FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第191話 花咲く都の熱戦
前書き
お久しぶりの紺碧の海でございますっ!
夏休みが終わり、期末テストがようやく終了したので、約2週間にぶりに更新します。
今回は遂に始まった大魔闘演舞、出場しているナツ、グレイ、エルザ、リョウ、ユモの5人はなぜか・・・!?FT友恋でも、あの方が大活躍しますっ!
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第191話・・・スタート!
遂に始まった大魔闘演舞。
バトルフィールドであるクロッカスの街全域を映し出した6つの映像魔水晶の映像から大勢の観客達は目を離せない。会場は常に興奮と歓喜で包まれている。
チャ「いや~、最終戦が遂に始まりましたね。」
ヤ「どんなバトルが見れるのか、今まで以上に楽スみだねぇ。」
マト「皆頑張るカボよー!」
クロッカスにいる出場者達に届く訳ないが、マトー君は映像に映る出場者達に向かって声援を送る。
映像魔水晶の映像の1つに銀河の旋律の魔道士、キースの姿が映った。すぐにまた別の映像魔水晶の映像にルチーアの姿が映った。
チャ「やはり、1人1人が高い魔力と戦闘力を誇る銀河の旋律の魔道士達は分散して行動していますね。」
他にも四つ首の猟犬、幸福の花が分散している。
映像が切り替わり、蛇姫の鱗のユウカとトビー、青い天馬のトライメンズの3人の姿が映った。
チャ「そして2人1組で行動する者達や、3人1組で行動する者達もいます。」
他にも、2人1組は月の涙のリキとカリン、海中の洞穴のアニーとアリー、白い柳のタクヤとアチュール、3人1組は気楽な禿鷹のリート、ラム、ジェニックなどがいる。
ト「皆さん頑張ってますね。」
フ「なーに当たり前の事言ってんだよ?この最終戦で今年のフィオーレ一が決まるんだ。頑張るのは当たり前じゃねェか。」
呑気に言うトーヤの言葉にフレイが肩を竦めながら言う。
ハ「それにしても、人数が多いね。」
ル「さっきから全然、リョウ達の姿映らないわねぇ。」
シャ「どこほっつき歩いてるのかしら?」
ウェ「目立たない場所にでもいるんでしょうか?」
ショ「いや・・ナツがいる限り、そんな事はないと思う・・・」
シャルルを抱いたウェンディが首を傾げながら呟いた言葉をショールが即答で否定する。
確かにナツは最終戦に出場しているが、まだ一度も妖精の尻尾の魔道士の姿が誰一人として映像に映っていない―――と思った矢先、
マ「あ!やっとナツ達が映―――――って、ええぇ!?」
ずっと映像を見ていたマヤが嬉しそうに声を上げたかと思うと、その声はすぐに驚嘆の声に変わり、マヤの大きな夕日色の瞳が驚きで見開いている。
チャ「あーーーーーっとぉ!こ、これはいったい・・・!!?」
マヤに続くようにチャパティ・ローラも驚嘆の声をマイク越しで上げる。
観客達も映像を見てざわつき始めた。
驚嘆の声を上げた理由は6つの映像魔水晶の1つに映し出された映像に映っていた。
チャ「妖精の尻尾がっ!またしても全員目を閉じたまま動いていないーーーーーっ!!」
映像に映っているのは大魔闘演舞に出場しているナツ、グレイ、エルザ、リョウ、ユモの5人。5人は白いライオンの石膏像の前で仁王立ちの状態のまま、目を固く閉じてその場に立ち尽くしているのだ。
ギルド一問題児である、あのナツでさえ大人しく目を閉じてその場に立ち尽くしているのだ。
