転生とらぶる
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マクロスF
0742話
「では、アクセルとシェリルの同棲を祝って……かんぱーい!」
『かんぱーい!』
ミハエルの声と共に、その場にいた全員が持っていたコップを掲げてから近くにいる相手のコップと軽くぶつける。
俺もまた烏龍茶の入ったコップに口を付けつつ、周囲を見回す。
来ているメンバーは、ミハエルとアルトのスカル小隊コンビに、ピクシー小隊からはクランが、そして予想外だったのがオズマとキャサリンの焼けぼっくいに火が点いたカップルの合計5人だ。
残るスカル小隊のルカは、L.A.Iの方でちょっと手が離せないので少し遅れるらしい。でもってランカは初のコンサートは終わったものの、バジュラに対する秘密兵器であり希望の歌姫として文字通りに分刻み、秒刻みのスケジュールを送っているとかで来るのは無理だった。
シェリルが言うには、グレイスはマネージャーとしては非常に優秀なので、取りあえずランカの事は心配いらないとの事だ。
最近ではどこから調べたのか、ファンが家にやって来る事もあってランカは家そのものに帰っていないらしい。今はホテルで寝泊まりしているとオズマが言っていた。
で、オズマもそんなファンに突撃されるのに頭に来て、S.M.Sの宿舎に泊まり込んでいるとかなんとか。……俺としては、それは口実で実はキャサリンとの甘い日々を過ごしていると見ているが。いや、シェリルと同棲する俺が言えた事じゃないけどな。
「にしても、引越祝いは随分と早かったな。このマンションを見つけたのも、引っ越したのも昨日だぞ?」
「引越祝いじゃなくて、同棲祝いな。……いやぁ、にしてもアクセルとシェリルがくっつくとは思ってたけど、まさかいきなり同棲とかするとは思わなかった。で、何で急にそんなに進展したんだ? 言っちゃ悪いけど、アクセルってその辺凄い鈍いだろ? 何度もシェリルが秋波を送ってたのに、あくまでも友人だとか、弟的な扱いだとか言ってたくらいだし」
「ふんっ、あたしの魅力に掛かればアクセルの1人や2人はどうにでもなるのよ」
引越祝いとしてミハエル達が買ってきたハムとレタスのサンドイッチに手を伸ばしながらシェリルがいつもの強気な笑みを浮かべてそう告げる。
「へぇ。となると、やっぱりシェリルから迫ったとか?」
「うっ、そ、それは……」
言葉に詰まるシェリルだが、無理も無い。殆ど状況に流されて身体を重ねたんだしな。というか、あの状況を考えれば俺が迫ったというのが正しいのか?
「ったく、ガキの癖にアクセルの奴は……」
「あら、オズマ。嫉妬してるの?」
「ふんっ、俺はこんな乳くせぇ小娘に興味なんかないよ」
「……へぇ。それは年増に興味があるって事なのかしら? オズマ?」
「痛っ! 痛いって、おい、キャシー! 別に俺はお前を年増だなんて思ってないから!」
オズマの隣に座っているキャサリンが何かしたのだろう。オズマがソファの上で大袈裟に痛がって騒ぐ。
そんな風に1時間程皆で食べて飲んでとやっていると、不意に部屋のチャイムが鳴る。
「あら、誰かしら? 今日来るのはここにいるので全員よね?」
「ああ。……元々アクセルは交友範囲が狭いからな。ボビー辺りが来ようと思ってたらしいが、ブリッジクルーは緊急フォールドで予想外の場所にデフォールドした影響でそれどころじゃないし」
「そう、じゃあ……」
呟きながらマンション入り口の映像を見ていたシェリルだったが、すぐに納得したようにこっちへ視線を向けて来る。
「アクセルの同僚よ」
呟きながら操作してマンションの入り口を開けるシェリルだが……同僚? この場にいない同僚となるとルカだが、L.A.Iの方で忙しかった筈なんだけどな。
そんな風に考えていると、ルカが部屋にやって来る。
「アクセル君、引っ越しおめでとうございます。これ、引越祝いです」
言葉と共に差し出されたのはワインの入った瓶……だったが、それを速攻でオズマが奪い取り、吊り上がった目で口を開く。
「いいか、アクセルには絶対にアルコールを飲ませるな。猫に小判、豚に真珠、鬼に金棒、何とかに刃物。それくらい言ってもまだ足りない程に酒癖が悪いんだから」
「オズマ、言ってる言葉の殆どが意味が違うわよ」
キョトンとしているルカ達に向かって告げたオズマに、頭が痛い……否、頭が頭痛だとでもいうように額を抑えるキャサリン。
まぁ、オズマにしてみれば俺が酔っ払った状態でこのマクロス世界に転移してきたというのを知ってるだけに、俺に酒を飲ませるのは危険だと理解してるんだろう。
