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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第六幕その三

「四国の化けられる狸さん達は」
「左様、昔からな」
「四国にはですね」
「それだけの化けられる狸がおる」
「そしてその国それぞれにですね」
「わしもそうじゃがな」
 総大将がいるというのです。
「そのまとめ役が団三郎さんじゃ」
「その人ですね」
「しかし愛媛が一番狸の数が多いかのう」
 化けられる狸達はというのです。
「二百八おる」
「それだけおられますかね」
 先生は後ろを振り向いて湯舟の中にいたり岩場とかで楽しく動物達とお話をしたりお酒を飲んでいる狸さん達を見つつお話しました。
「ここには」
「うむ、後の三県はな」
「はい、二百人ずつですか」
「おおむねそれだけおる」
「そうなのですね」
「そうじゃ、高知にも香川にも高松にもな」
 その四国それぞれにそれだけの狸達がいるというのです。
「おるのじゃ」
「愛媛に一番多い理由は」
「簡単じゃ、松山が四国で一番人口が多いからのう」
 だからだというのです。
「それで我等もじゃ」
「愛媛に一番多いのですね」
「とはいっても八匹程度じゃ」
 二百にそれだけ加わった位だというのです。
「それ位じゃ」
「では人口的には」
「然程変わらん」
 そうだというのです。
「人間の人口程違いはない」
「そうですか」
「うむ、そうなっておる」
「そのことも勉強になりました」
「それなら何よりじゃ、さて」
 ここで、でした。先生達は身体を洗い終えました。そうしてでした。
 三人も湯舟に入りました、そこでお酒が出てきました。周りの狸さんが気を利かせて出してくれたものです。
「さあさあ、飲んで下さい」
「先生日本酒飲めますよね」
「はい、好きですよ」
 先生は彼等からお酒を受け取りつつ笑顔で答えました。
「こちらのお酒も」
「それは何よりです」
「では楽しまれて下さい」
「肴もありますから」
「召し上がられて下さいね」
「温泉に酒は最高の馳走じゃ」
 長老さんもお酒を受け取っています、そのうえで先生に言うのでした。
「では馳走を楽しみなgら」
「はい、それでは」
「話をしようぞ」
「頂きます」
 こうしてでした、先生は日本酒を飲みながらです。長老さんとお話をするのでした、勿論そこには加藤さんも一緒です。
 肴も楽しみつつです、長老さんは先生にあらためて言いました。
「それではな」
「はい、カワウソさん達のことですね」
「どうしたものか」
 長老さんがこう言うとです、他の狸さん達もそれぞれ言ってきました。
「あの人達怖くないかな」
「何もしてこないよね」
「日本のカワウソさん達は大人しいけれど」
「僕達と変わらなかったよね」
「そうそう、剽軽で悪戯好きでね」
「明るくて」
 それが日本のカワウソさん達でした。
 しかしです、イギリスから来たカワウソさん達はといいますと。 
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