VenusBlood-d×d-
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龍達の敵 デスドラグーン&万魔を欲すヴェラナート
前書き
大変お久しぶりです、ご心配とご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。
約四ヶ月ぶりの投稿です、私はこの間私的な事柄で投稿する事ができなくなっていました。ですがそれもようやく解決しまして、今日からまた投稿を再開します。投稿のペースは前と同じく週一を目指してやって行こうと思っています。こんな私ですがこれからよろしくお願いします。
会合から暫らく、魔王主催のパーティなどに参加してながら日々は過ぎて行き三つ巴のレーティングゲーム当日になった。
レーティングゲームの為に用意された空間その中のデパートの一角。さり気ない飾りつけなどがされ購入した食品をすぐに飲食をする為のスペースが用意されたオシャレなパン屋に私達は待合室から転送された、ここが私達の本拠地のようね。
「さて、いっちょう派手に暴れてやるか」
肩に魔装、万魔を欲すヴァラナートを掛けながら凶悪な笑みを浮かべそう言ってヴェズは進もうとする、それを秘書官のメニアが引き止める。
「ヴェズさま、レーティングゲームは団体戦です。身勝手な突撃などはお控えください」
丁寧な言葉使いだけど、その言葉には頑として譲る気は無いと強い意志が感じられる。
「ち、わーかってら、とりあえずお袋の命令通りに動いた後は自由かつ早い者勝ちだよな?」
「ええ、前もって言っておいた相手を負かしたら、後は好きな相手と戦って良いわ」
メニアに諭され不機嫌な顔をしていたヴェズが私の言葉を聞いて再び凶悪な笑みを浮かべはじめる。
「俺はできるならリアス・グレモリーの相手をしたかったな、良い身体つきをしてたからな」
「俺はソーナ・シトリだな、グレモリーには劣るが美人だし、なにより話が合いそうだ」
その間に技術組の2人は下世話な話を始める、まあキルトもテオも好き者だからしかたないわね、でも戦闘中に彼女達に不埒な真似をしないか心配ね。
「フィーナ」
「はい」
私の後ろに控えるノーラの、さらに後ろに控える副メイド長のフィーナに声を掛ける。
「あの2人が不埒な事をして私が命じたら、2人を問答無用でぶちのめして来て頂戴」
「畏まりました」
私の言葉にキルトとテオが、『えー』と抗議の声を上げるけど。
「戦いに支障が無い程度なら目を瞑るから、ちゃんと戦って頂戴ね」
私がそう伝えるといやらしい顔をする2人、その2人の足をフィーナが踏む。
「「イタ!!」」
「不潔です、御二人共」
試合前だっていうのにわけあいあいとしてる、まあ下手に緊張してたりするよりかわ良いけど。
「フリードは誰と戦いかった?」
話し合いには参加せず、目を瞑り壁に寄りかかっている息子のフリードに声を掛ける。
「聖魔剣かデュランダルだな、俺の剣とどちらが強いか試してみたい」
フリードは腰に差している剣、雷剣ミスティルティンを触りながらヴェズと同じく凶悪な笑みを浮かべている。
「ノーラ、近衛隊の皆、準備は良い?」
「はい、お嬢様。私含め皆殺るき、満々です」
「そう、頼もしいわね」
ノーラ率いる近衛死人隊、彼等は多くを語る事は無い、でも皆な深い未練や怨念を抱えながら私に絶対の忠義を尽くしてくれる、頼りにしてるわよ。
『開始のお時間となりました。ゲームスタートです』
ゲーム開始のアナウンスが流れる。さあ、ゲームを始めましょ。
・・・赤龍帝 兵藤一誠・・・
三つ巴のレーティングゲームが始まった、俺と小猫ちゃんはショッピングモールの中を慎重に進んでいくと、突然小猫ちゃんが手で俺の前を遮り足を止める。
「先輩隠れて」
そう言って俺は小猫ちゃんに手を引かれ物陰に隠れる、暫らくするとドスドスと足音が聞こえてきた、そっと物影から覗くと黒い竜に乗った黒い鎧を着て赤い槍を持った女性と上半身裸で赤茶色の盾と斧を持って身体の至る所に傷があり流血している男が歩いて来た。
生徒会にあんな奴等は居ない、とすれば奴等はエネルゲイヤの俺がそう考えている隣で小猫ちゃんが顔をしかめて鼻を抑えている、どうしたんだと思っているとこっちに向かって竜がいきなり黒い炎を噴いてきた。
俺と小猫ちゃんは慌てて物陰からとびたし炎を逃れ、奴等と対峙する。
「敵か」
「龍だ」
そう口ずさむ半裸男と竜に乗った女に、俺と小猫ちゃんは視線を向けた、そして嫌な汗が流れた。竜に乗った女から凄まじいまでのプレッシャーが俺に浴びせられる、何なんだこの女!?
