ロックマンX~5つの希望~
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第十七話 氷の戦士
前書き
テネブラエを下し、今度は…。
今回ルナと同行するのはルインである。
エックスとゼロの治療が済んでいないのもあるし、かつてオクトパルドに占拠されたこのエリアを昔攻略したのは彼女だからである。
久しぶりの水中戦にルインは表情を顰めた。
以前来た時は水中用のアーマーがあったから余裕があったが、今回の戦いでは水中用のアーマーがないのだ。
寧ろその水中用のアーマーの力を敵が使っている。
自分の力を敵に利用されるのは少しばかり気分が悪い。
自分が倒したイレギュラー達の気持ちが少しだけ分かった。
隣のルナはウオフライに変身して、進んでいる。
…少し羨ましいと思ったのは秘密だ。
ルイン「それにしても…」
ルナ「ん?」
ルインの呟きに反応したルナは振り向いた。
ルイン「この海も随分汚れちゃったね…」
以前、オクトパルドと戦うために向かった時は、まだシティ・アーベル等の大都市が健在だったため、大規模な海水浄化が行われており、大陸棚においてはかなりの透明度を誇っていたが、今では視認が不可能な程に汚れている。
かつては多くの生物で賑わったこの海も、過去の幾度にも渡る大戦の影響を受け、最早見る影もない死の海と化してしまった。
完全にではないが、そう言っても差し支えはない。
太古の昔から身体を進化させずに生きてきた海のギャング、サメ類でさえも今や希少動物と成り下がり、その頭数が毎年減り続けている。
ルイン「…………」
ルナ「…気持ちは分かるけど、感傷に浸ってる暇はないぜルイン?」
ルイン「うん…」
2人は海の更に奥まで向かう。
メカニロイドを破壊しながら奥に向かうとかつてのコロニー破片落下事件による残骸が浮かんでいた。
その上には青いアーマーを身に纏う少年が佇んでいた。
ルナは変身を解除して少年を睨み据えた。
ルナ「よう、グラキエス。また会ったな」
グラキエス「へえ、嬉しいねえ。僕の名前、覚えてくれてたんだ。」
ルナ「あんなド派手な登場して、乗っていた戦艦をぶち壊されれば嫌でも覚えるさ」
グラキエス「だろうね。君が僕達の元になった人だね?」
ルイン「そのようだね…」
グラキエスの視線が四天王のオリジナルと言えるルインへ移る。
グラキエス「まさか、僕達と同じ人間素体型が2人も来てくれるなんて思わなかったよ。しかも僕達のオリジナルにね」
ルイン「………どうして君はシグマなんかに力を貸すの?」
今まで世界を破滅に導こうとしたシグマに従おうとするなど正気の沙汰とは思えない。
グラキエス「ふふ…そうだね、個人的に言わせてもらえば、僕はあの人に好印象を抱いちゃいないさ。死にかけの僕をレプリロイドにしてくれたことには感謝してるけどさ…」
ルイン「なら、どうして?イグニスやテネブラエのように何か理由があるの?」
グラキエス「理由ね…話すよりも見てもらった方が早いかもね。」
そう言うと同時にグラキエスは海に飛び込む。
グラキエス「おいでよ。君達に見せたい物があるんだ」
ルインとルナも海に飛び込んで、水中に。
グラキエス「君達に見せたいのはこの汚い海の底さ。僕が人間の頃、大規模な海水浄化が行われていたけど、戦いが始まって、終わったら終わったで海水浄化を後回しにして人間達は自分達のことばかり、分かるかい?結局人間達は自分のことしか考えないんだ。だから僕は人間でなくなったことに心底歓喜したね。」
ルナ「へえ…偉そう事言っても、やってる事はイレギュラーと同じじゃないかよ」
グラキエス「僕がイレギュラー?はは、面白いね、君は。僕達人間素体型は元が人間だからイレギュラー化はしないよ。僕達は自分の意志で人類に反旗を翻した。僕は薄汚い人間からレプリロイドに進化したんだ。そして僕は君達を倒して更に上を目指す…。さあ、始めようか!!」
ハルバードを構えるグラキエスに対してルインはセイバー、ルナはバレットを構える。
ルナ「当たれ!!」
リフレクトレーザーがグラキエスに迫るが彼はウォータージェットによる機動力でそれをたやすくかわす。
ルイン「波断撃!!」
セイバーを振るい、強烈な衝撃波を繰り出すが、これもかわされる。
グラキエス「無駄だよ!!アイススティッカー!!」
前方に氷塊を出し、それをハルバードで砕く。
氷の刃が2人に襲い掛かるが、ルナはコネクションレーザーで砕き、ルインはバスターを構えた。
ルイン「スナイプミサイル!!」
グラキエス「うわっ!!?」
追い掛けてくるミサイルにグラキエスは咄嗟にハルバードで受け止める。
ルナ「トランスオン!!ウオフライ!!」
ウオフライに変身すると薙刀を構えて突っ込む。
グラキエス「甘いよ」
身体を捻ってかわし、逆にハルバードによる斬撃を見舞う。
ルナ「痛っ!!?」
グラキエス「遅いなあ…もしかしてそれで最高速度?」
嘲笑するグラキエスだが、ウオフライのスピードが遅いのではない。
グラキエスの水中での移動スピードが早過ぎるのだ。
グラキエス「スラッシュハルバード!!」
2人に向けて巨大な氷の刃を放つ。
ルイン「サークルブレイズ!!」
