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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第九幕その二

「狸さんを迎えましょう」
「それでは」
「はい、そして」
「そしてですね」
「あちらもです」
 狸さん達の方もというのです。
「招いて下さるので」
「つまり相互に訪問し合って」
「おもてなしをするということで」
「そうして相互理解を進めてですね」
「親睦を深めていきましょう」
「私達としてはです」
 カワウソさん達はです、どうかといいますと。
「この松山で平和に暮らしていきたいのです」
「そうですよね、それでは」
「狸さん達とも」
「仲良くされるべきなので」
 それでだというのです。
「まずは相互理解です」
「それが第一ですね」
「日本がどうした国かはもうある程度はおわかりだと思いますが」
「はい、いい国ですね」
 老紳士も微笑んで先生に答えました。
「この国は」
「そうです、ですから」
「狸さん達もはまずお互いを知り合うべきですね」
「私は双方にお会いしましたが」
 カワウソさん達にも狸さん達にもです。
「どちらも非常に素晴しい方々なので」
「仲良く出来ますか」
「間違いなく」
 それが可能だというのです。
「ご安心下さい」
「そして仲良くしていく為にですね」
「相互理解を進めるべきです」
 だからだというのです。
「パーテイーからはじめましょう」
「そういうことで。ではティーセットと朝食の用意を」
「朝食といいましても」
「そう、昼でも夜でもですね」
 食べるものだというのです。
「イギリス風に」
「どうもですね」
 ここで先生は苦笑いになってこう言いました。
「イギリスの食事ですが」
「どうしてもですね」
「三食共朝食ということもありますし」
「メニュー的には」
「それが他の国の方には驚かれますね」
「欧州でもそうしたことはありませんからね」
 イギリスも欧州の一国ですがそれでもなのです。
「フランスでもドイツでも」
「イタリアでも」
「そうしたことはないですからね」
「本当にイギリスだけです」
 三食共メニューが朝食だということはです。
「もっとも昼食、夕食のメニューもありますが」
「しかし」
「はい、イギリスでは朝食のメニューはお昼も夜も食べます」
「そこが違いますからね、他の国と」
 こう二人でお話するのでした、しかし先生はそれでもこう言うのでした。
「僕はそれでもです」
「ティーセットと朝食のメニューでいくべきだというのですね」
「はい、そうしましょう」
「それが一番イギリス的だからですか」
「そうです、あちらは絶対に和食を出してこられます」
 狸さん達はというのです。
「この松山の見事な食材を活かした」
「山海の珍味ですね」
「そう言っていいものを使った」 
 その和食を、というのです。
「それに対してこちらはです」
「その二つですね」
「それでいきましょう」
「ティーセットはイギリスの誇りです」
「はい」
 先生も笑顔でその通りだと答えます、ティーセットについては。 
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