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第四真祖一家が異世界から来るそうですよ?

作者:黒螺
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YES!ウサギが呼びました!
  第五話 「白夜叉」

十六夜を連れて戻ってきた黒ウサギは、ガルドとギフトゲームをすることを聞きウサ耳を逆経てて切れていた。

黒ウサギが怒るのも無理はない、町に入った数時間で余所のコミュニティ(外道とはいえ)に喧嘩を売り
なおかつゲームの開催は明日、場所は敵の陣地などというトリプルコンボは流石に酷すぎる。
それに輪をかけて、この件で仲良くなった三人の女子の黒ウサギに対しての反応が・・・・・・

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

「黙らっしゃい!!」

この口裏を合わせていたような言い訳では流石の黒ウサギも激怒するのも頷けてしまう。

それを十六夜がニヤニヤしながら止めに入る。

「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

「十六夜さんは、面白ければいいと思いますが、この“契約書類”を見てください」

『契約書類』とは『主催者権限』を持っていない者たちが『主催者』となってギフトゲームを開催するために必要なものであり、そこにゲーム内容、チップ、賞品が書かれており“主催者”のコミュニティのリーダーが署名をすることで成立する。

「『参加者が勝利した場合、主催者は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する』まぁ~、確かにこれは自己満足だな。だが時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを負ってまで短縮させるんだからしょうがないんじゃねえか?」

「でも時間さえかければ、彼らの罪は必ず暴かれます。だって肝心の子供達は・・・・・・その」

黒ウサギが言い淀む、『フォレス・ガロ』の悪評は聞いていたがここまで酷い状態になっているとは思っていなかったのある。

「そう。人質は既に死んでこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの・・・・・・それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないのよ。ここで逃がせば、いつかまた必ず狙ってくるに決まってるもの」

「ま、まぁ、確かに・・・・・・逃がせば厄介かもしれませんけれど」

「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」

ジン君も同調し、黒ウサギは諦めたように頷いた。

「はぁ~・・・・・・、仕方がありませんね。まぁ、いいです。
 『フォレス・ガロ』相手なら十六夜さん一人いれば楽勝でしょう」

「はぁ?何言ってんだ。俺は参加しねえよ?」

「あら、なかなか分かってるじゃない」

「当然だろ?」

十六夜と飛鳥、俺の発言に黒ウサギが慌てる。

「だ、駄目ですよ!皆さんはコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。この喧嘩はコイツらが『売って』、ヤツらが『買った』。それに俺が手を出すのは無粋だってことだよ」

「・・・・・あぁもう~、好きにしてください」

肩を落とし困り果てる黒ウサギであった。

しばらくして黒ウサギは気を取り直して全員に切り出した。

「そろそろ行きましょうか。皆さんを歓迎するためにを色々準備をしないといけませんし・・・・・・」

「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」

「そこまで気を遣わなくても大丈夫」

黒ウサギは驚きながらジン君を見る。すると彼の申し訳なさそうな顔を見て何かを悟ったようだった。

「も、申し訳ございません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが・・・・・・黒ウサギ達も必死だったのです」

「崖っぷちじゃ~必死になるよね」

「ですが、それで相手を騙していい事にはなりません」

「まぁ~事情はどうあれ、雪菜の言うとおりだよな」

「「申し訳御座いませんでした!!」」

古城と雪菜の言葉に土下座をするジンと黒ウサギであった。
このままでは話が進まないとばかりに飛鳥が話しを進める。

「土下座はもういいわ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。春日部さんと零菜さんはどう?」

「私もあんまり気にならないかな」

「私も怒ってない。そもそもコミュニティがどうの、というのは別にどうでも・・・・・・あ、けど」

春日部さんが何かを思い出したようすだった。

「どうぞ気兼ねなく聞いてください。僕らに出来ることなら最低限の用意はさせてもらいます」

「そんな大それたものじゃないよ。ただ私は・・・・・・毎日三食お風呂付きの寝床があればいいな、と思っただけだから」

「あ~お風呂には入りたいよね!」

それを聞いたジンの表情が固まり、その理由を察した耀と零菜が慌てて取り消そうとしていたが黒ウサギが嬉々とした顔で答えた。

「水に関しては問題ありません! 十六夜さんが大きな水樹の苗を獲得してくれたので、水路を復活させることが出来るようになりました!」

「やった!!お風呂に入れる!!」

喜ぶ零菜に飛鳥も安堵の声を上げる。

「私達の国では水が豊富だったから毎日のようにはいれたけれど、場所が変われば文化も違うものね。今日は理不尽に湖へ投げ出されたから、お風呂には絶対入りたかったところよ・・・・・・そういう意味では十六夜君に感謝しないとね」

