転生とらぶる
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マクロスF
0754話
影のゲートでS.M.Sに戻って来たかと思えば突然オズマから連絡があり、その内容がアルカトラズが襲撃されたというものだった。
いや、当然敵の……というか、キノコの部下達の狙いは分かる。自分達の上司であるキノコを助け出す為だろう。だが、ここで助け出してどうするという問題も存在する。大統領を暗殺しようとして捕まったキノコは既に詰んでいる状態だ。フロンティア船団で何か行動を起こそうにも、常に新統合軍や警察に追われる事になる。その中には、大統領の直属の情報機関とかそんな連中も当然存在するだろう。
そして何よりも……
「アルカトラズはかなり厳重な警備態勢で、生半可な戦力じゃどうにも出来ないだろ?」
そう、いわゆる凶悪犯を収容しているのだから、当然その脱走や、今回みたいに自分達の仲間やボス、あるいは部下を助け出す為に襲撃するのを警戒してかなり厳重な警備態勢だった筈だ。それこそ、キノコの部下達だけでどうにもならない程の戦力は用意されていたと思う。
だが、俺のそんな言葉に答えを返さず、オズマは別の事を口にする。
『で、お前は今どこにいるんだ?』
「俺が住んでた宿舎の部屋だ。たった今影のゲートでシェリルと一緒に転移してきた」
『そうか。……なら、なるべく早く第1ブリーフィングルームまで来てくれ。今回の件の説明をする。こうして考えてみれば、お前が今S.M.Sにいるのは運が良かったのかもしれないな。……いや、違うか。この状況に持って行かせない為にお前やシェリルを狙ったといった方が確実か』
「どういう意味だ?」
『説明していると長くなるから、ブリーフィングルームに来たら皆纏めて説明する。それよりも急げよ』
どうやら本気でこれ以上説明する気は無いらしく、そのまま通話が切られる。どうやら余程に急いでいるらしい。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、何でも無い……訳じゃ無いが、何か少し忙しくなりそうだ。取りあえず呼び出されたから、シェリルはさっき言ったように医務室で待っててくれ」
「全く、アクセルといると色々とイベントが続くわね」
笑みを浮かべつつそう告げてくるシェリル。俺を励まそうとしているのは分かったが、それでも嬉しいものは嬉しい。
もっとも、それを顔に出すとまた色々とシェリルがうるさくなるだろうから、態度には出さないが。
「俺というか、シェリルと一緒だと思うけどな。ほら、とにかく医務室に行くぞ」
そう告げ、シェリルを連れて医務室へと向かうのだった。
「じゃ、後はよろしく頼む」
「ええ、任せて下さい」
医務室にいる医者へとそう声を掛け、ベッドで横になっているシェリルへと近付いていく。
「じゃ、俺は行くからシェリルはここで大人しく休んでいてくれ」
「もう身体の方は殆ど大丈夫なんだけど」
不満そうに言葉を返すシェリルだが、殆どという事は完全にって意味じゃ無い訳で。
「どのみち、今はやる事がないだろ。何かあった時の為に体調を十全に整えるのもプロの仕事だぞ」
「それはそうだけど……しょうがないわね、アクセルの言う通りにしておいてあげるわ。それよりもちょっと耳を貸しなさい」
別に医者はこっちに意識を集中はしてないんだけどな。と言うか、テロの影響でS.M.Sの中にも怪我人が出ているのか、忙しく指示を出している。最初は病室に怪我人がいないのはシェリルを気遣ったからか? と尋ねたのだが、怪我をしたといっても殆どはかすり傷程度らしい。……その状況で何を指示しているのかと言えば、アイランド1内にいる怪我人に対するフォローの為なんだとか。まぁ、PMCである以上下手な病院よりも薬の類については充実しているしな。
そんな風に思いつつ、ベッドで上半身を起こしているシェリルへと顔を近づけると……次の瞬間、俺の唇はシェリルの唇で塞がれていた。
「勝利の女神のキスよ。これでグレイス達に負けたりしたら、承知しないんだからね」
「お前、気が付いてたのか」
この同時多発テロにグレイスが関係しているというのは、小さい頃から共に行動してきたシェリルにとってはショックな筈。そう思って言って無かったのだが……
「当然よ。あたしを誰だと思っているの? あたしはシェリル、シェリル・ノームなんだから。とにかく勝利の女神のキスをしてあげたんだから、分かってるわね?」
