転生とらぶる
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マクロスF
0750話
宇宙空間に飛び出して、まず最初にした事は当然ながらバジュラの撃墜……ではない。勿論それを狙ってファイターの下部に装備されている重量子ビームガンポッドやビームバルカンを、MDEビーム砲を撃ってはいるが、それはあくまでも牽制に過ぎない。まずやるべきは、俺がこの機体に慣れる事なのだから。
幾らVF-25の系列機だからと言っても、さすがにいきなり乗る機体でバジュラ相手のドッグファイトをやろうとは思えない。いや、俺自身はバジュラに撃墜されても平気なんだが、だからと言ってL.A.Iの最新鋭機であるYF-29をこんなところで撃破させる訳にはいかないしな。
まずは武器の調子を見ながら、機体の癖を掴むべく軽く動かす。勿論普通の機種転換に比べれば圧倒的に早いのだろうが、それでも当然ある程度の時間は掛かる。それをこの短時間でやらなければならないんだから、どうしても多少の無茶は必要になるだろう。
機体の調子を見ながらも、バジュラには的確にダメージを与えていく。1匹、2匹、3匹……その全てが雑魚バジュラとも呼べる機動兵隊バジュラではあったが、それでも俺がダメージを与えたバジュラに新統合軍のVF-171が攻撃を仕掛けては撃破していく。
そんな風に心ならず共新統合軍と連携して敵を倒していると、唐突に通信が入ってくる。
『アクセル、その機体が例のL.A.Iの最新鋭機って奴か? 随分と先進的な形をしているな。ただ、俺にはちょっと似合わないかもな、色的にも』
「ミハエルか。そっちの様子はどうなっている?」
『どうなってるも何も、知っての通りバジュラには通常攻撃はおろか、反応弾すらも効かなくなっているからな。俺がやるべき事は……こうだよっ!』
その言葉と共に、近くにあった岩石から放たれるビームは新統合軍のVF-171を背後から襲おうとしていた機動兵隊バジュラへと命中して貫通、撃破する。
そうか、そう言えば試作品の重量子ビームを撃てるガンポッドを以前受け取っていたな。それか。
というか、恐らくそのガンポッドってのはYF-29の試作品か何かだったんだろう。バジュラを一撃で撃破出来る数少ない武器だ。確かに邪魔されないように狙撃に徹しているのだろう。元々狙撃手だというのもあるのだろうが。
視線の先でバジュラに追われていたVF-171が離れていくのを見ながら、ふと気になってミハエルへと通信を送る。
「オズマとアルトはどうしている?」
『俺が使っている奴よりも銃身を短くして取り回しがしやすくなったのを使って元気にバジュラを狩ってるよ。クラン達ピクシー小隊もな』
「……なるほど」
まぁ、テスト用とは言っても折角開発して製造したんだ。ただでさえバジュラに効果がある武器が少ない以上、使わないって手は無いよな。
ただ、バジュラには例の学習能力がある。こちらが重量子ビームを撃てる武器を量産すれば、向こうもそれに対応してくるだろう。ただでさえ重量子ビームはアンタレス小隊によって今まで幾度も使われてきたのだ。俺がトルネードパックで使っていたビーム砲は重量子ビームよりも使われた回数が少ないので、結果的にまだ無効化されていないのだろうが……
「分かった。取りあえず俺もそっちに回ることにする」
『……大丈夫なのか? それこそ、お前はその機体には今日初めて乗ったんだろう?』
「確かにいきなりの戦闘だが、だからと言って手が抜ける状況じゃない……だろっ!」
VF-171へと襲い掛かろうとしていた機動兵隊バジュラへと、MDE連装ビーム砲を撃って真横からその胴体を撃破する。
その様子を見ていたミハエルは、画面の中で呆れた様に苦笑を浮かべつつ肩を竦めていた。
『はっ、お前さんの心配をした俺が馬鹿だったよ。どうやらこうやって見る限りじゃ全く心配はいらないらしいな』
「ま、そう言うことだ。……それより外のバジュラはともかくとして、中のバジュラをどうするかだが……聞いてるか?」
先程とは違うVF-171が重兵隊バジュラに襲われそうになっているのを、マイクロミサイルポッドから10発程撃って着弾の衝撃で向こうがバランスを崩し、その隙を突くかのようにミハエルが撃ったビームが重兵隊バジュラの胴体を貫いて爆散させたのを確認しながら尋ねる。
