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『自分:第1章』

作者:零那
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『デリ/組長』

暫くして高松出るようになった。
クソチンピラが取り立て来るようになったから。
稼ぐ為。
嫌な世界に足を踏み入れた。
風俗。
無店舗。
デリバリーヘルス。
堕ちたい。
汚いし。
綺麗にやか生きれん。
汚い方が楽。
どうしようもない。
生き抜く術。
女は嫌い。
でも、女である事に感謝。

仕事内容は至ってシンプル。
客の指定場所に行ってヌく。
自宅かホテルにドライバーが連れて行ってくれる。
道具はバッグに用意されてる。

他県にも系列店舗がいくつもある、県でトップのグループ会社。
社長直々に実技講習。
挨拶からメニューの決定、店長への連絡。
携帯は店用に貸してくれた。
タイマーセットから入浴、消毒方法、体の洗い方、浴槽でのフェラの仕方。
ベッドサービス。
キスから足の指先まで全身リップ。
オプションに応じてサービス内容は変わるものの、最終形はフェラか素股でイかす。

客側が攻めるのは有りやけど、主導権を握られたら挿入されやすい。
信用できるリピーターになるまでは、女の子側が主導権を握りなさいとのこと。



初仕事。
社長が用意した人。
後々聞けば、コレは、お試しテストだった。
120分。
初でロング。
ガタイの良い背中一面、てか殆ど全身が墨入り。
超綺麗♪
サングラス外して笑ったらごっつ可愛い。
ギャップやばい。
笑てしもた。
何笑いよんなぁってホッペつねられた。
『長時間ベッドは俺も嫌やから飲みながら話そ』って。

ヤクザ好きな自分は、つい、父さんの名前言って知ってるか聞いた。
逢いたい、探してるって。
聞かれたことに答えた。
ごっつ笑われた。
内容じゃなく零那の話し方に。

『色んな方言混じってるなぁ~』

『そぉですね』

『おまえの人生に興味あるわ。よぉ生きてたなぁ~』

『死にたくても死なしてくれなんだんよ』

『死にたいんやったらオッチャンが殺したるで!』

笑いながら軽く言う。

『ほんまぁ!じゃあ頼む!』

オッチャンどん引き...

『え、嘘なんですか?』

『いやいや...頼むとか言われたんが初めてやから...おまえ怖いわ。殺されんように気を付けよぉ~っと』

笑いながらからかう。

『なんでですか!殺さんし!』

『いやぁ...チョット話戻すけど、お父さんのことは解らんけど、死にたいってもう言うなよ~...お父さんに会いたいなら生きな!約束してくれ!今此処で出逢ったんも何かの縁や!オッチャンおまえのこと気に入ったから応援したる!!』

おそらく組長であろう人をオッチャンと呼ぶ。
オッチャンは零那を名前で呼ぶ。
話と飲みで120分あっとゆう間に経った。
正確には15分前。
タイマーが鳴る。
延長なら電話する。
予約があればどっちを優先するか店長が決める。

オッチャンが『おっ、15分前か?俺が連絡するわ!
...俺や!
120分延長な!...後まわせ!』

予約あったん、この後に廻したって。
また120分殆ど飲み。

結局ラスト30分で入浴~ヌキ迄終わらした。

『毎日指名したる!こんなおもっしょい嬢チャン初めてやわ!』

社長が迎えに来たとき、社長にも言ってた。
社長も頭下げてた。

『本番した?』

『してないです!』

『気に入られたね...』

『おもっしょい言われました』

『あの人ロングも延長も初めてやったから...』

『そぉなんですか?』

『すぐ客待ってるから頑張って!』

『はい!』


出勤前に撮影した写真が専用サイトに載せられてるらしい。
その写真指名らしい。


アイツに金渡して早く縁切らなあかんな...

今すべきことを賢明にするしかない。

次のホテルに向かう。

 
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