101番目の哿物語
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第一部 憑依⁉︎ キンジよ、都市伝説を口説け!
原作一巻 第0章 プロローグ
プロローグ。 伝説の始まり⁉︎
前書き
101番目の百物語の2次見かけないので書いてみました。
俺の知り合いの、友達の友達が実際に体験した話なんだが……って、なんだよ?
その、『また始まったよ、こいつ』みたいな顔は。
この話は本当に、実際にあった話なんだぜ?
そんな、オオカミ少年を見るような視線で見るなよ。
まあ、熱っぽい視線で見られるのも嫌だけどな。
っと、そういう話は今はいいんだ。そう、今、俺が話したいのは、知り合いの友達の友達にあった、本当の話なんだよ。
なんと、そいつは伝説の英雄になったんだ!
……ってなんで露骨にげっそりした顔をしているんだ?
レジェンドだぜ、レジェンド。ジャンパーなあの人みたいにレジェンドになったんだぞ?
今どきレジェンドになる男なんてあまりいないぜ?
な、少しは興味持っただろう?
まあ、ネタバレしちまうとな……奴は、なんと、ハーレムも築きやがったんだ!
って、おい。なんでいきなり興味津々なんだよ。
まあ、男なら1度は憧れるシチュエーションかもな。
1人の子が選べないから、いっそみんなを取る!みたいな。
モテモテ幻想みたいなものを持ってるのかなー。
まあ、所詮は幻想なんだけどな。
だって、そういう時の女子って、めちゃくちゃ嫉妬深くて、我儘で、面倒なんだぜ?
『皆に好かれてるから気遣いとか大丈夫!』なんて都合のいい事はいっさいない。
女なんてものは全員が全員『自分は特別に愛されたい』とか思っているんだからな。
自分がその特別な一人じゃないってわかった時なんか、『この泥棒猫ー!』とか、『スリーアウト……』とか叫んだり、呟いたりして包丁や日本刀をブンブン振りまわしちゃって、まず、同性の女性の方を『グサーッ!』だぜ、『グサーッ!』。
しかも『グリグリ』とかされて、相手の内蔵は修復不可能レベル。
生き残れたとしても、まともな生活をおくれなくするわけだ。
ヤンが酷いやつなんて『お兄ちゃんの手と脚を斬って、動けなくして一生看病してあげる!』とか、平気で言ってくるんだぜ?
え?なんでわかるのかって?
前世でいろいろ経験したからな……。
って、俺のことは今はいいんだよ。
重要なのはそこじゃない。
いきなり脱線したがそういう話じゃない。
まぁ、そういう話もなくはないが……。
えっと、なんだっけ。あっ、そうだそうだ。
英雄になった奴の話だったな。
都市伝説って知ってるか?
そう、都市伝説。アーバンレジェンド。
俗にいう、『フォークロア』って呼ばれるものだ。
まぁ、そんなに頻繁には使わないよな。
今は、たまにファッション用語とかで聞くくらいだな。
民族衣装ちっくな服のことだ。
なんでこんな用語知ってるのかというと前世で兄貴が女装をする人だったからな。
そのせいで、女物の衣服や下着にも詳しくなった。
まぁ、兄の話はどうでもいい。
都市伝説って言葉は知ってるよな?
ほとんどが眉唾ものなんだが、実在してなくてもなさそうな身近なお話。
内容はホラーが主流だが、コミカルチックな物も中にはある。
割と広い年齢層に受け入れられている、気軽な世間話の伝説達。
それが都市伝説だ。
んで、今まで話てた彼は都市伝説になったんだ。
……ん?なんだ?
もっと詳しく聞きたいのか?
ひょっとして興味もったのか?
やめとけよ。聞いたら引き返せなくなるぞ。
『退屈だけど安全な日常』と『危険だけど刺激的な非日常』。
たった一つの端末、『Dフォン』を受け取ったことによって、運命が変わった2人の少年。
ん?ん?
なんだ、聞きたいのか?
