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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0713話

 バジュラの巣と化していた難破船を発見してから数日。正直、この数日は非常に忙しかった。何が忙しかったかと言えば、難破船をフロンティア船団に運び、研究施設が集まっているアイランド4に引き渡したのだが……問題となったのは、例のアンノウンだ。
 正直、あの戦闘の映像を見た新統合軍のパイロットではそれに対抗出来ないとフロンティア政府は判断。で、最終的にはS.M.Sに護衛の依頼が回ってきた訳だ。
 そうなると、当然S.M.Sの中ではエース小隊でもある俺達スカル小隊の出番となる訳で……せめてクランが無事ならピクシー小隊も使えたんだが。
 いや、クラン自体に怪我は殆ど無かったのだ。かすり傷とか打撲程度。……この辺、さすがゼントラーディと言うべきだろう。だがクランは問題が無くても、クランの愛機でもあるクァドラン・レアは破壊されており、修理にまだまだ時間が掛かるという状況でピクシー小隊を出す訳にもいかず、結局はスカル小隊が護衛を受け持つ事になったのだった。
 幸い、襲撃は1度も無かったものの、それでもある程度神経を張り詰めておく必要があってその辺に馴れている俺はともかく、アルトには結構きつかったらしい。
 そして、引き渡しが完全に完了し、難破船の中にあったバジュラの卵らしき物を全て回収して十分に安全を確保出来るようになったと判断して、ようやく俺達の護衛の仕事は終わったのだった。
 終わったのだが……

「で、何でいきなりこんな目に遭ってるんだ?」
「何よ、別にあたしがアクセルを希望した訳じゃないわよ? あたしが希望したのはVFパイロットってだけだったのに、S.M.Sの方でアクセルを出向させてきたんじゃない」

 EX-ギアを身につけたシェリルが、胸を張ってそう告げる。
 相変わらず年齢に似合わない程に豊かな胸が強調され、周囲にいた撮影クルーの中でも若いメンバー数人が頬を赤くして顔を背けていた。
 ……この辺、自分の魅力に意外と無自覚なんだよな。いや、銀河の妖精なんてやってれば、人の視線に対して鈍くならなきゃやってられないってのも事実なんだろうが。
 とにかく、今回の仕事は軍の広報。特にバジュラがギャラクシー船団を襲撃した件からこっち、新統合軍に志願する人物が増えているんだとか。それをもっと増やそうという新統合軍の上層部と、ギャラクシー船団を探す為にもっとフロンティア船団の戦力を充実させたいシェリルの思惑が合致した……といったところか。

「ま、いいけどな。それよりも、EX-ギアを使いこなすには随分と苦労すると聞いたけど、かなり馴れているな」
「……アクセルは、それこそものの数分で使いこなせるようになったって聞いたけど?」
「それはまぁ、色々と似たような経験があるからこそだな」

 元々俺は反応速度が速く、ニーズヘッグなんかは機体の反応速度が過敏といっても過言じゃない程だ。それだけに、パワードスーツ的な役割を持つEX-ギアの過敏な反応にも対応出来るようになるのが早かった。

「こう見えても、身体を動かすのは嫌いじゃないのよ。運動神経だってアクセル程じゃなくてもいい方だしね」

 当初、EX-ギアを使いこなせないようなら糸で吊って、それを編集で消すといった手段で撮影しようとしていたのだが、意外な事にシェリルが十分以上にEX-ギアを動かせたので普通に撮影する事になったのだ。

「ま、そうは言っても、さすがに飛行機を操縦出来る程じゃないんだけどね」

 チラリ、と横に立っているガウォークのVF-25S――当然俺の機体だ――へと視線を向ける。
 最初にバジュラがフロンティア船団に攻めて来た時の戦いではオーバーホールが必要だったのだが、前回の戦いでは殆ど戦闘をしていない。実質的に難破船の近くでアンノウンに対して精神コマンドを使って砲撃しただけだったので、簡単なメンテだけで済んでいた。
 ……ルカのあんなに嬉しそうな顔は久しぶりに見たな。

「シェリル、撮影を再開するそうだからお願いね」

 俺とシェリルが話していると、そんな風に声を掛けながら1人の女が近付いてくる。
 グレイス・オコナー。シェリルのマネージャーで、同時に俺の念動力がかなりの警戒を示している相手だ。

「そう? 分かったわ。じゃあ……」
「あ、待って。実は昨日の曲についてなんだけど」
「曲? ああ、映画に使うとかいう。でもあの曲はギャラクシーに戻ってから発表予定だった曲よ? 映画に使うには合わないと思うけど……」

