Angel Beats! the after story
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それぞれのクリスマス日向×ユイの場合
前書き
3作品のどれを先に読むかはお任せします。
音無!日向!ゆりっぺ!のクリスマスを好きな順序で見てください。
「なぁなぁ。今日は何の日か知ってるだろ?」
「バカにしてるんですか?そんなの知ってるに決まってるじゃないですか。クリスマスですよね今日」
「そう。その通り大正解だ。じゃあなぜ俺の家でチキンを食べてるんだ?」
ユイはムシャムシャとチキンを頬張っている。可愛いよ可愛いけどさ。………なんか違くね?
「クリスマスだからですよ!」
「そうじゃなくて!1年に1度しかしない日に家でゴロゴロすんのは違くないか?」
ユイははぁ〜と深く溜息をついた後。キリッとした真面目な顔で
「彼女にとって1番のデートスポットはUSJでもディズニーランドでもなく………彼氏の家です!」
過去史上最大のドヤ顔を見せられてしまった。それはそれで……。
「言ってて恥ずかしくないのか?それ」
さすがに本当のことなんだろうが聞いてて背中がむず痒くなったぞ。
「ッ〜〜〜。そんなこと言ってきたら恥ずかしくなってきちゃったじゃないですか!ひなっち先輩は本当にKYですね」
KY……だと!?念のために。
「ユイ。KYの意味知ってるか?」
「ひなっち先輩はバカにし過ぎです!怒りますよ!」
まぁ、逆に知らないやつなんていないか。
「クズ野郎の略ですよね」
「ぜん!ぜん!違うから!空気読めないの略だわ!なんだよクズ野郎って!?お前さっきサラッと俺のことをクズ野郎って言ったのかよ!?」
こいつ今までそんな意味で使ってたのかよ。恐ろしすぎる。
「KYってクズ野郎じゃないんですか!?」
「一応誰からそれを教えてもらったんだ?」
純粋無垢の俺の彼女にこんな殺伐とした言葉を教えたのはどこのどいつだ!
「ゆりっぺ先輩からですよ」
「あいつかーー!!!!」
そう言えばあいつ色んなところでKYって言ってたな。
ある時は鬼の形相で拳銃を持ちながら。
『ところでKYの日向くん?同じKYの藤巻くんはどこらしら?」
またある時はサバイバルナイフを持ちながら。
『KYはKYらしく刺身にされなさい』
そしてまたある時はカッコ良く。
『私はNPCから食券を巻き上げるようなKYじゃないわ!』
今思えば違和感ばっかりだな。
「これからはKYって言葉を滅多に使うなよ。最近は使われてないしな」
は〜いとまたチキンを食べはじめるユイ。
本当に分かってんのかねこいつは。
「ねぇねぇ。ひなっち先輩」
「なんだ?」
「あっちの世界で私が消える前に先輩が語ってた、私との出会いは結局、全く違う形になりましたね」
それって確か、俺がユイの入院している病室の窓に野球ボールを当ててしまうってやつか。
「ああそうだな。いきなりどうしたんだ?」
「もしも、そんな出会いが本当に起こってたらどうなってたんでしょうね?」
なんも変わらんと思うんだがな。今でも十分幸せだしな。
「まず、俺がお前の病室に野球ボールを投げ込んでしまう」
「ぶっちゃけ言いますと、近くに野球ができるような所ないんですよね」
こいつマジでぶっちゃけやがった!!そこは嘘でも、ありましたよ。とか言うべきなんだが……。
「じゃあ、あれだ。たまたま遠投のマネしてたら手が滑って投げてしまったっていうのはどうだ?」
「それなら、なくもないですね。それと、もしも窓を割ったら私に被害が出ると思うんですけど。ガラスの破片だったり野球ボールだったりと」
うわ〜マジであの時の俺のセリフをdisりまくりだろ。
「あれだあれ。野球ボールは運良くスライダー回転がかかってベッドの下に入り込む。で、ガラスの破片はカーテンによって包まれた。ということでいいだろ」
まだまだ終わらないらしく、人差し指を立て。
「次に!私と私のお母さんに謝罪して、仲良くなれますか?今の私なら、病室にカーブ回転のボールを投げてきた時点でマイナスなんですけど」
「じゃあそこは、たまたま俺がカーブ回転で投げたボールは本当は原監督の生サインボールでお詫びにそれをプレゼントしたってどうだ?」
