FAIRY TAIL 忘却の最期
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第15話 勝手にしやがれ!!
セリアを撃退したラストはルーシィを探すため海岸を走っていた。
戦闘でダメージを負ったせいか、足元がおぼつかないが
「ルーシィを一人で戦わせるわけにはいかない・・・」
ルーシィを助けるために足を進めていく
日が昇り始めた頃
「チュー!!」
彼の視界にへたり込むルーシィを押し潰さんとアンジェリカが飛び込んできた。
「まずい!!」
助けに入ろうと剣を取るが、その後ろを誰かが通り過ぎた。
「!?」
そして、アンジェリカを剣で斬り飛ばした。
その正体は
「「エルザ!?」」
鬼の形相で睨み付けるエルザだった。
「さん!?」(そうだった!私達ギルドの掟を破って勝手にS級クエストに来ちゃったんだ・・・!)
顔を引きつるルーシィを余所に、エルザは口を開く
「ルーシィ、私が何故ここにいるかわかっているな?」
「そ、それは・・・連れ戻しにですよね~・・・」
「ルーシィ!よかった無事だったn・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルーシィを探しに来ていたハッピーが、エルザの姿を見ると
悲鳴を上げるのを堪えながら一目散に逃げ出し
あっさりエルザに捕まった。
「ナツは何処だ」
「ちょっと聞いて!勝手に行っちゃったのは謝るけど今この島は大変なことになってるの!」
ルーシィは、今この村で起こっている出来事を説明するが
エルザは据わった眼で黙り込んでいた。
「あたし、この村の人達を救ってあげたいんだ」
「・・・興味がないな」
「じゃ、じゃあせめて最後まで仕事を」
食い下がるルーシィを、エルザは剣を向け黙らせた。
「違うぞルーシィ、貴様らはマスターを裏切った。ただで済むと思うな」
(こ、怖~!)
エルザの放つ殺気に、ルーシィは恐怖を覚える
「ま、待て・・・!」
ラストはルーシィの前に出て向けられた剣を掴み下ろさせた。
「今回の事は・・・監督していなかった俺にも責任がある・・・罰するなら俺・・・・も・・・」
どんどん声が掠れていくラストは、砂浜に倒れ意識を失う。
「ラスト!?ちょっと、しっかりして!!」
「ラストも誰かと戦ってたんだ・・・すごいダメージ」
「これでは話にならんな。村に案内しろ、ラストの治療が最優先だ」
で?
「エルザ!?」
村人に治療を施され、目を覚ましたグレイはエルザ達のいる倉庫の中にいた。
「ルーシィ、ハッピー、ラスト!」
ルーシィとハッピーは縄で縛られ、ラストは体中に包帯を巻いていた。
「大体の事情はラストから聞いた。お前は止める側ではなかったのかグレイ?呆れてものも言えんぞ」
「ナツは?」
「それは私が知りたい」
ナツは零帝の手下、ユウカとトビーと戦っていたのだが・・・その場所に行っても誰もいなかった。
ハッピーが空から探していると、資材置き場に人が集まっていたのを見つけて
一旦そこでグレイと合流することになった
「ナツを探すぞ、見つけ次第ギルドに戻るぞ」
「何言ってんだよ!事情を聞いたのなら今この島で何が起こってるのか知ってんだろ!?」
「・・・それが何か?」
薄情に見える態度に、グレイは言葉を失った。
「私はギルドの掟を破った者を連れ戻しに来た。それ以外一切興味がない」
「この島の人の姿を見たんじゃねえのかよ?」
「見たさ」
「それを放っておけと言うのか!?」
「依頼書は各ギルドに発行されている。正式に受理されたギルドの魔導士に任せるのが筋ではないか?」
エルザの言い分は筋が通っていた、しかし
グレイから見たら、知っていながら村の人達を見捨てる白状な行動にしか見えなかった。
「見損なったぞ、エルザ!!」
「・・・何だと?」
「エルザ様になんてことを!」
「様って・・・」
「お前までギルドの掟を破るつもりか!」
エルザはグレイに剣を向ける。
「ただでは済まんぞ」