仕方ない。あまり気は進まないけど話てやるよ。
んーと。……そうだなー。
これから挙げる三つの中から、選んでみるってのはどうだ?
1番。『迫ってくる呪いの人形』
2番。『消えた花子さん』
3番。『魔女喰いの魔女』
ん?少年達が出てこないって?
ああ、そうだろうな。
なんたって奴らは_____これらの伝説を手に入れた、真の伝説マスター。
『101番目の百物語』の主人公で、前世では『哿』(エネイブル)と呼ばれた『不可能を可能にする』伝説の男だからな。
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「人如きに助命されたは、生涯の恥。その恥、今宵雪ぐ」
俺が今いるのは、旧日本軍の、開発途中で製造を断念されたハズの超大型戦略爆撃機・富嶽。
第二次大戦中の、日本を苦しめたB29よりも、遥かに大きい、常識ハズレな軍用航空機だ。
その爆撃機の機内で俺は、眷属の、鬼の一味。
『閻』と相対していた。
アリアに撃ち込まれた緋弾を覆うカバー『殻金』を取り戻す為に。
「おい。閻。早う」
鬼の一味のボス。『覇美』がせっつき____
「御意」
一言返した閻が、
「____『羅刹』」
言うや否や____ズッッッッッッン_____
ノーモーションからの、掌低を叩き込んできた。
俺の胸の中心・中央に、掌がメリ込むように、極めて深く。
それは初めての、閻の、本気の一撃。
あまりの速度と威力に、橘花による、減速防御が不十分になった____俺は____
(____うッ____!)
____その瞬間、自分の心臓が停止している事に気づく。
____肺もだ。
心肺、共に、停止している。
たった一撃で、俺はたったまま____
……突然死したのだ……。
そこで俺の意識はなくなり……。
こうして、俺、遠山金次は僅か17年間の生涯に……。
幕を下ろした。
____君。
____君?
「モンジ君?」
____ガバぁ。
机にうつ伏せたまま、寝入りっていた俺は、俺を呼ぶ美少女の声で目を覚ました。
夢から覚めた俺は、その瞬間、全てを思い出した。
(______ここは……?
そうか、俺は閻に殺られて……ッ⁉︎
なんだこの記憶は⁉︎
それにこの身体、俺じゃない。
俺は……俺は、誰なんだ?
遠山金次だけど俺だけじゃない。
俺の中に、心の奥底に、もう一人俺がいる。
そいつはこう言っている。
自分は、一文字 疾風だと……。
いや、待て……何だ、これは?
何の冗談だ?
閻達に催眠術でもかけられたのか⁉︎
アリアと出会って以降、いろいろな超人、超能力者と戦ってきた経験があるとはいえ、さすがにこの状況は理解し難い。
俺は、確かに閻に殺られたハズだ。
だが、今、俺は俺として、意識がある。
という事はこれは、理子が好きな漫画やゲームにあるような転生とか、憑依とかいうやつだろうか。
だけど何で、『彼』に憑いたんだ?
それに、さっきから俺に話しかけてくるこの、目の前の少女は一体?)
目の前の美少女の顔をマジマジと見つめたが、不思議な感覚がした。
今まで、俺は俺として覚醒していなかったからか、普通に女子と会話をしていたようだが、目覚めた俺には女子は、女は天敵だ。
少女の顔から視線を身体に向けると、豊かな谷間に視線がいってしまった。
ま、マズイ。
慌てて視線を逸らしたが……。
____ト、クン。
心臓の鼓動が早く鳴り。
____ドクン。
今までの俺、一文字疾風だった時は大丈夫だったが、何故か俺が目覚めた途端に、血流が身体の芯に集まる独特な感覚を感じはじめた。
遺伝性体質のハズなのに、俺という異分子が目覚めたからか、あのモードにもなれそうだ。
「どうしたの?モンジ君?」
俺、一文字疾風をアダ名である『モンジ』と呼ぶこの女生徒。名を仁藤キリカという。
この世界での俺のクラスメイトで、『親友』だ。
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