 グレイスの言葉に、微かに眉を顰めて言葉を返すシェリル。
 曲? 映画? ……まぁ、シェリル・ノームとしての活動の話なんだろう。

「でも、今の状況だといつギャラクシーに戻れるか分からないでしょ? それなら、向こうの要望通りに映画に提供してもいいんじゃないかしら。貴方の曲が採用されたとなれば映画の注目度も上がるでしょうし、そうすれば尚更フロンティア船団やギャラクシー船団、それにバジュラについての注目を集める事が出来るわ」
「それは……確かにそうだけど」
「それに、その映画には貴方のお気に入りの子も参加するそうよ? もっとも、殆どエキストラみたいな役柄らしいけど」
「そう、あの子が。……分かったわ。ならその方向で進めて頂戴。それにどうしても映画に合わないようなら、新しく曲を作ってもいいから」

 あの子? そんな俺の表情で何を疑問に思ったのか分かったのだろう。シェリルが小さく笑みを浮かべながら口を開く。

「ランカちゃんよ。ほら、退避壕で一緒だった」
「……ああ。オズマの妹の」
「そうそう、そう言えばアクセルの上司の妹なんだっけ? だからあの時もあそこにいたんでしょうけど」
「それはいいんだが、あれからも連絡を取り合っていたのか?」
「いえ、そこまでじゃないわね。ただ、ミス・マクロスフロンティアの時や、その後のさよならライブの時に色々とあってね」

 それで目を掛けている、か。

「で、この件はそのまま進めても構わないかしら?」
「そう、ね。お願いするわ」
「じゃあ、この仕事が終わったら南の島でバカンスね」
「バカンス? それこそいいの? 今は大事な時なのに」

 グレイスの言葉に首を傾げるシェリル。だが、グレイスは何故か俺の方へと視線を向けてから小さく笑みを浮かべて頷く。
 ……傍から見れば綺麗な笑みと言ってもいいんだろうが、何故か俺の中だと何かを含んでいるように見えるんだよな。念動力が危険を知らせてるというか。

「アクセル君にもそっちの方がいいと思うわよ? 向こうで皆頑張ってるし」
「……皆?」
「ええ。この映画にはVFが出るでしょう? それに関しては新統合軍じゃなくてS.M.Sが全面協力しているらしいのよ」
「……ほう」

 俺がこうして広報の仕事に回されている間、他の奴等は南の島でバカンスだと? 随分とまぁ、羨ましい事で。

「それに、悪いけど私も向こうでちょっとした用事があって一緒に行動出来ないのよ。だから、悪いけどアクセル君にはその島にいる間はシェリルの護衛をしてくれると助かるんだけど……どう?」

 シェリルの護衛か。グレイスが1人別行動を取るというのはちょっと気になるが、確かにシェリル程の有名人を護衛も付けずに放っておく訳にもいかないか。

「会社の方には?」
「アクセル君が引き受けてもいいというのなら、問題無いそうよ」

 どうかしら? と小首を傾げて尋ねてくるグレイスに、溜息を吐いて頷く。
 実際問題、ジェフリーが許可を出している以上は俺の意見なんてあってないようなものだし、何より目の前にいる女を見極めるという意味で、時間があればあっただけいいからな。

「分かった、シェリルの護衛だな。引き受けよう」
「ふふんっ、あたしの護衛が出来るんだから喜びなさいよね」

 EX-ギアを身につけたままのシェリルが、笑みを浮かべながらそう告げるのだった。





『……で、何で護衛だっていうのに、わざわざその飛行機を持ってくるのよ』
「一応飛行機じゃなくてVFな」

 隣を飛んでいるヘリから送られて来たシェリルからの通信にそう返す。
 にしても、てっきり南の島風の場所に行くっていう話だったから船か何かで行動するんだとばかり思っていたが、まさかヘリとはな。……いや、シェリルの立場を思えば無理も無いのか?

『VFだろうが何だろうが、構わないわよ。あたしの護衛の癖に、なんでこっちのヘリに乗ってないのって言ってるの』
「護衛だからこそだ。多少大袈裟かもしれないが、それもお前の知名度の高さを考えればおかしくないしな」

 軍の広報から回された依頼を片付けてから数日、現在俺達は映画の撮影をやっている島へと向かっていた。
 何に驚いたかと言えば、その映画の内容だ。まさかマクロス・ゼロをモチーフにしたものだとは思わなかった。
 にしても、マクロス・ゼロか。このマクロス・ゼロのヒロインはサラ・ノーム。そしてその妹がマオ・ノーム。……で、シェリル・ノーム。……いや、まさかな。ノームなんていう名字はそれ程珍しい訳でも無いだろうし、マクロス・ゼロに出て来た人物の血縁がシェリルなんて可能性は殆ど無いだろう。何しろ、マクロスの時に地球はゼントラーディによって一度壊滅的な被害を受けている。その中で、未開部族的な生活を続けていた者達が生き残れるとは思えないし。
 ……鳥の人とかいうプロトカルチャーの残滓があった場所なんだから優先的に避難をしたという可能性はあるのか?