いつもは怖がっておどおどするグレイだが、今度は違う
向けられた剣を掴み、エルザを睨み付けた。
「勝手にしやがれ!これは俺が選んだ道だ、やらなきゃならねえことなんだ!」
「!?」
「最後までやらせてもらう、斬りたきゃ斬れよ」
グレイは掴んでいた剣を離し、外に出ていった。
身体がわなわなと震えるエルザを見て、ルーシィとハッピーに緊張が走る。
そして、恐ろしい表情をしてルーシィ達の方へ体を向ける。
「ちょ、ちょっと落ち着いてエルザ!!」
「グレイは昔の友達に負けて気が立ってんだよ!」
「ま、待てエルザ!ルーシィ達に八つ当たりするつもりか!?」
エルザは、躊躇なくルーシィ達に剣を振り下ろす
しかし、切れたのは縛っていた縄だけだった。
「え?」
「これでは話にならん。全ては仕事を片付けてからだ」
「「エルザ!」」
「勘違いするなよ、罰は受けてもらうぞ」
「「あい・・・」」
「エルザ、俺も行くぞ」
ラストはルーシィ達と行動しようと立ち上がるが、少しよろめいてしまう。
「ダメよラスト!あんた怪我してんのに!」
「そうだ、ラストは村に残って」
「デリオラが復活したら誰にも止められない!だが、一つだけ対抗策がある」
その言葉に、ルーシィとエルザが息を呑む
「本当!?」
「魔法攻撃が通用しないデリオラを倒せる術を、お前が持っているというのか?」
「ああ・・・正直、確証は薄い・・・だが、何もしなければ全員死ぬ。」
「・・・わかった、無理だけは絶対にするな」
「ああ」
んでもって?
グレイと合流したラスト達は、リオンがデリオラを復活させ倒す目的をグレイから聞かされる。
「リオンは昔からウルを超える事だけを目標にしてきた。だからウルがいなくなった今、ウルが倒せなかったデリオラを倒す事でウルを超えようとしている。」
「そっか・・・死んだ人を追い越すにはその方法しか・・・」
「あい・・・」
「待ってくれグレイ、リオンは絶対氷結の氷を融かそうとしているんだろ?ということは・・・」
「ラストは知ってたか・・・そうだ、リオンは知らねぇんだ」
グレイから、衝撃的な事実が告げられた。
「ウルは・・・まだ生きている」
死んだはずのウルが、生きている。
それにルーシィとハッピーは驚愕した。
「え!?」
「うそ~!?」
「どういうことだ?一体、お前達の過去に何があった?」
エルザの疑問に、グレイは神殿に向かいながら語っていく
「10年前だ、俺達の住んでいた街はデリオラに襲われた。その時、偶然通りかかったウルとリオンに救われたんだ。それが全ての始まりだ。」
ウルに救われたグレイは、デリオラを倒すためにウルに弟子入りし造形魔法を覚えた。
造形魔法を覚える上で、大切な事をいくつも教わった
しかし、復讐しか頭にないグレイには届いていなかった。
ある日、街の商人からデリオラがイスバンを離れブラーゴに移動した噂話を聞き
ウルの制止を聞かず一人で出ていった。
デリオラに挑んだグレイは手も足も出なかった。
助けに来たウルでも歯が立たず、右足欠損の重傷を負う
逃げるよう促すウルの言う事を聞かず、リオンは絶対氷結を使いデリオラを倒そうとした。
ウルはリオンを凍らせ絶対氷結をやめさせ、
元々やろうとしていた絶対氷結を使いデリオラを封じた。
「おまえの闇は私が封じよう」
そう言い残し、グレイの目の前でデリオラを封じる氷となった。
「そう・・・だったの・・・」
「絶対氷結は自身を氷に変換し相手を氷の檻に閉じ込める魔法だ。二度と戻れないが、言い換えれば氷として永遠に生き続けることができる魔法でもあるんだ」
「だが、俺はリオンにはウルが死んだと伝えた。絶対氷結を解こうと人生を棒に振るだろうというウルの願いのためにな」
グレイがそう言い、ラストはため息をつく
「それを解こうとしているリオンは師匠殺しをやっているのと一緒ということか」
「ああ、だから何としても止めるんだ!」
改めて意志を固め、リオンを止めるため神殿へ向かった。
そこで見たのは
「え~と・・・」
