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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第三十二話






「………おいゴールド」

「何スかショウさん?」

「………あれ、どうする?」

 俺達の視線は祠の周辺にいるクリス達を見る。

 クリス達の空気は明らかに葬式並みやし。

「麦わらの女性、その男に礼をする事は出来ない。奴は………『時間(とき)のはざま』の中で………散った」

『ッ!?』

 いや勝手に殺すなよシルバー。

「仮面の男………ヤナギの野望を食い止め、セレビィを解放する。しかし、それと引き換えに自らの存在わ、差し出した………ぅ」

 その時、シルバーがふらついたけどグリーンが右腕を掴んだ。

「しっかり立て」

「グリーン………」

 いやブルー、グリーンはそんな気持ちで掴んではいないからな。

「話しは済んだか?だったら俺と一緒に来い。オーキド研究所における図鑑盗難、ウツギ研究所におけるワニノコ強奪の容疑でお前の身柄を預かる」

 ほらな?

「リーグ会場で会った時からどうも怪しいと思っていた」

 グリーンはシルバーを連行しようとする。

「ちょ、ちょっとグリーン………」

「や、やめて………やめて下さいッ!!」

 それをブルーとクリスが阻止しようとしている。

「あら?何をしていますの?」

 そこへ何故かエリカ、ナツメ、アカネがやって来た。

「エリカッ!?それにナツメまで………」

 ブルーが驚いてるけど俺はもっと驚いてるわ。

「何であいつらがおんねん………リニアにおるはずやのに………」

「どうしたんすかショウさん?」

 俺を不審に思ったゴールドが聞いてきた。

「いや、何でも無いから何でも無いからな」

「それならいいんすけど………」

 向こうに集中しよ。

「………というわけなのよ」

 ブルーがエリカ達に説明する。

「大丈夫ですわブルー。ショウさんは簡単には死にませんわ」

 エリカが自信満々に言う。

「え、えらく自信満々ね?」

「私の勘が告げてますの。ショウさんはまだ死んでないと」

「女の勘………ですか?」

「えぇそうですわ」

「………もう連れて行くぞ」

 イラついたグリーンがシルバーを引っ張る。

「ま、待って下さいッ!!」

 そこへクリスがグリーンを止める。

「確かに方法は間違っていたかもしれませんッ!!でも、彼にはその方法しか無かったんですッ!!それに、私も彼もたった今、目の前で友人を失いましたッ!!そんな時に………」

 いやゴールドも生きてるよ。

「いいんだ」

 シルバーがクリスを止めさせる。

「俺は自分の運命に決着をつけるために生きてきた。そのためなら手段も選ばないと………」

「……………」

 シルバーの言葉にブルーが黙る。

「しかし今日、その戦いは終わった。今、どんな裁きを受けようと何の悔いもない」

「……………」

 シルバーの言葉にグリーンは何も言わない。

「さぁ行くぞ………」

 グリーンとシルバーが歩く。

「行けゴールド」

「了解っす。ちょっと待ったァッ!!」

 つぅ………声がデカイわ。

「シルバーをしょっぴこうとしているそこのミサイルバリでトゲチックな頭の兄ちゃんよォッ!!慌ててしょっぴく前に、ちょっと確かめた方がいーんじゃねーか?」

 ヒラヒラと一枚の紙がグリーンの足下に落ちた。

「その指命手配書とそいつの顔はよぉ、笑っちまうくれぇ全然違うぜッ!!」

 まぁあれは似てへんな。

「けど、人違いっつーんなら、まぁよくあるこった気にすんな」

 ゴールドが祠に登って皆に言う。

「ゴ、ゴ、ゴールドッ!?ど………どうしてッ!?」

「クリス、俺もいるで」

「シ、ショウさんッ!?」

 クリス達が驚く。

「どうしてだぁ?帰ってきちゃ悪ーのかよッ!?あぁぁ~~~ん?勝手に人を殺しやがってよ。俺の執念舐めんなよッ!!」

「麦わら君………じゃねぇや、麦わらギャル、さっきは悪かったな」

「い、いえ」

 ゴールドの言葉にイエローはそう返した。

「ちょ、ちょっとゴールド、失礼よ」

 クリスはゴールドにポケギアを見せた。

「………年上ェッ!!」

「はい………」

 ゴールドの叫び声が森中に響いた。






 
 

 
後書き
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