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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第七幕その八

「極めて友好的に」
「しかしそのことは」
「確証が、ですね」
「持てないです、ですが」
 しかしだというのです。
「若しこの目で確かめられるのなら」
「その時はですね」
「松山でも住めると思います」
「そうですか、それではです」
「何か案を思いつかれましたか」
「はい、ここはです」
 是非にと言う先生でした。
「お互いに会われお話をして」
「そして、ですね」
「はい、親睦と相互理解を進められては」
「それが一番ですか」
「特に狸さん達に対して悪感情はありませんね」
「どうした方々か不安ですが」
 それでもだというのです。
「しかし」
「それでもですね」
「はい、悪感情はありません」
 それ自体はありません、このことはなのです。
「我々にとっても」
「左様ですか、では」
「ここはですね」
「会われるべきです」
 狸さん達と、というのです。
「そうされて下さい」
「わかりました、それでは」
 老紳士は先生のその提案に頷いて答えました。
「そうさせてもらいます」
「そうですか、それでは」
「私達は松山にずっといたいです」 
 そして暮らしたいというのです。
「是非共」
「それでは」
 先生も頷いてです、こうしてでした。
 カワウソさん達は狸さん達と会いたいとです、先生にお伝えしました。ですがここでこうしたことも言ったのでした。
 それでお話が済んだところで、でした。老紳士は先生達にこう言いました。
「さて、それでなのですが」
「?何か」
「はい、三時になりましたので」
 壁の古風な木造の時計を見ての言葉です。
「お茶はどうでしょうか」
「あっ、ティータイムですね」
「やはり三時になりますと」
「お茶ですね」
「先生には智恵を出して頂きましたし」 
 それでというのです。
「是非にと思いまして」
「ではお茶を」
「はい、皆さんもどうぞ」
 先生だけではなくです、加藤さんも動物達もというのです。
「ご遠慮なく」
「お言葉に甘えていいのですか」
「どうぞ」
 加藤さんにもです、老紳士は気品のある笑顔で答えました。
「お楽しみ下さい」
「何か悪いですね、私は只先生と一緒にいるだけですが」
「いえいえ、それはです」
「違いますか」
「はい、お客人ですから」
 だからだと答える老紳士でした。
「先生もご遠慮なく」
「左様ですか」
「はい、それでは」 
 こうしてでした、加藤さんも動物達も皆一緒にお茶を楽しむことになりました。すぐにミルクティーと三段のティーセットが出てきました。
 そのティーセットを見てです、先生は老紳士に笑顔で言いました。
「やはり三時はですね」
「ティーセットですね」
「日本にいてもこれは欠かせませんね」
「では先生は今も」
「はい、三時になれば」
 その時にはというのです。 
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