刃物語 プロローグ
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刃物語 一話
前書き
一話です
軽く背伸びをし最初に調べたのはベットの下にあるケースだった
そしてオレはその中身を確かめた
中身は、ナイフや包丁など様々な種類の刃物だった
それを見てオレは顔がニヤける
さっきの夢はどこへ行ったのか輝く鋼の刃に見惚れてしまう
「やっぱさっきの夢はオレの愛情が足りなかったんだな!うん!」
そうに違いない。大好きで愛でている刃物達がオレを傷つけるハズない!
砥石でさらにナイフを綺麗に研いで輝きを増させる、これがオレの一番幸せな時間
正直告白しよう、オレは女子が苦手だ!
嫌いなワケじゃない、ただ綺麗やらかわいい女子を見てしまうと血圧が上がって
倒れてしまうのだ。しかし通っている学校は残念ながら男女共用の普通の高校
男女ワイワイ話すイケメンな男や綺麗な女
そしてそれを妬むモテない男子、そして口うるさい女子やらで
静かに過ごしたいオレにとっては学校生活は精神衛生上よろしくない事この上ない
何の嫌がらせなのかたまに女子が話しかけてくる、それはまだ良い
だがその女子がスタイルや顔が凄く良いという点が問題なのだ
視線を落とし気分が悪いフリをしていなければ正直通ってられない
しかし父と母は言う、これは試練だと!!
女子に耐性を持つ事こそ高校に通う義務だと、って勉強が主じゃねえのかよ!?
と反論したくなるが勉強はしっかりやっているおかげで成績はまあまあ
後は卒業に向けての勉強は良いんだけど社会で上手くやっていけるかどうか
かなり不安だ
男子は女子にモテたくて仕方が無い様だが断じてオレは違う!
刃物だ!もう刃物さえあればどこへだって行ける!というか女子に耐える為に
こっそり刃物とか持ってきている!校則違反レベルじゃないカッターナイフなので
大丈夫です
・・・・・・・・にしても、不思議な夢だったな・・・・・・・
大好きな刃物に切り刻まれ、苦手な女の子に手を伸ばし小恥ずかしいセリフを言う夢
正直思い出したくないがもしかすると・・・・・・・・
オレの思いが反映された夢なのかな?・・・いや刃物に切り刻まれる趣味はないし
無理に女子と関わりを持つという意思はオレにはない
ただ・・・・・あの銀髪で・・・・青い瞳の少女の笑顔は
・・・・・・・あーやめやめ、こんな話
女の子の笑みで安心したのは初めてだったから考えちまった
あー血圧上がりそう、顔も赤くなりそうだったので洗面所で頭を冷やした
その後オレはリビングに向かい朝食の準備をしていると
ふと、リビングにある写真を見た。
家の事情で離れ離れになった両親と兄と弟の写真
感傷に浸ったのか少し寂しくなったので、朝食は温かいトーストを焼いた
まあ、そんなこんなで朝飯食って自転車で学校に向かう
少し遠い場所だが少し斜めった坂があるので行きはそこまで苦じゃない
そして、一番気に入っているのはここでは女性が少ない!!
ここを移住先にしてくれた親に感謝、仕事が出来たらお金を送ろうと思った
そんな事を考えていると、腕に違和感を感じる事に気付いた
まさか!ついにオレにも中二病が!?高校三年なのでとっくに過ぎてますハイ
そして違和感はすぐに消え去り気にせず学校へ向かった
目を伏せ、学校に向かう。女子が目に映らない様に
いつも通りだ、オレはいままでこうやって過ごしてきた
暗い印象を持たせ周りを引かせる、あまり良い気分ではないけど
真正面を向いて血圧が上がって倒れるよりははるかにマシだ
・・・・・本心ではしっかり前を向いて学園生活を楽しみたい
でも仕方ないんだ、好きな女子について語れない事や女子で一番かわいい娘
を考えるなんて男子高校生らしい事が出来なくたって
オレには刃物がある、危ないヤツに思われるかもしれないがこれがオレだ
ちなみに刃物で斬る趣味は無い、ただ眺める。宝石と一緒だ
刃物好きにも関わらず斬る感触は好きじゃない
さて、今日はどんな本を読もうかな。これでも読書家だ、一時期は趣味でパソコン小説を書いていたくらいだ
陰湿で暗いイメージを植えつけて敬遠させる、オレの青春はないに等しい
そう、こんなヤツに友達なんていない。いないハズだけど・・・・・・・
「おっはよう!神埼双君!!」
フルネームでしかも大声で話しかける友達らしきなにか
北島春一である
みんなの視線が痛い、いつも通りだけど・・・・・・・
「何だよ、フルネームで毎回あいさつしやがって・・・・」
みんなの視線が痛すぎるんだよ!正直今までコレに慣れてなかったら
速攻で教室をマッハで飛び出している
へっへんと笑みを浮かべるコイツは北島 春一
保育園からの知り合い程度だったが高校に入ったとたん友達になってしまった
「オイオイ、あいさつはあいさつで返す。基本だろ?」
「おはよう、北島。さっそくだけどフルネームイズビックボイスでグッドモーニングはやめてくれ、お前はみんなの視線を見たことが無いんですか!」
「おお!リアクションがアクティブになってんじゃねえか!さすがオレ!」
なんなんだ・・・・毎回オレにつっかかってきて、他にもよさそうな人いるじゃねえかよ
危うく女子を見てしまうところだった、つーか何でここの女子の制服のスカートの丈は短いんだ!?なに?オレへの嫌がらせ?
恥らえよ!乙女なら!男の夢をぶち壊すなよ!そして男子のお前らも鼻の下伸ばしてんじゃねえ!!情けなく思わないのか!!
くっ・・・・・・一瞬の光景にツッコミを入れてしまった
一瞬だけだったから心臓が高ぶるだけだ、問題ない
「どーした?双、やっぱ女子はサイコーだよな」
だがオレは違う
「ねーよ」
刃物サイコーである
「!?ナチュラルに返しやがった!お前の女子克服に協力してんのによ~」
女子が苦手なのはコイツにしか話していない
女子が苦手と言っておけばコイツも分かってくれて離れてくれるのだろうと思っていたオレがバカでした
むしろオレの女子克服に専念し協力している始末、余計なお世話だ
後書き
読んで下さってありがとうございます!
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