ポケットモンスター レッド外伝
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No5 特性
前書き
総合評価17……17……17!!
ぃやったああああああああああああ
……あっけなかったな。
「ああ!! ゴローニャ!」
「ゴ……ロ……」ピクピク
ゴローニャは戦闘不能。ジロウは急いでゴローニャをボールに戻した。
……おかしい、一匹倒れたはずなのに、ジロウのやつ……笑ってる。
「(やっぱり、レッドさんは強い……)」
「(でも、こいつなら……兄ちゃんからもらったこいつなら……!)」
「おいおい、早く次を出してくれ」
まあ、何を出すかは予想ついてるんだけど……。
「は、はい! いけ! イワーク!!」
予想通り、ジロウはイワークを繰り出した。
デカい……シロガネ山でもイワークは腐るほど見たが、このサイズは異常だ。
「(随分、鍛えられてるみたいだな……)」
「イワーク!! がまんだ!」
「グオオ!!」
「(!? しまった!!)」
しまった! 今は戦いの真っ最中……余計な考えをしてる暇はなかったぜ……。
にしても、がまんか、相変わらずこのイワーク、えげつない技を使ってきやがるな。
このイワーク、俺の見立てだとかなりの高レベル……それに恐らく個体値を厳選している……!
こうげきに優れたイワークのがまん、タイプ不一致とはいえ、食らえばラプラスには致命傷だろう。
「(レッドさんのラプラスがたとえハイドロポンプを使ってきても、イワークにはきあいのタスキがある……!)」
「(レッドさんはさっき、ラプラス一体で戦うと言った……つまりラプラスを倒せば俺の勝利……!)」
「(勝てる! ラプラスの一撃をタスキで耐えたあとにがまんを解放すれば……!)」
ジロウは新人とはいえ、ぼうぎょととくぼうの低いイワークを考え無しにぶつけるとは考えにくい。
ましてやがまんは、こちらが攻撃するまで行動不能になる技……一撃で倒されたら元も子もない。
十中八九、イワークはタスキ持ち……ラプラスの致命傷は避けられない……か。
……なら仕方ない、この手でいくか
「ラプラス、あまごいだ!」
「ピイ!!」
「!?」
「グオオオ~~~!!」
ジム内に激しい雨が降り出した。普通、雨でポケモンがダメージを受けることはない。
しかし、密閉されたジムの中、雨は必然的にたまっていく。実際雨は、俺の膝元まで来るほど貯水した。
更に相手はいわ、じめんタイプのイワークだ。雨水とはいえ多少のダメージは受けるだろう。
1でも体力が削れれば、タスキは効果を発動することが出来ない。
「(何のつもりだ……? レッドさんは……)」
「(雨でダメージを削られたから、確かにイワークのタスキの効果は発動出来ない……)」
「(でも、このターンでイワークのがまんは解放される……そしたらラプラスは間違いなく倒れるはず)」
「イワーク! がまんを解放しろ!」
「グオオオ~~!」
「ラプラス、ハイドロポンプ!」
「ピイ!」
「(やっぱり! すばやさなら俺のイワークが上! 勝った! レッドさんに勝ったぞ!)」
………とか思ってるんなら、お前はやっぱり新人さ。
ポケモンのことをまるで理解していない……。
「……な、なんで……ラプラスの方が……速い!?」
命令は確かにジロウが早かった。ステータス上のすばやさもイワークが上だろう。
……だが、イワークのがまんが直撃するより先、ラプラスのハイドロポンプがイワークに直撃したのだ。
「グ……ォ……」ピクピク
「な、なんで………」
「(イワークはラプラスよりすばやいはず……なのに)」
ジロウが肩を落とす。砂煙が晴れて姿が見えた、イワークは戦闘不能になっていた。
「……なぜ、すばやさで劣るラプラスが、イワークに先制を取れたか……か?」
「……は……はい……」
俺は溜め息を吐く、答え合わせだ。
「ラプラスのとくせい……分かるよな?」
「…!!! ま、まさかっ!!」
「その、まさかさ」
ラプラスの特性はすいすい。
雨が降っていればすばやさが上がる特性。
……ま、すいすいでイワークのすばやさを越えられるかは、完全に運に賭けたがな。
後書き
特性を利用した勝ち方です
がまん一撃でラプラスが沈むのはご都合主義です
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