バカとテストと召喚獣〜三年生になったバカ達〜
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第零話〜プロローグ〜
僕たちがこの文月学園に入学して、三度目の春が来た。
校舎へと続く坂道には満開の桜と風に乗って空を舞う花びら。
既にこの風景を何度も見ているはずだが少し立ち止まって思わず空を見上げてしまう。
しかし、僕の頭の中は別のことで占められている。
新しいクラス―――これから一年間を一緒に過ごすことになる戦友。そして、教室についてで頭が一杯だった。
「吉井、またお前は遅刻か。新学期ぐらい早めにこんか」
校門まえで鉄人に呼び止められる。トライアスロンを趣味としており真冬でも半袖でいる変t・・もとい変態だ。
「誰が変態だ。おまえはそんなに俺の補修を受けたいのか?」
「いやですね西村先生。先生には鉄人という立派なあだ名があるじゃないですか」
どうやら声に出ていたらしい。気をつけないと
「まったく、それで本当に最上級生なのか?お前はもうちょっと自覚をだな・・」
「先生、それよりも早く僕のクラスをおしえてくれませんか?」
鉄人の説教が長くなりそうなので話題をクラスのことへ持っていく。
「・・・まったくお前は。ほら、受け取れ」
そういって鉄人は大きく[吉井明久]と名前の書かれた封筒を渡す。
「どーもです。それで先生、僕の今回の振り分け試験はどうでしたか?今回は結構自信がありますよ」
それもそのはず。去年から僕は試召戦争に勝つため本気で勉強をしてきた。そのおかげか振り分け試験の前にあった期末試験ではDクラス並の点数を取ることができた。今回も自信があるからきっとDクラスぐらいには入れるだろう。
「あー 吉井、お前は確かに頑張っていた。成績も前回の振り分け試験より上がっていたし成績もDクラス並だった」
「そうですよね。よかったです。自分でも良くできたと思いますもん」
去年の試験前は勉強もせずに遊んでいた。でも、今年はちゃんと試験前に勉強した。きっとこれも働いたのだろう。
「だが吉井、お前はDクラスではない」
「Dじゃない?まさかCクラスですか?」
まいった。確かに自信はあったがまさかCクラスだなんて
「違うぞ吉井。お前はDでもCでもない」
嫌な気配がした僕はあわてて封筒を開け、中に入っている紙を確認する。そこには・・
吉井明久 観察処分者のためクラスをFクラスとする
「お前はFだ」
こうして僕の二回目の最低クラスでの生活が幕を開けた。
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