転生とらぶる
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マクロスF
0740話
部屋から出た俺を見たオズマ。その顔が怒り、驚き、納得、呆れと順番に変わっていくのを眺める。
「百面相をして、どうしたんだ?」
「どうしたじゃねえ。ったく、倒れたシェリルを休ませているかと思えば……一体何をしてたんだ、何を」
「何って、普通にシェリルを休ませてただけだが?」
「ほう? ならお前の身体の臭いや……それに首筋に付いてる、見るからに歯形にしか見えないその傷口は何なんだろうな?」
……げ。しまった。一応消臭剤を使って誤魔化した臭いはともかく、傷口の方は混沌精霊の力で治しておけば良かったな。さすがに首筋にキスマーク程にあからさまでは無いにしても、歯形が付いていれば怪しまれるのは当然か。
「ったく、ランカに手を出すような真似をしてないから安心してたが、まさかシェリルに手を出すとはな。まさか、弱っているシェリルに付け込んで無理矢理……とかじゃないだろうな?」
「あのなぁ、俺をどんな鬼畜だと思ってるんだよ」
通路を駆けながらも会話を続ける。
「どんな? 恋人を何人も持っている女好きだろ?」
「いや、それは否定出来ない事実だけど……」
「大体、シェリルにそれを知られたら、あの性格だから多分ただじゃ済まないぞ?」
「……その、ただじゃ済まないってのがこの首だ」
「ああ、なるほど。……ただまぁ、そんな会話が出来るって事はシェリルの様子は?」
「起きたらすっかり良くなっていたよ。……これもカナリアが調べてくれた薬の効果だから、また近い内に身体の具合が悪くなるかもしれないが」
くそっ、ガリア4にゲートを設置出来無かったのがここまで悔やまれるとはな。正直、念動力がグレイスに対してかなりの危険を知らせてきたのは、こうなってみると納得しかない。ガリア4の消滅に関しても、ブレラの件を考えればグレイスが何らかの形で関わっているのは間違い無いだろうし。
それにしても、シェリルをこれからどうするかだな。グレイスの下に戻すのはどう考えても自殺行為でしかないし、そもそもシェリル自身が拒否するだろう。つまり病院もホテルも両方が駄目になった訳だ。
となると、このままS.M.Sの宿舎に?
「オズマ、S.M.Sの宿舎にシェリルを入居させる事は出来るか?」
「駄目だな、社則で禁じられていた筈だ」
「なら、俺の部屋にシェリルを住まわせるのは?」
「……相手が普通の女なら許可が出たかもしれないが、シェリルとなるとちょっと難しい。S.M.Sで混乱が起きる可能性が高い」
「なるほど」
最近はランカに押され気味だとは言っても銀河の妖精だ。そんな存在が宿舎の中に……しかも男と一緒に暮らしているとなると、どう転んでも騒動の種でしかない。そしてPMCでもあるS.M.Sにとってその手の厄介ごとは、下手をしたら命に関わるミスをもたらすだろう。
かと言って、シェリル1人を街で暮らさせるというのはこちらも色々と拙い。シェリルの病気の事もあれば、ファンが妙な行動を起こさないとも限らない。更に言えばグレイスが何かを仕掛けて来る危険性も十分にある。となると……
「俺が宿舎から出て、アパートなりマンションなりを借りてシェリルと暮らすしかない、か。金はそれなりにあるし」
そもそも、PMCという職場の給料はかなり高い。それこそ、一般の社会人の給料に比べると雲泥の差と言ってもいい。そしてここ数ヶ月は幾度となく現れるバジュラとの戦いで危険手当も相当の額が出ている。ついでに、俺は基本的には宿舎で暮らしたし、食事に関しても食堂で食べていたから無駄遣いは殆どしていない。敢えて言うなら、たまに街中に出て雑誌とかちょっとした食べ物とかを買ったくらいか。それ故に、高級マンションはともかく、普通のアパート辺りなら1室程度なら買い取る事が出来る程度の金は貯まっている。
「ほら、格納庫に着いたぞ。今は女の事より、このピンチを何とかする事を考えろ。お前が誰とくっつこうと、フロンティア船団がバジュラ共に滅ぼされてしまったら意味がないんだからな」
「そうだな。俺の今の居場所を守る為にも、バジュラには大人しくして貰う必要があるのは事実だ」
呟き、格納庫に入ったところでオズマと分かれて俺の機体へと向かう。
「おいおい、アクセルが遅刻ってのは珍しいな。何してたんだ?」
