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それでも歌い続ける

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だから?それが、何?

 
前書き
だからが多いけどそういうつっこみは、なしでお願いします。 

 
俺は、はっきり言って変わっている。だから友達一人いない。別にどうというわけでもない。いなくても人生やっていけるし、いるから何?って話だろ。


「おい、敬人邪魔なんだよ!そこどけ!!俺達が座るんだからよ。」


「・・・・はぁ?だから?何?他んとこ座れば?」


「うるせぇよ!さっさとどけろ!」


ていうかお前、誰だっけ?どうでも良さすぎて忘れた。あー・・・・もしかしたらクラスメートかも。見覚えあるし。


胸ぐらをつかまれた。うわ、最悪。


「触るな。汚い。」


「んだと?!」


触られたところをパンパンと叩きはらう。前を見たら殴られそうだった。ああ、またこれか。この光景何度見ただろう。見飽きた。他のことできねぇのかよ。

今殴られてる。まぁ、痛くないけど。殴られてるかと思えばいつの間にか地面に這いつくばって身体中けられている。また服が汚れる。2番目の兄貴に聞かれるだろうな。面倒くさい。








「おい・・・・やめろよ。馬鹿じゃねぇの?」


誰か来た。クラスメートたちが振り向いた瞬間急いで立った。フードで顔がよく見えない。わかるのは紺のパーカーを着ていて俺よりかなり身長が高いということ。

この光景は、久しぶりだ。ああ、思い出した。ヒーローぶりたい奴だな。過去にもいたんだそういうの。まわりからいい子に見られたいからくるやつが。



「なんだよ?!やんのかぁ?!」


「・・・・別に。僕は、やめろよとしか言ってないんだけど?」


「お前には、関係ないだろ?!」 ブンッ


一人がパーカーの顔をグーでおもいっきり殴った。・・・・馬鹿だこいつ。知らない奴助けて殴られてやんの。怪我してんじゃん。
だけど俺には、どうでもいい。だって他人だし、俺お前に助けてと言った覚えがないから。


あーあ。抵抗しないからボロボロじゃん。足だってフラフラ。もう逃げればいいのに。・・・・その足じゃ逃げれないな。










ドスッ そう音がしたと思ったら突き倒されて地面に座っていた。そのひょうしでかフードがとれてパーカーがつけていたショートのカツラがとれた。あー女だったんだ。


「うわっ!キモッ!こいつオカマかよ?!」


「元から女だから。あとオカマは、気にくわねぇな。そういう人に失礼だぜ?」


「へっ!」


さっとパーカーのカツラを取って足で何回も踏んづけた後「もう、いこーぜ!」と言って泥だらけのカツラをパーカーの頭にのっけて帰って行った。

パーカーは、汚れたカツラを近くのゴミ箱にポイッと捨てて帰ろうとした俺を呼び止めた。俺は、文句だと思っていたが違うみたいだ。


「おーい!!君怪我してるよ!絆創膏はらないと!!」


「いらねーよ。」


「だめだ!」



はぁ・・・・こいつどこまで馬鹿なんだ?いっそ本当のことをズバッと言ってやった方がいいんじゃねぇの?


「お人よしすぎる。お前まじ変わってる。おかしい。お前の脳は、異常だ。」


顔をしかめながら言うとパーカーは、「ははは」と笑ってごまかした。本当にいかれてる。





・・・








「テメェー(俺)の心配より自分の心配しろよ。」


「僕は、後ででも出来るし。」


「お前脳ねぇの?どうみてもお前の方が重傷だろ。」


「よく言われる。あっ動かないで。」


いらないおせっかい(絆創膏)をされた後俺は、二度と関わってほしくないから絶対に嫌われるであろう言葉を沢山言った気がする。それでもパーカーは、にこにこと本当なのかわからない笑顔で喋り続ける。うるさいから黙ってほしい。そして俺の前から消えてほしい。


「歩ける?」


「見ればわかるだろ。」






一体何処までこいつと歩かないといけねぇんだよ?早く帰りたい。こいつと離れたい。とはいえ見るからに離れる様子がない。家近くないといいけど。


「お前・・・・まだ道こっちなのか?」


「そうだよ。」


まじか。あーもういい!!遠回りになるがこいつと離れたいからもう曲がろう・・・・。


「曲がるのかい?」


「そうだよ。じゃあな。」


「そっか。バイバイ。」



今の会話で最後。やっと一人になれる。そしてこいつとももうおさらばだ。もう俺の前に居ることも無いだろうし記憶にすら居なくなるだろう。お前と会ったことはもうなかったことになる。
・・・・はずだ。いやなる。絶対に。なってもらわないと俺が困る。







・・・








暑い夏がやってきた。今は、ちょうど夏休み。家でゆっくりするつもりが一番目の兄貴に買い物を頼まれた。この蒸し暑い中。殺す気かよ?!


