Justice正輝編 前章 善と悪
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6話アリシア復活の時
前書き
「考えが一番下らない…ね」
プレシアは最初正輝が言った言葉に怒りしか無かった。
しかし、ふと思ったことがあった。
(何で…彼を信じているのかしらね)
前のことを思い出していた。
ピクニックの時アリシアが数年前誕生日の時に妹が欲しいって言った。
(なによ…これじゃあアリシアも怒るじゃない。何で見捨てるのって)
プレシアはそもそもジュエルシードが集まっていないのにできるわけがないと思っていたけれどそれが可能だとすれば
(私は間違っていたのかしら…)
もし正輝が成功するのならば
フェイトとアリシアを思いっきり抱いて、今までのことを謝って、救ってくれた正輝をフェイトの家族の一員にするわ。
正輝の生死は成功するか否かで決まる。
フェイト達はマンションに帰った後、正輝は嘆いていた。
「やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼(ーー;)まずいまずいまずいぃぃぃぃい‼」
前回プレシアと邂逅し交渉しようとしたが、正輝の一方的な交渉で終えた。正輝の計画がまた思いっきり狂ってしまった。本当なら普通に冷静に交渉し解決させるつもりだった。
「自業自得だ。諦めろ。まぁ、最善を尽くすよう努力するのだな。そもそもマスターの計画自体元から破綻している。」
「それもあるかもしれませんが、一番重大なのはアリシアをどうやって生き返らせるのですか?」
アリシアを生き返る方法はフェニックスの尾と利用すれば簡単だが…
神が提案した方法は英霊召喚と全く同じものであった。しかし、これには難点がある。失敗すれば正輝も唯では済まず、それに加えて怒り狂ったプレシアの魔法攻撃をしたら命が尽きてしまう。
「最低でもアリシアの復活はなんとかしよう。」
正樹の持っているジュエルシードは16個。時空管理局というめんどくさい組織に目をつけられることはないと神は言ったが儀式が複雑過ぎて失敗することはあるかもしれない。
「英霊を召喚した時の方法で蘇らせる方が魔力を最大限に引き出せるし、これが一つの方法何だろ?」
「先に死んだら転生の意味なくなるから死なないでのう。」
ちなみに自然死は認められないということである。アリシアについては事故死なので問題は無かった。
英霊召喚も触媒を使っていたのでジュエルシードで蘇らせるという願いの代わりとし膨大な魔力で願いを叶えさせる。
「プレシアは反応次第だな。」
後はプレシアがどう思っているか。
朝9時
正輝はさっそくプレシアがいる時の楽園に行った。
「あー正直言ってよろしいでしょうか。ザックリ言います…」
プレシア「あんなにほざいて置いて態度が前より変わってるわよ。」
プレシアの顔がとても険しい顔をして睨んでおり、正輝は大汗をかいていた。
都合の良いように進ませてしまったためか怒らせてしまった。
「ほんっとすいませんでしたぁぁぁあ‼一方的の交渉でホントすいませんでしたぁぁぁあ‼今回は」
冷静に話し合って和解してフェイトと楽しく話して欲しかった。けれどプレシアに無理矢理強引な話だったのでそれだと全く話にならなく、正輝はプレシアに土下座をしていた。
正輝は殺されると思っていたが。
プレシアはため息をついた。
「もういいわ。どのみち私がそれを拒んでも貴方たけでなくアリシアにも嫌われるわね…それに良く考えてみたら私が間違ってたわ…貴方の方が正論よ。」
正樹の顔が上がると、プレシアは続けて言った。
「貴方の言葉でやっと分かったの。確かに母親失格ね…
フェイトは私が生み出したクローン。だけど、私の娘。アリシアはフェイトを見捨てることを許さないと思うわ…全くなんで早く気づかなかったの…」
プレシアの顔はとても苦しそうだった。
「正輝。貴方に質問するわ…私は今まで間違ってたことをやり直せるのかしら…アリシアは妹が欲しかったの…こんなになった母親を母親としてみてくれるのかしら…」
正輝はきっぱりとこう言った。
正輝の願いは平和主義(ハッピーエンド)。
「フェイトとアリシアは認めると思うよ。二人とも親孝行してるんだから、大丈夫です。俺が元の幸せな生活にしてあげます。絶対に!」
「貴方は…何者なの」
「俺はフェイトの救世主。ただそれだけです」
正輝は儀式を成功させて絶対に救おうという揺るがない目にプレシアは安心した様子だった。
朝11時
その頃フェイト達も正樹がいた場所に着いた。フェイトは下を向いており、アルフは正輝を睨んでいた。
「正輝…あんたに言いたいことがある…」
「フェイトのことだろ?プレシアから聞いたのか?」
すると正樹の襟を掴み怒鳴ってきた、プレシアは正輝にフェイトの救世主なら私はフェイトに真実を話してフェイトを救ってあげなさいと言った。
正輝達は元々知っていたのでそれがアルフを怒らせていた。
「あんた…プレシアと会う前から知ってるならなんで言わなかったんだい‼」
プレシアはついにフェイトに真実を語り、今のフェイトは正輝達をみて完全に怯えており、まるで自分のことを騙していたのという気持ちしかなかった。
「言って何が出来た?確かに真実を言わないことは悪いことだ。けどよ…そんなことを軽々と言えるわけないだろ。「はい。そうですか」って言えるような問題か?」
「正輝の言う通りだ。それにフェイトがそのことについて知ったらどうなるかわかろう?」
アーチャーの目線がフェイトの方を向きそれを見てフェイトが完全に怯えていることにアルフは掴んでいた手を放した。
「悪かったよ。ごめん…」
「早く言わなくてこっちもごめん。言いづらかったんだ。」
