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ソードアート・オンライン 咎人が背負う運命

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罪と咎人

 
前書き
少年のスキルは生きている人間に力を与える変わりに呪いを与えた。
代償の変わりに与えられた力は強大で一騎当千の力と言っても過言ではない。
だが、力の代償はプレイヤーの命だった。 

 
「命を喰らう化物が!!」

斧を振りかざし大男は叫ぶ。
俺は斧を剣で防ぎ弾く。

「死ね死ね死ね死ね死ね」

更に力を込め斧は重い。
だが防がれている剣は動かない。

「俺はその程度では殺せない」

レベルが違い過ぎる。
俺に斧を振りかざしている大男の装備から見てレベルは相当な物だろう。
でも俺と力勝負出来るレベルには到達していない。

「諦めろ」

俺は剣に少し力を込め斧を折る。
斧が折れた反動で力を込めていた大男は大勢を崩し地面に倒れ込む。

「お、お前を、殺す!」

大男は勢いよく立ち上がり拳で俺に殴りかかろうとする。
流石に往生際が悪い。
俺は殴りかかろうとする拳を剣で貫き切り落とす。

「う、腕が!?」

「いい加減諦めろ。
レベルが違い過ぎて話にならない」

剣を鞘に戻しヒールポーションを取り出し大男に差し出す。

「ほら使え」

「な、な、なんのつもりだ?」

警戒している。
無理もない剣で腕を切り落とした後に回復アイテムを差し出す。
ライバル同士の戦いなら有り得る光景だがライバルでもなんでもない。

「使うの?
使わないの?」

俺は大男に二択の選択肢を与えた。
使うを選べば俺は回復アイテムを差し出しこの場を去る。
使わないを選べば無言でこの場を去る。
さて、この大男はどちらを選ぶのか?

「、、、、、、、、、、、、」

無言で回復アイテムを見詰めている。
使うのか使わないのか?
選択肢が微妙だっただろうか?

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

大男は無言で手を伸ばし回復アイテムを受け取る。
どうやら使うを選んだようだ。
大男はヒールポーションを使いHPが少しずつ回復していく。

「なんで、助けた?」

「助けた?
違うな、俺はアンタに回復アイテムを渡しただけだ」

「俺はお前を殺そうとしたんだぞ?
逆に俺がお前に殺されても文句は言えない状況だった」

大男が俺を見る目は怯えていた。
圧倒的にレベルの違う相手に喧嘩を売り負けた。
普通、喧嘩に負ければ殺される。
筈なのに殺し合いの相手は止めを刺ささず逆に回復アイテムを差し出した。
予想外な行動だろうが俺にとっては普通だ。

「アンタを殺したら俺に得が有るのか?」

返答が返ってこない。
答えが頭の中から出てこないのだろう。
なら一言言わせてもらう。

「俺は全プレイヤーに殺される権利が有る。
だから俺は誰に殺されても文句は言わない」

言えないの間違いだが

「でも、俺はアンタを殺す権利は持っていない」

俺の罪が1000人以上の人間を現実世界から永久退場させた。
罪を持たない人間が俺の罪の代償に死んで行った。
もう、俺が原因で人が死ぬのは耐えられない。

「ま、俺を殺すんなら攻略組を連れて来て物量で押し潰す事だな」

攻略組が一斉に団結して攻撃すれば勝ち目は有る。
勝ち目は有るが勝てる確率は0に近い数字だ。
だが少なからず勝ち目が有るのだ。
俺を殺せる確率が最も高く安全性が高い確率が

「お、お前は望んで殺しを、楽しんでるじゃないのか?」

半信半疑の眼差しだ。
俺を殺戮好きの人間の皮を被った悪魔にでも見えているのだろうか?
間違いではない見え方だが俺は望んで死を司る剣士になった訳じゃない。

「俺は死を司る剣士だ。
死を司り地獄に送る悪魔だ」

限界を司る剣士は死んだ。
限界を司る剣士は死を司る剣士に生まれ変わった。
無理矢理に俺の意思に関係なく俺は咎人になった。

「俺はこれ以上人を殺したくない」

俺が直接に手を加えて殺し訳じゃない。
でも結果を見れば俺が殺した。
力の代償に呪いを与え呪いは俺を強化した。

「もう、俺に関わるな。
俺に関わればお前は不幸になる」

俺に関わればお前は不幸になる。
もう、俺の目の前の大男も不幸だ。
俺が存在するから生きているから目の前の大男は呪われた。
全てのプレイヤーが呪われた。

「お前は何者なんだ?」

大男は団長と同じ質問を俺に問い掛けた。
質問に返す答えは俺が一番知っている答えで曖昧な答えだった。
それでも俺は大男の質問に答えた。

「俺は咎人だ」

 
 

 
後書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント宜しくお願いします!! 
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