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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0737話

 鉄格子を壊そうとした俺とオズマの前に現れたブレラ・スターン。グレイスの手の者であるこいつがここに姿を現したとなると、やっぱりこの異星生物研究所とやらではキノコやグレイスが人に知られたくない研究をしているというのは事実のようだな。

「実力で排除? 幾らサイボーグだと言っても、所詮はそれだけだろ。……オズマ、こいつは俺に任せろ。お前は中に侵入して自分の目的を果た……ちっ!」

 言葉を最後まで言わせる事無く襲い掛かって来るブレラ。確かにサイボーグだけあって、普通の人間よりも動きは俊敏だ。だが……
 手の甲から刃物を伸ばし襲い掛かって来るその動きは、瞬動を使っている訳でも無く、あるいは人外のような驚異的な速度でも無い。ネギま世界で戦い抜いてきた俺にしてみれば欠伸が出る程に遅いものでしかなかった。
 袈裟懸けに斬り付けてきたその動きを、身体を数cmだけずらすことによりギリギリで回避。そのまま一瞬前まで俺の身体があった空間を斬り裂いて振り下ろされた腕の内側へと入り、ほぼゼロ距離からの位置で拳を触れさせ……身体の捻りで拳を振るう!
 ズゴンッ! という音を立てながら吹き飛ぶブレラ。だが、この辺はさすがにサイボーグと言うべきか、吹き飛ばされながらもどこからか取り出したナイフを投擲し、周囲の明かりをコントロールしている配電盤へと突き立てる。
 同時に周囲を照らしていた電気は全て消え、通路は闇に包まれた。

「ちっ、やってくれる! アクセル!」

 背後から聞こえて来るオズマの声。なるほど。ブレラを俺に任せて研究所の中に侵入しようとしたオズマを妨害する為の一手か。それと暗闇で見えない俺に対して奇襲攻撃を仕掛けようという思いもあったようだが……

「甘いな」

 側頭部を狙って放たれたブレラのフックを、地面にしゃがみ込みながら回避する。同時に、そのまま地面に付いた右手を中心にして半回転。ブレラの足を払い地面へと倒れさせる。
 にしても、さすがにサイボーグ。体重が通常の人間と比べて随分重い。

「なっ!?」

 さすがにこの暗闇の中で自分の攻撃が回避されるとは思いも寄らなかったのだろう。驚愕の声をあげるブレラ。その一瞬の隙が大きなミスだ。
 そもそも、混沌精霊である俺が周囲の明かりが消えたくらいで視界に困る訳が無い。……いや、俺を普通の人間と思っているブレラには理解出来なくて当然か。
 地面へと倒れはしたものの、すぐに体勢を立て直そうとしているブレラの腕を取り、強引に持ち上げながら一本背負いの要領で地面へと叩きつける。
 技も何も無い、本当に力だけで行われたその一本背負いは、それだけにブレラの背を地面へと強烈に叩きつけた。

「ぐおっ!」

 サイボーグであってもこの衝撃は堪えたのだろう。苦悶の声を上げつつ、それでも地面に手をついて立ち上がろうとするブレラの背中へと足を乗せて身動き出来なくする。オズマもまた、非常電源が点いて俺がブレラを押さえつけているのに気が付いたのか驚きの顔をしている。……って、元々俺を連れてきたのはこういう非常事態に対処する為だったんだろうに。

「これは……アクセル・アルマー、お前は一体何者だ? 私をこうも容易く……」

 サイボーグである自分が、生身である俺にあっさりと押さえつけられたのが理解出来なかったのだろう。どこか戸惑ったような声を出すブレラだが、今聞くべきは俺の方だ。

「さて、こうして捕らえられたんだ。お前が……いや、グレイスが何を企んでいるのが話して貰おうか」
「アクセル・アルマー、お前が何を言っているのか私には意味不明であり、理解不能だ」
「手前っ! この期に及んで誤魔化せるとでも思ってるのか!? 何故ランカの歌を戦争の道具にするんだ!」

 地面に押さえ込まれたブレラへと詰め寄りながら叫ぶオズマ。だが、それに対するブレラの返答は短かった。

「彼女を守る為には絶対に必要なものだからだ」
「ふざけるなっ! 戦争に利用しておいてランカを守る為だと!? 11年前とは違う! 今の俺達にはバジュラに対抗する為の力がある!」
「そう、確かに守れるだろう。だがそれは今という限定的な時間に過ぎない」
「今は……だと? ん?」

 その時、不意に何かに気が付いたかのようにオズマは地面に倒れ込んで押し倒されているブレラへと視線を向ける。そこにあったのはハーモニカ。その端にはヒモがあり、ブレラの首に掛けられていた。