「え? あ、そう言えば以前のアルト先輩の歓迎会の時にもそんな事を言ってましたよね。そんなにアクセル君ってお酒に弱いんですか?」
チラリ、とこちらに尋ねてくるルカに向かって、小さく肩を竦めて口を開く。
「弱いって言うか、意識を無くした状態で動き回ったりするらしい。それを考えれば、確かに俺は酒を飲まない方がいいだろうな。特に美味いとも感じないし」
「そう? なら、ワインはあたしが責任を持って処分するわ。貴方達は?」
ワイングラスを出してきたシェリルの問いに、大人組でもあるオズマとキャサリンは揃って首を振る。
「悪いけど、後でちょっとやるべき事があってな。今は酔っ払う訳にはいかないんだよ」
「そうね。残念だけど今日は遠慮しておくわ」
「そう? 残念だけどしょうがないわね。アルト達は?」
「あー、そうだな。なら1杯だけ。ミシェル達はどうする?」
「俺は貰おうかな。でも、クランはやめておいた方が良く無いか?」
「むむっ、何だと!? 私に酒は似合わないとでも言うのか!?」
「まぁ、その身体だとなぁ……」
「ムキーッ!」
いつもの如くやり取りをしている2人を見ながら、早速とばかりにサンドイッチを食べているルカへと視線を向ける。
余程に腹が減っていたのだろう。小柄で食欲が細いルカにしては、驚くべきスピードでサンドイッチの量を減らしている。
「随分と大変そうだな。何か緊急の仕事とかあったのか?」
「んぐんぐ。……あ、はい。まずミシェル先輩にこの前使って貰った重量子ビームガンポッドのデータ取りとか、バジュラについての研究とか。それに、これまでに得た各種データで……っと、これは社外秘でした。まぁ、とにかく現在は色々と忙しい事になっているんです」
この様子を見る限りでは、確かに忙しいのだろう。それでも疲れた様子を見せないのは、ある意味で趣味の領域のようなものもあるからか。……この辺、シャドウミラーの技術班に通じるものがあるよな。
そんな風にルカも入れて30分程談笑していると、やがてオズマが俺の方へと視線を向けて来る。
「アクセル、悪いけどちょっと話がある。確か、外から切り離されている部屋があるって話だったよな? ちょっといいか?」
「オズマ隊長?」
そんなオズマに、ミハエルが視線を向けるが、問題無いとばかりに首を振る。
「悪いが、お前達はこのまま楽しんでいてくれ」
「はぁ、分かりましたけど」
「じゃ、アクセル大尉をちょっと借りるわね」
「いいけど、しっかり返してよ? そのまま持ってっちゃやーよ」
ルカの持ってきたワイングラスを掲げながら、からかうように告げるシェリルに、キャサリンは小さく肩を竦めて口を開く。
「さて、どうかしらね。大人の女の魅力を知ったら戻れないかもしれないわよ?」
ピクリ、とその言葉にシェリルの口元がひくつくが、シェリルは無理矢理言葉を返す。
「あら、その辺は問題無いわよ。アクセルはあたしの魅力にどっぷりだから、年増……もとい、年上には興味無いと思うわよ?」
「と、としっ……へ、へぇ。そう。まぁ、アクセル大尉はまだ15歳で年上のお姉さんの魅力を知るにはちょっと早いかもしれないわね」
キャサリンは十分魅力的だと思うけどな。……勿論そんな事は口に出さない。後でどんな報復が来るか分かったもんじゃないし。
「ほらほら、キャシーもその辺にしておけ。アクセル、案内を頼む」
「ああ、こっちだ」
オズマの仲裁に、助かったと溜息を吐きながら6畳程の部屋へと案内する。
何を思ってこのマンションを設計した建築家がこんな部屋を作ったのかは知らないが、それでも今回のような時には大助かりだ。……もしかして、本当に対インプラントとかを考えて設計したんじゃないだろうな。
部屋の中はフローリングとなっており、他には何も無い。それこそ、クッションやソファの類も存在していない。
「……俺が言うべき事じゃないが、せめてソファとかは用意しておいた方がいいんじゃないか? ガランとしすぎだろ?」
「最初はそう思ったんだけどな。ソファとかがあれば、カメラとかが仕込まれる可能性も高い。それを考えると、ちょっとな」
「それは考えすぎだと思うけど……」
「いや、グレイス・オコナーが裏で色々と動いている以上は警戒してし過ぎるという事はないだろう。何しろ外見も当てにならないんだから、その気になれば何をしでかすものやら」
V型感染症のレポートと一緒にあった写真の事を思い出したのだろう。10年、あるいは20年経ってもそのままの外見というのは、このマクロス世界的におかしい。
あるいは俺ならその辺混沌精霊という生物故に全く問題は無いし、時の指輪を身につけても同等なのだろうが……
いや、でもマクロス7でのマックスやミリアの容姿を考えれば、意外とありなのか?
