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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第六十九話 Faith

 
前書き
シグマを倒したエックス達。
しかしその中にゼロの姿はなかった。
 

 
激戦から3日後。
零空間のあった場所は調査用レプリロイドとライフセーバーが働いていた。
任務はゼロの捜索と保護。
組織のため、エックスのために彼らは必死にゼロを捜索していた。
瓦礫は半分撤去され、後半分に望みを託した。
ゼロが生きている可能性は皆無に近い。
半身を失った状態で稼動出来るレプリロイドなどまずいない。
それに既に3日も経ってしまっている。
非常時用エネルギーが稼動していても尽きてしまっている時間だった。
彼は死んだのか?
アイリスは戦場の跡を見つめ、エイリアはエックスとルインを遠くで見つめていた。
シグナスの傍らにはダグラスとルナがいて、3人もエックスとルインを見守っている。

ダグラス「エックス達は…よく無事だったな…。無傷で帰ってきた。あれだけの戦いの中で…。あいつらの身体はどうなっているのか、さっぱり分からない。」

凄腕メカニックはある意味呆れていた。
現在の科学力で解明出来ない不可解なレプリロイド。
それは4人。
エックスとルイン、ルナと…そしてもう1人。

ダグラス「けどゼロは…」

それ以上口にすることは出来なかった。
言葉にしたらもう2度と帰ってこないような気がして…。

シグナス「エイリア、ゼロの反応は?」

シグナスがエイリアに尋ねる。

エイリア「データ反応はなし…でもね、彼は生きてるわ…きっとね…」

シグナス「珍しいな。データがないのにそんな適当なことを言うなんて」

今までにないことであった。

エイリア「そうね…でも、信じてるの。ゼロは生きてるって…だってルインとエックスとアイリスが信じているんですもの…彼らが信じるなら…」

ルナ「だな…ゼロは必ず帰ってくるさ。」

ルナも確信したように言う。

「シグナス総監」

1人のライフセーバーがシグナスに声をかける。

シグナス「ゼロがいたのか!?」

「いいえ、ですが…これを見つけました」

ライフセーバーが差し出したのはゼロが愛用していたビームサーベル・Zセイバー。
今は出力されておらず剣の柄のみになっている、

エイリア「エックス!!ルイン!!アイリス!!」

エイリアは3人を呼び、それを渡す。

エックス「ゼロのセイバー…」

彼が手放したことの無いものであった。
ということは…。

エイリア「エックス…ルイン…」

エイリアは思わず口元を覆った。

エックス「違う。」

ルイン「ゼロは生きている」

エイリア「え…?」

エックス「その証拠に、セイバーが光を失っていないだろう?」

エイリア「光…?」

何事か分からず聞き返した。
答える彼の顔は何故か明るく、希望に満ちていた。

ルナ「確かにな。武器には使い手の魂が宿る。使い手亡き武器に魂は宿らない」

ルイン「うん」

ルナも笑みを浮かべながら言うとルインも肯定の意味で頷いた。

エックス「セイバーから伝わって来る。これからも戦い続けるっていう意志が。ゼロはきっと生きている…。」

ルイン「そうだね…ゼロが帰ってくる日まで私達が戦わなきゃ…アイリス、このセイバー…ゼロが帰ってきたら渡してやってくれない?無くしたりしたらゼロに怒られちゃうし」

ルインの言葉にアイリスは吹き出し、セイバーを受け取る。
いつかゼロが帰ってきた日のために。

アイリス「ゼロ…あなたは…私達のために命を懸けて戦ってくれた……だから今度は私達がゼロに応えなくちゃいけない…私…頑張るわ…ゼロが帰ってくる日まで…だからゼロ…必ず…必ず帰ってきて…私はあなたを…ゼロを信じてる…!!」

エックス、ルイン「「ずっと一緒だよ…ゼロ…」」

セイバーを握り締めるアイリスの傍らでエックスとルインは太陽を見上げながら誓った。 
 

 
後書き
X5終了。 
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