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SWORD SUMMIT

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第二章

 ある日リチャードはトーマスにだ、こうしたことも言った。
「日本刀だが」
「日本の刀ですね」
「あの刀は非常に素晴らしい」
 美を見る目だった、明らかに。
「まさに芸術品だ」
「よく言われることですが」
「私もそう思う」 
 彼も、というのだ。
「評判だけはある」
「それでは」
「うむ、やはり価値あるものは高いが」 
 それでもというのだ。
「見ていて惚れ惚れとする」
「では」
「父上にもお勧めしよう」
「その日本刀をですね」
「集めてみよう」
 家で、というのだ。
「そうしよう」
「わかりました、それではお父上に」
「うむ、それではな」
 こう話してだった、リチャードはトーマスの口から父に日本刀のことを話した、そしてリチャード自身もである。
 イギリスに帰った時にだ、父に話した。
「日本刀は芸術です、ですから」
「集めたいのか」
「はい、そうしてはどうでしょうか」
 こう言うのだった。
「我が家として」
「ふむ」
 息子の話を聞いてだ、父はまずは考える顔になった。
 そのうえでだ、こう答えたのだった。
「面白い、ではな」
「刀を集められますか」
「日本刀は確かに素晴らしい」 
 このことをだ、彼は強く言うのだった。
「芸術品だ、まさに」
「その通りです、私は日本にいて剣道も学んでいますが」
「その中でだな」
「日本刀の素晴らしさを知りました」
 そのうえで父に勧めているのだ。
「集めていきましょう、素晴らしい刀をな」
「そうしよう、では刀を選ぶのはな」
 それはというと。
「御前に任せる」
「私にですか」
「そうだ、御前が日本刀に魅せられたのならな」
 それならというのだ。
「御前が我が家で一番日本刀のことを知っている筈だ」
「それ故に」
「金は出す」
 家が、というのだ。
「これぞと思った刀を買え、いいな」
「わかりました」 
 こうしてだった、リチャードは日本においてこの国の文化を学びながらだった。刀の採集もはじめたのだった。
 だがここでだ、彼はトーマスにこうしたことを言った。
「どの刀も素晴らしいが」
「それでもですね」
「普通の素晴らしい刀よりもな」
「よい刀をですね」
「手に入れたいものだな」
「日本刀の中でもとりわけよい刀を」
「言うのなら芸術の中の芸術をだ」
 その域に達したものをというだ。
「手に入れたい」
「そうですね、しかしそうなるとなると」
「高価なものになるな」
「予算の方は家から出ますが」
「その心配はしなくていいがな」
「問題はどれだけのものを手に入れられるかだな」
「その通りですね、しかし日本刀の歴史は深く」
「銘品もな」
「多いですね、例えば虎徹ですが」
 トーマスはこの刀のことをトーマスに言った、テーブルにいて紅茶を飲んでいる主の傍に立って。 
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