魔法科高校の劣等生 世界を渡りあるく者
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第一話 入学
前書き
さてと、やっとStSにはいったなのはを置いて出してしまった。
ただ、こっちも蒼炎の心の危うさについて書いていきます
まあ、なのはの方でもその一端は出ますが(StSで、とは言ってない)
でもこっちのメインは達也になるだろうなぁ
というわけでよろしくお願いします
[最終バックアップデータをロードします]
魔法
それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってから一世紀が経った
[概念情報構築/能力の再現 8割完了]
最初は超能力ーー先天的異能という解釈がなされていたが研究が進むにつれ、それは間違いであったことが分かる
[肉体情報の再現を開始/10割完了]
超能力は魔法となり、体系化され技能となった。勿論、誰でも使えるわけではない。それには専用の才能が必要だ
[記憶情報をセット/一部破損 修復不能]
国立魔法大学付属第一高校
それは、魔法を教える教育機関だ
しかし、教育機関といえど、魔法教育に機会平等などはない
徹底した才能主義、残酷なまでの実力主義
入学した時点で優等生と劣等生が存在する
同じ新入生であろうと、平等ではない
たとえ、血を分けた兄妹であろうと。長年共にいる友であっても
[全行程 完了/記録開始]
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「わざわざ電話してこなくてもいいのに。....それはやめてくれ、あの二人の胃に穴が空く。....うん、分かってる。必要なものもあるよ。....たまにはそっちに戻るから勘弁してくれ。....わざわざありがとう。....そりゃ、お袋の息子ですから当然ですよ。....ん、わかった。じゃまた...」
少年は通話を切り、携帯電話ーー現在は所謂スマートフォンタイプが主流だーーを制服のポケットにしまった
まだ、新しい制服のように見える。ブレザーには八枚の花弁の刺繍が入っている
少年は、壁にかかっている鏡をみながら身だしなみを整える
しばらくいじり、満足気に頷くと同時に携帯が鳴る
それを開くとメールが届いていた
『ソウエン元気にしてる?私は元気です。この間も訓練で他の隊員をボコボコにしてやりました。第一高校入学おめでとう、ってまあソウエンなら楽勝だったと思うけどね。最近会えてないけど夏にはそっちに行けるかもしれません。そのときを楽しみにしててね? PS 浮気してたら私の得意魔法で、撃ち抜きます♪くれぐれも注意してね? USNAより愛を込めて』
「....こえー」
メールの返信はしても意味が無いことを知っていたので、そのままもう一度ポケットにしまった
それと同時に下からよばれた
「蒼炎お兄様、そろそろ出発しますよー」
「ああ、今行くよ」
少年ーー遠藤蒼炎は二階にある自室から一階におりていった
「お待たせ達也、深雪ちゃん」
「いや、どうせ叔母上からの電話だったのだろう?仕方が無いさ」
「そうだったのですか?」
一階に降りると二人の少年少女がいた
少女ーー司波深雪の方はどこをとっても最高ランクで評価されるような容姿を持っていた。彼女も、蒼炎と同じ、厳密には違うがほぼ同じ制服を着ていた。胸には八枚花弁のエンブレムがある
少年ーー司波達也の方は容姿は普通。あえて言うなら目が細い。そんな、まさか司波深雪の兄だなんて思えない容姿をしている。制服は蒼炎と似ているが違う点があった。それは胸にエンブレムが無いことだった
「ああ。お袋から入学祝いの連絡きた。なんか今日は午後忙しいらしいからいましてきたんだってさ。そんなことよりもう行こうぜ」
「そうだな」
そうして彼らは、家を出た
向かう先は、国立魔法大学付属第一高校
そして、それは波乱の日々の幕開けでもあった
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「納得できません」
俺は心の中でため息をついていた
さっき達也達の家を出てから深雪ちゃんはずっと不満を垂れ流していた