何とも奇妙な光景である。
チャ「ヤ、ヤジマさん・・妖精の尻尾はいったい何を・・・?」
ヤ「うーん・・・集中でもスてるんじゃないかねぇ?」
マト「あーでも、早くしないと抜かされるちゃうカボよ。」
実況席にいる3人も困惑の表情を浮かべる事しか出来ずにいた。
チャ「妖精の尻尾の奇妙な行動も気になりますが、すでに敵と接触している者達もいるぞーーーっ!」
四つ首の猟犬のノバーリと、月の涙のリキとカリンが向かい合っていた。
リキ「アイアンメイク、鉄槍ッ!!」
カリ「クリスタルメイク、透明虎ッ!!」
ノバ「ふ、2人かよっ!?ぐぉはっ!」
リキが造形した鉄の槍と、カリンが造形した硝子の虎が容赦なく襲い掛かり、ノバーリは魔法を発動する間も無く戦闘不能。
ピッと音を立てて月の涙のポイント数に1ポイント追加される。
同じ頃、別の場所では―――、
レン「女子と当たっちまうなんてな。」
イヴ「ついてないね。」
ヒビ「でも、優勝する為にはいくら女性でも手加減は出来ないな。」
ヒリ「キャアアアア!」
アナ「うわぁああぁああ!」
古文書を開いたヒビキが敵の場所を認識し、レンとイヴが空気の渦と吹雪を起こし気楽な禿鷹のヒリアとアナを戦闘不能にする。
気楽な禿鷹の副リーダーであるヒリアを倒した為、ピッと音を立てて青い天馬のポイント数に4ポイント追加され、青い天馬が7位、幸福の花が8位になった。
同じ頃、別の場所では―――、
バロ「風竜の・・・咆哮ッ!!」
スミ「きゃあぁああぁぁあああっ!」
バロンが口から風の息を噴出し、幸福の花のスミレを戦闘不能にする。
ピッと音を立てて海中の洞穴のポイント数に1ポイント追加される。
同じ頃、別の場所では―――、
アン「絵画魔法、火の玉ッ!」
セム「あちィいいぃいいぃぃいいいっ!」
アンナがステッチブックに素早く無数の火の玉の絵を描き、四つ首の猟犬のセムスに投げつけ戦闘不能にする。
ピッと音を立てて銀河の旋律のポイント数に1ポイント追加される。これで妖精の尻尾とは1点差になった。
同じ頃、別の場所では―――、
ユウ「俺が波動で魔法を封じている間に・・・」
トビ「オオーン!」
イエ「ぐぉああぁあぁああああっ!」
ユウカとトビーの良い連係攻撃で四つ首の猟犬のイエーガを戦闘不能にする。
ピッと音を立てて蛇姫の鱗のポイント数に1ポイント追加される。
同じ頃、別の場所では―――、
バッ「クソッ!さっきからうろついてるってェのに、誰とも会いやしねェじゃねェかっ!」
愚痴を言いながらバッカスが1人クロッカスの街を歩いていた、その時―――、
バッ「!」
太陽はバッカスが歩いてる方向とは逆方向にある為、バッカスの黒い影は前にある。そのバッカスの影より遥かに大きな黒い影が、自分の影と重なっている事に気づき、バッカスは慌てて後ろを振り返ろうとしたが、
バ「ぐぉばっ!」
頭上に振り下ろされた巨大な木製の棍棒で地面に叩きつけられ、バッカスは気絶し戦闘不能。
キー「ありがとうオリオン、助かった。」
銀色の鍵を持ったキースが、怪力座のオリオンを星霊界に帰らせた。
四つ首の猟犬のリーダーであるバッカスを倒した為、ピッと音を立てて銀河の旋律のポイント数に5ポイント追加され、銀河の旋律が1位、妖精の尻尾が2位になった。
チャ「逆転!銀河の旋律が妖精の尻尾を抜いて逆転したーーーーーっ!!」
銀河の旋律は68ポイント、妖精の尻尾は64ポイント。1位と2位の差はこれで4点差だ。
