でんきタイプで縛りプレイ
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9話:豪華客船サントアンヌ号
前書き
ダラダラ回です、だがこれでいい
青い空……白い雲……水しぶきを上げ楽しくはしゃぐポケモンたち。
室内プールもイイけど解放された屋外プールもいいな。ここから見晴らせる海も素晴らしい。
陸地があんなに遠くに見えらぁ。
「ビカッ!ビカッ!!(お、溺れる!誰か助けて!!)」←ピカさん
「ギャウギャウ!!(あははっ、もっと変顔見せなさいよ!)」←サンダース
「ヘヤッ……(変顔というかもがき苦しんでるんよね)」←ヒトデマン
「ショワ~~~(サンダースの姉御マジ鬼畜~~~)」←スターミー
「ハルト、あんたのピカさん溺れているわよ……」
「本当に溺れたら誰かが助けるでしょ」
「「………」」
そう、俺たちは今クチバの港にある豪華客船サントアンヌ号に招待され遊びにきていた。
他のポケモンや人間の邪魔にならないようマナーだけは気をつけてな。
「ハルトさん、ポケモンをもっと大切にしてください」
カスミのお友達に指摘された。めっ。
「ハルト、向うでポケモンバトルをやっているわ。観に行きましょ」
もう1人のお友達に手を引かれる。やだ、この人ビッチ。
「こら、ナツメ。ハルトをどこに連れて行こうとしてるのよ!!」
「今喋ったじゃない。あっちの方でポケモンバトルしているから観に行くだけよ」
「とか言ってナツメさんは抜け駆けしてどこへ連れて行く気なんですか?」
「エリカ、私が本気で抜け駆けすれば今頃ハルトと密室空間にテレポートしてるわよ?」
……ヤダナニソレコワイ。コイツマジビッチ。
「大丈夫よ、ちょっと観に行くだけなんだから。変なことはまだしないわよ」
「するつもりなのかよ……ッ!?」
「じゃあ私もご同行して構いませんよね? ハルトさん、反対側の手をお繋ぎになってもよろしいでしょうか?」
「はい、エリカさんなら手を繋ぐどころか恋人繋ぎもOKです。というか俺を連れ攫ってください!!」
「まあ」
「「……なんで私達の時と態度が違うのよ」」
それは自分の胸に手を当てて考えてみなさい。
さて、少し状況確認だが、俺達は出航した豪華客船に招待され屋外で遊んでいるわけだが、ここにいる面子はカスミだけじゃなかったりする。
そもそもジムリーダーも招待される豪華客船。ハナダのジムリーダーだけが招待されてるわけもなく、ジムリーダーという特権だけで各町のジムリーダーも招待されているらしく、タマムシのエリカたんや、ヤマブキのナツメたんとかも招待されていた。
それで、彼女らからの話だと、ジムの仕事で忙しいが、カスミが彼氏を連れてくるらしいからどんなブ男か品定めしてやろうと思ったらショタな俺で、ちなみに彼氏じゃないことを告げたらショタコンなお姉さん方は舞い上がっている。
カスミの手から俺を奪うのはナツメだった。
しかし俺はどっちかっていうとエリカ派なのだ。ごめんな、私情挟んで。
「さて、カスミ。その子たちをよろしく頼むわ」
ナツメのフーディンとかバリヤードとか普段泳がないプールを堪能中だな。
「え、私一人置いて行く気!??」
「そうよ? 誰が私達のポケモン達を見るのよ?」
「……ふぇぇ」
カスミが涙目だ。
プールからポケモンをモンスターボールに戻すことはできなかった。皆楽しそうだからなー。
「バリ……(というかポテチ、浮いてるんですけど)」←バリヤード
「フー……(ポテチ、浮いてるんだけど)」←フーディン
「ラフゥ……(ポテチ、まだ食べれそうだね)」←ラフレシア
「キュウッ……(皆、三秒ルールだよ!!)」←ウツドン!!