かつて使用していたアーマーを元にした存在なら弱点は把握している。
ハイエナードの特殊武器を使い、グラキエスを狙う。
グラキエス「やば…っ!!」
弱点の炎が放たれ、慌てて回避行動を取る。
ルナ「うらあ!!」
薙刀を振り下ろすが、グラキエスはハルバードで弾き、底の方に向かう。
グラキエス「メイルストロム!!」
イソギンチャクのようなメカニロイドを数体召喚し、氷塊をを作った後、渦を発生させて巻き込もうとし、同時に氷塊が中心に巻き込まれるように降って来る。
ルイン「当たれ!!」
バスターから放たれたフルチャージショットがイソギンチャク型メカニロイドを1体破壊する。
グラキエス「やるね!!でも…」
ルイン「え!!?」
ハルバードによる斬撃を背後から喰らわせる。
ルナ「ルイン、大丈夫か!!?」
ルイン「だ、大丈夫だよ…」
グラキエス「流石だね、咄嗟に身体を捻って致命傷を避けるなんてさ。だけどその程度の力じゃあ僕の相手にはなれないよ。僕にとってこの水中はいわばホームグラウンドなんだからね」
ルナ「どうかな?炎が弱点ならこいつはどうだ?トランスオン!!イグニス!!」
グラキエス「っ!!イグニスだって!!?」
ルナ「メガトンクラッシュボム!!」
ナックルバスターから発射された爆弾。
イグニスへのコピーに呆気を取られたグラキエスは爆弾の直撃を受ける。
グラキエス「うあ…っ!!この…アイススティッカー!!」
氷塊を繰り出すが、今度はテネブラエに変身。
曼陀羅手裏剣で氷刃を防ぐ。
グラキエス「テネブラエもやられたのか…こりゃあ流石の僕も本気出さないとやばいかもね…」
ルナ「水中でもある程度早く動けるのも利点だよな。」
クナイを投擲しながらグラキエスとの距離を保ちながら隙を伺う。
ルナがコピーしたテネブラエは分身、高速移動が出来ず、曼陀羅手裏剣が自分の周囲にしか動けないバリアのような物に劣化している。
それでも…。
ルナ「こういう攻撃を防いでくれるから便利だよな。曼陀羅手裏剣追加っと」
防いだことで枚数が減った曼陀羅手裏剣を追加する。
グラキエス「君のコピー能力はオリジナルより大分劣化するようだね。オリジナルと同じ能力だったらと思うとヒヤヒヤするよ。流石の僕もテネブラエには勝てるかどうかは分からないからね」
巨大な氷の刃を発射し、クナイを弾き飛ばす。
グラキエスはハルバードをルナに振るおうとするが、ルインがダブルジャンプを駆使して、グラキエスとの間合いを詰める。
ルイン「私を忘れちゃ駄目だよ…てやあっ!!」
チャージセイバーを喰らわせ、グラキエスを吹き飛ばし、ルナの隣に立つ。
ルナ「ルイン!!」
ルイン「ありがと、ルナが彼の気を引き付けてくれたおかげで彼に一撃を入れられたよ。」
グラキエス「っ…やってくれたねえ……」
顔は笑ってはいるが目は笑っていない。
瞳には憤怒の色が見える。
ルイン「攻撃してみなよ。まあ、君にそんな勇気があるか分からないけれどね」
グラキエス「何だって…?言ってくれるじゃないか!!」
怒りに任せて突進してくるグラキエス。
ルインは不敵に微笑んだ。
セイバーを構え、グラキエスがハルバードを振り下ろす瞬間に…。
ルイン「獄門剣っ!!!!」
強烈なカウンターを喰らわせる。
グラキエス「うっ!!」
カウンターをまともに受けたグラキエスは底に叩きつけられる。
ルナ「これでとどめだ!!ダブルメガトンクラッシュ!!」
ナックルバスターによる打撃がグラキエスを捉えた。
まともに受けたグラキエスは膝をつく。
グラキエス「くっ…残念だよ。君達なら僕の言うことを分かってくれると思ったのに…僕は諦めないよ…あの男を利用してでも、この世界を変えてみせる!!」
そう言い残すと、グラキエスはこの場を離脱した。
グラキエスのDNAスキャンも完了し、ルインとルナもハンターベースに帰還する。
~おまけ~
時間軸はX6
登場人物はエックス、ゼロ、ルイン、エイリア、シグナス、ルナ(一応アイゾック)。
アイゾック『今度こそ地球の存亡の危機に関わるであろう。そこで事態を重く見た我々はナイトメア現象の謎を解明すべく、疑いのある8つのエリアに調査員を送り込んだ。何せナイトメアはあの名を馳せたイレギュラーハンター・ゼロ…彼の亡霊が原因であるという情報もある…そして(以下略)』
エックス「な、何だって!!?勝手なことを…ふ、ふざけてる…ゼロのことをそんな…ふうに…」
ルイン「う~、あう~…」
赤面しながら黙り込むエックスとルイン。
ゼロ「え?な、何だ?何て言ったんだあの爺は?」
ゼロがルナとアイリスに問い掛けるが、2人は赤面した。
ルナ「え?お、おおおおおお俺にそんなこと聞くな馬鹿!!」
アイリス「ご、ごめんなさい…ゼロ…」
シグナス、エイリア「「……………」」
2人も俯いて、微かに赤面している。
ゼロ「お、おい…本当に何て言ったんだあの爺は!!?」
ルイン「そ、それはここじゃ言えないな~」
赤面しながら言うルインにゼロは叫ぶ。
ゼロ「公の場で言えないことを何言ったんだあの爺は!!?」
さあ、アイゾックはなんと言ったんでしょうか?(笑)
後書き
グラキエス撃破。
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