チャ「点数が動く!順位が動く!しかし、妖精の尻尾は動かない!未だに目を閉じたままだーーーっ!」
次々と人数が減っていき、点数や順位が次々と変わっていく中、妖精の尻尾は未だに動きを見せない。
ナツ達が一向に動かないのを見ても、応援席にいる者達は焦りもせず、怒りもせず、ただ勝ち誇ったような笑みを浮かべているだけだ。
それには列記とした理由がある。
何しろ妖精の尻尾には、仲間を勝利へと導く、強い味方がいるのだから。
マカ「初代、今年も奴等に作戦を伝えたんですね?」
メイ「はい。」
マスターの問いに、メイビスは頷いた。
ロメ「やっぱ流石だな、初代。」
マカオ「や・・やっぱし、ただの癒し系じゃ、ねェんだ、な・・・」
ワカ「だ・・だな・・・」
レビ「あれでも、妖精の尻尾を創った人だしね。」
ロメオが感心し、マカオとワカバが改まるように呟き、レビィが苦笑いを浮かべながら言う。
ル「それで初代、今年はどんな作戦をリョウ達に伝えたの?」
ウェ「もちろん全て、初代の計算どおりなんですよね?」
メイ「もちろんです。」
ルーシィとウェンディの問いに、メイビスは力強く頷いて見せた。
メイ「偶然にも、今年の大魔闘演舞には多くの強者達がものの見事に勢揃いしています。苦戦しましたが、私はこの4日間で、敵全員の戦闘力、魔法、心理、行動パターンを全て頭に入れました。」
メイビスの頭を巡るのは、この4日間での戦いの数々。
滅竜魔法や滅神魔法、造形魔法や星霊魔法、召喚魔法や合体人間などなど―――――。
メイ「私は、それを全て計算し、何億通りもの戦術をシュミレーションしました。」
フ「な・・何億通り・・・!?」
マ「敵全員に適応する戦術を・・・!?」
ショ「たった、4日間で・・・!?」
ト「・・す、すごい・・・!」
フレイ、マヤ、ショールの順に驚嘆の声を、トーヤが感嘆の声を漏らした。
メイ「敵の動き、予測と結果、位置情報・・・ここまで全て、私の計算どおりです。」
マ&ショ&ト「!」
メイビスから放たれる、その凄まじい雰囲気を感じ取ったマヤの顔は血の気が失せ、ショールは目を見開き、トーヤは思わず背筋を伸ばした。
メイ「作戦はすでに伝えてあります。」
メイビスが呟いたのと同時に、ずっと仁王立ちで目を閉じていたナツ、グレイ、エルザ、リョウ、ユモの5人がカッ!と目を開けた。5人の瞳は鋭く、眩い光が宿っている。
メイ「仲間を勝利へと導く、それが私の“戦”です。」
メイビスの緑色の瞳も鋭く、眩い光が宿っていた。
呟きながらメイビスはスクッと立ち上がると、人差し指だけを立てた右手を斜め上に上げると―――――、
メイ「妖精の光作戦、開始ッ!!」
ナ&グ&エ&リョ&ユ「了解!!!」
チャ「遂に妖精の尻尾が動いたーーーーーっ!」
5人一斉に別々の方向へと駆け出した。
メイ「各自散開!次の目的地まで進んで下さい!」
メイビスが声を張り上げ指示を出す。
その様子をルーシィ達は目を白くしてポカーンと見つめる事しか出来ずにいた。
メイ「この時点で、94%の確立でシプが動きを見せます。」
メイビスの予測通り―――、
シプ「(動いた!)」
姿を透明にしたシプが小猿のように駆け出した。
シプ「(すぐ近くに、妖精の尻尾の誰かがいる―――!)」
メイ「各自、全方面に意識を集中!姿の見えない敵の気配を感じ取って下さい!」
メイビスが次の指示を出す。
指示通り、ナツ達は意識を集中させ、360度からの気配を感じ取る。