よし、ミサイルの方も取りあえず牽制にはなるか。何しろビームと違って弾数制限があるだけにあまり気楽には使えないんだよな。
『中ってのは……あれだろ? 確か大統領がランカちゃんの歌でどうにかするかもしれないって言ってた奴』
「ああ。けど。歌で集めてどうするんだ? 例えアイランド1内にいるバジュラの幼生体……じゃなくて、第2形態か。とにかく、そいつらをどこかに集めてもそれだけじゃ意味がないだろ? 敵を集めて、そして倒さなきゃいけないんだから」
『それは分かるが……その辺に関しては大統領や新統合軍のお偉いさんに任せるしかないだろ。俺達が何でもかんでも出来る訳じゃない』
「……まぁ、それは確かに」
ミハエルの言っている事はもっともだが、だからと言って安心出来るものではない。
『とにかく、俺達がやるべきはバジュラ共の数を減らす事だ!』
その言葉と共に、ミハエルは再び重量子ビームを放つ。機動兵隊バジュラの頭部を貫通し、その背後にいるもう1匹の機動兵隊バジュラをも爆散させる。
さすがに腕がいいな。思わずそう感嘆の声を上げた時、不意に通信が入ってくる。その相手は丁度今話題になっていた人物だった。
『スカル4、アクセル、聞こえるか?』
「オズマか、どうした? 今はバジュラの数を減らしていると聞いてるが」
『大統領から直接のオーダーが入った』
「グラス大統領から? つまり、それは内部にいるバジュラをどうにかするって事か?」
『そうなる。作戦としては簡単だ。ランカの歌でバジュラ共を1ヶ所に集めて、纏めて消滅させる』
「いや、考えてることは分かるがどうやってだよ? 広域破壊兵器ともなれば反応弾くらいしかないだろ?」
『その辺は問題無い。お前さんの機体を完成させたのはどこだと思ってる?』
なるほど、L.A.Iか。そう考えれば確かに可能そうではあるが……となると、フォールドクォーツを使っての武器か何か……か?
「話は分かった。で、どうしろと?」
『現在建設中の環境艦があるから、そこにランカを連れていってバジュラを集め、纏めてドカンとやるらしい』
「……いいのか?」
あれ程ランカを大切に思って来たオズマだ。そのランカを戦いに巻き込むのは絶対に避けたい事だろう。それに、ランカは美星学園での戦いで人間が死ぬところをこれでもかとばかりに見ている。一時はそのショックで歌いたくても歌えない状態になっていたのだ。何だかんだあって、結局は落ち着いたようだが。
『ランカが望んでいることだからな。俺は兄貴としてそれを叶えてやるだけだ』
「……いいんだな?」
再度尋ねるが、オズマは覚悟を決めた目で頷く。
『ああ。ランカは……妹は絶対に俺が守ってみせる。それに俺だけじゃない、アルトやお前にも手伝って貰うんだしな』
「分かった。場所は」
『データをすぐに送る』
その言葉に従い、受け取った座標データを確認。フロンティア船団の中で最も巨大なアイランド1。その最後尾が示されている。そこで新しい環境艦が作られているのだろう。だが、基本的に資源が限定される宇宙空間で新しい環境艦を作ったとしても、運用出来るのか? そうも思うが……まぁ、政治上の問題とかが色々とあるんだろうしな。
YF-29の機首を返してそちらへと移動しながらも通信を続ける。
「にしても、折角新しく作っているってのに、それを壊してしまうのは少し勿体なくないか?」
『俺もそうは思うが、何しろ使える場所がそこしか無いからな。と言うか、大統領の話によればこの新しい環境艦を作る事になった理由はお前らしいぞ?』
「……は?」
正直オズマが何を言っているのか意味が分からなかった。そもそも、俺がグラス大統領と会ったのはそれ程多くないし、護衛としてある程度親しくなるようになったのは今日の出来事があったからだ。それ故に出た言葉だったのだが……
『まぁ、正確に言えばお前を初めとした俺達S.M.Sの活動のおかげといったところか。最初にバジュラに襲われた日の襲撃以降は、今日の戦いがあるまでずっとアイランド1を初めとしたフロンティア船団に被害が出ないようにして戦っていただろ?』
「鳥の人の撮影でアイランド3に侵入されたけどな」