それは、達也が二科生(九つある魔法科高校の中でも第一から第三高校には二科制度をとっている。この二つの違いは教員の個人指導を受けられるか否かというものなのだが二科生徒は補欠とみなされている)であることに対してだった
それはここにくる道中でも言っており、シスコン気味の達也でさえ「まだ言っているのか...」と若干呆れている
「それに蒼炎兄様もです!お二人とも入試の成績はトップだったじゃありませんか!本来ならばわたしではなく、お兄様方が新入生総代を努めるべきですのに!」
「俺も!?というか入試結果はどこから仕入れたんだよ...」
「まあ、それは横に置いておくとして。魔法科学校なんだから、ペーパーテストより魔法実技が優先されるのは当然じゃないか」
達也が深雪ちゃんをなだめようとするような口調ではなす
「俺たちの実技能力は深雪もよく知っているだろう?蒼炎はともかく自分じゃあ、二科生徒とはいえよくここに受かったものだと、驚いているんだけどね」
「それは俺に対する不満かな?」
「あー、いや。ここに受かることはできると思ってた....うん」
俺が達也をジト目で見ると達也は目をそらしながら訂正した
雰囲気が若干緩やかになったと思ったが深雪ちゃんはまだ止まらなかった
「そんな覇気の無いことでどうしますか!勉学も体術もお兄様方に勝てる者などいないというのに!魔法だって本当なら」
「深雪!」「深雪ちゃん!」
深雪ちゃんはいってはいけないことを言おうとした。そのため俺と達也が同時に強い口調で名前を呼んだ
すると深雪ちゃんはハッとした顔をして、俯いた
「分かっているだろう?それは口にしても意味の無いことなんだ」
「...申し訳ございません」
達也が深雪ちゃんに罪悪感を感じたのかご機嫌取りに走ろうとしていた
「深雪...お前の気持ちは嬉しいよ。俺の代わりにお前が怒ってくれるから、俺はいつも救われている」
「嘘です」
「嘘じゃない」
「嘘です。お兄様はいつも、わたしのことを叱ってばかり...」
因みにこの会話、達也が深雪ちゃんの頭を撫でながらやってます
あー、なんかコーヒー飲みたい
最近俺とあいつが一緒にいるときの周りの気持ちが分かってきたきがする。自重しよ
「嘘じゃないって。でも、お前が俺のことを考えてくれているように、俺もお前のことを思っているんだ」
「お兄様...そんな、『想っている』だなんて...」
「深雪...深雪さん?なにか勘違いなさってませんか?」
そんな達也の声は、深雪ちゃんに届かなかった。顔を赤らめながら若干モジモジしてる
ああ、この一連で察したと思う。深雪ちゃんは相当なブラコンです
いい加減見飽きたので俺も会話に入る
「例え深雪ちゃんが答辞を辞退しても俺たちに回ってくることはない。ドタキャンはただ深雪ちゃんの評価を下げるだけだよ?本当はわかっているんでしょ?」
「それは...」
「深雪、俺は楽しみにしているんだよ。お前は俺の自慢の妹だ。可愛い妹の晴れ姿を、このダメ兄貴達に見せてくれよ」
ちょっとまて、俺も含まれてるのかそれは、と言おうとしたが飲み込む、これいったら空気読めて無いわ
達也のその言葉で、やっと深雪ちゃんがおさまった
「お兄様方はダメ兄貴なんかじゃありません!...ですが分かりました。我侭を言って申し訳ありませんでした」
「謝ることじゃ無いさ」
「それに我侭だなんて思ってない」
「それでは、いってまいります。...みていてくださいね、お兄様方」
そう言って深雪ちゃんは講堂の方へ消えていった
これでとりあえずの不安はなくなったかな
達也と目を合わせるとお互いに苦笑した
「さて、これからどうしようか」
「あー、なら達也。ちょっと俺の書いた起動式みてくれないか?やっぱりお前みたいに無駄全部省くなんて出来なくてさ。そういうところ指摘して欲しいんだ」
そう言って俺は情報端末をポケットから出した
「オーケー。じゃあ...あそこのベンチに座ってやろうか」
入学式まで残り二時間、そうして俺たちは暇を潰した
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「普通の魔法師はお前と違うんだからこんな式じゃ遅くなるよ」
「むむむ...やっぱり汎用型の式はむずいな」
達也と俺はずっと情報端末とにらめっこしていた
指摘される点が出てくる出てくる。めげるわ...