「遺跡が・・・傾いてる・・・?」
神殿が傾いている光景だった
「ナツだな。どうやったか知らねぇがこんなデタラメするのはあいつしかいねぇ」
「けど、これなら月の光はデリオラに届かないな。案外機転が効くところがあるんだな」
ラストがそう感心する中、ルーシィとハッピーが首を傾けている。
「あっちこっち壊す癖がこんなとこで役に立つなんて」
「オイラ知ってるよ、こういうの伏線って言うんだグギャ!?」
ハッピーは傾いた首を直そうとしたが、勢い余って反対側に首を鈍い音を立てて傾けた。
「危ない!!」
エルザが何かを感づきルーシィとハッピーを弾き飛ばし
グレイとラストは飛んでくるチャクラムを避ける
「何者!?」
「見つけたぞ!妖精の尻尾!!」
「零帝様の邪魔は許さん!」
ぞろぞろと装束を纏ったリオンの部下がラスト達を取り囲む
「リオンの手下か!」
「囲まれちゃった!?」
「ここは私に任せろ!」
エルザは換装で剣を握る
「エルザ」
「行け、グレイ。リオンとの決着をつけてこい」
「大丈夫!あたし達もいるから行って!」
「あい!」
「ウルとリオン・・・二人を救えるのはお前だけだ、グレイ」
グレイは静かに微笑み、神殿に向かって駆け出した。
「行くぞ!」
「ああ!!」
それぞれ武器を持ち、リオンの部下を倒していく。
数が多いせいか戦闘は長期化し、気付けば日が落ちていた。
「ルーシィ、ラスト、気付いているか?」
「うん、これだけの人数で魔力が弱いっていうか・・・」
「戦闘能力そのものが低い」
「まともな魔導士は6人くらいしかいないようだな」
「やれやれ、これじゃ本気出せないね」
「アンタが言うセリフかい・・・」
この中で一番戦闘能力が低いであろうハッピーは白々しい事を言っていた。
「そういうわけだ、頼めるか?」
「ああ」
ラストはDBを呼び出し一気に殲滅しようとしたが、ルーシィが前に出て止めた。
「ラストは怪我してるんだし、ここはあたしに任せて!」
「だが・・・」
「いいの、いつも助けられてばっかだし・・・今くらい借りを返させてよ」
ラストがセリアと戦っている最中、ルーシィは一人でシェリーと戦い勝利していた。
そのせいか魔力が高くなっているのを感じたラストは、一歩下がり戦闘を譲る。
「わかった、頼む」
「任せて!」
ルーシィはキャンサーの鍵を取り出した。
「開け!巨蟹宮の扉!キャンサー!!」
キャンサーは召喚されて早々
「エルザ様、何なりとお申し付けくださいませエビ・・・チョキ」
何故かエルザにひざまついていた。
「様って!?しかもチョキって!?てか呼んだのあたしなんですが!?」
「ツッコミすぎ~」
「と、とにかく!あいつらを戦闘不能にして!!」
「OKエb・・・チョキ!」
「気に入ったのかその語尾?」
キャンサーは巧みなハサミ使いで次々と敵を倒していく
「さすがだな、先を急ぐぞ」
「ま、待て!」
リオンの部下が、まだ止めに入るが
装束の頭巾が取れて老婆と青年の顔が露わになっていた。
エルザは頭にしている髪飾りを見て、何かを感づく
「貴様ら・・・ブラーゴの民だな」
「ブラーゴって、デリオラが絶対氷結で封じられた場所・・・」
「訳ありか」
「ま、待ちなさい・・・!」
聞こえてきた声の方を見ると、ボロボロのセリアが息を荒げて立っていた。
魔力が回復し再びラスト達と戦おうと山を登ってきたようだ
「リオンの邪魔はさせない・・・!!」
「彼女は?」
「デリオラに滅ぼされた海中都市ミルデスタの生き残り・・・人魚族だ」
「え、人魚って・・・足あるじゃない!?」
「人魚族は魔法で人間と同じ足で地上に出ることもできると文献で見たことがある。」
痺れを切らしたセリアは、右腕に魔力の水を集中させた。
「絶対邪魔はさせない・・・!姉さん達の仇は私達が・・・・・・・」
セリアが水砲の弾を撃とうとしたその時
突如、突風が辺りに吹き荒れ
「きゃああああああ!!」
セリアとブラーゴの民達が吹き飛ばされた。
「な、何!?」
「風の魔法!?」
「ま、まさか!?」
