蜀碧
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第四章
彼等の首を長持ちに入れて持ち運んだ、そして夜にはだ。
彼等の首を部屋に並べて自ら彼等の口、最早開かなくなったその口に酒を入れ虚ろとなった目を見て笑って酒盛りを楽しんだ。それを見て誰もが怯えた。
ある日張は人の身体の経穴の位置を示した人形を手に入れた、それを見てだった。
彼は周りにだ、今度はこう言った。
「医師達を呼べ」
「そしてですか」
「経穴をですか」
「押させる、ただしだ」
ここでこう言うのだった。
「人形は紙で覆いだ」
「そして、ですか」
「その上からですか」
「経穴を押させる」
そうさせるというのだ。
「よいな、人形の経穴をな」
「わかりました、それでは」
「すぐに医師達を集めます」
「そうせよ、よいな」
今度は医師達が集められ実際に白い紙に覆われた人形の経穴を突かされた。だが少しでも間違えるとだ。
その医師達は殺された、そうして医師も四川にいなくなった。
ただ殺すだけではない、張は殺し方も楽しんだ。罪のない者の両手両足を切ると笑ってこう言ったのだった。
「これは匏奴だ」
そうした名前だというのだ。
そして人をその背骨のところで縦に唐竹で切り離すと。
「これは辺地だ」
そうだというのだ、また彼は赤子も平気で殺したがその赤子を放り上げて槍で受け止めて貫いて殺すことを見るのも自ら行うのも大好きだった、こちらは。
「雪鰍とも貫戯とも呼ぼう」
こう呼んで笑うのだった、やがて四川では赤子もいなくなった。
とりわけ生きた者の皮をそのまま剥いで一日近くの間その皮を剥がれた者が肉を剥き出しにしてもがき苦しんで死んでいくのを晒しそれを見ることが好きだった、しかも。
皮を剥ぐ時、そして剥いだ後にその者がすぐに死んでも剥がした皮に少しでも肉が付いていたならばだった。
「剥いだ者も同じだ」
「その者もですか」
「皮を剥いでですか」
「そうだ、殺せ」
その者もというのだ。
「よいな」
「そしてですか」
「殺すのですか」
「殺せ、殺してしまえ」
血走った目で今も言うのだった。
「出来なかった者もだ」
「全て殺すのですな」
「剥ぐ者も」
「上手く殺せなかった者は殺す」
ただひたすら、というのだ。
「ではよいな」
「では」
「この度も」
こうして皮を剥いでゆっくりと殺すことも楽しんだ。これを見てもだった。
四川の者達は蒼白になりだ、こう話し合った。
「明日は誰がああなるのか」
「皮を剥がれてゆっくりと殺されるのか」
「何時殺されるかわからぬぞ」
「それもああしてな」
「只殺されるのではない」
「ゆっくりと惨たらしく殺される」
そのことを察するのだった、彼等もまた。
「そうなってはたまらん」
「罪を犯して処罰されるのならともかく」
「楽しみで殺されてなるものか」
「冗談ではないぞ」
「うむ、これはな」
「たまったものではない」
「殺されてなるものか」
こう言い合うのだった、だが張は止まらず。
街に人がいないと牛や馬、豚さえ惨たらしく殺した。一日に誰か殺さなくてはならず殺させなくては気が済まなかった。そうしてだった。
遂にはだ、その日はまだ誰も殺しておらず殺させていなかった彼はこう言ったのだった。
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