「お前はハードの知識が豊富だからな。別にソフトまで頑張らなくてもいいんじゃないか?」
「いやいやでも..」
達也に反論しようとしたところで端末から音が鳴った。モニターには30分前と表示されている
開場の時間になったので俺は端末を閉じてから立ち上がろうとしたが、その時声をかけられた
「新入生ですね?開場の時間ですよ」
その声を辿ると、まず目に着いたのは女子用の制服と左腕に巻かれたブレスレットだ
CADーー正式名称Casting Assistant Device 日本語になおせば術式補助演算機といったところか
それが女子の先輩が着けているブレスレットの正体だ
現代魔法を利用する魔法師にとって必須のツールだ
現在、現代魔法には一単語、あるいは一文節で魔法を使い分けるといったことが出来ないとされている
仮に、魔法陣や呪具を使い魔法を使おうとしたら十数秒はかかるのをCADを使うことにより一秒以下で発動できるようになる
もちろん、CADが無ければ魔法を使えないというわけではない。世の中には能力を一定方向に限定することで魔法技能を一般の魔法師よりも早く発動することができる、所謂超能力者もいる
ただ、CADを使うことにより安定して魔法が早く使える、これを求めて現状では魔法師でCADを使わない者はまずいないだろう
話がずれたな。この先輩がCADを着けているということはなにか特別な役職にいるのだろう
この学校にはCADの携行制限があったはず。その例外が確か...生徒会役員と特定の委員会だけのはず
「ありがとうございます。すぐに向かいます」
俺はそう返答をして、達也と共にこの場から離れようとするが
「感心ですね、スクリーン型ですか」
相手はそうはさせてくれない
相手の顔は見覚えがある。もちろん面識があるのではなく資料で、だが
(七草真由美...数字付きの中でも最有力の一つとされる家の子女か...あんまり関わろうとは思わないな)
魔法師の才能は遺伝する。それはすなわち、有力な家系とそうでないのがあるということ
この国では、有力な家系の名字には数字が入っていることが多い
それらを総称して数字付きと読んでいる
その中でも別格とされているのが、十師族と呼ばれる、名字に一から九の数字が入っている家系
その中の一つが七草だ
「当校では仮想型ディスプレイ端末の持ち込みを認めていません。ですが残念なことに、仮想型を使用する生徒が大勢います。でもあなた達は、入学前からスクリーン型を使っているんですね」
「仮想型は起動式の作業には不向きですので」
(単なる好奇心か...それとも俺らを関係者としてみているのか)
俺が警戒をしている間に、達也が答えてくれた
俺たちには隠さなければならない事情がある。いや、まあ俺は別に隠さなくてもいいとは言われているが
「動画などではなくて起動式を組んでいたのですか。入学前からそんなことが出来るなんて凄いですね。私も起動式をカスタマイズすることは有るんだけど、確かにスクリーン型の方がやりやすいわね」
口調が砕けた物に変わった。それはこちらの警戒を緩めようとしているのか、それとも
「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」
俺たちは表情を変えずに、自分達の名前を名乗る
「自分は遠藤蒼炎です」「司波達也です」
「遠藤蒼炎くんに司波達也くん...そう、あなた達が」
やっぱりバレてるのか!?流石は七草、やってくれたな
俺が警戒を強めるといきなり肩を達也に叩かれ
[いや、違うと思うぞ。四葉の情報統制を、いかに七草といえど突破できるとは思わない。それにお前のことは特に叔母上が統制してる。恐らくは入試の成績の話だろう]
と接触を介して頭に語りかけてきた。こういう時魔術って便利だよな
俺は良く考えるとそれもそうだと思い警戒を解いた
「先生方の間ではあなた達、特に司波くんの噂で持ちきりよ」
達也の噂...とするとペーパーテストの結果かな。こいつは一般の尺度で測った時、明らかにおかしいからな
