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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第六幕その四

「あの人達はどうかな」
「ヤクザ屋さんだったら嫌だよね」
「人間のヤクザ屋さんも怖いからね」
「ああした人達だとね」
「困るよね」
「怖いの嫌いだよ」
「全くだよ」
 こうお話するのでした。
「いい人ならいいけれど」
「怖いならね」
「付き合えないよ」
「松山にもいて欲しくないよ」
「愛媛にもね」
「そういうことじゃ」
 長老さんは狸さん達のお話を聞きながら先生に言いました。
「わし等は不安なのじゃ」
「カワウソさん達が怖い人達かどうか、ですか」
「日本にも、勿論松山にも昔からおるが」
 ここで長老さんがお話に出す人達はといいますと。
「さっき言った者がおったが」
「ヤクザ屋さんですね」
「あの人達は苦手じゃ」
「長老さん達もですか」
「妖力を使えば退けられるがじゃ」
 それでもだというのです。
「何かと悪さをして碌なことにはならぬ」
「そうした人は何処にもいますね」
「そうじゃ、何処にもじゃ」
「つまりイギリスにも」
「イギリスにもそうした人はおるな」
「残念ですがいない国は存在しませんね」
 それこそ世界のどの国にもいるとです、先生は長老さんに答えました。勿論イギリスにもそうした人はいます。
「不良という人達も」
「おるな」
「そうしたカワウソさん達はですか」
「困るのじゃ」
「松山に入られても」
「その通りじゃ」
 まさにというのです。
「だからどうしたものかと思っておるのじゃ」
「左様ですか」
「そうじゃ、わしも変な揉めごとは御免じゃ」
「ましてや外国からの方ですしね」
 加藤さんも言ってきました。飲みながら。
「そこは」
「異文化というものじゃな」
「そうなりますね」
「そうじゃ、松山には外国からの観光客も多いが」
「色々な国から来ていますね」
「そうじゃ、しかしな」
 それでもだとです、長老さんは加藤さんにもお話しました。
「マナーが悪い観光客ならともかく」
「マフィアですね」
「あの連中はイタリアじゃったな」
「はい、イタリアのシチリアがルーツです」
「時折来るがのう」
 観光客も色々な人がいます、中にはそうした立場の人もいたりするのです。
「厄介じゃ」
「カワウソさん達もそうした人なのか」
「気になるのじゃ」
 どうしてもというのです。
「これがな」
「そうですか、大体ですが」
 ここまで聞いてでした、先生は言いました。
「狸さん達のお考えはわかりました」
「そうか」
「はい、若しヤクザ屋さんでしたら」
「厄介じゃからな」
「お互いに妖力がありますから」
「そのこともあるからな」
 それ故にとです、長老さんは先生の今の言葉にも答えました。 
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