「ああ、そうだな。シェリルの唇に賭けて負ける訳にはいかないな」
そつ口にし、再度シェリルの唇を塞いでから医務室を出て行く。
……その際、医務室の中にいた医者に『ここはそういう部屋じゃないんだけどね』と言われたのは……まぁ、しょうがないとしておこう。
「悪いな、遅れたか?」
「そうでもないさ。見ての通りアルトとルカがまだだし」
ブリーフィングルームに入った俺を出迎えたのは、そんな声。声の主へと視線を向けると、何だか難しい顔をして眼鏡を触っているミハエルの姿と、そんなミハエルをどこか心配そうに見ているクランの姿が。
他にもピクシー小隊の残り2人も既に集まっている。
「どうしたんだ、その眼鏡?」
レンズの部分が割れている眼鏡を見ながら尋ねると、ミハエルは小さく肩を竦めてから割れた眼鏡をテーブルの上に置く。
「何、テロリストの襲撃に居合わせてな。その時にやり合ってたらこの様だ」
「全く、射撃の腕がいいのは理解しているが、だからと言って私に心配をさせるな」
「何だよクラン、俺が心配だったのか?」
「むむっ、べ、別にちょっとだけだけどな」
「まぁ、眼鏡が割れただけで良かったと思えよ」
言い争いというか、じゃれ合いというか、痴話喧嘩をしているミハエルとクランにそう告げ、椅子へと座る。にしても、眼鏡が割れるねぇ。顔に掛けている眼鏡が割れたんだから、良く考えると結構危なかったんじゃ無いのか? いやまぁ、何だかんだ言っても純粋な軍人としての技量はそれなりに高い……それこそアルトに比べるとかなり高いのは事実だ。それを考えると実は結構危なかったのだろう。
「で、ここに集められた理由は聞いてるか?」
「もうすぐ……ああ、来たな」
その声と共にオズマがルカを引き連れてブリーフィングルームへと入ってくる。
「揃っては……いないな。アルトはまだか」
「ああ、残念ながらまだ来てないな」
こちらを見回してそう告げてくるオズマにそう返すと、小さく溜息を吐いて首を振る。
……随分と余裕が無いな。
となると、何か余程の事が起こったのか? 確かにこうして俺達をわざわざ呼び集めたんだから、ある意味では当然だが。
「……今から30分程前に、アルカトラズがテロリストに襲撃された」
それは先程聞いた、ある意味で当然と言えば当然の言葉。テロを起こしていたのがキノコの部下だと思われるのだから、自分達を率いていたキノコを救出するのは当然だろう。だが、アルカトラズには十分な戦力があった筈。
そんな風に俺と同じ疑問を持ったのだろう。ミハエルがオズマへと尋ねる。
「アルカトラズの戦力はテロリスト程度ではどうにもならないんじゃ?」
「ああ。当然テロリスト……レオン・三島の部下がどうあがいても無駄だっただろう。……だが、敵には奥の手があった。これを見ろ」
そう告げ、オズマがルカに合図をするとブリーフィングルームの映像モニタに映像が映し出される。そこにいたのは……
「VF-27!?」
そう、それはギャラクシー船団が開発したVF-27の姿だった。それも俺達の良く知っているブレラが使っている赤紫色のものだけでない。その部下の機体も合わせると合計5機にも及んでいる。
つまりこれは……グレイスが出て来た訳か。勿論これまでもキノコと協力はしていたのだろう。だが、それはあくまでもハッキング等のバックアップが目的だった筈だ。だが、手持ちの中でも最大戦力だと思われるVF-27を出して来るとなると……
「グレイス・オコナー、何を考えているんだ? 奴にしても、こうまで自分達が表に出てしまえば必然的にこれ以上フロンティア船団にいる事は出来無い筈だ。だが、既にギャラクシー船団は存在しない。これからどこに……」
「待て」
クランの言葉を聞いて、ふと脳裏を過ぎる。確かに今の状況ではグレイス・オコナーがフロンティア船団を脱出した後に逃げ込める場所は無い。だが、それはあくまでもこれまで俺達の得た情報が正しい場合だ。つまり、情報そのものが間違っていた場合は……そう、例えば……
「ギャラクシー船団はまだ存在している?」
「……何だと?」
俺の呟きにオズマが視線を向けて来る。
その視線に答えるようにして、今思いついた事を説明する。
「……なるほど。確かにそう考えれば可能性はあるかもしれないか。だが……いや、とにかく今はこれ以上考えるよりも先にアルカトラズの方だ。何しろ既にVF-27によって占拠されている状況だからな。奴に対抗出来るとしたら俺達S.M.S、正確にはVF-25とアクセルの使っているYF-29くらいだろう。……ルカ、YF-29の方はどうなっている?」