でも、1人とても楽しそうじゃないポケモンがいた。
「ビリリ……(こいつらのノリについていけない)」←ビリリダマ
俺のポケモンだ。
「ビリリダマ、お前は俺と来い。バトルするかもしれんからな」
「ビリリ……(はぁ、やっと静かな部屋に戻れた)」
モンスターボールの中に戻す。
こいつはアレだ、ハナダからクチバまでに繋がる地下通路でゲットしたんだ。
実はそうなんだ、地下通路にはいろんな落し物が落ちていたり、俺はてっきりモンスターボールだと思ったのがビリリダマで、どうやら静かな所が好きらしくて迷い込んだっぽく【でんきタイプ】だからゲットさせてもらった。
モンスターボールが一番落ち着くみたいだが、これから騒がしくなると告げるとため息吐かれたのが印象に残っている。
両手に華でバトル観戦をする。
こういうバトルをするために設けられた特設ステージ、
「いけっ、ニドキング!!」
「いけっ、コイキング!!」
………。
白熱した試合だった。
「いけっ、俺のイワーク!」
「ゴー!! ミーのポケモン、ライチュウ!」
「はっはっは、俺のイワークは【でんきタイプ】は通用せん!」
「オーノー、フォーゲットしていましタ! ユーのポケモン、アース&ロックだったネー!!」
……向うではジムリーダー同士のバトルが繰り広げられている。
なんだか観戦していたら俺も戦いたくなったな。
それに、
「経験値、積ませないとな……」
ビリリダマを強くさせなきゃ。
「だったらハルト、私とバトルしましょ」
「いえ、私とバトルしてください、ハルトさん」
……今更気付いたがモテ期到来。
しかしビリリダマのレベルからしてまだ2人に勝てそうにないかなー。
ゲームと違って負けて得る経験とかはありそうだけどな。やっぱりデビュー戦は勝って自信を付けさせてやりたい。
だから、手ごろな相手を探して、
「次にバトルがしたいって? いいだろ、勝負だ!!」
「1on1でよろしく……」
ギャラリーが湧いて煩いけども。
「いけっ、ラッタ!!」
「ラタッ!!」
たんぱんこぞうのゴロウはラッタを出してきた。
「いけっ、ビリリダマ。先手必勝【でんきショック】だ」
「いや、先手必勝はこっちだ。ラッタ【でんこうせっか】!!」
「ラタッ!!」
「ビリリッ…(やれやれだぜ)」
ビリリダマにまずまずのダメージ。
遅れて、仕返しにとビリリダマの【でんきショック】がラッタを襲う。
「くっ、ラッタ【ひっさつまえば】!!」
「ラタッ!!」
「ビリリダマ、【フラッシュ】だ!!」
「ビリリッ!!」
こいつ、俺がゲットしようとした時にも【フラッシュ】を使ってきてだな、どれほど眩しいかは理解しているつもりだぜ。
「ラタッ!??」
あまりに眩しすぎて目を瞑ったのが命取りだ。
「ビリリダマ、【ソニックブーム】!!」
ゲーム序盤ではこのワザを脅威と思ったのは俺だけじゃないはずだ。
ラッタはワザを食らってふらついている。
「トドメだ、ビリリダマ。【でんきショック】!!」
ラッタは戦闘不能になった。
「よくやった、ビリリダマ」
「ビリリ……(やれやれだぜ)」
俺達の勝ちー。
「やるじゃない、ハルト」
「俺じゃなくビリリダマがな」
「ですが、ビリリダマを勝たせたのもハルトさんの腕があってからこそです」
「そ、そうかな……///」
「………」
なんかナツメの握力が強くなってる気がする。もの凄く痛い。
「おや? ハルトじゃないか。久しぶりだな」
バトルを終えたタケシがやってきた。
「……久しぶり」
「ははっ、相変わらずモテモテだな。ジムリーダーな女子を両手に華にするだなんてけしからんな。羨ましいぞ」
「じゃあ、ナツメたんを貸してあげるから立食パーティにでも行ってきんしゃい」
船内のメインホールでは立食パーティ等しているからな。俺もカスミ達と少し堪能してきた。ナツメやエリカと合流するまでな。
「ハルト? 今すぐ個室トイレにテレポートしましょうか?」
「オネガイヤメテ!!」
「そうですね、ナツメさんにはタケシさんがお似合いですね」
「エリカまで何言ってるのかしら? 私はハルトと離れるなんて嫌よ」
……俺は嫌なんだけど。このショタコンめ!
