もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
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ガイアセイバーズ・スカウト日記
前書き
最終話の最後にあったあの挿入画像な、OVAジャイアントロボのパロやってん。
せやけどだーれもツッコんでくれへんかったね。
そこは、某ナメックな星を彷彿とさせる荒地空間。
そのだだっ広い空間を――音速を超えた猛スピードで二つの影が駆け巡る。
移動の度に凄まじいソニックブームが発生して地面がべりべりと捲り上がり、時折空中で接触した影は激突の衝撃波でめくれた地面をバキバキと抉り、やがて二つの影が地表に衝突した瞬間に地表に轟音と共に地面が陥没して二つの巨大クレータが出現した。
二つのクレータは地中で互いに衝突し、二つの影の間で行き場を失ったエネルギー同士が衝突し轟音を立てて地割れを発生させた。
さながらそれは天下の分け目。二つの影を明確に両断する世界の裂け目だった。
見るも無残に壊れ果てた地表の中で、その原因となった二人のうち一人が獰猛に笑う。
「ヤハハハハハハ………初めてだよ。初めてここまで楽しめる喧嘩をしたァッ!!苗!鳳苗ぇ!!俺と同じ時代にお前が生まれてるという事実が衝撃的すぎて神様に感謝しちまいそうだぜ!!」
「あたしこれでも仙道だからあんまし争っちゃ駄目なんだけど……」
「悪いが聞こえねぇ!何せ今の俺は都合の悪い情報が耳に届かねぇからな!!もっとこの喧嘩を楽しもうぜぇぇぇッ!!」
金髪ヘッドフォンのヤハハ青年こと逆廻十六夜の熱烈アプローチに、黒髪カチューシャ少女の苗はゲンナリした顔で迎え撃つ。再び二人の速度は音速を易々と突破し、拳の一発一発が隕石の衝突並みの衝撃を生み出す化物染みたエネルギーのぶつかり合いが再開された。
ギャリギャリギャリギャリッ!!とおおよそ拳の殴り合いで鳴る筈のない意味不明な音が響き渡る。
十六夜の喧嘩殺法的でデタラメな破壊力を誇る拳を、苗は取り敢えず師匠直伝の体術を交えた力任せの拳で迎え撃つ。
拳と拳が衝突した瞬間――ぱりっ、という音と共にその空間から音と色が消滅し、台風さえ消す飛ばす猛烈な衝撃波が容赦なく星に荒れ狂った。地表に転がる岩や岩盤さえも、その風が吹き飛ばして巨大な土煙が空にぶちまけられる。
だが十六夜はその衝撃などものともせずに心底楽しそうに前へ進み、対する苗もヤケクソ気味に前へと躍り出た。そこから始まるのは、互いの拳や足を出鱈目に繰り出した乱舞。
人間の認識を越えた速度と、人の限界を超えた威力はその一発一発に核ミサイルを越えたパワーが込められ、激突の度に世界が歪み、周囲に存在する大地が――空気が――果ては空間さえも揺るがす大激突。もしもここに見物人がいたら、衝撃波だけで肉体がバラバラに砕け散るであろう殺戮の空間で激突する二人は何もかもが対照的だった。
――二人がこのようなドラゴンなボール的人類頂上決戦をするきっかけになったのは、簡単に言うとガイアセイバーズの頂点であるシャイン・テスタロッサって奴のせいである。奴こそ地球の首魁で諸悪の根源なのだ。
『苗ー!ヒマならコイツスカウトしに行ってくんね?戦力になりそうだからお願いねー!』
『あいあいさー。今度の休暇に行ってくるわー』
ってな具合に何人か任せられたのが運の尽き。何と最初の一人目でこの有様である。