「インプラントだからだろうな。恐らく身体の一部がサイボーグとかじゃなくて、全てがサイボーグだと思った方がいい。それなら容姿を変える程度は楽勝だろうし」
「ああ、厄介極まりない能力だよ。あの能力がある限り、迂闊な場所で話せないし」
溜息を吐きながら呟くオズマに、その隣ではキャサリンもまた頷いている。
奴が厄介なのは、明確に敵として存在していない事なんだよな。勿論ガリア4での出来事や、シェリルを切り捨てたような事のように個人的に許せないことは多々ある。だが、ガリア4の件は証明するのは難しいし、シェリルを切り捨てた件は意見の相違だと言えばこちらとしても文句は言えない。
更に言えば、今はランカのマネージャーをフロンティア政府から任されているというのを盾にされれば、こちらとしては手の打ちようがないしな。
「まぁ、グレイスの件は置いておくとしてだ。わざわざ向こうから察知出来ない場所に引っ張ってきたんだから、何かあるんだろ?」
「……ああ。俺とキャシーは、明日から暫くの間奴を……三島補佐官を探る。どうにも、グレイスと手を組んでからの奴の動きは色々ときな臭い」
オズマの言葉に、床に座りながら頷くキャサリン。
「なるほど。まぁ、バジュラの包囲から抜け出してフロンティア船団中が一息吐いているしな。それを考えれば、何か行動を起こすかもしれないというのは考えられるか」
「ああ。俺も奴が何らかの行動を起こすんじゃないかと睨んでいる。それを探る為にアクセルにも協力して欲しい」
「……俺に?」
まぁ、確かに混沌精霊としての力でもある影のゲートを使えば諜報活動は飛躍的に楽になるだろう。だが、オズマは俺が混沌精霊だというのは知らない筈だ。となると、何を手伝えと?
そんな俺の視線で何が言いたいのかを理解したのだろう。小さく頷いて説明を続ける。
「勿論、アクセルに調査活動そのものを手伝えって言ってる訳じゃ無い。正直、アクセルの身体能力を考えればその辺は非常に惜しいが、何しろお前はシェリルとくっついているからな。グレイスにも注目されていると考えてもいい」
「だろうな」
こうして外と隔絶されている部屋の中でわざわざ話しているように、インプラントであるグレイスの最大の攻撃手段はそのハッキング能力なのだから。まぁ、インプラント処理をしている以上並の兵士よりも強力な戦闘力を持っているかもしれないとは思うが。
「じゃあ、俺に何を頼みたいんだ?」
「これから俺は調査の方に集中する。つまり、スカル小隊として出撃する時に1歩後れを取るかもしれないんだ。その際のフォローを頼む」
「……なるほど」
確かに調査に集中すれば、もしスカル小隊が出撃するような事態になった時に通常時よりも行動が遅くなるのは十分考えられる。いや、それどころか調査している場所によっては出撃命令が来ても出撃出来ないというのもありえるか。それを思えば、オズマの頼みは分からない訳じゃ無い。
自慢じゃないが、VFの操縦技術に関して言えば俺は既にオズマを抜いている。……もっとも、その分味方の指揮ではオズマの方がかなり上だが。それを思えば、オズマの頼みも分からない訳じゃ無い。他にもシェリルと親しいというのや、キノコの調査となるとグラス大統領と面識があるというのも俺が選ばれた理由なのかもしれない。
……待て。グラス大統領か。今現在グラス大統領はキノコの事を色々と怪しんでいると聞く。となると、何か行動を起こすにしても目の上のタンコブになる訳で……
「オズマ、グラス大統領の警備はどうなっている?」
「それは勿論……おい、まさかそれを狙うってのか!?」
「あくまでも可能性だがな。今現在のグラス大統領とキノコの関係を考えれば、十分考えられる事態ではある」
「そんな、レオンがそこまでする筈……」
口を手で覆い、呟くキャサリン。そう言えば婚約者だったか? ……本人はオズマと寄りを戻しているようだが。
「あくまでも可能性の話だ。だが、一応その辺も念頭に入れておいた方がいい。何かあったら、俺もすぐに駆け付けられるようにするから、そっちはそっちで、その辺の事情を大統領にも話しておいてくれ」
俺の言葉に頷く2人。
こうして、オズマとキャサリンはキノコの調査に動く事になるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1115
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:732
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