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美しき異形達

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第十九話 友人と仲間その十三

「そのことは」
「何だよ、黒蘭ちゃん来たのかよ」
「姉さんにお金を返そうと思って来たけれど」
「お金借りてたのかよ」
「百円、ジュース代で」
 それで借りていたというのだ。黒蘭はその額も言った。
「昨日借りたの」
「百円位いいけれどね」
「そういう訳にはいかないわ」
 笑って言う姐にだ、妹は真面目な顔で返した。
「例え姉妹でもお金のことは」
「黒蘭ちゃん真面目よね」
「お金のことはしっかりしていないと駄目よ」
 実際に真面目な顔と声で言う黒蘭だった。
「このことは」
「だから今もなのね」
「そう、はいこれ」
 言いながらだ、黒蘭は懐から黒い財布を出してそうしてだった。そこから百円玉を出してそうしてだった。
 鈴蘭に差し出す、そうして言った。
「有り難う」
「それじゃあね」
 返されたら受け取らない訳にはいかなかった、それでだった。
 鈴蘭も受け取った、それでだった。
 黒蘭はあらためてだ、三人にこう言った。
「私達にしても怪人にしても」
「あたし達もかよ」
「そう、現実的ではないわ」
 そうだというのだ。
「だから錬金術師がいてもね」
「いいんだな」
「ええ、別にね」
「そうか、じゃあな」
「私達の方もね」
 黒蘭は薊にt概して答えた。
「調べていくわ」
「あたし達の敵が誰かをな」
「そうしていくわ。ただ」
「ただ?」
「そう簡単には見付からないわね」
 それは無理だろうというのだ。
「すぐには」
「そうだろうな、やっぱり」
 薊もだ、黒蘭の言葉にそうだろうと返した。
「これまで手掛かりとか全然入ってないからな」
「隠密行動が得意みたいね」
 その敵は、というのだ。
「少なくとも表に出ないことは徹底させているわ」
「そうだろうな」
「そう、そのことも考えたら」
 黒蘭はさらに話す。
「敵の規模もね」
「でかかったら見付かりやすいか」
「あまり大きなものではないわね」
「本当に何処の誰かだな」
「そのことも探していきましょう」
「ああ、そうだな」
 こう話してだ、お互いにだった。
 その敵のことを探していくのだった、薊達は敵が何者かと真剣に調べ検証しだしていた。とはいってもまだ最初の一歩だけだったが。


第十九話   完


                              2014・5・25 
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