なお、この謎宇宙は『シャイン謹製バトルフィールド』。言うならば仙人界で言う空間宝貝、もしくはFateとかで言う固有結界を「世界としての耐久力と広さ」に特化させた空間だ。簡単に言えば、応龍皇が出力50%(惑星崩壊クラス)で暴れても2分で元通りになる程度の耐久力を誇っている。
だから、恐らく世界一の問題児が大暴れしちゃっても辛うじて耐えているのである。
苗っちそんなに戦えんの?って思うかもしれないが、そもそも彼女は地球を滅ぼすくらい訳ない戦闘能力を誇る『女媧』の肉体がベースになった能力値。本編でもその戦闘能力の片鱗を見せていた。能力全開ならそれ位の事は出来る。……と言いたいところだが、実際には彼女のデバイスと化した四宝剣の確率変動補助も加えてやっとまともに撃ち合いになっている。十六夜、ポテンシャル凄すぎである。
「おいおいおいおいおい!やべぇ、こんなに全力で戦える相手とか今後100年待っても来ねぇぞ!!おいコラこの勝負に俺が勝ったら結婚しろ!負けた場合は俺の妻になるという宇宙史上空前絶後の好待遇を用意してやる!!」
「どっちも内容が変わってないしっ!!」
とか言いつつ、分身を使えば複数の人物を夫にすることも可能な苗であった。
(一応ぽんずとユニゾンすればもう一段階上に行けるんだけど……それは本当に最後の切り札だよねぇ。というか、初対面の相手と殴り合いながら嫁になれ!って凄いシチュエーションだね……)
……分身を差し出すのも手だが、生憎暴力的な人にそんなにアッサリ口説かれるほど苗は安い女でありたくないと思っている。
もうなりふり構っていられない。こうなったら力づくでねじ伏せて『ルールの裏ワザ』を突くしかない。
「えーいこの……こうなったらあたしの全力全壊だぁぁぁーーーーッ!!」
「――ッ!?おまえ、『そんな』分身何か使えんのかよ!?」
分身を見た十六夜は、その野性的な勘と観察力からその分身が唯の分身でないことを見抜いて戦慄した。正面から十六夜と殴り合う苗の後ろに更なる苗が出現する。魂魄分裂によりオリジナルと同レベルの分身を形成したのだ。しかも、その分身たちが次々に別の姿へ変身していく。
「リリカルマジカル!魔法少女ナエちゃん見参!!」
「幻想郷はわしが壊した!!苗っちシューティングスタイル顕現!!」
「女なら拳一つで勝負せんかいッ!!エアマスター苗、推参ッ!!」
「フフフ……デッド・エンド・フフフ……ISスタイル苗、暁に出撃す!」
「クィディッチやろうぜ!!ウィッチな苗ちゃんただいま登場!!」
「自分、死神代行っすから……海鳴担当死神、苗っす。ヨロシク!!」
「ちょっと鎮守府行ってくる!艤装装備型苗、進水だーっ!!」
「タイホだタイホだ~!!武偵高にいる超偵苗ちゃんの出動なのだー!!」
「今日のあたしは阿修羅すら凌駕する存在ッ!!苗ちゃん武士道スタイル!推して参る!!」
「仕方ないのう。出来ればこの手は使いたくなかったんだが……苗っち仙人形態!!」
「世に平穏のあらんことを。アーマードナエ、出撃する」
「やはりあたしがSAO攻略するのは間違っているんだろーか!?聖戦士オードリー!」
「最後に殺すと言ったな……あれは嘘だ。こちらナエーク。ミッションを開始する!」
「俺の背後に立つな……。コードネーム、ナエ13。依頼は完遂させてもらう」
出てくる出てくる。分身をあらゆる方向にばら撒きすぎた苗は、最早何が出来ないのか分からないくらいに奇妙奇天烈な技能を覚えていた。一人代コスプレショーと化した彼女の百面相は多重影分身でもないと真似は出来ないだろう。
「おいおいどんだけキャラ濃いんだお前面白すぎるぞ!!……物は相談なんだが、一体くれね?」