オズマの問い掛けに、その幼い顔の眉を顰めて首を振るルカ。
「何しろ、今日アクセル君に合わせた最終調整をする予定でしたから。この前よりは大分マシになっているとは思いますが、それでもまだ完全じゃありません」
「……そうか、だがVF-25だとVF-27より性能が落ちるのは事実だ。となれば、より性能の高い機体であるYF-29に乗っている腕利きのパイロットでもあるアクセルに対する負担が大きくなるが……ちっ、アルトの奴はどうしたんだ? すぐにこっちに来ると言っていたが」
舌打ちするオズマ。そう言えば、ブリーフィングが始まってそれなりに時間が経つが、未だにアルトが来ていないな。何か微妙に嫌な予感がするが……
そう思いつつ、改めて映像へと視線を向ける。
そこにはブレラ専用機である赤紫色のVF-27が映し出されている。それを考えれば、恐らくは俺の考えすぎだろう。
「とにかくアルトが来るまで待っている訳にはいかない。戦力が多少心配だが、スカル小隊とピクシー小隊がいれば何とかなる。……いや、してみせる。出撃準備を開始するぞ」
オズマのその声に従い、それぞれが格納庫へと向かっていく……って、おい。
その事に気が付き、ブリーフィングルームから出て行こうとしているルカを呼び止める。
「ルカ、俺の機体はどうなっているんだ? 今からL.A.Iに向かうのか? まぁ、影のゲートを使えばそれ程手間じゃないのは事実だが」
「え? ああ、大丈夫ですよ。機体に関してはS.M.Sの格納庫に運び込んであります。さすがにこの状況でL.A.Iの方に置いておけばどうなるか分かりませんし。下手をすれば三島補佐官の部下に奪われるかもしれませんから。……もっとも、その場合はパイロットが問題でしょうけどね。大まかにはアクセル君用に調整済みです。出来れば、その最終調整をやっておきたかったんですけど」
溜息を吐くルカだったが、ニーズヘッグ以外の機体である以上俺の反応速度に本気で付いて来られる訳でも無い。そういう意味では実はVF-25もYF-29もそう大差なかったりする。勿論それを承知の上で乗っているんだし、この世界のVFとして考えれば破格のスペックを持っているのは承知の上だが。
「ま、その辺は今回の騒ぎが終わった後でやるさ。とにかく、あのキノコを止めないと絶対に色々と不味い出来事が起こるのは間違い無いんだ」
「……そうですね。三島補佐官とはちょっと関係があっただけにやりにくいですが」
「関係が?」
「ええ。ほら、バジュラの死骸やVF-27のデータや部品を政府が持っていったじゃないですか。それを管理して研究していたのが三島補佐官のグループだったんですよ。で、そのデータやら何やらを回して貰ってディメンジョンイーターやYF-29の開発が進んだのは事実です」
「へぇ……」
予想外と言えば予想外だが、こうして聞いてみれば納得する話だな。
まぁ、L.A.Iにデータを渡していたとしても恐らくは何らかの目的があったのは事実だろう。
そんな風に考えつつ、他の面々と共にL.A.Iの格納庫へと向かい、EX-ギアへと着替えてYF-29へと視線を向け……ん?
ふと、格納庫に並んでいるYF-29の姿がこの前乗った時と少し違うのに気が付く。
具体的に言えば、機体の右後方。そこに何らかのパーツが追加されている。
それが気になり、RVF-25に乗り込もうとしているルカへと声を掛ける。
「ルカ、YF-29に追加されているパーツは何だ?」
「え? ああ、そう言えばそうでした。説明するのを忘れてましたね。あのパーツはバトロイドになった時に右腕に装着されるシールドです。エネルギー転換装甲を何重にも重ねて作りあげているので、フォールド・ウェーブシステムの効果もあってかなり固いですよ」
「……そんな便利なものがあるのなら、言い忘れないでくれ」
そう言いつつも、基本的には回避を重視している俺の戦い方だと使う機会はそれ程多くないのかもしれないが。
そんな風に思いつつ、機体へと乗り……出撃の時が来る。
「スカル4、アクセル・アルマー、YF-29、出るぞ!」
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:976
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