『もう、まぁ、いいわ。けど折角のバカンスなんだから、しっかりと息抜きはするわよ!』
「バカンスって……一応仕事だろう?」
『仕事って言ったって、既に曲に関しては出来てるもの。……まぁ、今回の映画に合わせて幾らかアレンジする必要はあるでしょうけど』
「アレンジ?」
『ええ。そもそも、この映画に合わせて作った曲じゃないんだから、そのままでマッチする訳ないでしょ?』

 なるほど。音楽には詳しくないが、そういうものなのか。
 そんな風に会話をしながらも移動を続け、やがて目的の島へと到着する。
 ……ああ、確かにVF-25があるな。ただ、あの機体はスカル小隊の機体じゃなくて標準のVF-25Aだな。……まぁ、VF-0の振りをさせるって話だしそれに緑やら青やらの機体色にする訳にはいかないのか。いや、CGでどうにかするのなら機体色とかは関係無いのか?
 とにかく、ある意味では一時のバカンスともいえる時間を過ごす為に俺達は南の島を模して作られた人工島へと着陸するのだった。





「よ。アクセル。銀河の妖精と一緒に過ごすってのは羨ましいな」
「……それなら代わるか? 俺としてはそれでも構わないが?」

 機体を着陸させて降りた途端、ミハエルがどこかからかうように告げてくる。
 だが、てっきり俺の提案に喜んで乗るかと思った次の瞬間……少し、ほんの少しだが微かに眉を寄せて首を横に振る。

「いや、俺はやめておくよ。さすがに姉さんの知り合いを口説く気にはならないしな」
「姉さんの知り合い?」
「ああ。どうやら俺の姉さんとグレイスさんは知り合いだったらしい」
「……へぇ」

 どういう繋がりだ? ギャラクシー船団のマネージャーと、新統合軍のVFパイロット。繋がりが出来るとはちょっと思えないが。あるいは、何らかの理由でギャラクシー船団に出張したりしたのか?
 この辺、後でちょっと調べてみる必要があるかもしれないな。

「なら、シェリルはどうだ? 銀河の妖精を口説くってのはお前としては悪くないんじゃないか?」
「……あのなぁ、幾ら俺でも相手のいる女を口説くような真似はしないよ」
「は? 俺が知ってる限り、シェリルにその手の相手はいないぞ?」
「いや、お前がいるだろうに」
「……は?」

 予想外とも言えるミハエルの言葉に、思わず尋ね返す。
 だが、逆に返ってきたのは、それこそ何を言ってるんだお前といった表情のミハエルだった。

「あのなぁ。軍の広報の仕事、シェリルがわざわざお前を指名したんだぞ? 何の感情も持っていない相手にそんな真似をすると思うか?」
「シェリルが指名?」
「あちゃあ。……お前、本当に女心を分かっていないな」
「いや。それは否定しないが、シェリルが俺に対して抱いているのは恐らく異性としての俺じゃなくて、どちらかと言えば弟のような存在としての俺だぞ?」

 元の姿ならまだしも、今の俺は15歳程度の年齢だ。シェリルが異性として認識するかといえば、正直微妙だろう。
 だが、そんな俺の言葉を聞いたミハエルは、何やら映画のスタッフと思しき存在と話しているシェリルに視線を向けて、小さく溜息を吐く。

「お前、本気でそんな事を言ってそうだから質が悪いよな。……まぁ、その件は当事者同士で解決して貰うとして、だ。シェリルは今とんでもなく忙しいんだ。それは理解しているな?」
「ああ」

 実際、ギャラクシー船団の為にと、これまで以上に積極的にメディアに出て活動しているシェリルは、昨日まではそれこそ分単位でスケジュールが詰まっていた。

「なら、せめてこの仕事でリラックスさせてやるんだな。アルトの奴を見てみろよ、ランカちゃんが来るって聞いてからはずっとあの調子だぜ?」

 視線の先でどこか落ち着きのないアルトへと視線を向けながら告げるミハエル。
 ……そう言えば、シェリルのイヤリングも俺が預かったままだが、そろそろ返した方がいいだろうな。空間倉庫の中にあったんだが、それこそシェリルは忙しくてそれどころじゃない毎日だったんだ。それを思えば、今回はいい機会かもしれない。
 そう思いつつ、撮影者達が休憩する為のログハウスに向かっていったシェリルを見ながら考えるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:660
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:641 
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