七草先輩は楽しそうに笑いを含みながら話を続ける
「入学試験、七教科平均、百点満点中九十六点。特に圧巻だったのは魔法理論と魔法工学。合格者平均が七十点に届かないのに、両教科共に小論文含めて満点。遠藤くんも司波くんには届かないけど、それでも七教科平均八十九点。魔法工学に関しては小論文含めて満点だし、魔法理論もケアレスミスがあるだけ。実技は処理速度は今年の総代の子を抜いてトップ。残念ながら干渉力で負けて主席ではないけれど。二人とも前代未聞の高得点ですって」
相手からは純粋な尊敬の念しか感じ取れない。それだけ驚いたのか
しかし、達也からしてみれば皮肉にも取れるだろう。なぜなら
「ペーパーテストの成績です。情報システムの中だけの話ですよ」
と自分の左胸を指差しながら、達也はいった
魔法師としての評価は実技が優先される。だから、たとえ筆記で満点をとったとしても、評価はあまりされない
それを聞きながらも七草先輩は首を横に振る
「そんなすごい点数、少なくとも私には真似出来ないわよ?私ってこう見えて、理論系も結構上の方なんだけどね。入学試験と同じ問題を出されても司波くん達のような点数はきっと、とれないだろうなぁ」
「そろそろ時間ですので...失礼します。蒼炎、いこう」
「お、おい。あ、失礼します」
達也は、まだ何かを話そうとしていた七草先輩にそう告げ、歩いていった
俺は七草先輩に頭を下げ、達也の背中を追った
達也の中でなにがあったのか、俺には想像することができなかった
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先ほどの会話のせいで、俺たちが講堂に着いた時には既に半分以上の席が埋まっていた
そして、よく見ると講堂の前の方の席には一科生が、後ろには二科生が座っていた。真ん中で綺麗に二分されているようだ
まあ、俺と達也はそんなの気にしないので一緒に後ろの方に座ったが
座ると、俺たちの隣の連続で空いている席に女子生徒が座ってきて、なんやかんやで自己紹介をお互いにした
千葉さんに柴田さんと言うらしい
その人達と少し話しているとすぐに入学式が始まった
最初は恒例の校長の話から始まり、次に深雪ちゃんの答辞があった
見事な物であったとは思うが
内容が際どい....なんで魔法科高校で「みんな等しく」とか「魔法以外にも」とかっていう危ないキーワードを入れるかね
しかもそれを建前と容姿でくるみ観客からはブーイングの一つもでない
というか殆どみんなが深雪ちゃんの容姿に見惚れてたんじゃないだろうか
そんな風に内心ひやひやしながら入学式は終わった
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「司波君達は何組だった?」
入学式の後にはこの学校の生徒であることを示すIDカードが配られる
それを受け取って始めて自分のクラスがわかるので、受け取ったら早速千葉さんが聞いてきた
「A組だね」「E組だ」
「あー、遠藤君は一科生だったね。でも司波君とは同じクラスね」
「私も同じクラスです」
なんと、俺以外の全員同じクラスかい。なら俺は退散するか
俺は達也に、念話を使って
[先に深雪ちゃんを迎えに行ってくる]
すると達也はこっちに目線を少しだけ合わせて少しまての意をあらわしてきた
「俺たちはここで別れてもいいか?」
「ん?どうしたの」
突然の達也の宣言に千葉さんが不思議がる
「いや、妹と待ち合わせしてるんだ」
「へぇ...司波君の妹ならさぞかし可愛いんじゃないの?」
「妹さんってもしかして...新入生総代の司波深雪さんですか?」
柴田さんがまさかの正解を言い当てる。びっくり、この二人を兄妹とみるってなかなか難しいよ、初見だと
「え?そうなの??じゃあ双子?」
「よく間違われるけど違うよ。俺が4月生まれで妹が3月生まれなんだ」
「それにしてもよくわかったね。この容姿なのに」
「うるさい」
達也が千葉さんの質問に答え、俺の発言に達也がつっこんだ。だって事実じゃないですか