『相棒、気を付けろ。あの女と竜は信じられんが存在その物が龍殺しだ』
神器からドライグの声が聞こえ俺に注意を促す、龍殺し!?あの竜と女が龍殺しなのか?武器の槍とかじゃなくて?
『ああ、あの女と竜は数えきれないほどの龍を殺して死んだのだろう、あいつ等が殺した龍達の怨念があいつ等自身の魂と混ざり合い、凄まじい数の龍の怨念を抱え強力な龍殺しの存在となったんだろう、あの竜の爪や牙、あの女の持つ全ての武器が龍殺しだ』
存在自体が龍殺しって訳か、ヤバすぎるな。
『それにあの男は人の身で龍の血を浴びて魔人なった狂戦士だ、元は人間だが桁外れに強いぞ』
狂戦士!?まあ確かに体中から流血してるし、よく見たら斧や盾が赤茶色なのは血の跡じゃないか!?
「敵は、皆殺しだ―――」
男が猛然と襲い掛かって来る、横振りされる斧を俺と小猫ちゃんは後ろに下がって躱すと、男は俺と小猫ちゃんの間に割って入る様に前進んで俺と小猫ちゃんを分断する、そして何時の間に移動したのか俺の前に龍殺しの漆黒の竜騎士が居る。
「我らが主以外、皆、噛み砕いてあげる」
「グギャャァァァァァアアアア」
女がそう告げて竜が咆哮を上げる、そして俺の戦いが始まった。
・・・匙 元士郎・・・
ゲームが開始されてすぐに打って出た俺と仁村と巡の前に、槍を持ったチンピラの様な金髪長髪の男と、機械式のおかしな銃らしきものを持つ学者風の男が立ちはだかった。
「一応名のとっくか。俺はテオ、こっちはヴェズだ、よろしくな」
学者風の男が名乗ってきた、エネルゲイヤが相手か。
「お前がヴリトラの匙元士郎で良いんだな?」
男が俺に尋ねて来る、俺に聞いてくるって言う事は目星が付いてるんじゃないか。
「だったらなんだ」
「そうか、ならこれから戦ってくれや・・・俺とな!!」
そう言ってチンピラ男が槍で猛スピードで突いて来た、それを紙一重で躱す、そのまま男は槍を横に薙ぎ払ってきたから、俺は槍の間合いから抜け躱す。
「「匙!?」」
「おっと、お前等の相手は俺だ」
学者風の男は銃を構え、周りに小型の機械を浮かべ引き金を引く。すると周りの機械も援護射撃を始め、仁村と巡は車の陰に隠れる。
「これでも、喰らえ―――」
巡が備品を持ち上げ、学者風の男に投げつける。
「フン、粗末な策だ」
学者風の男は鼻で笑い、今まで単発で放っていた光弾をレーザーの様に照射して両断する。
「もらった!!」
バイクを囮に巡が学者の側面から攻撃を仕掛ける。
バチン、巡の攻撃はバリヤの様な壁に阻まれ届く事は無かった。そして攻撃が防がれた瞬間、巡の足から血が噴き出した。
「がぁあ」
巡が倒れ込む、その背後に学者の機械が浮いていた、あの機械が巡の足を討ち抜いたようだ。
「だから言っただろう、粗末な策だと」
学者はそう言って、足を撃たれて動けない巡の頭に向かって引き金を引いた。
「ソーナ・シトリさまの『騎士』一名、リタイア」
「っ!?」
巡がリタイアしても戦いは続いている、槍を回避し続けていた俺だが足が動かなくなった、確認すると肉塊の様な物が足に纏わりついていた。
「余所見してんじゃねーよ」
男が俺を殴り飛ばす、とんでもなく強え一発だった、意識も飛びかけたでも会長の為に負けられね。俺は咄嗟に男とラインを繋ぐ。
「ち、おいテオ!!テメェ何俺の戦いに手ぇ出してんだ!!」
