BRAIN ~ブレイン~
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炎刀 『蒼炎』ソウエン Ⅱ
前書き
蒼炎―――月下のもとに在る
そして、月夜に輝くものだと
陽に存在してしまっては不幸の始まりだと
陰に存在してこそ意味がある
もし、陽に存在したいのならば―――
そっと輝きだすのが絶対的理論だ
老化が少し騒がしくなる
「ん?少し煩いな」
「そう・・・ですね。行きましょうか、柚子」
「ですね。気になって仕方ありませんので」
大広間に行くと部屋にいるときよりも騒ぎの声が少しばかり大きく聞こえた
「なにごとですか!」
群衆が一斉に目を向ける
「樺恋様!大変で御座います!この手紙を」
そういって差し出された一通の手紙
何もかも黒であり、少しばかり気味が悪く、禍々しい感じがした
「この感覚・・・」そっと呟く
樺恋が手に取ろうとしたとき
「その手紙、俺に読ませてくれないか?」
「また若造か!」
「はぁ・・・本当に何も知らないんだな。こういうのも契約事項第19条にあるんだよ」
納得しないという表情だが無視をして手紙を手に取る
文面には
≪刻神家 次代当主である刻神樺恋とその傀儡である執事などに送る
今日から3日後にその命を貰い受ける。
天から授かりしものは、天へと変えるのが理論
我等、漆黒の騎士≪ブラック・ナイト≫が神の死徒となる
残り許された時間を思う存分に使うがよい。
当日は、家へとお向かいへ参る≫
少しの間だが沈黙が訪れた
それはそうだろう。文面で見るのも気味悪いのにそれを声に出して読むとなると尚更気味が悪い
背後に嫌な感じがあり、ホルスターから白銀の刃銃を抜くと同時に撃つ
勿論命中した
「あー、やっぱりな」
そう呟きながら、先程、撃ったもののあたりに小走りで行き、残骸を手に取る
「貴様!何をやっておるのだ!ここは刻神家じゃぞ!」
「知ってるさ、そんなこと。あいにくだが俺も名家の生まれなんだよ≪詩紋家≫のな」
「まぁ、そんなことはどうでもいい。これを見ろ」
手を伸ばす
掌にあったのは、盗聴器兼盗撮器の小型機械
「これは・・・」
一番に驚いたのは樺恋
無理もないだろう。先程から無言だったが犯行の手始めを見て声を出さないのは無理もない
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