「そう言ってもらえると取ってきたかいがあったな」

飛鳥の言葉にまんざらでもなさそうに笑う十六夜であった。

「あう・・・・・・そ、それは黒ウサギの責任外の事ですよ・・・・・・」

「あはは・・・・・・それじゃあ今日はコミュニティに帰る?」

ジンが苦笑しながら黒ウサギに聞く。

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。ギフトゲームが明日なら『サウザンドアイズ』にギフト鑑定をお願いしたいと思います」

「『サウザンドアイズ』・・・・・・?コミュニティの名前か?」

「YES!!サウザンドアイズは特殊な『瞳』のギフトを持つ者達の群体コミュニティです、箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますのでそこでお願いしようかと」

「ギフト鑑定ってのは?」

「ギフトの秘めた力やその起源などを鑑定することです。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出所は気になるでしょう?」

「(ってか俺には、ギフトなんて心当たりないんだがな~)」

「(ギフトと言うにはどうかと思いますが。私達の場合、恐らくですが吸血鬼関係の何かでしょう)」

「(はぁ~やっぱり、そうなるか・・・・・・)」

ギフトについて不安の消えない古城をよそに一行は歩き出した。

『サウザンドアイズ』の店に向かいながら町の様子を眺めていると途中で、桜の木のようなものがあり、飛鳥が不思議そうに呟く。

「桜の木・・・・・・ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けるはずがないもの」

「いや、まだ夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

「・・・・・・?今は秋だったと思うけど」

「うちは常夏の島だから季節とかあんま関係ないんだよな」

「それに真冬でも、平均気温は二十度を超えるので桜は育たないと思います」

「海で泳ぐのには丁度いいんだけどね~」

最後に三人を除き何やら会話がかみ合わ無いで首を傾げる十六夜達に黒ウサギが種明かしをする。

「ふふふ、皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのデス。ですから元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずなのですよ」

「パラレルワールドってやつか?」

「正しくは立体交差並行世界論というものですが、説明は長くなるのでまたの機会ということに・・・・・・見えましたよ」

黒ウサギの言うとうり『サウザンドアイズ』の支店が見えた、しかし、ちょうど店の店員が暖簾を下げるところだったとめ思わず黒ウサギが叫ぶ。

「まっ、待ってーーーーーーー」

「待った無しですお客様。うちは時間外営業はやっておりません」

「あら、なんて、商売っ気のない店なのかしら」

「全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」

「文句があるなら他所の店へどうぞ。あなた方は今後、一切の出入りを禁じます」

「出禁!?これだけで出禁とかあまりにも御客様舐めすぎでございますよ!!」

「時間外営業してないって言うのに無理に入ろううとしてるからだろ・・・・・・」

「そうですね、向こうからしたらこちらは迷惑なお客でしかありません」

「ご理解いただける方がいて幸いです・・・・・・それにひきかえ・・・・・・」

文句を言う黒ウサギに対し、冷めたような目をする店員。

「まぁ、いいでしょう『箱庭の貴族』であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですしね。入店許可を伺いますので、『コミュニティ』の名前をよろしいでしょうか?」

「・・・・・・う」

一転して言葉に詰まる黒ウサギ、しかし十六夜は何の躊躇いもなく名乗る。

「俺達は『ノーネーム』ってコミュニティなんだが」

「ほほう。いったいどちらの『ノーネーム』様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

「(こりゃ~旗印と名が無いって知ってて聞いてるな~)」

「(無理もありません、名前の無いコミュニティ相手では、商売相手として信用を置けないという事ですから)」

「(いっくらそうでも、あそこまであからさまにするかな??)」

「(そりゃ~黒ウサギが文句言ってくるのに腹が立ったんだろ?)」

「(そうですね、向こうも面倒事は避けたいでしょうしでし)」

そんな会話をする古城達をよそに店の奥から何かが飛び出してできた。

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉーーーーーーー!!久しぶりだ黒ウサギイィーーーーーー!」