店は、少し遠く歩きだと往復約30分は、かかる。
チャリもねぇのに酷い話だ。やっと店について頼まれた商品が入っている重い荷物を持ちノロノロと帰る。5人分(5兄弟分)の食料と飲み物を1人で運ばせる皆も皆だ。いくら俺だけ宿題が終わっているからって。・・・・なんで早く宿題終わっちまったんだろう。


近道しよう。そう思って公園の前を歩いた。・・・・それが間違いだった。聞き覚えのある声がしたからだ。あの低くて少し変な喋り方をしたあの声が。



「おーい!!待って~!」



声のしたほうを見ると紺色の繋ぎのパーカーみたいなのを着ていて茶髪のゆるいロングを後ろにまとめている女がいた。パーカーは違うがもしかしてもしかするとあいつだ。(通称パーカー)


「久しぶり!僕のこと覚えてる?!」


覚えたくないが覚えている・・・・馬鹿でお人よしで脳無しでマヌケでうるさくて紺色のパーカーを着ていて特徴的なお前だから。・・・・俺兄弟以外ではっきり覚えている人間がいるの初めてなんだけど。



「元気そうで何よりだ!傷も治ったっぽいし。」


「だからなんだよ?」


「安心したよ。」



俺の だからなんだよ? にこいつは答えた。普通笑顔でかえさないよな。なんで怒んないのか不思議だ。一番目の兄貴に話しかけられてるみたいでこわい。やっぱりこいつは、馬鹿なんだ。どう考えても馬鹿なんだ。



「僕らと遊んでいかない?今ドッチボールしてっから。」


「見てわかんねぇの?俺買い物から帰って来た後だから。そんなことしてる暇ねぇの。」


パーカーは、俺の荷物を見て納得してた。気づくのおせーし。


「者尾~なにしてんの?」


「ああ、ごめん花!!」



もう今度こそ関わらないようにしたい。てか帰ろ。・・・・としたとき。パーカーは、あの日のように俺のことを呼び止めた。


「おーい、君!!友達に紹介したいから待って!」


「いやだよ。俺は、もう帰るから。」



そう言って帰ろうとしたけどまわりを囲まれてしまった。動けない・・・・。


「へぇ!可愛いね!!」


「身長低いな。」 「てことは、中学生?」


「お前、そういう趣味?!」


「いやいや!僕は、ショタ好きだけど・・・・でもこの子は、大人っぽいよ。」



双子と女一人と男一人がいた。4人は、パーカーの友達らしい。皆俺より高い。


「そう言えば、君の名前聞いてなかった。名前教えてよ。」


・・・・名前知らないのに友達に紹介するって・・・・。よくこいつ友達できたな。そこだけすげぇよ。ていうか俺は、お前に名前を教えたくないんだが。俺が嫌そうな顔をしてパーカーを見るとパーカーは、何を感じたのか「あ!」と声を出した。


「悪い悪い!僕らから言わないとね!」


「そういう事じゃねぇよ。」


「僕は、作間者尾(さくましゃお)。高校2年生。でこっちは、」


本田心春(こはる)だ!シャオと同い年なんだ。」


本田翔琉(かける)。心春の兄。以下同文で。」


佐藤花梨(かりん)だよ~!よろしくね!」


「俺は、円藤裕也(ひろや)。裕也でいいわ。」



うっっ・・・・自己紹介しないとまずい感じになった・・・・。まさかパーカーは、そこまで考えてたのか?!こいつ意外と頭いい・・・・。俺は、小さくはぁー、とため息をした。やるしかない。やらないとまずい。


「俺は、小林敬人。」


「じゃあ敬人って呼ぶわ!!僕のことは、好きに呼んでくれ。・・・・敬人って何年生?」


わかった。俺、お前のことパーカーって呼ぶわ。なんて呼んでも良いんだろう?その言葉マジでそのまんま受け止めるわ。後悔するなよ。


「中学3年。だけど?それが?」


俺は、またパーカーに冷たくかえした。皆は、驚いてたり笑ってたり。なんなの?こいつら。パーカーがこうだからこいつらもこうなの?

パーカーは、表情1つ変えないで笑顔で俺の頭を撫でた・・・・?!ってなにすんだよ!!!いきなり!!!!


「やっぱ敬人って面白いし可愛いな!!見てて飽きない!」


「はぁぁぁぁあ?!意味わかんねー!!」


「シャオは、こういう奴だからww変わってるよな~。」


「おもいっきり変わり者だよ!どうかしてる?!」


「敬人君も同じくらい変わってるけどね。」


「うっっ・・・・。」



花梨の言ったことは、正しい。実際俺もそう思う。だけどパーカーと一緒にされたのが気にくわん・・・・。パーカーと同類とか・・・・人生終わる!