「オ・コ・ト・ワ・リ~~♪」
苗はこの勝負を始める際、ルールに一つだけ仕込みをした。
すなわち、「この空間が壊れた場合は引き分けとする」というもの。勝負開始前に予め「今の」苗と十六夜が本気で殴り合っても壊れない事を確認したうえでの勝負だった。
「やられたぜ。分身全員で全力出せば、流石の俺も本気で応戦せざるをえねぇ……そうなるとこのナメック星も崩壊必至ってわけだ………なら、世界が崩壊する前に決着つけさせてもらうだけだオラぁぁぁぁぁッ!!」
「苗っち軍団!一斉攻撃ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
「「「「「「「「ワーーーーーーッ!!」」」」」」」
そして、超新星爆発に匹敵するレベルの破壊力が、同じだけの力が込められたそれと激突した。
俺世紀元年。ぼくの世界は崩壊した。
~徹夜でこの世界を作った男、シャインの涙ながらのコメント~
「………なぁなぁ苗よー。お前の上司や同僚もお前並みに強いのか?」
「ん?ん~………そだね。十六夜くんと殴り合えるようなのも何人かいるかな?」
「つまり、そこにいれば退屈しなくていいわけだ。よっしゃ!俺もガイアセイバーズって奴に行くぜ!!」
「おっけー。じゃ、この契約書にサインねー」
「………ふーん。これ組織というよりサークルみたいな緩さだな。自由度が高いのはいいことだ。ヤハハハ」
極東支部総司令官、鳳苗の活動……逆廻十六夜のスカウトに成功。
ただしヤケに気に入られ、何かと喧嘩を吹っ掛けられるようになる。
「……で、お前のポケットからはみ出てたこの写真の相手が俺と同じガイアセイバーズのスカウト候補か。えっと、天野銀二……サイタマ……安心院なじみ……デュフォー……色々いるな。俺にも喧嘩させろ!」
「はぁ~………こんなの仲間にしたら組織が内部崩壊しそうな予感するんだけど」
「お、俺このオッサン知ってるぜ。養護施設『ヒマワリ』の園長、桐生一馬だろ?あのオッサン何故か歳食うほどに強くなっていく謎生物だからな」
尚、このあと十六夜は組織の役割欄に『逆廻十六夜の役職→逆廻十六夜』という自己主張全開の役職を創造してテスタロッサ家に「その手があったか!」と言わしめたとか。
= =
なお、その頃シャインは――
「深き昏き恩讐を胸に――」
「埋葬の華に誓って――」
「我は世界を紡ぐ者なり――!」
「応龍は神性……」
「黄龍は四神の長……」
「真五行器よ、龍玉と共に極輪転せよ」
永遠の牢獄を生み出す窮極呪法兵装と、因果地平の彼方を貫く神の槍。
睨みあう機械仕掛けの神が、対立する。
最強の鬼械神。
最強の超機人。
因果律さえ歪める二つの力――存在せざる、新たな神話。
「シャイニング・トラペゾヘドロン……貴公への贐とならんことを願う」
「応龍無限槍……さぁて、俺もお前もある意味で無限。果たしてどちらに転ぶかな?」
無限と無限。神と神。光と光。
二つの究極が、衝突した。
その日、異世界と呼ばれる一つの宇宙が崩壊した。
シャイン・テスタロッサ……魔術結社『ブラックロッジ』に赴いてマスター・テリオンのスカウトをしようとした結果、異次元にて彼とタイマン中。なお、被害に関しては規模が桁違いすぎて言語による説明不能。
= おまけ なのは15歳の時代 =
222:『栗悟飯とカメハメハ』
実は今度日本行けることになった件についてwww
223:『子ダヌキ』
>>222 マジでか。これはまさかのこの過疎チャット3人組がリアルに集合する可能性が微粒子レベルで存在する!