シプ「(背中ががら空き!)」
シプが敵の姿を確認し、気配を殺して足音を立てずに素早く駆け寄ると、がら空きの妖精の背中に向かって飛び蹴りを放つ、が―――・・・
エ「ふん!」
シプ「(かわしたっ!?)」
妖精―――エルザはシプが来たのを分かっていたかのようにシプの飛び蹴りを左に避けてかわした。
シプ「(そんな・・・気配を消すのも蹴りの威力も、あの時よりうんと上がっているのに・・・・な、何で・・・?)」
シプは空中で体勢を整え、着地するまでの間で頭をフル回転させる。
メイ「敵はエルザの背後から出没。他の者はそのまま目的地へ!エルザは意識を集中したまま、相手の気配を感じ取り、思考が乱れている相手の位置を確認。」
メイビスの指示通り、ナツ、グレイ、リョウ、ユモは目的地へ。エルザはその場で立ち止まり、意識を周囲に集中させ、姿の見えない敵の気配を感じ取り、別空間から刀を取り出すと、
メイ「(撃破。)」
エ「はァっ!」
シプ「うぐぁあっ!」
斬られたシプは姿を現し、その場に倒れ込み戦闘不能。
ピッと音を立てて妖精の尻尾のポイント数に1ポイント追加される。
エ「気配を消した姿の見えない敵を倒す事が出来るとは・・・流石は初代、恐ろしいお方だ。」
刀を別空間に戻しながら呟くと、エルザは草履を履いた足で目的地である場所へと駆け出した。
メイ「(リョウは東方にいる敵2人を撃破。)」
リョ「初代の予想通り!」
タク「うぉわぁあっ!」
アチュ「ぐはっ!」
『銀覇剣』で白い柳のタクヤとアチュールを斬りつけ戦闘不能にする。
ピッと音を立てて妖精の尻尾ポイント数に2ポイント追加される。
リョ「不気味なくらい、初代の読みが的中してってやがる・・・あー怖ェ。」
『銀覇剣』を鞘に戻しながら、最後は棒読みで呟くと青い着物の裾をひるがえしながら駆け出した。
ユ「アイスメイク、氷霧ッ!!」
氷のように冷たい霧が辺りを覆いつくす。
ジェ「んだこりゃ!?何にも見えねェぞぉーーーっ!」
ラム「リート~、ジェニック~、どこぉ~?」
リー「ラム!ジェニック!それ以上今いる場所から動くんじゃねェ!!」
霧の中で気楽な禿鷹のリート、ラム、ジェニックが喚いている中、3人に忍び寄る2つの黒い影―――。
グ「氷雪砲ッ!!」
ユ「氷雪鎖ッ!!」
氷の砲丸と氷の鎖を同時に霧の中にいるリート達目掛けて放つ。
ジェ「ぐぉおおあぁあぁぁああああっ!」
ラム「うわあぁああぁああああっ!」
リー「ジェニック!ラム!・・・っくそォ!」
狙い的中。
霧が晴れると、グレイとユモの目の前にいるのは傷だらけで倒れているジェニックとラムだけ。リートの姿はどこにも見当たらなかった。
ピッと音を立てて妖精の尻尾のポイント数に2ポイント追加される。
グ「逃げられたか。」
ユ「この2人を倒して2ポイントだから・・・やっぱり、気楽な禿鷹のリーダーはリートみたいだね。」
グ「あークソ!アイツ倒してたら逆転出来たのに、惜しいところ逃しちまったな。」
グレイは悔しそうに頭を掻き毟りながら言う。
ユ「まぁまぁ、私達は初代の指示通りに動けば大丈夫だよ。」
グ「んで、その初代の指示で、俺とユモはここで別行―――――!!?」
「別行動」と言おうとしたグレイの口をユモが塞いだ。
手ではなく、口で。
いきなりすぎる出来事に、グレイは最初何が何だかよく分からなかったが、後にそれが“キス”だと理解すると、徐々に体温が急上昇していくのを実感した。