ハッピーは、以前ナツが倒したエリゴールが来たのかと顔をひきつらせた。
しかし、現れたのは
「ぐへへへ・・・デリオラの復活は間近か」
「いいタイミングですね。ゴルゴッチ様」
「その通り、俺の運命は今日この日に変わるんだ!!デリオラの力があれば魔法界は俺様のものだ!!」
縞模様のある服装をし、魔導士らしい三角帽子
そして・・・
「「すごいケツアゴ!?」」
一番目立つ特徴にルーシィとハッピーが声を上げる。
「悪い事は言わねぇ、そこをどきな!デリオラは俺がいただく!!」
と、妙なポーズで決めるゴルゴッチと名乗る魔導士
そして、部下らしき戦闘員が後ろで同じポーズをしていた。
「何あれ・・・あんたの仲間?」
と、ルーシィは傍で倒れているセリアに尋ねた。
「あんなの知らない・・・!」
「その紋章・・・竜巻の踊り手か」
「竜巻の踊り手?」
「闇ギルドだ」
「ぐへへへ・・・お前らか?エリゴールを倒したって奴等は」
エリゴールの名を聞き、ルーシィは驚く
「エリゴールを知ってるの!?」
「もちろん、俺様の一番のライバルであり、親友でもあった。それが正規ギルドの魔導士に負けちまったとあっちゃ黙ってはおれんのよ」
ポーズを変えて、言葉を続けるゴルゴッチ。
ちなみにポーズを変えるごとに部下もポーズを真似て変えている。
「デリオラを復活させようとしていると情報を掴んだ俺は、デリオラの力を使い仇を取ってやろうと思っていた・・・だが順番が逆になりそうだな。」
「待て、貴様らはデリオラをいただくと言ったな?」
「ああ言ったさ」
「そんなことができると思えんが?」
エルザに問われ、またポーズを変えた。
「お前らまさかデリオラを倒して力を奪うって思ってないか?違うぞ、デリオラを使役し俺様の手足となってもらうのさ!」
ゴルゴッチは、デリオラを操り意のままにしようとしている。
その事実にルーシィ達は目を見開いた
「デリオラを使役!?そんなことできるわけないじゃない!!」
「お前らが知らないだけさ、デリオラの様な悪魔を使役する魔法は存在するんだよ」
「それを聞いたら、なおさら貴様を通すわけにはいかなくなったな」
エルザ達は武器を持ち、ゴルゴッチ達に向けた。
「デリオラは復活しない・・・ナツとグレイが必ず止める」
「なら俺様が月の雫の続きをしてやるさ」
「そんなこと、あたし達がさせないわ!」
「ほう・・・風の魔法検定一級を持つこの俺、風斬りゴルゴッチとやろうっていうのかい?御嬢さん達?」
ゴルゴッチは歯をきらめかせながら自慢げに話した。
「風斬りゴルゴッチ!?」
「え、知ってるのラスト?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや、知らん」
ラストがそう言った後、ルーシィとハッピー、エルザ
ゴルゴッチ達が一斉にずっこけた
「知らないで驚いてたのアンタ!?」
「ま、まあ確かに私も知らん」
エルザにも知られてないことに、ゴルゴッチは口をあんぐりと挙げてショックを受けていた。
「エルザとラストに知られてないってことは、大したことないんだね」
ハッピーがとどめにそう言うと、さすがに怒ったのかゴルゴッチの顔が強張る
「こ、この俺様を愚弄するか!!ブッ殺してやる!!!」
「やっとやる気になったか。いいだろう、相手をしてやる」
「やれ!!」
ゴルゴッチは竜巻の踊り手の構成員を突撃させてきた
「開け、金牛宮の扉!タウロス!!」
「MO―!!二人のナイスバディに手を出すことは許さーん!!」
タウロスの斧の一振りで構成員を十数人まとめて吹き飛ばした
「何、あんな小娘が黄道一二門を!?」
ゴルゴッチが驚いている中
「んMO?」
タウロスはセリアの方を・・・・・・・・
セリアの胸を見て
「こちらの女子もナイスバディでサイコー!!!」
勝手にエキサイトしていた。
あまりのことにセリアは言葉を失う
「はいはいあんたはすぐ戻る!!」
ルーシィは鍵を使いタウロスを強制的に星霊界へ戻した。
