転生とらぶる
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マクロスF
0720話
シェリルの部屋のある窓から飛び下りた俺は、当然の如くかすり傷すら負う事なく地面に着地し、そのまま建物の陰に隠れながら移動を開始する。
……窓からグレイスがこちらを見ているような気がしたが、この程度の身体能力なら、確かに驚かれるかもしれないが、絶対に人間に不可能という訳じゃ無い。
世の中には飛んでいる飛行機が墜落して生き残った乗客とかもいるんだしな。いやまぁ、そんなのはそれこそ奇跡に等しい確率だってのは分かっているが。
まずはVF-25Sを操縦するのに必須のEX-ギアを身につけたいところだ。でないと迂闊に飛んだり出来ないし。で、そのEX-ギアはVF-25Sのコックピットの中に置かれている訳で。
いや、俺が捕まった時にゼントラーディが適当にコックピットの中に放り込んでいるのを見ただけだから、実はその後取り出してどこか離れた場所に……あの性格じゃそれはないか。
実は空間倉庫に予備のEX-ギアは入っているんだが、どこにカメラがあるか不明な以上は迂闊に使う訳にはいかない。用意してくれたオズマには悪いが。
と言う事で、何をするにしてもまずは機体を取り戻すのが最優先事項になる訳だ。
「ま、その前に反乱軍の数を減らせるのならそれに越した事は無いけど」
ただ、目立つ攻撃方法は、例の如くカメラの件があるから……使えるとすれば影を操ることくらいか? 例えば……
「こんな風に……なっ!」
俺達が閉じ込められていた建物から少し離れた場所。そこで、地面に座りながら何故か生のニンジンらしき物を食っているゼントラーディの姿を発見し、まずはこいつらに対してどの程度俺の攻撃が通じるかを試してみる事にする。
混沌精霊としての力で最も強い炎に関しては、どうしても目立つ。それ故に使うのは影の力だ。それも、あからさまに影槍を作り出すような真似はしない。
「がっ! ヤッケ、デブラン!?」
座っている状態でいきなり自分の足を何かに貫かれ、悲鳴を上げるゼントラーディ。ゼントラーディ語は分からないので何を言ってるかは不明だが、それでも悲鳴を上げている以上効果はあるのだろう。
そのまま影槍を使って身体を貫通し、息の根を止める。
よし、ゼントラーディ相手でも十分に影槍は効果があるな。
影槍の効果に満足し、そのまま建物の陰を移動しながらVF-25Sのある方向へと向かう。
途中で影槍で倒せそうなゼントラーディもいたが、さすがに何人も不審死させたりすれば俺の暗躍が知られる以上頻繁には出来ない。
だが、殺す事は出来無いが、影槍を使って気を逸らすような事は難しく無いので、その辺は十分に利用させて貰った。
例えば、こっちに近付こうとしているゼントラーディの後ろで影槍を使って物音を鳴らしたり、な。
そんな中、いよいよ鹵獲した機体の姿が見えるところまで移動した時、ふと気が付く。
「トラック?」
それも、荷台に何かを積んでいるトラックだ。そのトラックがVF-25Sの近くを通ってどこかへと向かう。それにしてもトラックに積まれているあの細長いのは……おいおい、マジか。あれってもしかして反応弾じゃないのか? マクロス世界で最大の破壊力を持つ核兵器。
何だってあんな物をテムジンが欲しがる? いや、勿論過激派である以上は欲しがってもおかしくはないが、欲しがるのと実際に手に入れるのとでは意味が違う。
テムジンに刃物どころの話じゃないぞあれは。早いところこの反乱は潰さないと、あの反応弾がどこに使われるか分かったものじゃない。
「最悪の状況なのは間違い無い。ならせめて……それを利用させて貰おうか」
呟き、マイクローン化したゼントラーディの乗っているトラックが建物の近くを通り過ぎたその時、トラックの真下へと潜りこんで落ちないようにしがみつく。
そのままトラックは反応弾を積んだ状態で移動し……今だっ!
トラックがVF-25Sの横を通り過ぎる時に掴まっていた場所から手を離して地面を転がり、そのままガウォークで駐機している機体の陰へと転がり込む。
「……」
そのまま数秒程息を殺し、細く、細く、それこそ0.001m程度まで細くしたスライムの触手を空間倉庫から出して周囲の様子を探る。
……いた、な。
VF-25Sから少し離れた場所。勿論少しというのはゼントラーディにとっての少しであり、人間サイズの者にしてみればかなりの距離に、俺の方……より正確にはVF-25Sの様子を探っているゼントラーディの姿がある。
『ったく、奴の話を信じてはみたが、この警戒の中で本当にやってくるのか?』
驚いたな、この声は聞き覚えがある。今回の反乱を起こしたテムジンだ。
にしても、奴の話? 警戒の中? それが誰の事を指しているのかというのは明白だろう。何しろ、奴は俺の機体の方を見ているのだから。
幸いトラックを使って移動するというのは奴の予想外だったらしく、俺がここにいる事には気が付いてないが、まるで俺が来るのを察知しているかのような……おい、待て。もしかしてグレイスが手を回したのか? 奴も人質になっている以上……いや、違うな。テムジンとグレイスが最初から繋がっているとしたら?