「お二人のオーラは、凛とした面差しがとてもよく似ています。流石に兄妹ですね」
オーラ?...なる程、そういうことか
柴田さんの眼鏡には度がはいっていないみたいだ
ということはファッションということも考えられるが、オーラが見えるということは十中八九霊子放射光過敏症だろう
これは、俺の立場から言わせてもらえばある意味で上位世界を覗くことができる力とも言える
想子と霊子はどちらも超自然現象の一つ。まだ解明がされていないからだ
現代では魔法が普及されているため、俺たちのような存在も比較的存在しやすくなっているが、できることは限りなく狭くなっている
それは、人の魔法に対する考え方が悪い意味で固定されたからだろう
魔法は斯くあるべし、という固定観念。それで統一されたいま、現代魔法から神秘ーーすなわち幻想は消えたも同然だ
だが、想子と霊子はまだ解明されていない。恐らくこうであろう、という段階までしか届いてない
だから、まだこの二つには神秘が残っている。少なくとも、俺たちがこれらを自由自在に操れる程度には
そして、それを見ることができるのが霊子放射光過敏症の持ち主だ
その本質は、あらゆる幻想を見ることができる。というものの劣化品だ
恐らく重度のそれになれば、俺たちの世界も見えるかもしれない。もっとも、それをみて無事でいられるかは疑問だが
話がずれた。いまのは頭の片隅にでも置いてくれ
つまり、だ。この柴田さんには俺たちのばれたくない秘密がバレるかもしれない
注意しなきゃな。とか考えてるうちに達也が柴田さんに「目がいいんだね」って言ってるし
少し酷いと思ったけどいいか
ちょうど時間切れだしな
「お兄様方、お待たせしました」
講堂の端っこで話をしていた俺たちの背後から深雪ちゃんが話しかけて来た
達也が振り返って
「早かったね?」
ん、疑問形?
俺も振り返ると予想外の人物がいた
「また会いましたね、司波くんに遠藤くん」
深雪ちゃんの後ろには七草先輩と数人がいた。そのうちの一人が俺に挨拶して来た
「君が遠藤くんだったか。生徒会副会長の服部刑部だ。当校へようこそ」
だが、それは俺に対してだけだった。もちろん男子生徒であるということが関係しているかもしれないが生憎ともう一人いる。ということは
「はじめまして、服部刑部副会長。自分は遠藤蒼炎です。生憎とここにいるのは一科生だけではありませんが」
そう言うと、片眉をぴくりと動かした。それだけで分かった。この人は一科と二科を分ける人間だ
何様のつもりだろうな。ただの試験だけでその人を見下すなんて
俺の隣には劣等生がいるというのに
そう、頭の隅で考えてる間。もう一つの領域では別のことを考えていた
逆に言えば、それは今の世では仕方ないのかもしれない
この学校の実技試験は今の魔法師協会の判定に則っている
それで測れない人物がいるなんて考えもしないだろう
そもそも、神秘がほとんど失われている現代魔法の枠組みの中で、本当の魔法に近いものを扱う達也が可笑しいのか
うむむ。この世界は不思議だなぁ....
その結論に俺は笑った
それだったらそもそも今の俺自体が馬鹿げているな、と
「蒼炎!おい!」
達也の声に俺は思考を現実に戻した
「あ、すまん。えーっと、悪い。どうやらオートパイロットだったらしい」
「え...その状態で会話出来ていたんですか?」
「よく、思い出してみろ。実はこいつさっき三つしかいってないぞ」
「そ、それはともかく。あ、そうそう。ケーキ屋いくのか!」
俺の秘密の処世術をばれてはいけない。そう思い達也の話を切る
「ちっ....まあ、いいか。帰るか」
このあと、俺たちは喫茶店によって、家に帰った
まあ、家に帰った後で達也に訓練と言う名の戦闘をふっかけられたが
終わった後俺は思った
あれ、俺なんかしたっけ?
それに関する答えは理不尽で思わず本気で攻撃した俺は悪くない
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