SAOもう一人の聖騎士
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突入、ニブルヘイム
前書き
資格取得のための試験勉強に忙殺されており、やっと一息つけました。それでは再開です!どうぞ!
リズベット武具店に集合した一行は、首都アルンを騒がせていたクエストについて話し合いをしていた。
「キリト君、噂のクエストの報酬がエクスキャリバーって本当なの?」
「ああ。どうにも、ニブルヘイムの霜の巨人族からの依頼で、ニブルヘイムにいる獣型邪神を根こそぎ討伐して欲しい、獣型邪神を殲滅したら、一番多く邪神を狩った者に聖剣エクスキャリバーを与えようって話みたいなんだ。」
ふむ?クラディールは、唐突なクエストに少しきな臭さを感じた。別にALOサーバーにエクスキャリバーに関する苦情が殺到したわけではない。難易度を上げすぎたための救済措置、というわけではないだろう。だったらなぜ?話は最初に戻ってしまった。
とはいえ、クラディール達のやることは変わらない。トンキーに乗ってニブルヘイムの大穴の一番上にある逆ピラミッドの城に乗り込み、霜の巨人族を退けて聖剣をゲットする。そのための人員はもう揃っていた。
「細かい事は良いじゃねぇか!俺らはあの城に乗り込んでエクスキャリバーをゲットするんだろ?なら、ニブルヘイムでクエストをやってる奴らに先越され無いように早く行こうぜ!」
クラインの言葉に頷くと、全員トンキーの背中に乗った。トンキーが羽を広げ、逆ピラミッド目指し飛翔する。逆ピラミッドが見えてきた頃、クラディールの目の前、トンキーの背中の中央に女性の幻影が現れた。
女性の名前はウルズと言うらしい。彼女の言葉を要約すると、クエストに参加しているプレイヤーはニブルヘイムの王スリュムに騙されていて、もしクエストが成功してもスリュムは偽物の剣を渡すつもりでいる。さらに獣型邪神が全滅するとニブルヘイムが地上に浮上して、アルヴヘイムが崩壊してしまう。そのため、楔として打ち込まれているエクスキャリバーを抜き取って欲しい、抜き取ってたエクスキャリバーはお譲りしよう。とのことだった。ウルズの幻影が消え去ってしまうと、クラディール達は沈黙した。
最初に口を開いたのはリーファだった。
「ええっと……お兄ちゃん、あたし達、とんでもないイベントに参加しちゃってない?」
途中退場はトンキーの背中にいるため不可能である。(いや、自らの竜に乗っているシュピーゲルとシノンは可能か)
ついに城に到達したクラディール達。それぞれがメニューを開き、武具を装備する。代表してキリトとクラディールが、重い鉄扉を押し開けた。
廊下では、横四列に並んでのフォーメーションを展開した。最前列の中央に壁役として防御能力が高いクラディール、クライン、そして攻撃役として両サイドにキリトとレコンが配置された。二列目は補助役兼遊撃役としてリズベット、リーファ、アスナ、リューナ。最後列には両サイドに遠距離攻撃が可能なシノンとリリーナ、中央には背後からの奇襲に備えて最高の防御力を持つクレイオスと、攻撃役のシュピーゲルが配置された。
「この程度の攻撃、どうって事無いぜ!おらぁ!」
甲冑を纏った巨人の斬撃をクラインが弾き返す。巨人の大剣が跳ね上がった隙を突き、キリトの二刀流単発スキル、クロス・ホリゾンタルが巨人の胴体を甲冑ごと切り裂き、跳躍魔法を使って跳び上がったレコンが兜と甲冑の隙間、喉元に短剣高威力単発スキル、デスピック・ストライクを突き立てた。
「パパ、この部屋には単眼巨人型のボスがいます、気をつけて下さい!」
何度目かの扉を開けた時、キリトの胸ポケットに入っていたユイが警告を飛ばした。すると最後列のクレイオスが部屋に入った瞬間に扉が閉まり、天井を破って単眼巨人が飛び込んできた。かなりの大きさである。7、8メートルはありそうだ。単眼巨人は右手の結晶で出来ている大剣を問答無用で振り下ろしてきた。ボス名はキュクロプス、HPゲージは8本だ。強力なボスだが、クラディール達の敵ではない。
「うおらぁぁぁぁ!」
雄叫びを上げ、再度振り下ろしてきた大剣をクラディールが迎え撃つ。両手剣単発斬り上げスキル、ライトニング。大剣は大きく軌道がずれ、全く見当違いの場所にめり込んだ。この隙を、彼らは逃さない、
「しゃぁぁぁぁ!」
キリトの二剣が乱舞する。右で切り上げ、左で切り下ろし、突きのコンボの後、両方の剣で回転斬り。止めにX字に切り下ろし。二刀流9連撃スキル、オーダー・オブ・カオス。巨人の左のすねから深紅のエフェクトが飛び散り、単眼巨人が膝を突く。
「レコン君、シュピーゲル、合わせて!」
シノンの長弓から放たれた矢が、高速回転しながら弱点と思われる目に突き刺さった。それに合わせて右からシュピーゲル、左からレコンが跳躍した。シュピーゲルの片手剣が白灰色に煌めき、レコンの大振りな短剣が、暗紫色に包まれる。斜めに切り上げ、また斜めに切り下ろし。幻影剣二連撃スキル、バーチカル・A・リバースだ。逆手で二撃、順手で二撃、また逆手に持ち変えて止めの一突き。短剣高威力5連撃スキル、シャドウ・キルクロス。
目に攻撃を加えると、キュクロプスは大剣から手を離し、目の周りをかきむしりだした。どうやら、目に弓矢などが突き刺さるとそれを抜こうとするAIが設定されているようだ。
「おぉぉぉぉぉ!」
この隙に次々と攻撃を叩き込んでいった。クラインの刀が爆炎を放ち、アスナのレイピアが飛沫を上げ、クラディールの大剣が黄色く輝く。
「これで終わりだ!」
クラインが一度刀を鞘に納め、次の瞬間、強烈な居合斬りを放つ。抜刀術単発スキル、黄泉道篁。横一文字に両断された巨人は、ガラスが砕けるような甲高い音とともに粉々になった。
「パパ、次のボスは牛頭獣人型です。頑張って下さい!」
扉が開く。あまり時間は無い。クラディール達は次のボス部屋を目指し駆け出した。
後書き
久しぶりでしたが、どうだったでしょうか?次はVS黒ミノさん&金ミノさんです!早めに書けると良いなぁ…!!。
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