だが、何の為に? 俺を危険視して排除する為? いや、まさかな。幾ら俺のデータが残っていないとしても、その為にここまでするとは思えない。しかも、シェリルや自分の身までをも巻き込んで、だ。
となると、やっぱりグレイスとテムジンが繋がっていると考えるのは俺の考え過ぎか?
確かに出来ればそれがいいんだが……かと言って、EX-ギアをVF-25Sのコックピットに置いてあるという時点でそれを着込むのに必要な時間を稼ぐ為の罠とも考えられるし。
「まぁ、その罠もこうして気が付かれた以上は意味は無いんだがな」
呟き、機体の陰でEX-ギアを身につけていく。
コックピットの中にある奴は空間倉庫にでも放り込んでおけば騒がれたりはしないだろう。後は影のゲート……いや、こっちもカメラを考えると使えないな。特にグレイスが今回の件を仕組んだという可能性が出て来たからには、これまで以上に気を付けないといけない。
そのままスライムを使ってテムジンの隙を疑い……
『隊長、反応弾の搬出は全て終わりました。ただ、オゴダイの野郎がいつまで我慢出来るかですが……』
『ふんっ、あんな根性無しに何が出来るってんだ。それよりも俺達がやるべき事は……』
よしっ、今だ!
スライムの熱感知でも、テムジンの視線は部下の方へと向いている。その隙を突くかのようにスライムを収納。飛行ユニットを補助的に使いながらガウォークの手へと飛び上がり、そのままコックピットへと入り込む。
同時にコックピットの中にあったEX-ギアへと手を伸ばし……ちっ、用心深いな。迂闊にEX-ギアを動かすと手榴弾が爆発するようにセットされているか。
だが、俺にこの手の爆弾は全く意味が無い。動かせば爆発するのなら、そのまま動かさずに触れて空間倉庫に収納してしまえばいいのだから。
その後は、EX-ギアも空間倉庫に収納して素早く機体を起動させていく。
こい、こい、こい、こい……来たっ!
機体の起動を確認し、素早く足のスラスターを使って飛び上がる。同時にガンポッドを手に、テムジンのいる方へと向かってトリガーを引く。
ガガガガガガガッ! という弾丸の連射音が響き、テムジンの隠れていた建物は弾丸により貫通。一応少し離れた場所に止まっている、反応弾を積み込んでいるトレーラーが無事なのを確認してから数秒前に穴だけにした建物へと向かい……
「うおっ!」
建物から顔を出した瞬間、飛んできた何かを咄嗟に回避する。
その何かが横を通り抜け様に確認すると、そこにはあるのは身体中を穴だらけにしたゼントラーディの死体だった。
ちっ、なるほど。さっき報告に来た部下を盾にしたのか。過激派のリーダーだけあって戦闘に関する判断は的確だな。
普通は部下を盾にするとなれば嫌悪されるんだろうが、そこは過激派のゼントラーディ。その辺は気にしないだろうし。
「へっ、本当に来やがるとはな。だが、マイクローン1匹で何が出来る!」
叫び、ガウォークへと銃口を向けてくるテムジン。瞬時にファイターへと変形して回避。そのままテムジンから距離を取りながら外部スピーカーのスイッチを入れる。
「何が出来るって? 例えば俺1人で、お前を含む反乱部隊を殲滅する事とかは出来るな」
敢えて挑発するように告げながら、視線をオゴダイ少佐の方へと向ける。
すると案の定、俺が行動に出たのを見て向こうでも行動を開始していた。
10人程の部隊が、生身のままではあるが銃を手にシェリル達が軟禁されているホテルの方へと向かっている。人質にされないようにとの判断からだろう。
正直、ありがたい。ガリア4に到着した時のように、有無を言わせずに人質に取られたりしたらこっちも手が出せないしな。
そういう意味では、シェリル達が1つの建物に集まっているというのは不幸中の幸いだったのだろう。
「ふざけるな! たかがマイクローン1人で俺達を殲滅するだと!? やれるもんならやってみやがれ! 野郎共、この身の程知らずをぶち殺せぇっ!」
テムジンの叫びと共に、クァドラン・レアが3機、こっちへと襲い掛かって来る。何かあった時の為の即応部隊なのだろう。
他にも当然クァドラン・レアはあるのだろうが、それは少し離れた場所に集まっており、今続々とテムジンの部下が……
「させるかよっ!」
まだ起動前のクァドラン・レアへと向かい、ガンポッドのトリガーを引き続ける。