男がもう一人の方に怒鳴ってる、さっきのはあっちの仕業か。
「彼にさっさとラインを繋げて欲しかったんだよ、ヴリトラとヴェラナート、どっちが上か俺も技術者としてとても興味が有る、観察して結果を母さんに報告しなきゃならないんでな」
悪びれることもなく言ってのける学者風の男に槍の男が睨みつける。
「この―――」
仁村が猛然と突撃をしかけるが。
「弱いな」
そう言って男が、パチン、と指を鳴らすと床や壁から触手の様な物が生えてきて仁村を拘束する。そのまま銃を仁村に向ける、そしてバュウン、二村の頭を光弾が打ち抜いた、そして転送されて行った。
『ソーナ・シトリさまの『兵士』一名、リタイア』
残酷なアナウンスが聞こた、負けられねえ、こんな所で負けられるか!!
繋げられるラインを全て繋げる。
「ようやく本気か、それじゃコイツを使うとするか」
そう言って男が槍を掲げる、槍が黒い炎纏い始める、その瞬間から俺の身体を強烈な倦怠感が襲った。
「テオ、数値はどうだ?」
倦怠感から膝を着く俺をよそ目に学者風の男はSFに出て来るような空中に映し出された画面を見ている。
「出力はヴェラナートの方が遥かに上だな。まあヴリトラはまだ不完全だ、まあそれはヴェラナートにも言える事だからな」
「そうか、なら返すぜ」
そう言って男がラインを掴む、するとさっきまでの倦怠感が嘘のように消えた。
「さあ、起ろよ。負けねぇんだろ、こいよ、ぶちのめしてやる」
男が不敵な笑みを浮かべて俺を挑発してくる、上等だ。
「うぉぉぉぉぉおおお」
力の限り戦った、でも相手の方が遥かに格上だった。簡単に攻撃を躱され良いのを何発も貰った、魔力弾を何発も受けた、ラインから魔力や体力、奪える物は何でも奪った、でも相手はピンピンしている。
「おら!!」
腹に重たい一発を受けて膝を着く、ここまでなのか。
「エネルゲイヤ以外にも少しは骨のある奴が居たと言う事か」
そう言って男が不敵に笑う。
「ここまで登って来い、その時は本気でヴェラナートを使って相手してやる」
不敵に笑う男、そんな男を見ながら俺の意識は落ちていく。
負けだが気分は驚くほどすっきりしてる、全力で戦えたからか?すみません会長、俺は此処までの様です。
『ソーナ・シトリさまの『兵士』一名、リタイア』
・・・赤龍帝 兵藤一誠・・・
「クソ」
エネルゲイヤの竜騎士との戦いに俺は苦戦を強いられている。
今回のゲームのルールで建物の破壊が禁止されていて思う様に神器を使えない、それに竜と騎乗者の実質二対一、おまけに爪や牙、槍が掠るだけで激痛が身体に走る、そして激痛で動きが鈍った所に追撃を掛けられて傷を負う悪循環に陥っている。
「ハァ、ハァ、ハァ」
肩で息をしている状態だ、いっその事一旦撤退するか?
「骨も命も、全て燃えろ」
「ガワワァァァ」
竜が黒い炎を吐きながら突撃してきた、とっさに回避するがその瞬間足に激痛が走った。
「くっうう」
騎乗者の槍で足を突かれていた、足に力が入らない。
「死ね」
無情な宣告、次の瞬間俺の胸を槍が貫く。薄れゆく意識の中で俺の眼前に竜の口が広がっていた、頭に圧迫感を一瞬だけ感じ骨が砕かれる音を聞いて俺は意識を失った。
『リアス・グレモリーさまの『兵士』一名、リタイア』
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