「あっそうだ!ドッチ辞めて敬人の荷物運び手伝おうぜ!!」


「俺シャオにさーんせーい!!翔琉は、どうすんの?」


「俺もやるよ。」


「?!別に俺頼んでないからやってもらわなくて、いいんだけど?!」


「いいだろ、やっても。俺達どうせ暇なんだし。」


「そうそう!それにこんな重そうな荷物敬人君だけに持たせらんないよ。」



はぁ。もういいや。ここは、しょうがないからもってもらおう。着いたらさっさと帰ってもらえばいい。そして今度こそ会った記憶を消せばいい。ただそれだけなんだから。


「お願いします。」


ぶっきらぼうに言っても皆は、なぜか笑顔でいた。・・・・なんで笑ってるのかわかんねぇよ。呆れてるから?それともあえて笑ってる?俺は、うーんと首を傾げて悩んでたけどパーカーが俺の口を広げてたから怒った。そのうちに悩みも忘れてた。







「?パーカーカツラ買ったのかよ。」


「!気づいた?!よく見てくれてたんだ!」


いやよく見るつもりは、なかったけどさっきと髪型違うんだから気づくだろ・・・・。そう言おうと思ってたけどパーカーが調子に乗ってきたからやめた。


「なんだシャオwwおまっwwパーカーって呼ばれてっ・・・・ぷふっww」


「別に良いだろ?!」


「確かに者尾っていっつもパーカー着てるよね。」


「うん。何となくな。」


あ、俺うっかりパーカーって呼んでた。でもまぁ、どっちにしろパーカーって呼ぶつもりだったし、呼ぶのは、家に着くまでだ。・・・・家につけば全て無くなる。







・・・

「持ってくれてサンキュー。じゃっ。」


最後のセリフは、この前と同じ。二度と会うことがないから じゃっ って言う。 またね と言えばまた、会うことになる。だから最後は、 じゃっ。 やっと一人になれる。気をつかわずに済む。面倒くさい事だって減るはず。・・・・俺は、何年もその言葉を自分に言い聞かせてきた。


ガチャンとドアを開けると2番目の兄貴と軽くぶつかった。なにしてんだよと聞くとムスッとした顔で「あんまり遅いから捜しに行こうとしたんだぞ。」とこたえた。


なんで俺なんかを捜すわけ?早くしてほしいから?だったら一緒に来いよ。


「お前の事、心配してたんだから。」


心配?馬鹿じゃないの?心配してもらう必要ないけど?ほっといてくれよ。お願いだから。


「?なんだ敬人友達連れて来たのか。」


『こんにちは~!』


「いや、俺友達なんていな・・・・」


「!ケーキ沢山買ったから皆で食おうぜ!さぁ皆入った入った!!」



正気かよ?!こいつらを家に入れるなんて!!俺は、絶対に嫌だ!頭がおかしくなっちまう!!どうかしちゃうよ!


「え?!良いんですか?!」


「俺は、嫌だっ!」グイッ


急に後ろから頭をつかまれた。驚いて振り向くと一番目の兄貴が怖い顔(すっげー笑顔)をして俺を見ている。ヤバい・・・・入れなきゃ・・・・。入れないとこいつ後で何かするつもりだ!!

俺は、兄貴の圧力?に負けて仕方なく皆を入れることにした。皆は、嬉しそうに「やったーおじゃましまーす!!」と入った。くそー・・・・。




・・・





リビングに行くと弟たちが驚いた顔をして皆と俺の事を見た。


「うわっ意外・・・・兄ちゃん友達いたんだ・・・・。」


「よく友達出来たな。」


「うるせぇよ。黙ってろクソが。」


皆は、俺達の口喧嘩を微笑ましく見ていた。特にパーカーがなんとも言えない表情。あんな顔のパーカー初めてだ。といっても少ししかいないが。


「そうだ、敬人ケータイとか持ってる?メアド交換しようぜ!」


「メアド交換?!なぜ俺がお前と・・・・。」


「もちろん、皆もだけど??」


げっ・・・・離れていてもこいつらと関わんないといけないなんて!!・・・・スマホを急いで隠そうとしたが、兄貴に取られた。


「良かったじゃないか敬人!・・・・もちろん交換するよね?」


「・・・・わかった・・・・するから・・・・。」


「だって皆。いや~まさか敬人にこんな良い友達が出来たなんて。僕も嬉しいよ。皆敬人と仲良くしてあげてね。敬人は、人付き合いが苦手な子だから~」


「もちろんですよ。なっ敬人!」


「はぁ・・・・」


ったく・・・・俺は、あと何回ため息をつかないといけないんだ?早く元の生活に戻りてぇ・・・・。もう嫌だ。一人になりてぇ・・・・。ああっもうっ!!!神様!お願いだから俺を一人にしてくれよーーー!!!!



2話に続く

 
 

 
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