コイルガンの原理で連続して放たれる弾丸は、まだ誰も乗っていないクァドラン・レア、あるいは乗り込んでも起動していないクァドラン・レアを次々に貫く。
当然、そっちに攻撃を集中している以上は俺に襲い掛かってきている3機のクァドラン・レアは自由にこっちへと向かって攻撃してきてはいるのだが、その攻撃は全てが俺に命中する事無く空中を貫いていた。
いや、それだけならまだマシだったろう。中には味方のゼントラーディの肉体を砕いている攻撃すらもあったのだから。
そんな攻防が続き、やがて俺の視線の先にあるクァドラン・レアは全機が破壊されて動けなくなる。
勿論この場に全てのクァドラン・レアがある訳では無いだろう。だが、それでもこの一連の戦闘が片付くまでに手が出せないのなら、それは存在しないも同じ事だ。
「手前ええぇぇぇっ!」
クァドラン・レア全機が破壊されたのを見たテムジンが、生身のままで襲い掛かって来る。それに続けとばかりにテムジンの部下達も襲い掛かって来るが、残念な事にお前等の敵は俺だけじゃない。
「いいのか、俺だけに集中していて」
周囲にいるゼントラーディからの攻撃を、ガウォークへと変形して機体のスラスターを使って回避しながら――トルネードパック無しだとやはり反応が鈍い――挑発するように告げる。
「何?」
俺の言葉に不穏なものを感じたのだろう。慌ててオゴダイの方へと視線を向けるが……
「っ!?」
視線の先にあるのが横一列に隊列を組んで銃を構えているオゴダイ率いるゼントラーディだと知り、咄嗟に近くにある建物の裏へと回る。同時に……
「撃てぇっ!」
オゴダイの言葉と共に、その部下達の銃が発射される。
それに当たるのはごめんだとばかりに空中へと移動し、建物の陰に隠れているテムジンの姿を探し……いた!
建物に隠れながら銃口をオゴダイへと向けているテムジンの姿を発見。そのまま空中からガンポッドを連射しながら地上へと急降下していく。
「お前には情報を吐いて貰わないといけないからな。悪いがあっさりと殺してはやらんぞ」
「ぐおおおおっ!」
テムジンの右腕に弾丸を集中させて撃ち抜いていく。
真上から降ってきた銃弾の雨を、オゴダイに意識を集中していたテムジンが回避出来る筈も無く、あっさりと右腕が使えなくなり、同時に両手で保持していた銃は重さを支えきれずに地面へと落ちる。
そのまま同時に右足、左足、左腕を狙って撃ち、立っている事すら出来ずに地面へと崩れ落ちるテムジン。そのまま地上へと降下し、頭部へとガンポッドの銃口を突きつける。
「これで反乱ごっこは終わりだ」
「ご、ごっこだと……」
両手両足が使い物にならなくなったにも関わらず、それでもまだ口を利ける余裕があるというのはある意味で凄いのだろう。
だが、その凄さも今この場では何の意味もない。……いや、邪魔とすら言える。
「さて、お前は誰と手を組んでいた?」
「……何?」
俺の言葉にピクリと反応するテムジン。
やはりテムジン以外に黒幕がいる、か。
「今回の反乱はお前が黒幕じゃ無いんだろ? いや、確かに首謀者はお前かもしれないが、実際に計画を立てたのはお前じゃない筈だ。……言え、誰だ?」
だが、そんな俺の問いにテムジンは馬鹿にするような目を向けて来る。
「へっ、知ってたとしても……誰がお前なんかに教えてやるかよ。お前の利益になるくらいなら、全部秘密をあの世まで持っていってやるよ。くそっ、あのでかい花火が爆発するところを見たかった……な」
呟き、そのまま俺を向いていた顔を地面へと落とすテムジン。
何だ? 一瞬その様子を見て大量出血と四肢を撃たれた激痛で気を失ったのかと思ったが……顔の、より正確には口元から血を吐いているのに気が付く。
「……自殺、か?」
確かに奥歯に毒を仕込むというのは良くある手法ではある。だが、まさか自分勝手の象徴とも言えるテムジンがそんな真似をするとは……ガキ臭い性格故に黒幕の秘密を喋らずに逝く、か。
結局テムジンが反乱の責任を取って自殺したということで、反乱は終わりを告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:735
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:656
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