとか言ったか。そこと連絡がついたのかね? いや、見た事も無いその機体に乗っているのを見れば、答えは聞かなくても分かるか』
「ああ、問題無くな。現在バジュラ本星ではシャドウミラーとバジュラが戦いを繰り広げている。基本的には俺達の方が有利だが、何しろ相手はバジュラで無数に援軍を送ってくるからな。シェリルの歌に合わせて一気に押し込もうとしたら……あの有様だ」
ちらり、と視線をこの宇宙空間からでも見える巨大なランカの映像へと向ける。
「そちらで何か情報は?」
『いや、全く入っていない。ただ、彼女がレオン・三島の手の者に連れ去られたというのは聞いている。そうなると、恐らく……』
「洗脳、だろうな」
まぁ、正確にはあのキノコの手の者じゃ無くてグレイスの部下でもあるブレラに誘拐されたんだけどな。その辺は結果的に同じか。
『うむ。恐らくは間違いないだろう』
「それでそちらの対応は?」
『S.M.Sからの要請で、なるべく救助したいとは考えている。……考えてはいるのだが、何しろ彼女の映像が現れて歌い出してからバジュラの勢いは強まるばかりだ。最悪の事態を考えねばならん』
決然と言い放つペリオ。だが、その噛みしめている唇を見る限りではやはり悔しいのだろう。ランカはフロンティア船団で生まれたアイドルでもあり、対バジュラで希望の光ともなっていた人物だ。それだけに、バジュラとの戦いで負け続けてきた新統合軍の司令官としては、思うところがあるのか。
なら、ここは俺が出るべきだろうな。それと、キャスト的にアルトとオズマも。ランカの件はシェリルも心配していたし、それなりに顔見知りだった俺としても見捨てるのは後味が悪い。
それに、純粋に親切心からだという訳でも無い。ここでランカを助ければ、それはフロンティア船団に対して限りなく大きな貸しを作る事になる。そしてそれは、バジュラ本星を得てからのお互いの力関係にも影響してくる。
『……頼む』
ペリオも俺が思っている事くらいには考えが及んでいるだろう。そうでもなければフロンティア船団に派遣されている新統合軍の司令官なんて出来ないだろうし。
それでも頼んできたのは、やはり現状を打破するには俺達に頼るしかないからだろう。
「了解した。なら、すぐにマクロス・クォーターと合流する。この機体は味方だという連絡は徹底してくれ。新統合軍に攻撃された場合はこちらからも反撃するかもしれないからな」
そう告げ、バトル・フロンティアから離れる。
同時に、新統合軍のVF-171EXが作っている防衛ラインを突破してきた機動兵隊バジュラを通り抜けざまにエナジーウィングで斬り裂きながら、マクロス・クォーターの反応がある方へと進んでいく。
ああ、それと新統合軍にしてみれば俺達シャドウミラーが具体的にどれ程の戦力があるのかを確認したいという意味もあるんだろうな。
別にそれは悪い事じゃない。フロンティア船団や新統合軍にしてみれば、俺達シャドウミラーは全く未知の勢力だ。だというのに、向こうは俺に対してこのマクロス世界の技術を知られてしまっている。
それを思えば、少しでもこちらの戦力や情報を集めたいと思うのは無理も無いことだろう。
そんな風に考えつつ、通り抜け様に右前方のヒュドラのビームサーベルを振るい、重兵隊バジュラの重量子ビームを放つ角を切断、同時に左前方のヒュドラのビームサーベルで重兵隊バジュラの右足3本を纏めて切断。最後の仕上げとばかりにアダマンハルパーでその身体を左右2つへと切断する。
こうして複数の武器を殆ど同時に扱えるのは、念動力を感知・増幅してくれるT-LINKシステムあってこそだ。やはりニーズヘッグが俺の機体として最も相応しいと思えるのはこういう時だな。
そんな風に思いつつ、行きがけの駄賃とばかりにヒュドラからファントムを放って、VF-171EXの背後から今にも攻撃をしようとしていた機動兵隊バジュラへとビームソードを展開しながら突っ込ませ、同時に他のファントムでビーム弾を放つ。
横を通り過ぎるその一瞬で機動兵隊バジュラも息の根が止まったのを見ながら、戦場となっている宙域を駆け抜け……俺が行動するのに邪魔なバジュラのみを斬り裂き、穿ち、撃ち抜きながら進んでいると、やがて戦闘の最前線で戦っているマクロス・クォーターへと到着する。
そのまま動きを止めずに突き進み、そのままマクロス・クォーターの前へと姿を現して通信をつなげる。
「マクロス・クォーター、聞こえているな。こちらスカル4、アクセル・アルマーだ」
『アクセル大尉!?』
キャサリンの驚く声が聞こえてくるが、それを流してそのままジェフリーへと声を掛ける。
「このままランカを助け出す。アルトとオズマをこっちで使うが、構わないな?」
『よかろう』
『艦長!?』
即断即決。細かい説明をしなくてもすぐに対応出来る判断力はさすがだな。
その言葉を聞き、歌い続けているシェリルに一瞬目を向けたその瞬間、機体越しだというのに、間違いなく視線が合ったのを感じた。
そして、ランカを助けて欲しいという意思も。
「オズマ、アルト、聞こえていたな。ランカを助け出すぞ。ついてこい!」
『了解!』
2人揃っての声を聞きつつ、惑星上に存在するランカへと進路を取るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1065
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1048
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