氷の魔道士の体温は、普通の人間と比べると低く、寒いところで服を脱いでも大丈夫なくらいだが、今のグレイの体温は炎の魔道士の体温より熱いだろう。
ユモが離れてからも、グレイはしばらく静止したままだった。顔は恐らく、真っ赤だ。
キスの時間はほんの数秒だったのだが、グレイにとって1~5時間くらいに思えたはずだ。
ユ「グ、グレイ?ゴ・・ゴメン。だ、大丈夫・・・?」
ユモの声で我に返るが、顔はまだ真っ赤のまま。ユモの頬も薄っすらと赤みを帯びていた。
ユ「グレイ、頑張ろうね。」
グ「ぁ・・あ、あぁ・・・//////////」
ユモの言葉にまともに返事を返す事が出来ず、グレイはただ顔を真っ赤にしたままユモから視線を逸らす事しか出来なかった。
ようやく落ち着きを取り戻した時には、すでにユモの姿はなかった。
右手で口元を覆ったまま、しばらくその場に立ち尽くしていたが、右手を口元から額へ移し、顔を隠すようにすると、
グ「・・・やられた。」
小さく呟いた。
ハマ「花弁の鉄鎚!」
ロッ「ぐべぼっ!」
色とりどりの花弁の鉄鎚で四つ首の猟犬のロッカーが押し潰され戦闘不能。
四つ首の猟犬の副リーダーであるロッカーを倒した為、ピッと音を立てて幸福の花のポイント数に3ポイント追加される。
それと同時に、四つ首の猟犬は全滅(10位)。
シェ「ゴメンね。天神の・・・怒号ッ!!」
シェナ「キャアァアァアアアアッ!」
チル「うわぁあぁあああああっ!」
ウィンクをしながら最初に謝罪し、口から黒い空気の息を噴出し、白い柳のシェナとチルチルを倒し戦闘不能にする。
白い柳の副リーダーであるシェナを倒した為、ピッと音を立てて蛇姫の鱗のポイント数に4ポイント追加される。
カリ「クリスタルメイク、透明竜ッ!!」
リキ「アイアンメイク、大砲丸ッ!!」
硝子の竜と、巨大な砲丸が迫り来る、が―――・・・
レヴ「星竜の・・・咆哮ッ!!」
口から金銀に光り輝く息を噴出し、竜と砲丸を跡形も無く消し去ると、息はリキとカリンの体を飲み込む。息が消え、砂煙が晴れると、レヴルの目の前には倒れているリキとカリンがいた。
ピッと音を立てて銀河の旋律のポイント数に2ポイント追加される。
メイ「(前方から来た3人の敵を撃破。)」
ナツは駆け出し、タイミングを見計らって跳躍し、両手に灼熱の炎を纏うと、
ナ「火竜の・・・煌炎ッ!!」
丁度角を曲がって来た、真下にいるトライメンズの3人目掛けて両手を振りかざした。
イヴ「う、上から!?うぁああああああっ!」
レン「んなのアリかよっ!?ぐああぁあぁあああっ!」
ヒビ「やっぱり妖精の尻尾には、僕の古文書の計算を超える者が・・・うあぁあぁぁああああっ!」
トライメンズも丸焼きにされたら無残な姿になるのはお決まりの事であり、戦闘不能。
青い天馬の副リーダーであるヒビキを倒した為、ピッと音を立てて妖精の尻尾のポイント数に5ポイント追加され、再び妖精の尻尾が1位、銀河の旋律が2位になった。
妖精の尻尾は71ポイント、銀河の旋律は70ポイント。1位と2位の差は1ポイントにまで縮まった。
ナ「カーカッカッカッカァ!また逆転してやったぞっ!」
ナツが映像魔水晶に映っている順位表を指差しながら言ったその直後、ピッと音を立てて銀河の旋律のポイント数に5ポイント追加され、再び銀河の旋律が1位、妖精の尻尾が2位になった。
銀河の旋律は75ポイント、妖精の尻尾は71ポイント。1位と2位の差は4ポイントに変わった。
それと同時に、気楽な禿鷹は全滅(9位)。