「っ!? お前、そのハーモニカは……」

 何かを思い出そうとしたオズマだったが、その言葉はブレラの身体から鳴った唐突な音で中断される。
 だが、当然ブレラは現在押さえつけられている為に反応することも出来ず、俺へと視線を向けて来た。
 そのままオズマへと視線を向けると、小さく頷いたのを見て背中を押さえつけていた足をどかす。
 まぁ、正直なところブレラが暴れても幾らでも抑え込む事が可能だしな。それでも、不意の一撃を食らわないように一応の警戒はしておく。俺を狙ってくるのならともかく、オズマを狙われたら防げるかどうかは微妙だし。
 そしてS.M.Sの戦力を純粋に減らすという意味では、俺よりもオズマを狙った方が効果的なのも事実なのだ。
 そんな風に考えている俺の視線の先では、ブレラがどこかと通信を行い……

「バジュラが来たぞ。貴様等にも出撃命令だ」

 その言葉と共に、素早く立ち去ろうとするブレラ。どうする? という意味を込めてオズマに視線を向けるが、戻って来たのは無言で首を振るオズマだった。

「確認しておくが、追わなくていいんだな?」
「ああ。本当にバジュラが攻めてきたのなら、奴に構っている暇は無い。それに、正直悔しいがVF-27はVF-25よりも性能は上だしな。奴を殺すなり捕獲するなりしたら、フロンティア船団を守る戦力が減る事になる。それよりも、俺達も早くマクロス・クォーターへ戻るぞ。真偽はともかく、情報を確認しないとどうしようもない」
「了解した。……折角ここまで来たのにな」

 周囲の様子を眺めつつ溜息を吐く。
 ここまで潜入して、更に騒動を引き起こした以上は2度とこの進入路は使えないだろう。少なくても警備に関しては今日よりも確実に厳しくなる筈だ。
 そんな風に思いつつ、急いで去って行くオズマの後を追うのだった。





『デルタ1より各機。敵バジュラ群はトゥエルブ2よりフロンティア船団を目指して直進中。現宙域で阻止せよ。尚、船団との接触阻止を最優先とする為、反応弾の使用を許可する』

 VF-25Sのコックピットに、マクロス・クォーターからキャサリンの通信の声が聞こえて来る。にしてもガリア4の一件からこっち、反応弾の使用許可が簡単に出るようになったな。いや、攻撃力不足に悩んでいた俺にしてみれば嬉しい限りなんだが、新統合軍的に構わないのか? ……意外に新統合軍でもようやくバジュラの脅威を理解したのかもしれないな。まさか、単なる惰性だとかは言わないだろうし。

『スカル1より各機、絶対にここで阻止するぞ! フロンティア船団には1匹たりとも通すなよ! S.M.Sの名に掛けて!』
『了解!』

 その言葉と共にバジュラとの戦端が開かれる。
 何やらルカがぼうっとしていたらしくオズマに叱られているが、全機が反応弾を一斉に発射すればさすがにそれに合わせない訳にもいかず、取りあえず戦闘終了後まで後回しにされるだろう。……もっとも戦闘終了後にどれだけ注意されるかは分からないが。
 ともあれ、迎撃に出たS.M.S、そして新統合軍のVFから放たれた反応弾が一斉にバジュラへと向かい……
 ゾクリ。
 反応弾が命中する瞬間、念動力が危険を知らせる。
 この状態で危険? 一体何だ? これまでバジュラは反応弾に為す術もなく撃破されてきたのだから、こちらの先制攻撃の一撃は……そんな風に考えている間にも反応弾は爆発し、宇宙空間に幾つもの爆発光による花火を作り出す。だが……俺はその光景を見ながらも、思わず呟くしかなかった。

「マジかよ、嘘だろ?」

 反応弾の爆発。それは確かに今まではバジュラへと致命的なダメージを与えていた攻撃だった。それはこれまでの戦闘が証明している。だが、今回は……

『だ、脱皮!?』

 アルトの唖然とした声が聞こえて来るが、他の者も言葉に出さないだけで驚愕しているのは同様だろう。何しろ反応弾という、バジュラにとっては致命的な攻撃だった筈の一撃を、爆発に晒された甲殻を脱ぎ捨てることで凌いだのだ。……確かにどこからどう見ても脱皮にしか見えない。生物兵器ならではといったところか。
 反応弾の攻撃を凌いだバジュラは、重兵隊バジュラに限定はされているがほぼ100%。機動兵隊バジュラに関しては反応弾によりほぼ消滅しているが、重兵隊バジュラの方は逆にほぼ100%が脱皮という手段で致命的な反応弾の攻撃を凌いでいる。
 そして脱皮という生物兵器ならではの方法は、新統合軍のパイロットの意表を突き数秒の空白を……させるかっ!
 VF-171へと背中のビーム砲を撃とうとしていた重兵隊バジュラへと、ガンポッドの弾丸を撃つ。
 連続して放たれるその弾丸は重兵隊バジュラの胴体へと命中し……撃破出来ない!?
 確かに攻撃は命中している。その証拠に重兵隊バジュラは着弾の衝撃でVF-171へ放ったビームが逸れたのだから。だが、あくまでも衝撃で逸れただけで、撃破はされていない。
 素早く戦場を見回すと、同じような光景が至る所で繰り広げられていた。ガンポッドやミサイルを撃ち込む新統合軍のパイロット達だが、そのほぼ全てが効果が無いままに防がれ、弾かれ、その隙を突くかのように重兵隊バジュラのビーム砲により撃ち抜かれ、爆散してく。

