ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第十幕その二
「恐竜のネッシーもいるかも知れないし」
「他の生きもののネッシーもね」
「いるかも知れないんですね」
「うん、そうかもね」
こう言うのでした。
「このことは中々わからないよ」
「ネッシーがいるかどうかも」
「僕はいると思うよ」
一応はこう考えている先生でした。
「ただ、いつもネス湖にいる可能性は少なくて」
「一種類じゃないかも知れないんですね」
「そうだよ、ではね」
「はい、それではですね」
「今度ネス湖に行ったら」
その時は、というのです。
「こうしたことも考えてね」
「ネッシーを探すといいんですね」
「そうしたらいいよ」
先生はイギリスに行ったことのある狸さんに笑顔でこう言いました。狸さんも納得しました。そして、でした。
この狸さんは長老さんにです、こう言うのでした。
「食べものはよくないですよ」
「よく聞くのう、そのことは」
「これといって美味しいものはないです」
「ウイスキーはイギリスじゃったな」
「はい、ウイスキーは本場ですけれど」
「それでもじゃな」
「食べものはよくないです」
こう長老さんと他の狸さんにもお話するのでした。
「正直食べものでは苦労しました」
「まずいか」
「はっきり言いますと」
そうだというのです。
「そうです」
「では宴は期待せぬ方がよいか」
長老さんは残念そうなお顔で述べました。
「仕方ないのう」
「そうですね」
「しかしじゃ」
それでもとです、長老さんは狸さん達に言いました。
「わし等はな」
「はい、おもてなしですね」
「それですね」
「楽しい宴にしようぞ」
こう言うのでした。
「鉄板の用意は出来ておるな」
「はい、もう」
「全部揃えました」
狸さん達は長老さんに陽気に答えました。
「それに食材も調味料も」
「特におソース、塩、胡椒を」
そうしたものもというのです。
「場所も用意しました」
「何時でもです」
「よいぞよいぞ」
長老さんは狸さん達の陽気な返事に笑顔で応えました。
「ではな」
「はい、皆で仲良く」
「楽しみましょう」
「そうしようぞ、例えあちらの味がわし等の味に合わずともじゃ」
それでもというのです。
「わし等は手を抜かんぞ」
「最高の美味しいものをですね」
「出しましょう」
「山海の珍味を集めて懐石料理にしようとも思ったが」
それでも、というのでした。
「考えを変えてよかったか」
「そうですね、ああしたのもいいですよね」
「お客さんをお迎えするにも」
「ああしたお料理もいいですよ」
「絶対に悪くないですよ」
「うむ、最高の馳走の一つじゃ」
その用意しているものもというのです。
「だからな」
「はい、明日はですね」
「僕達も」
「わしも腕を振るおう」
ここでまた飄々とした笑顔を出した長老さんでした。
「久し振りにのう」
「長老さんお料理もですか」
「うむ、出来る」
そうだとです、長老さんは加藤さんにも答えました。
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