224:『ヒースクリフ』
>>223 ふむ。そういうことなら週末の予定を開けておこう
川´_ゝ`)何、気にすることはない。何故ならどうせ暇だから…
225:『子ダヌキ』
>>224 やめるんや。それ以上はアカン…
226:『栗悟飯とカメハメハ』
>>224 独り身は辛いな…
227:『子ダヌキ』
>>226 まぁウチは家族多すぎてそういうの無縁やけどwww
友達もボチボチ付き合いのええ子がおるしwww
228:『栗悟飯とカメハメハ』
>>227 爆発しろ
229:『ヒースクリフ』
>>227 ポリゴン片になりたまえ
230:『子ダヌキ』
>>228>>229 ヒドッ!!
………………
271:『ヒースクリフ』
>>270 では、集合は海鳴市で評判の喫茶店『翠屋』、時間は午前10時ということでいいかな?
272:『子ダヌキ』
>>271 異議ナーシ
273:『栗悟飯とカメハメハ』
>>271 おk
目印は白衣って話だったけど子ダヌキ白衣持ってる?
274:『子ダヌキ』
>>273 家族が持っとるわ
ちょっとサイズおっきいけどまぁ大丈夫やろ
………………
「………ということだったが、まさか『栗ご飯とカメハメハ』の正体があの脳科学者――牧瀬紅莉栖だったとはな。君の論文、ナーヴギア作成の参考にと読んだことがあるよ。完成度の高い素晴しい論文だった」
白衣の男性が溜息と共に紅茶を飲む。
まさか日本の隅っこで細々チャットしてたらその相手が天才学者だったとは、天才カヤバーを以てしても読めなかったらしい。
「私だってまさか『ヒースクリフ』の正体が量子物理学者の茅場晶彦だとは思わなかったわ。どーりで頭がいいわけよ……そりゃ同じ天才でも20歳以上年上なら知識に差が出るわよねぇ……」
白衣の女性がウンザリしたようにドクターペッパーを煽った。
向こうも向こうでまさか相手が同じ学者とは完全に予想外だったようだ。時々マニアックな論議をチャットで繰り広げては最終的に負けていたが、ある意味これなら納得である。
「だが一番驚いたのは……」
「うん、一番驚いたのは……」
二人の視線がもう一人の白衣――八神はやてに集中する。
「「まさか『子ダヌキ』の家族がこんなにアクが強いとは……」」
「えへへ……凄いやろ?」
3人の視線の先には……はやてが心配でついてきた家族の面々の姿が。
ピンク髪で長身のポニーテル美女と、赤っぽい髪の幼女。
金髪の大人びた女性と、その女性によく似た幼女。
長い銀髪でスタイル抜群の美女が二人と、その美女とよく似た幼女。
ついでに藍色の狼が控えていると来たものだ。
ちなみに名前は上から順にシグナム、ヴィータ、シャマル、ゆずこ、リイン、ナハト、ツヴァイ、ザフィーラである。みんなぺちゃくちゃ喋りつつもチラチラこちらの様子を伺っている所を見るに、かなりの心配性である。
「ちゅーかカメハメハさんなかなかの美女やな。イメージ的に男の人やと思い込んどったで」
「あ、あははは……まぁ、ネット世界に入り浸りすぎた影響というか……そういうはやてちゃんも可愛いじゃない」
「もう、お世辞が上手やなぁ!ヒースさんも中々男前やで!」
「まぁ年齢の割に顔は結構若いわよねぇ」
(女性率と年齢差が大きすぎて気まずい……)
年齢的に女子高生くらいの子が2人、興味津々といった顔でこちらを覗き込んでくるという謎のシチュエーション。そして周辺が幼女とモデル張りの妙齢女性ばかり(犬を除く)という状況に置かれた40代のおっさんは、内心でそうぼやくのであった。
後書き
なんかこんなアイデアがあったので取り敢えず処理しました。
今回もこんなしょうもないのですいません。というか何で完結させたのにまだ投稿してるんだろう……。
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