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レインボークラウン

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第百五十三話

              第百五十三話  小田切君の歯磨き
 小田切君は朝起きて歯を磨いて出勤した、そうしてタロとライゾウに尋ねた。
「どうかな、僕の歯」
「うん、白くてね」
「綺麗だぜ」
 こう返した二匹だった。
「息も臭くないし」
「ミントの香りがするぜ」
「それならね」
「問題なしだぜ」
「そう、じゃあね」
 二匹の言葉を受けてだ、小田切君はほっとした顔になった。そのうえで彼等に対してこんなことも言った。
「いいよ、やっぱり息が臭いとね」
「体面が悪いっていうんだね」
「そうなんだな」
「うん、流石に博士みたいにはしないけれど」
 毎食後磨くことは、というのだ。
「朝御飯の後と寝る前にはね」
「ちゃんと磨く」
「そこはしっかりとするってことだな」
「虫歯とか歯槽膿漏も怖いしね」
 このことも忘れていない小田切君だった。
「歯は一生ものだから」
「そうそう、虫歯とかになったらね」
「大変だからな」
「小田切君も歯は大事にしてね」
「さもないと泣きを見るのは自分だぜ」
「特に甘いものを食べた後はね」
 糖分は歯の大敵である。
「余計にね」
「気をつけてそうして」
「やってくんだな」
「お酒を飲んでもね」
 その時も、というのだ。
「しっかりと磨いてるよ」
「うん、いい心がけだよ」
「幾ら飲んでも寝る前にはだよな」
 そのことにもよしと二匹だった。
「磨いてそうして寝る」
「寝てる時が一番怖いっていうしな」
 その時に雑菌が暴れると言われているのだ。
「小田切君位だとね」
「いいと思うぜ」
「博士はあれで潔癖症だからね」
「また特別だよ」
 実は潔癖症の博士なのだ。
「そこまではいかなくても」
「綺麗にしておいて悪いことはないぜ」
 このことはその通りだった。
「だから小田切君もね」
「いつも健康でいてくれよ」
 歯を磨いてだ、こう言う彼等だった。


第百五十三話   完


                           2014・7・25 
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