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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第九幕その三

「三段のそれに様々なお茶の友を用意しましょう」
「スコーンにサンドイッチにケーキに」
「クッキーにエクレアにです」 
 そうした様々なお茶のお友達をというのです。
「色々と用意して、それに」
「それにですね」
「紅茶だけではなく」
 先生は笑顔で老紳士に提案していきます。
「お酒もです」
「それもですね」
「ワインなりシャンパンなりを」
 そうしたお酒をというのです。
「沢山用意しましょう」
「それは確かによさそうですね」
「ティーセットは紅茶だけではありません」
 確かに紅茶を飲む場所です、ですが楽しむものは紅茶だけとは限らないのがティータイムというものなのです。
「ですから」
「それで、ですね」
「ワインやシャンパンも」
「用意して」
「狸さん達をお迎えしましょう」
「それでは」
 老紳士も先生の言葉に笑顔で応えました、こうして狸さん達をどうお迎えするかどうかは決まりました。そうして。
 老紳士は先生にです、こうも言いました。
「ところで日本のお風呂ですが」
「はい、あのことですか」
「いや、イギリスではただシャワーを浴びるだけが殆どですが」
「日本では湯舟に入りますね」
「ですからこのお屋敷はイギリス風でも」
「お風呂だけはですか」
「変えました」
 そうしたというのです。
「和風ではないが大浴場を設けて」
「そこにカワウソさん達が皆で、ですか」
「はい、入る様にしています」
「そうなのですか」
「幸い温泉もありますので」
「そこのお湯を使われて」
「入っています、泳げもしますので」
 老紳士はこのお風呂の中で泳げることについてはです、顔を綻ばせてそのうえで先生達に笑顔でお話するのでした。
「非常に楽しいです」
「そうそう、カワウソさんだからね」
「泳ぐんだよね」
 ジップとチーチーもここで言いました。
「お水がお好きでね」
「泳ぐことも大好きなんだよね」
「私も好きよ、泳ぐの」
「僕もぢだよ」
 ガブガブとダブダブも言うのでした。
「家鴨だしね」
「豚は綺麗好きなんだよ」
「お風呂はやっぱり日本ね」
「そうね」
 ポリネシアとトートーもこう言います。
「イギリスのシャワーは味気なくて」
「それだけで終わりだから」
「お風呂に入るとね」
「身体の疲れが落ちるんだよね」
 ホワイティとチープサイドのご主人もお話します。
「だからね」
「お風呂の方がずっといいから」
「先生もお風呂好きだしね」
「そうそう、毎日楽しんでて」
「すっかり馴染んでるよね」
 オシツオサレツは老馬の言葉に二つのお口で応えます。
「先生の趣味の一つになったね」
「完全にね」
「そうなってるね」
「いや、お風呂はですね」
 先生も笑顔で老紳士にお話します。
「素晴らしいものですね」
「はい、毎日入っても飽きません」
 老紳士もこう答えるのでした、先生のお風呂に関するお話に。 
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