正輝はそのことは早く知っていたが、いきなりフェイトに言ったら心が折れるかもしれない、ためらっていた。
「正輝は私のことを人形だと思ってるの…今まで騙してきたの?」
正輝はフェイトの方に顔を向いき、前の落ち着いた表情ではなくなっていた。
「ホントはな。俺とセイバー、アーチャーも知っていた。フェイト家の事件の全てを知っていた。そんなことをいきなり言うわけにもいかなかった。悪気でやった訳じゃない。それにフェイトはなんか間違ってるぜ。」
「クローンなんだよ?偽物なんだよ?正樹はこんな私「なんでお前を幸せにする為にそんなことをしなきゃいけねーんだ?」えっ?」
「それにフェイト。お前は人形じゃないよ。心がある。喜怒哀楽がある。思いやりがある。それで変に思えるわけないだろ。」
「その通りです。貴方は人形ではありません。」
「そうであってもフェイト。お前は生きてる限り心があるのならそれは人間と同じだ。事実上それは変わらん。それに、フェイトが生まれてから今までの記憶はフェイトのものではないのかね?」
正輝達はフェイトのことを嫌いになることはなく、人ではないと忌み嫌うこともせずフェイトは人間だと証明させた。
フェイトはいつの間にか目に大粒の涙を流した。
「安心しろ。今まで忘れ去られた幸せな家庭を再構築してやる。だからさ…一生懸命楽しく生きよう?」
「うわぁぁぁぁん‼」
フェイトは正輝に勢いよく抱きついて、泣き声で辛い顔をして号泣していた。
「苦しくて…化物扱いされるのが怖くて…ぐすっ!辛かったよ!」
「良かったねフェイトぉぉ!正輝達ホントに優しいよ‼」
それからフェイトは正樹に抱きつきフェイトが泣き止むまで1時間このままの状態であり、正樹は流石に不味いのでアルフに抱きついてくれと言おうとしたが
「やだ。正輝がいいもん///えへへ。」
その潤った上目遣いと可愛らしい本音が正輝の調子を狂わせただけでなく、
「そんなに抱きつかれるとは…マスターがロリコンに堕ちるとはな。」
(マジでお前は本当に黙れぇぇぇ‼)
するとセイバーが哀れんだ目をしてきた。
「大丈夫です。貴方にも生きる資格がまだありますから」
「そんな目で見られても説得力ないからな!つーか見ないでくれ!」
昼2時
「それじゃ初めるぜ。アリシアの蘇生を」
正輝は英霊召喚の時の儀式の用意をした。触媒はアリシアが今まで持っていた物とジュエルシード。
フェイト達は正樹の背後に立っていた。
これは英霊の召喚ではない死者蘇生だ。
正輝のサーヴァントは受肉されており自分の魔力は持っているので正輝のマスターオブザリングによる魔力供給を遮断した。
「ー告げる。汝の身は我が下に(⁉)
」
その時儀式によって創り出した陣から強風と稲妻が走った。
「下がってください!」
セイバーはフェイト達に当たってしまう稲妻をエクスカリバーで防いだ。
「助かった!セイバー!」
「マスターは儀式に集中して下さい!」
(間違いなくフェイト達とセイバー達に当たっちまうがここでやめるわけにはいかない!)
正輝は危険を承知で召喚儀式を続けた。
「我が運命は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよーー」
強風の風が正樹の体に切り傷をつかせる。それでも続けた。
「誓いを此処に。我は常世総ての善となる者、我は常世総ての悪を敷く者ーー」
ついには時空が避けるほどの空間が生じてしまった。
「マスター!」
(あともう少しで終わる!)
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーー!」
その言葉と共に風と稲妻が止まり、召喚陣と触媒、空間の亀裂が光に包まれ、その光はアリシアの肉体に入って行った。
「どうなったの…」
空気が淀む。正輝はそのまま座り込み、セイバー達は戦闘体制に入っていた。フェイト達はまだ、そのまま背後に立っていた。
「うーん。あれ?」
永眠していたプレシアの娘。アリシアが起きた。
「悪りぃ。一応確認な。」
正輝はアリシアの体を魔術による解析をしたが元のプレシアの娘であった状態のままで異常なしだった。
つまり、正輝の死者蘇生は成功したのである。
「いよっしゃゃゃや!」
「アリシアぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
プレシアはアリシアに勢いよく泣きながら抱きついてきた。セイバー達は元の私服になり、正輝はそのまま座り込んだ。
「ふぅ…やっと終わった。」
正輝は座り込んだままアリシアをずっと見ていた。
「良かったですね。正輝」
「よくやったな。マスター」
なにはともあれよかった。
正輝はセイバーとアーチャーの魔力を元の回路に戻した。元々セイバー達は受肉されており、自分達の魔力を持っているというのが正輝にとって集中とアリシアを蘇生するという決心で成功出来た。
「えっと、私はありしあてすたろったです!」
「母親から聞いたよ。まぁよろしく。」
その後煙で見えなかったがアリシアの姿が裸だったのでプレシアが鼻血をだし、俺はまたアーチャーにロリコン扱いされたけれど、全員くたびれたので休んでいた。
「ごめんなさい…アリシアとフェイト。」
落ち着いてきたプレシアは気のすむまで二人を思いっきり抱きしめて謝り続けた。しかし、プレシアの病気が残っておりあまりにも強く抱いていたので吐血してしまし、正輝は急いでBLOW(病気を治すことも可能)を使用し病気を完治させておいた。
とにかくプレシアの血の量半端なく出してた。
正輝達は時の楽園で1日休み、次の日にその儀式の掃除が大変だったのは言うまでもない。
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