ナ「リーダー倒したのかっ!?だぁーーーっ!また誰か倒さねェと!こうしちゃいられねェ、おい初代!次はドコ行けばいいんだぁ!?」
ナツはその場にしゃがみ込んで頭を抱えて叫んだかと思いきや、すぐに立ち上がってメイビスに問い掛けながら走り出した。
メイ「エルザはD―6へ、ユモスはK―3へ直行。」
メイビスが次々に指示を出していく。
マ「初代すごぉ~い!」
ル「初代の読みがことごとく的中してってる。」
ト「“妖精軍師”メイビスの名は伊達じゃないですね。」
マヤ、ルーシィ、トーヤの順に感心する。
ショ「(・・・いくら魔道士でも、あんなに優れた戦略眼の持ち主は初めてだ。)」
ショールの鮮血のような赤い瞳に映るのは、妖精の尻尾初代ギルドマスター、メイビス・ヴァーミリオンの姿だけ。
ショ「(初代、あなたはいったい・・・?)」
ツツ「ナックルプラント!」
ジェニ「いやーん!」
拳の形をした植物が青い天馬のジェニーを殴り飛ばし戦闘不能にさせる。
ピッと音を立てて幸福の花のポイント数に1ポイント追加され、青い天馬と順位が並んだ。
ツツ「よしっ!この調子でどんどんポイントを溜めてい」
セイ「炎の杖!」
ツツ「けばキュゥン!」
ツツジの無防備な背中を狙ってセインは杖を振りかざし、ツツジを倒し戦闘不能にする。
ピッと音を立てて月の涙のポイント数に1ポイント追加される。
セイ「悪いけど、そう簡単にポイントはやらせないよ。」
サク「雷の御魂よ、敵に天罰を・・・!」
ユウ「ぐぁああっ!」
トビ「おぐぁっ。」
空から雷鳴が轟き、ユウカとトビーに直撃し2人は戦闘不能。
ピッと音を立てて幸福の花のポイント数に2ポイント追加され、幸福の花と青い天馬、白い柳と順位が並んだ。
サク「やっと5位、ですか。お姉様とハマナスさんがいれば、すぐにでも追い越せ」
アニリ「混沌!闇光の弾・・・乱射!」
サク「ひゃああぁあぁああああっ!」
闇と光を纏った無数の弾丸が放たれ、油断をしていたサクラに次々に直撃し、戦闘不能にする。
幸福の花の副リーダーであるサクラを倒した為、ピッと音を立てて海中の洞穴のポイント数に3ポイント追加される。
アニリ「油断禁物だよ☆」
合体人間でアニリーの姿になったアニーとアリーの背後に忍び寄る黒い影―――――。
ウラ「それはあなたも同じ事!」
アニリ「うぐぁあ!」
ウララが黒い水を纏った右足で、アニリーに踵落としを決める。急所だったのか、アニリーはその一撃で気を失い戦闘不能。
アニリーはアニーとアリーが合体した姿なので、ポイントは2人分追加される事になる。海中の洞穴の副リーダーであるアニーを倒した為、ピッと音を立てて白い柳のポイント数に4ポイント追加される。
ウラ「白い柳は後私だけ・・・でも、皆の分まで頑張らなくちゃ!」
そう言いながら、ウララは白い柳の掟である白いベールを外した。
ジェニ「一夜さん・・・す、すみませぇ~ん・・・・」
ジェニーが涙を流しながら謝罪する。
一夜「ウム、後は私に」
カイ「スキアリ。」
一夜「任せぽぎゅっ!」
一夜のスキを突いたカイが水を纏った左足で一夜の背中を蹴りつける。
青い天馬のリーダーである一夜を倒した為、ピッと音を立てて月の涙のポイント数に5ポイント追加される。
それと同時に、青い天馬は全滅(8位)。
カイ「・・水・・・」
カイが自分の右手を見つめながら小さく呟いた。
カイ「・・・水の滅竜魔道士に、水の滅神魔道士、か・・・・」