飛び出てきたのは着物風の服を着た少女でそのまま、黒ウサギに抱きつき勢いそのまま、黒ウサギは少女と一緒に空中四回転半ひねりをして街道の向うにある水路に・・・・・・落ちた。

全員は眼を丸くし、店員は痛そうな頭を抱えていた。

「おい、店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?俺も別バージョンで是非頼む」

「ありません」

「なら、有料でも」

「やりません」

十六夜の真剣な目に対して店員は冷であった。

黒ウサギに飛びついた少女・・・・・よく見ると更に幼く見える幼女は黒ウサギの胸に顔を埋めてなすり付けていた。


「し、白夜叉様!?どうしてこんな下層に!?」

「黒ウサギが来る予感がしたからに決まっとるだろうに!フフ、フホホフホホ!!やっぱり黒ウサギは触り心地が違うの!ほれ、ここが良いかここが良いか!」

スリスリスリスリ。

「し、白夜叉様!!ち、ちょっと離れてください!!」

白夜叉を無理やり引きはがし、頭を掴み投げ飛ばす・・・・・・投げ飛ばした先に十六夜がおり、白夜叉を足で受け止めた。

「ゴフッ! お、おんし!飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

「十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロリ」

ヤハハと笑い自己紹介をする十六夜であった。

一連の出来ことに呆気にとられていると飛鳥が白夜叉に声を掛けた。

「貴女はこの店の人?」

「おお、そうだとも。この『サウザンドアイズ』の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしの年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

「オーナー。それでは売り上げが伸びません。ボスが起こります」

「(あ~また変なのがでてきたな~)」

「(そうですね、変なのはともかく、やらしい方のようです・・・・・・)」

そんな白夜叉を冷たい目で見る雪菜であった。

白夜叉の計らいで店の中に入れてもらい白夜叉の私室で話しを始める。

「改めて、私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構える『サウザンドアイズ』幹部の白夜叉だ。黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

「はいはい、お世話になっております本当に」

投げやりに受け流す黒ウサギ。

その隣で耀が小首を傾げながら白夜叉に質問をした。

「外門って何?」

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです」

黒ウサギが描いた図をみて、それが、あるものに似ていることに気付いた。

「・・・・超巨大玉ねぎ?」

「超巨大バームクーヘンではないかしら?」

「どちらかと言えばバームクーヘンだな」

「玉ねぎに見えなくもないな」

「そうですね・・・・・・あえて言うなら玉ねぎでしょうか?」

「私はバームクーヘンかな!美味しそうだし!」

身も蓋もない喩にガクリと肩を落とす黒ウサギ、対照的に哄笑を上げる白夜叉。

「ふふ、うまいこと例える、その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は『世界の果て』と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ・・・・・・その水樹の持ち主などな」

そう言って黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向ける。

「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ? 知恵比べか? 勇気を試したのか?」

「いえいえ。この水樹は十六夜さんがここに来る前に、蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ」

自慢げに黒ウサギが言う。すると白夜叉は少し目を見開いて驚いた。

「なんと!? ゲームクリアではなく直接的に倒したとな!? ではその小僧は神格持ちか?」

「いえ、そうは思えません。神格なら一目で分かりますし」

「ふむ・・・・・・そうか(どういうことじゃ?もう一人の小僧からは微かに神格を感じとれる、それに黒ウサギが気ずかないじゃと・・・・・・?)」

少し考え込む白夜叉。

普通なら、神格なしの存在が神格持ちに勝つには元々の種族の力の差がとんでもないことになっている場合しかあり得ない。人間と蛇にそこまでの差は無い、だからこそ白夜叉は驚いた。
そして神格持ちを目の前にして黒ウサギが感知できておらず自分が感知できているという矛盾もでてきた。

