雲は遠くて
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25章 東京・FM の サテライト・スタジオ にて (2)
25章 東京・FM の サテライト・スタジオ にて (2)
「ははは…。ツェッペリンや ビートルズは、好きですからね。
おれたちのバンドは、ツェッペリンや ビートルズの曲を
よく、コピーしては、ロックのいろんなことを
学んできたようなもんですよ。
いうなれば、おれらの音楽の師匠のようなもんなんです。
ねえ、リーダーの森川純さん。ははは…」
そういって、23歳の信也は、わらいながら、
話を、24歳の 森川純にふった。
「そうだよね。ツェッペリンや ビートルズは、おれたちの
師匠のようなものだよね。
基本的に、おれたち、クラッシュ・ビートは、
1度 聴いたら 忘れられないような、
メロディアス(melodious)な、旋律の美しい
ロックが好きなんですよ。
ツェッペリンも ビートルズも、そんな曲が得意でしたからね」
森川純が、瞳を 輝かせた 笑顔で、
バンドの リーダーらしい 落ちつきで、そう語った。
「なるほど。メロディアス(melodious)な、旋律の美しい
ロックですね!
わたしも、音楽は、美しいメロディのあるものが大好きです。
その点では…、
G ‐ ガールズの みなさんの曲にも、同じような価値観を
感じるんですけど、その点は、いかがなんでしょうか?
リーダーの 清原美樹さん。お聞きしてもよろしいでしょうか?」
と、人懐こそうな、うつしい笑顔の、
21歳の、パーソナリティ、本条知美がいう。
「わたし、知美さんのファンなんです。また お会いできて
うれしいです。知美さんのドラマもいつも楽しみなんです」
21歳の美樹は、そういて、ほほえむ。
本条知美は、女優をしている。
「美樹さん、ありがとうございます。同じ、表現者としても、
みなさんたちの音楽は、すばらしいですよ!」
「うつくしい旋律についてですけど、
曲の創作には、うつくしいメロディが、大切だと思います。
イギリスの詩人のキーツがいってますけど、
『美は真実、真実は美、これらが、私たちの知る、すべて、
知るべき、すべてなり…』 と、
わたしも、よく感じるんです」 と 美樹は いう。
「ああ、なるほど。うつくしいものは、信じたくなりますよね。
癒されるものも、うつくしいものですものね!
キーツのその詩は有名ですよね、
まさに真理だと思います」 と 本条知美。
「うつくしい メロディとか、魅力のある楽曲をつくるのって、
その人の感覚とか、判断力とかの、
センスなんだと思うんですよね。
月並みな言葉でいえば、才能とか…」と、美樹はつづけた。
「なるほど、なるほど…。
みなさんは、きっと、才能もセンスも豊かなんですよ!
これからの、ご活躍も、
わたしたち、とても 楽しみなんですけど、
クラッシュ・ビートのみなさん、G ‐ ガールズのみなさん、
今後の 抱負と いいますか、
音楽活動の計画や決意のようなものって、
何かあるんですか?」 と、
パーソナリティ(司会者)の 渋谷陽治。
「いやーあ、何も考えてないです。いままでどおり、
バンドとしては、適当に、ライブをやったりして、
時期を見ては、セカンドアルバムを出してゆくっていうか。
紅白の出場とかまでは考えたないよね?
今年は とても 無理だし。ねえ、みんな…?!」
そういって、みんなを見わたす、森川純に、
みんなからは、わらい声が もれる。
「わたしたちは、アルバムや シングルが、
ヒットチャートに、いきなり登場しちゃって、
幸運なんですけど。みなさまのお蔭ですし。
こんなことが、いつまでも、続くなんて、
信じられないですものね…」
そういったのは、19歳の大沢詩織(おおさわしおり )。
「まあ、それでは、ひとことずつ、みなさんの抱負とかを、
お聴きしましょう」 という、
オールバックの髪が 似合う 渋谷陽治。
「では、レディー・ファースト (女性の優先)で、
ベース・ギター、ヴォーカルの、
弱冠19歳の、平沢奈美さん」
「え、わたしですか。そうですね…。これからも、ポップで
キャッチーな曲で、ヒットを飛ばしたいです!」
「やっぱり、ヒット曲は、ミュージシャンの夢ですよね。
では、リード・ギター、ヴォーカル、20歳の
水島麻衣さん」
「わたしは、ギターソロの、メロディアスな曲で、
いっぱい、ヒットを飛ばせたらいいなと思います!」
≪つづく≫
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