「ちょっと色々とあってな」
「ふーん。まぁ、出撃に間に合ったからいいけどよ」
ミハエルの言葉を受け流し、トルネードパックを装備した今の俺の愛機へと向かい、整備員から機体の状況を聞きながらEX-ギアを身につけていく。
「じゃあ、機体は万全だと思ってもいいんだな?」
「勿論ですよ。S.M.Sの整備員として仕事は十分にこなしてますから、アクセル大尉の機体はこれ以上無い程に万全です。だからアクセル大尉。バジュラの件……頼みます」
「任せておけ。俺が出撃する以上は、バジュラが幾ら現れてもどうにかしてみせるさ」
チラリ、と翼を挟み込むようにして搭載されている4発の反応弾に視線を向けながら呟く。正直、反応弾は既にバジュラに効果が無い以上持っていくのは気休めでしかないんだけどな。それよりも、俺としては出来ればまだ効果のあるビーム砲を量産して欲しいところだ。……まぁ、コストの問題とかもあって難しいんだろうけど。
「では、お願いします!」
頭を下げて去って行く整備員を見ながら、EX-ギアを装着してコックピットへと乗り込む。すると、すぐにオズマからの通信が聞こえてきた。
『スカル小隊全機、聞こえているな。今回はアクセルが遅れたおかげで、つい先程戦端が開かれたそうだ。今から俺達も出撃して、すぐに敵の数を減らす。……とは言っても、実際にバジュラが強化されている以上ガンポッドは殆ど牽制にしか使えないだろう。反応弾も言うに及ばずだ。だがアサルトナイフは幸い敵に対する使用頻度が少ないのでまだ効果があると思われる。よってアサルトナイフで装甲を損傷させ、ガンポッドやレーザー機銃で内部を直接攻撃するという手段になるだろう。それと、アクセルが装備しているトルネードパックのビーム砲だな』
『うげ、俺が今回出る意味って何だろうな』
心底嫌そうに呟いたのは、狙撃型であるVF-25Gに乗っているミハエルだ。まぁ、狙撃の効果が無い狙撃型とか、色々な意味で不憫でしかないしな。
『安心しろ。ミシェルの機体にはL.A.Iから試作品を預かっている。ルカ』
その言葉と共に持ってこられたのは、VF-27の使っている巨大なガンポッドに似ている武器だ。ただし、細かい所に結構な違いがある。恐らくは……
『ミシェル先輩、これはギャラクシー船団のアンタレス小隊からのデータを基にしてL.A.Iで開発した重量子ビームガンポッドです。性能試験は済んでいますが、実戦に使うのは初めてなので、扱いには注意して下さい』
『おほっ、ルカの実家もいいもの開発してくれるじゃないの。……実戦に使うのが初めてだってのは色々と不安だが、これがあればバジュラに対しても有効なダメージを与えられるんだな?』
『はい、期待しています。ただしあくまでもプロトタイプですので、データも重要ですから必ず持ち帰ってきて下さい』
『了解了解っと。それにしても、確かにでかいな』
へぇ、なかなかにいい武器を開発しているな。これが量産されればなんとかいけそうな気もするが……いやまぁ、無理か。どのみちバジュラが対応すればそれまでだし。
痛し痒しだな。強力な武器を量産すれば、それだけ相手が対応する速度も速くなる。それなら強力な武器を少数精鋭の部隊が使う方が効果的……ってのが今の状態だ。
『……何? ラビット1が少し遅れる? 了解した。よし、スカル小隊、ピクシー小隊、出るぞ!』
どこかと通信をしていたのだろう。訝しげに返答したオズマのその言葉と共に、機体がカタパルトデッキへと移動させられて順次戦場へと発進していく。そして俺の番になり……
「スカル4、アクセル・アルマー、VF-25S、出るぞ!」
その言葉と共に、現状で数少ないバジュラを倒せる戦力である俺の機体は宇宙へと向かって放たれる。
幸い、戦端が開かれたと言ってもそれ程時間は経っていない。これなら……いや、駄目だな。
視界の隅でVF-171がバジュラに攻撃をしても、全く無傷のまま逆に撃破されている光景が目に入ってくる。
『全機、まずはこの重いのを処分する。全機……撃てぇっ!』
オズマの声に従い、スカル小隊全機から放たれた反応弾。真っ直ぐに飛んでいき巨大な爆発を巻き起こすが……その結果は当然と言うべきか、殆どのバジュラが脱皮という手段を使って生き残る。
何匹か死んだバジュラもいるが、反応弾のコストを考えると殆ど意味が無いと言っていい程の誤差だろう。