「強制閉門!?ルーシィいつの間にそんなことを・・・」
「シェリーって奴と戦った時にね。」
いつの間にか、魔導士として成長していたことにラストは感心していた。
「やるな、ルーシィ・・・ならば私も少し本気を出そう」
エルザは換装で天輪の鎧を装備した。
「舞え、剣達よ!循環の剣!!」
円状に剣を振るい構成員を一度で大量に斬り伏せた
「な、何だこいつら!?」
「女なのにバカ強ぇ!!」
手を拱く構成員たちを見かね
「どけ、俺がやる」
ゴルゴッチが前に出てきた
「たかが小娘二人、俺様の敵じゃない」
「舐めないでよ、こっちは妖精の尻尾最強チームなんだから!」
「貴様程度に遅れは取らんぞ」
「ぐへへ・・・これを見てもまだそんなことが言えるかな?」
ゴルゴッチの周囲に、風が吹き荒れる。
「な、何!?」
「確かに、啖呵を切るだけのことはある。凄まじい魔力だ」
「見せてやるよ、古代禁呪・・・花翠風月をな!!」
花翠風月の名に聞き覚えがあり、セリアとラストは息を呑む
「か、花翠風月!?風魔法の禁呪!?」
「あんな奴が古代禁呪を習得しているって言うのか!?」
「ルーシィ!奴に時間を与えるな!!」
「うん!!」
「もう遅いさ、くらいな!!」
ゴルゴッチが吹き荒れる風をルーシィとエルザに浴びせ、吹き飛ばす
「きゃああああ!!」
「くっ・・・なんて魔力だ、エリゴール以上だ」
「お褒めにあずかり光栄だ。」
「開け、処女宮の扉!バルゴ!!」
「お仕置きします!!」
「行け、剣達よ!!」
ルーシィはバルゴを召喚し、エルザは呼び出した無数の剣をゴルゴッチに向け放つ
「無駄だ無駄だ!!」
その攻撃は全て風で吹き飛ばされ、ルーシィ達も倒れてしまう
「きゃあああ!!」
「うああああ!!」
「ルーシィ!エルザ!」
「はははははははは!!」
「か、勝てるわけない・・・古代禁呪の前じゃどんな魔導士も・・・」
セリアは花翠風月に怯えながら呟く
「さあこれでとどめだ!!」
ゴルゴッチはとどめを刺そうと風を撃とうとする
そこに、ラストがルーシィ達の前に出た
「ラスト!よせ、怪我人のお前では敵うはずがない!」
「ダメよラスト!!」
「そんなに花翠風月を食らいたいか?それとも小娘共にいいとこ見せようってか?にくいねぇ」
「・・・どいつもこいつも、自分勝手に島を荒らす・・・これ以上の狼藉は許すわけにはいかない」
ラストは、ゴルゴッチを睨み付ける
「リオンも、お前達も、今すぐこの島から出ていってもらう!!」
ラストは右腕を空にかざすと、何もないところから黒い穴が開いた。
「な、何だ・・・あいつ、何をするつもりだ?」
「今こそ、この剣を使う時だ・・・・出ろ!!」
黒い穴・・・ワームホールから大剣が現れ、地面に突き刺さる
いきなり大剣が出てきたことに、その場にいた全員が驚く
ラストがその剣を取ると、魔力の衝撃波がゴルゴッチを圧倒する。
「うぉ!?な、何だこの魔力は!?俺の花翠風月以上だと!?」
「何なの・・・あの剣・・・」
「禍々しい魔力だが・・・これほど強い魔力は感じたことがない」
「行くぞ・・・反撃の時だ」
ラストは、大剣を引き抜き
「魔剣デカログス・・・その身で味わえ!!!」
ゴルゴッチに向けた。
今、ラストの反撃が始まる
「・・・つづく!」
と、ハッピーが何処から出したのか、「つづく」と書かれた立札を出す。
「ここで終わりかい!!」
第15話 完
後書き
次回予告
ルーシィ「な、何なのあの剣!?すごい魔力を感じたけど」
ラスト「つい最近造った剣だ。これであのレベルの魔導士達にも太刀打ちできる」
ルーシィ「それはすごいけど・・・一体どんな剣なの?」
ラスト「それは・・・次回のお楽しみだ」
次回 ラストVS.ゴルゴッチ 魔剣デカログスの力
ルーシィ「もしかして、デリオラを倒す方法ってその剣なの?」
ラスト「さあ・・・どうだろうね・・・」
ルーシィ「え、もしかして違うの・・・?」
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