カイの口元に小さな笑みが浮かんだ。
バロ「風竜の・・・翼撃ッ!!」
ハマ「花弁の壁!」
風を纏った両腕を振るうバロンの攻撃を、ハマナスは色とりどりの花弁の壁で防ぐ。
バロ「やるね。」
ハマ「そちらこそ。」
お互い短く言葉を発した後、次の攻撃を仕掛けようとする、が―――・・・
ジュ「はァっ!」
バロ「なっ・・ぐああぁあぁぁあああっ!」
ハマ「聖十の・・・キャアアァアアアアッ!」
バロンとハマナスの足元から円柱型の岩が突き出し、2人の体を空高く突き飛ばし戦闘不能にする。
海中の洞穴のリーダーであるバロンを倒した為、ピッと音を立てて蛇姫の鱗のポイント数に6ポイント追加される。
チャ「聖十のジュラだぁーーーーーっ!」
チャパティ・ローラが興奮しながら実況をする。
チャ「これで5人全員残っているチームは妖精の尻尾と銀河の旋律だけになりましたね。」
ヤ「だが、残っているのは強者ばかり。安心は出来ないねぇ。」
マト「人数も絞られてきたカボねー。」
現時点で妖精の尻尾、銀河の旋律が5人、蛇姫の鱗が3人、海中の洞穴、月の涙が2人、幸福の花、白い柳が1人だ。
メイ「ここからはかなりの激戦が予想されます。」
メイビスが呟く。
フ「なぁ初代、最終的にジュラはどうすんだ?」
ハ「もちろん、考えてるんだよね?」
フレイとハッピーの問いに、メイビスはこれまでとは対照的に、自信なさそうに呟いた。
メイ「もちろん考えてはいます。ですが、対処法が全くまとまらないのです。」
ショ「それほどケタ外れに強い、という事か。」
シャ「聖十大魔道が相手だと、いくら初代でもそう思っちゃうのね。」
ショールが腕を組みなおしながら重々しく呟き、シャルルも同意するように言う。
マ「でも、リョウなら倒せるんじゃないの?リョウも聖十だし、ジュラさんに続いて序列6位なんでしょ?」
ル「うん、リョウなら倒せるかもしれない。でも・・あんな怪我をしている状態だと・・・」
マ「あ・・そっか。」
ルーシィの答えにマヤも納得したように頷いた。
リョウは腹部の怪我は、未だに完治していない。そんな状態であるのにも係わらず、リョウは皆の反対を押し切って最終戦に加わったのだ。
メイビスもリョウの怪我の状態の事は知っている。メイビスの作戦にも、本人には内緒であまりリョウを戦わせないように心掛けているつもりなのだ。よっぽどの事が無い限り―――。
ウェ「それで、次はどうなるんですか?」
ト「もう分かってるんですよね?」
ウェンディとトーヤが問うと、
メイ「私の計算が正しければ、恐らく―――――」
バトルフィールドのクロッカスの街にある、とある美術館。
グ「ここに来れば、お前と戦えると聞いたんだが・・・流石初代、当たってるぜ。」
そこにグレイはいた。
目の前にいるのは、スケッチブックに鉛筆で何かを描いている、赤いベレー帽を被った少女―――。
アン「昨日はありがとうございました。」
メイ「(グレイとアンナが、美術館エリアでぶつかります。)」
映像魔水晶の映像に、向かい合うグレイとアンナの姿が映し出された。
チャ「おぉっと!美術館エリアで、妖精の尻尾のグレイと、銀河の旋律のアンナが激突だーーーーーっ!!」
後書き
第191話終了ですっ!
たった1話だけで、かなり人数を絞ってしまいました。
次回はグレイとアンナの激戦が幕を開けます。
それではまた次回!
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