実はこの神格の希薄なのには古城の真祖になるプロセスに幾つかの問題があったからである。

そもそも、『第四真祖』とは3人の真祖が“天部”(古代超人類とも言う)と共に“聖殲”と言う戦いのために設計した、『世界最強の吸血鬼という生体兵器』である。本体である“呪われた魂”と12体の眷獣の器である12人の“焔光の夜伯”に分割封印されおり、活動と休眠を繰り返してきた。
そのため真祖の強大な力と神格に起因する固有堆積時間(パーソナルヒストリー)を第四真祖は他者から搾取することで力を得ていた。

しかし古城は元々、普通の人間であったのだが、テロ襲撃を切っ掛けに先代の“焔光の夜伯”(カレイドブラッド)であるアヴローラと肋骨を交換して“血の従者”となった、その後“原初のアヴローラ”を倒した際に第四真祖の“力のみ”をアヴローラから受け継いだ『新たな第四真祖』となった為、吸血鬼の強大な力を使うのに必要である固有堆積時間(パーソナルヒストリー)が圧倒的に不足していたのである。

固有堆積時間(パーソナルヒストリー)とは、『ある存在が生み出されてから現在まで経験してきた時間の総和』であり魔術的には個人の歴史そのものである、そのため為、『新たな第四真祖』である古城はまだまだ『個人の歴史』が浅く神格も希薄になってしまうのであった。

もっとも眷獣を使用する際は分割されていた12体の眷獣の器である12人の“焔光の夜伯”個々の固有堆積時間(パーソナルヒストリー)も合算される為、眷獣も使え、神格がしっかりと確認できるようになるのだが。

その思考を断ち切るかのように、黒ウサギが質問した。

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

「ん?知ってるもなにも、あれに神格を与えたのは私だぞ。もう何百年にもなる話だが」

そのセリフに反応する三人。

「へぇ~、じゃあお前はあの蛇より強いわけだな」

十六夜の目が獲物を見つけた狩人の目になる。

「当然だ。私は東側の『階層支配者』だぞ。この東側の四桁以下では並ぶものはいない、最強の主催者だ」

「つまり、貴女のゲームをクリアすれば私たちが東側最強ってことになるのかしら?」

「無論、そうなるのう」

「そりゃ、景気のいい話だ。探す手間が省けた」

古城達を除く三人は立ち上がり闘争心を剥き出しにして白夜叉を見る、それに気づいたように白夜叉は高らかに笑い声を上げた。

「抜け目が無い童たちだ。依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むとはな・・・・・・して残りの三人はどうするのじゃ?」

白夜叉が古城達に向き直る。

「なんでわざわざ、あんたみたいな強い奴と戦わなきゃいけないんだ?」

「私では勝ち目がないでしょう」

「白夜叉ちゃんと勝負するとか絶対に無理!!」

「おいおい古城達は、随分と弱気だな」

「あのなぁ~お前ら・・・・・・流石に相手が悪すぎるぞ??」

「相手との力量を鑑みた方が良いと思います」

「だよね~」

「え?ちょ、ちょっと御三人様!?」

慌てて十六夜達を止めようとする黒ウサギを片手で白夜叉は制す。

「よいよい黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

「ノリがいいわね。そういうの好きよ」

「ふふ、そうか。・・・・・・しかし、ゲームの前に確認することがある」

「なんだ?」

白夜叉は懐から『サウザンドアイズ』の旗印の紋が入ったカードを取り出し、そして不敵な笑みを浮かべた。

「おんしらが、望むのは『挑戦』か?もしくは

    『決闘』か?」







その瞬間、白夜叉の部屋が崩壊したかと思うと足元から古城達全員を呑み込んでいく。

投げ出された先は白い雪原と凍る湖畔・・・・・・そして水平に太陽が廻る世界であった。


「「「・・・・・・なっ・・・・・・!?」」」

あまりの異常さに白夜叉と古城達を除く全員が同時に息を呑んだ。

唖然と立ち竦む三人と不敵に笑いもう一度、白夜叉は問いかける。


「今一度名乗り直し、問おうかの。私は『白き夜の魔王』・・・・・・太陽と白夜の精霊白夜叉。おんしらが望むのは試練への『挑戦』か?それとも対等な『決闘』か?」

魔王・白夜叉。少女の笑みとは思えぬ凄みに、再度息を呑む三人であった。







 
 

 
後書き
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