「なんですって? ショタコンのどこがいけないのよ!!」
「いだだっ!? 心読まれた!??」
「ナツメはエスパーだからなー、人の心も読めるんだったよな?」
「えぇ、ハルトが何を考えているのか全てわかるわ。口には出さないけど私と結婚したいのよね?」
「……1ミリたりとも思ったこともねぇ」
……いや、でもそれもアリだな。
黒髪ロングなクールビューティ。ちょっとエスパーというのが未知数だが……
「アリよ」
「………」
エスパーというのが不安要素だな。
ナツメにウインクされ、俺は考えるのをやめた。
「ちなみに、私に掛かれば未来も見通せるわ! 見える、見えるわよ!! ハルトとの暖かい家庭を!!」
「「「絶対嘘だ(ですね)」」」
「いや、本当に見えるのよ! エリカ! 貴女もいるわ!!」
「まあ」
「というか、浮気? 二股なの?」
「浮気はいけませんよ、ハルトさん」
「……気をつけます」
「というか二股とかいうレベルじゃないわ!! 見たことある顔もあるけども大半は知らない女ばっかりだわ、なんてハーレム!? 誰よ、この泥棒猫たちは!? 誰よ、アヘ顔ダブルピースしてる雌豚共は!? ハルト、あなた何人の奥さん貰うつもりなのよ!!」
「ハルトのハーレム計画ってやつか……」
「まあ、そんなことお考えになってらっしゃるの?」
「……あの、もうカスミの所に戻らないか??」
……絶対にそんな未来にさせないが、とりあえずカスミの所まで戻ろう。
そんで戻れば、カスミとマチスが反対側の方でポケモンバトルしていた。俺達のポケモン放置して。
「私のポケモンは【でんきタイプ】にも負けないのよ!!」
「オーシット!! ミーのベリーストロングなライチュウが……ライチュウがぁぁあああ!!?」
マチス、ジムリーダー対決2敗め。
俺、まだ挨拶とかしてないのだけど、マチスは船内へ去った。
相当へこんでいたなー。
「つーか、アンタたち戻ってくるの遅い! 何時間待たすのよ? 変な男共にはナンパされるし、なんか最後にマチスには絡まれるし……」
(……でも、このビッチはそのナンパ男達とプールで楽しくナニして遊んでいたようね。やだ、凄い映像が見えるわ)
「あー、悪かった。俺達のポケモン見ててくれてありがとうな」
「う、うん……」
(やだ、ハルトったらカスミがナニをしていたのかもしらないで、あんな可愛らしい顔でニコっと笑っるわ……もうテレポートしていいかしら?)
「あの、ナツメ近い……なんで抱きついてくるの??」
「ハルトとテレポートしたくて」
「ダメですよ、ナツメさん」
「タケシとチェンジしていいぞ、ナツメ」
「だからタケシは嫌よ」
「俺はジョーイさんかジュンサーさん以外はお断りだからなー。ナツメは論外だなー」
「なんですって? 無人島に飛ばされたいのかしら??」
なんか騒がしくなってきた。
「あー、そういえばニビのジョーイさんとジュンサーさんビッチだったんだが、アレはやめとけよ」
「ジョーイさんのあの顔でビッチなのがいいんじゃないか、ジュンサーさんも警官なのにビッチっていうのがそそるんだよ、ギャップ萌だろ?」
「……タケシも変態だったか」
ギャップ萌という言葉はキライではないがな。
ビッチなのはいただけない。
「ハルトさん、私は変態でもビッチでもありませんからね」
「はい、エリカさんだけが俺の心の支えです」
「まあ」
「「「………」」」
さて、船内に戻るとしますか。
「サンダース、ピカさん、戻るぞー」
「ギャウギャウ!!(あー楽しかったー♪)」
「ビカッ……(もうプールの水は飲めないぜ)」
こいつら長時間プールでよく遊んでたな。
俺達は帰る用意をした。夕暮れ時だったからな、そろそろディナータイムで食べ終わったらクチバの港に戻ってる頃合だ。
「ハルトー、ディナーの時間よ……って何してんのよアンタ?」
俺に宛がわれた個室、招待された乗客1人1人に宛がわれる個室、俺の部屋にカスミが顔を覗かせにきては何か訊ねてくる。
「いや、ご飯食べたらゆっくりしたいから今のうちに帰る準備を……」
今日は楽しくてちょっと饒舌になっていたけども。
「はぁ? 帰る準備ってアンタ何か勘違いしてなくない? クチバの港に戻るのは6日後の夜よ??」
「……リアリー?」
「……この船、5泊6日の夜にクチバに到着するの。ちゃんと【ふねのチケット】に書いてあるでしょうが」
「ふぇぇ……」
カスミが軽装備だったのでそれほど気にしてなかったが……。
6日間、ビッチ共と海の上で寝泊りしなくちゃならないのかよ。
くっ……悪夢はまだ始まったばかりだった。
後書き
ゲームでは船乗ってなんかライバルと戦って船長の船酔いどうにかして【いあいぎり】貰えるんでしたっけ?
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