「オズマ!」
『分かっている! 全機、まずは敵の情報を得る。攻撃ではなく回避に専念しろ!』

 そんなオズマの声を聞きつつ、ファイターのまま群れから突出してきた重兵隊バジュラが放った重量子ビームを回避。そのまま擦れ違い……ちぃっ、このままだとマクロス・クォーターに。させるかっ!
 ガウォークになり、ISCの悲鳴を聞きつつも強引に機体をその場で反転。マクロス・クォーターへと向かおうとしていた重兵隊バジュラの背後からビーム砲を放ち……そのビームは抵抗もなくバジュラを貫通して爆散させる。

「ビームは効いた、だと?」

 反応弾の脱皮はともかく、ガンポッドは効果が無かったのにビームは効く?

『どういう訳か分からないが、とにかく助かった、アクセル。理由は分からないが、お前の機体のビームしか効果が無いらしい。敵の撃破に集中してくれ』
『そう、既に貴様等の武器は奴に通用しない。アクセル・アルマー以外の武器はな。そしてアクセル・アルマーの武器も今は過去になった』

 その言葉と共にブレラ機を含めた3機のVF-27がバトロイドのまま重量子ビームを放ち、バジュラを撃破していく。

「過去、だと?」
『そうだ。バジュラは常に進化し続ける生物だ。1個体の受けた損傷情報は瞬く間に群れ全体に蓄積される。そして、蓄積された情報を基にして新たな個体が生み出される』
『つまり、ある程度繰り返して攻撃を受けるとやがてその攻撃手段に耐性を得て通じなくなる? 反応弾のように』

 ルカの呟きを聞き、納得する。確かにビーム砲を装備しているVFというのはこのフロンティア船団では酷く珍しい。それに比べてガンポッドはVFの標準装備であるが故にデータが集まるのも早かった訳か。

『そうだ。ルカ・アンジェロー二。いずれこの重量子ビーム砲も、アクセル・アルマーの機体が装備しているビーム砲も奴には通用しなくなる。それが早いか遅いか、それだけの違いでしかない。だからこそ歌が必要なのだ、彼女の声が』
『ふざけるな、ランカは俺が何としてでも守ってみせる! 反応弾が無理ならミサイル、ミサイルが無理なら銃、銃が無理なら……最後は拳になろうが、歯だろうが爪だろうが! 戦う意志が欠片でも俺の中に存在する限り、俺は妹を……ランカを守って見せる!』

 その叫びと共にオズマはアーマードパックを解除してアサルトナイフを手に重兵隊バジュラへと襲い掛かる。放たれた重量子ビームを機体のスラスターを操作しながら回避し、バジュラとの距離を縮め……次の瞬間には、重兵隊バジュラの赤い装甲へとピンポイントバリアに包まれたアサルトナイフの刀身を突き刺し、その傷口を狙うかのようにレーザー機銃で射撃、重兵隊バジュラは宇宙へと爆散する。
 それを見てアルト、ミハエル、ルカの3機もまたアサルトナイフを構えて敵へと向かっていき、俺はブレラが妙な動きをしないように観察しながらビーム砲でバジュラを撃破していくのだった。
 新統合軍のVFに関しては、アサルトナイフを装備していない為に殆ど役に立たなかったが。
 やがてバジュラも自分達の不利を悟ったのか、撤退していく。
 それを見送りながらも、ブレラの言っていた事を考えざるを得なかった。
 今回は確かにどうにかなった。だが、ブレラの言う通り確実に奴はビームに対する抵抗力を身につけてくる筈だ。
 確かにランカの歌はバジュラに効果があるかもしれない。だが、それに対する耐性がつくという事も考えられるし、何よりもこの件を進めているのがグレイスとキノコだというのが怪しすぎる。
 となると……やっぱり必要だな。俺の相棒、もう1つの半身。嘲笑する虐殺者。ニーズヘッグが。





 この戦闘後、ランカのコンサートに皆で行き、オズマとキャシーがよりを戻したとか何とかいう噂が流れる事になる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1055
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:720 
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