東方喪戦苦【狂】
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十七話 狂夜と幾斗
「は~…神那は、いちいちやることが過激だからな…」
女湯。
俺は他に誰も居ない温泉で疲れを癒していた。
女湯に入った理由は、何となくだ。
性転換したやつの勝ちだろう。
「しかし…幾斗は、やっぱり…」
ガラガラと脱衣場と繋がる扉が開いた。
そこにいたのは…
「…噂をすれば…かな…」
幾斗だった。
「…はぁ…」
幾斗は、ため息を漏らした。
「まぁまぁ、溜め息なんてつかないで、ちょっと俺とお話しましょうよ。」
「…わかったよ…」
幾斗が俺の隣に近づき、お湯に身を浸かる。
俺が幾斗の身体をじろじろと見回すと顔を真っ赤にして幾斗が俺を睨む。
「そ…そんなじろじろ見るな!」
「いいだろ?男同士なんだし。」
「今は、女だ!!」
「俺も女だ。」
「女同士だからってじろじろ見すぎだ!!」
幾斗は、腕で身体を隠した。
「まぁまぁ裸の付き合いなんだし、お互い胸を割って話でもしようぜ。」
胸を張って立ち上がった。
「…ふん…私の胸は、割るほどの無いし…」
幾斗が何か言ったが声が小さくて聞こえなかった。
再び座りこんで湯船に浸かる。
「幾斗は、外の世界の事は、知ってるか?」
「あ~…まあまあってとこかな…狂夜は、外の世界に興味があるのか?」
「ああ。たまに紫さんに連れてってもらうんだ。」
その瞬間に少しだけ幾斗が考え事をしたように手を顎に当てる。
「紫さん?狂夜は、紫と知り合いなのか?」
「知り合いって言うか…紫さんは、師匠なんだよ…」
「ほ~。あの人弟子なんてとってたのか。」
結構前に聞いた話だと俺と幾斗は、違う世界線の者らしい。
だから俺は幾斗を知らないで、俺は幻想郷を知っている。
幾斗は俺を知らないで、幻想郷を知っている。
奇妙な話だ。
「…一服…いいか?」
煙草を取り出して幾斗に見せる。
「俺は別にいいが…星花やアゲハの前では、やめてくれ。体に悪い」
「そうか。よく覚えておくよ。」
『最強魔法小火』
指先からボッと炎が出てくる。
煙草の先端に火をつけて魔法を消した。
煙草を口にくわえ、吸った。
「…ふぃ~」
やっぱり煙草は、いい…
「お前も骸も…やれやれってかんじだ…」
「俺は煙草を最低でも一日に三回吸わなきゃいけねぇ。だから何箱も持っている。煙草が切れねぇようにな…俺は煙草が切れた所を死地にすると決めている。」
幾斗は、深く息を吐いた。
そして今、質問を一つ思い付いたぞ。
「む。そう言えば、星花ってジョジョ知ってるか?」
「さあ?何でいきなり?」
「なんかジョジョネタ使ってた。」
「それは、お前の方のうp主が書いたからだ。」
「そうか。すまんな。」
幾斗も思い出したように聞いてきた。
「そう言えばこいしを妹にするとか言っているそうだが…」
それか、
「いや、もう妹だ。」
「許可は頂いたのか?」
「チョットナニイッテルカワカラナイワ-」
幾斗が「おい…」とジト目で睨んでくるがそんなことは、知らん。
「俺にとって妹は、愛する者だし、護るべきものだ。」
「そうか…」
幾斗は、適当な感じに返事をした。
ここから本題に入りたいのだが…場所が場所だ…
仕方がない。
『最強魔法空間天移』
背景が代わり、上には綺麗な星達、夜空に浮かぶ新月が見える。
幾斗は、景色が変わった事に驚き、周りを見渡した。
この魔法は、場所ごと天移する魔法だ。
場所を天移するのは、結構魔力を消費するものだ…
さて…本題行くか。
「幾斗。お前…俺の妹になれよ。」
煙草の煙が上へ立ち上がっていく。
幾斗は、耳まで顔を真っ赤にした。
「狂夜…そ…それって…」
「お前は、可愛いし、護りたいと思える存在だ…」
……あっ。
完全に盲点だった、これじゃ告白同然じゃないか…
そう言えば聞いていなかった…
「俺と同年齢に見えるが…年は?」
「23歳」
へ?
「と…年は?年齢は?」
「23歳」
聞いた瞬間に答えを言ってきた。
…年上かぁ…
まぁ人生色々あるよ…
俺は、その場から立ち上がった。
「まぁ…妹には、ならなかったが無償で守ってやることならできる。」
狂夜の紅い瞳は、新月を映し出した。
狂夜は、煙草を空に投げた。
「んじゃあ、帰りますか。」
再び空間天移を使い、温泉を元に戻した。
温泉から出て脱衣場へ向かった。
ガラガラと脱衣場への扉を開けた時に言っていない事があったのを思い出した。
「そんじゃあな。俺はとりあえず帰るわ。おやすみ。あっ、服は、ちゃんと着てくぞ(笑)」
言い終わった後に扉を閉めて男湯の脱衣場に天移した。
自分の服を見つけて着るが…コートが着れない。
胸がきつい。
ふむ。
まぁ一応シャツで隠れてて丸見えでは、無いし良いか。
しかし…カジノ…越えるのめんどくさいなぁ…
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地上へ行く為の穴まで到達した。
…まぁ行けるか。
右足に力を込めて勢いよく跳躍した。
ものすごいクレーターが出来たが
ちゃんと地上に着いたのでよしとしようか。
誰も見てないしな。
狂夜は、夜道を歩いて行った。
後書き
疲れた。
その一言に限る。
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