そこからは全機が散らばり、それぞれにバジュラの迎撃を開始する。
とは言っても、効果的に迎撃出来ているのは俺と新型のガンポッドを配備されたミハエルの機体のみだ。それ以外の機体は、まずアサルトナイフでバジュラの装甲を傷つけてからそこにガンポッドなりレーザー機銃なりを叩き込むという手間の掛かる戦いをしているのだから。
「ちぃっ、させるかよっ!」
手数が限られている以上、こっちとしても機動兵隊バジュラはスルーしてフロンティア船団や新統合軍の戦艦を一撃で撃破出来るだけの攻撃力を持っている重兵隊バジュラを優先的に狙うしかない。そんな俺の一撃は、新統合軍の戦艦に狙いを付けていた重兵隊バジュラを貫き、爆散させる。
そんな中で幸いと言うべきか、ブレラ率いるアンタレス小隊の存在は手数という意味では頼りになっていた。個人的にはグレイスの件もあって色々と思うところがあるんだが、現状でバジュラ相手に有効な戦力であるのは間違い無いのだから。
だが、問題はそんな事ではない。アンタレス1に護衛されるようにして姿を現したその機体。それは本来ならラビット1と呼ばれているカナリアのVB-6だった。そして……
『皆、抱きしめて! 銀河の果てまで!』
そんな声が聞こえて来る。
これは間違い無くランカの声。だがミハエルから聞いた話によると、グラス大統領との記者会見に出ていたって話だったが……
VB-6から流れるランカの歌に、バジュラの動きが前回のように混乱に陥る。その隙を付いて全面攻勢に出る新統合軍。そして……
「1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ!」
2連装ビーム砲の1撃で2匹のバジュラを撃破し、それを3連射。現状では最も危険度の高い重兵隊バジュラ6匹が続けざまに爆散する。
混乱しつつも、バジュラの何匹かがランカの乗っているVB-6へと向かって行くが、その尽くがブレラのVF-27の放つ重量子ビームや、あるいはアルトのアサルトナイフからの攻撃によって撃破していく。
だが、その攻撃は連携といったものを全く考慮していないものだ。お互いが個人で戦ってVB-6を守っているような……まぁ、ブレラの事を考えれば無理も無いが。
そして、ランカの歌によってバジュラが混乱している隙を突き、マクロス・クォーターから放たれるマクロスキャノン。螺旋を描くようにして放たれたその一撃は、無数のバジュラを瞬時に消滅させていく。
先程から緊急の超長距離フォールドを行うと通信で言われているが、この分ならなんとかなりそうだ。
慌ただしく視線を周囲に向けながらも、今はとにかくバジュラの数を減らすべくファイターで戦場を飛び回りながら重兵隊バジュラを次々に撃破していく。
そして……
『こちらデルタ1、全機フロンティアのフォールド圏内に退避を!』
マクロス・クォーターからの切羽詰まった通信。どうやらフォールドに入るらしい。
……ランカがいるからこその決断なんだろうが、胸騒ぎが収まる事は無い。いや、寧ろ強くなってきている気すらする。何故だ? 念動力の方でも危険を知らせてきているのを考えれば、完全に俺の気のせいって訳でも無いだろうし。
そんな風に考えながら、最後の仕上げとばかりに再度ビーム砲で2匹のバジュラを撃破し、マクロス・クォーターへと向かう。
その途中でバジュラと追いかけっこをやっていたアルトがいたので、横を通り抜け様にアルトを追いかけていたバジュラをビーム砲で撃破する。
「アルト、時間が無いぞ!」
『分かってる!』
慌てたように叫ぶアルトと共にマクロス・クォーターの甲板へと到着すると……次の瞬間、バトル・フロンティアから放たれたマクロスキャノンがバジュラを纏めて消滅させていく。
……変形しなくてもマクロスキャノンが放てるんだな。
そんな風に思う間もなく、その場にいた殆どのバジュラを消滅させ……次の瞬間にはフロンティア船団が超長距離フォールドを行うべくフォールド空間へと突入するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1115
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:732
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