『ああ、そう言えばそうだったな。けど、結局侵入したのは10匹に満たない数で、更に言えば暴れたのは島の中だけだ。勿論完全に被害が出てない訳じゃ無いが、当初政府が想定していたものに比べると極端に少なかったらしい。で、お前が確保したバジュラの巣。あれを専門に……ようはバジュラ専門の研究所を作るべく新しい環境艦を作っていたのが、今回の作戦に使う事になった場所な訳だ』
「なるほど、まぁ、そう言われれば納得出来るが……っと、そろそろ見えてきた」
映像モニタには指示された座標に存在している環境艦の姿が映し出されている。こうして外から見る限りだと殆ど開発は完了しているように見えるな。
「他の艦じゃ駄目だったのか? それこそ、もう古くなってきたような奴とか」
『大統領が言うには、その中にいる人々を避難させるとなると時間的な余裕がないらしい。一番避難が早く終わるのが、ゼントラーディが巨人のままで過ごせるようになっているアイランド3だって話だしな』
確かにそこにいるゼントラーディを避難させるだけでも一大事だろうし、それ以外の動物やら魚やらを失う事になるのは痛いだろう。特にこのフロンティア船団では食糧自給率のかなりの部分をアイランド3に頼っているって話だし。
『とにかく、俺達4人の仕事はランカを守る事だ。お前も早く中に入ってこい。こっちの準備は既に完了している』
「4人?」
『ああ、ルカが先に来て既に準備を完了しているよ』
その声を聞きつつ、環境艦の中へと入っていく。
確かに中に入ると、外見はともかく中身はまだまだ建造途中であるというのがしっかりとわかる。骨組みだけの部分も見えるし、当然研究所の類も殆ど建設されていないのだから。
そんな中、ポツンと広大な空間の中にランカが立っており、その側にはVF-25が3機。オズマは機体に乗ったままだが、アルトはランカの側で何かを話している。もう1機の緑の機体はルカの機体だろう。
で、その肝心のルカはと言えば……ああ、あそこにいるな。何やらでかい装置らしきものを弄っているのが見える。……なるほど、あれがL.A.Iが開発したMAP兵器か。
「到着したぞ、こっちの準備はいつでもいいから始めてくれ」
『ああ、分かった。……ランカ、アルト、ルカ、そっちの準備はいいか?』
オズマの声に3人が頷いてアルトとルカは自分の機体に戻って行き、ランカは目を瞑って集中力を高めている。
『よし……じゃあ、作戦開始だ! お前達、ランカは何があっても絶対に守るぞ! アルト、ここから脱出する時にランカを連れ出すのはお前に任せる』
『オズマ隊長?』
アルトが困惑したように言葉を洩らすが、それを意図的に無視したオズマは早速とばかりにランカに声を掛ける。
『ランカ、始めてくれ』
その言葉に頷き、歌い始めるランカ。
静寂のみが広がる中に、ランカの歌声が響き渡る。
そのまま数秒、数十秒、数分が過ぎ……
『来ますっ! 全員戦闘用意をお願いします!』
電子戦用機のRVF-25に乗っているルカの声が響き、同時にどこからともなく……と言うよりは至る場所からバジュラが侵入してくるのを確認する。
アイランド1の中で散々殺した第2形態のバジュラもいれば、逆に宇宙空間で戦った機動兵隊バジュラや重兵隊バジュラのような成体のバジュラも多くいる。
『皆さん、敵を全部この艦に引きつけて下さい! 纏めて消滅させるので、出来るだけ多くを! とにかくランカさんに敵が向かわないように少しでも多くここで!』
そんなルカの指示に従い、重量子ビームを、通常のビームを、ビームバルカンをそれぞれ撃っていく。
通信を通して聞こえて来るランカの歌声。それに引き寄せられるようにして集まってくる無数のバジュラ。
そんな状況が数分程続いただろうか。倒した敵の数も恐らくは100匹を優に越しているだろう。そしてとうとうその時がやってくる。
『この宙域にいるバジュラのほぼ全てが集まりました! 今です! アルト先輩、ランカさんを!』
『分かった!』
その声と共に地上で歌っているランカを拾い上げ、それを邪魔せんとするバジュラはオズマによって撃ち落とされ、俺達は無事に脱出し……次の瞬間、アイランド1からパージされた建設途中だったその環境艦は見覚えのある黒い存在……ガリア4を呑み込んだ疑似ブラックホールによって消え失せるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:976
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