いつの間にか俺も本気で答えている。この現状………。
「物で釣るですか。最低ですけど、これで私の好感度はマイナスではなくなりましたね。貰って、お母さんとも仲良くなりました。で、お母さんを楽にするために私のお世話を先輩がやりますよね?抱っこして車椅子に乗せたり、体を蒸しタオルで洗うために体を先輩に見せて、お互い意識しながらも拭いたりと………」
少しのタメができる。それにしても、どんだけ想像力豊かなんだよ。
「ものすごく惜しいことをしてしまったと今思います」
怒らないよ。ユイの話聞いてるに俺も今そういうことがあっても悪くないな〜と思った自分がいるからな。うん。マジで悪くないな。
「ということですから、抱っこしてください」
すぐに両手を広げるユイ。
「最初からそれが目的だったんだな?」
「そうですけど」
サラッと肯定しやがった。前置き長すぎだろ。
「まぁいいけどさ。ほれ、こっちこい」
移動するのもめんどいからユイからこさせる。
ユイと密着する。腕をお互いの背中にまわす。膝の上にユイを乗せながら抱っこ?ハグって言った方が近い気がするが、本人が満足だからいいのだろう。
「ちゃんと飯食ってんのか?軽すぎるんだが?」
「体重は軽いですけど、愛は重たいですからね」
「ユイの愛なら好きなだけ背負えるよ」
「それは嬉しいです」
ユイの力がまた強くなる。お互いさっきよりも強く抱きしめ合う。
「たまにはこんなクリスマスも悪くないですよね?」
「だな。こうしてユイの体温を感じてるのも悪くないな」
数分ぐらいそうしてると急にユイの肩がビクッと動く。えっ?俺、どこもいやらしい所なんて触ってないんだが。
ユイはすぐに立ち上がりカーテンを開けると立ち尽くしていた。気になり俺もユイの隣に立つ。
「雪か」
無数の雪が街灯の光に灯されながら地面に落ちていく。
「ホワイトクリスマスですね。ひなっち先輩」
「珍しいな。でも、綺麗だ」
クリスマスという特別な日にこうしてユイと一緒にいると感傷に浸ってしまう。
最初に会った時は本当に生意気でムカつく後輩だったが、時間が経つにつれてユイの良い所悪い所を見つけ、どんどんユイのことを知りたくなってしまった。今でも変わらないこの気持ち。
「早く結婚したいです」
「大学卒業してちゃんと収入を得るまで我慢だ。仕事はできる限り早く見つけるよ」
雪を見るのにひと段落する。
「あっ、そうだ。ユイ、メリークリスマス」
渡そうと思っていたプレゼントを今思い出し、小さな袋をユイに手渡す。
「ありがとうございます。ひなっち先輩。開けてもいいですか?」
「いいぞ」
ユイは綺麗に梱包を解いていき、プレゼントを見て感嘆の声を漏らす。
「ネックレスを貰うなんて初めてです」
「大人の女性に早くなってほしいからな。まずは形からってな」
ユイ俺に背中を向ける。どうやら着けてくれってことらしく、ネックレスをユイの首に着ける。
「似合いますか?」
もじもじしながら俺の答えを待っている。
そんなん決まってるだろ!
「結婚したいくらい似合ってる」
小さくガッツポーズをしているのは見なかったことにしよう。
「じゃあ私も先輩にプレゼントをあげます」
どんなプレゼントなのか期待しながら、ユイに目を閉じろと指示が出たから目を閉じ、しゃがむ。
唇に突如柔らかい感触が広がる。驚きのあまり目を開けると目の前にユイがいた。
………キスか……。こんな状況でこんなことされたら………。
唇を離され、頬が紅潮しているユイは上目遣いで───
「ひなっち先輩。子供は………2人欲しいです」
その時、俺の何かが崩壊した。
その日は俺とユイの聖夜であり性夜でもあった。
後書き
ラストが下ネタでしたかな?
まぁ、2人が幸せならどんなことでも許しますよ!
先にこちらを読んでいる方は次はどっちを読むのか迷ってください!それが3作品同時投稿にした理由の一つですから。
では、あらためまして読んでくださってありがとうございます。これからも1人のクリスマスを乗り越えるための応援よろしくお願いします。(感想・意見・評価お待ちしてます)
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