東方大冒録
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バカルテットと真面目ちゃん。
前書き
はい。今回予定を大きく変更して、バカルテットの皆さんをお呼びいたします。さらに大ちゃんもお呼びいたします。
「……、あれか紅魔館は」
暗基はやっと紅魔館を見つけた。
霊夢と魔理沙を一度封印してから、紅魔館への行き方を教えてもらうのをすっかり忘れてしまい、死ぬほど歩き回った。なぜまた呼び出さなかったのかというと、呼び出さなかったのではなく、呼び出せなかったのだ。
どうやら一度呼び出すと、しばらく呼び出せないらしい。それが自分の能力の限界値ということなのかはわからないが、とにかくしばらく呼び出せないらしい。それでも霊力を感じ取ることは出来るようで、
「それにしても、頼りになりそうね……」
「姿が戻ったらすぐ勝負を挑んでやるからな……。首を洗って待ってろよ零……」
なんていう、聞いてうれしいことや聞きたくなかったことなどが脳内に聞こえてきたのだが。
しかし、紅魔館を見つけたとはいえ、
「見つけたとは言っても、うーゎ、まだあんなに小さいぜおい……」
相当距離があった。一刻も早く幻想郷を救い出したいということもあるが、ここは一度休憩を取り、体調を整えてから紅魔館に突入したほうが少しばかり勝率が上がるだろうと判断し、
「休むか」
近くの木の陰に隠れ、そこに座り込んだ。
「ふぅ、疲れた……。飛べないってのが不便だなぁ」
暗基の能力「ありとあらゆるものを普通とみなす程度の能力」は、どうやら相手からの能力に対してのみ発動するようで、自分でやってみたいと思ったことは反映されないらしい。
「……、また思いついた」
そして暗基はまたバッグからまだ念じていなかったスペルカードを取り出し、自分の想像を広げていった。
「万が一を考えて、ミスティアなんかに目潰し食らっても咲夜なんかに時間を止められても反撃できるスペルを考えなきゃな」
幻想郷の中には、『闇を操る程度の能力』を持つルーミアや、定かではないが人を夜盲症(つまり鳥目)にしてしまう可能性のある夜雀の妖怪であるミスティア・ローレライなどがいる。そして、これから向かおうとしている紅魔館には、『時を操る程度の能力』を持つメイド長の十六夜咲夜がいる。いくら暗基が『ありとあらゆるものを普通とみなす程度の能力』を持つとはいえ、実際どうなのかがわからない今のうちは、念には念を入れたほうがいい。そう考えた暗基はまた新たなスペルを生み出した。
「よし。スペル完成。霊塞『ソウル・フォートレス』っと。あとは、近接戦闘に特化したスペルもな……」
そして暗基はまたスペルを生み出した。
「よし。霊拳『ソウル・インファイト』っと。まぁ今はこんなもんでいいだろう。さて、休憩も終わったし、紅魔館目指していきますか!!」
と、これからやることに向けて自分に喝を入れたとき、
「ねぇ」
「んっ、なんだ!?」
どこかから声が聞こえてきた。能力を使ってみると、けなげな掛け声からは考えられないなんともまがまがしい霊力を感じ取った。
「だれだ!? 出て来い!!」
暗基が声を荒げて叫ぶ。すると、後ろの木陰から、金髪に赤い大きなリボンをつけ、黒いドレスを来た小さな女の子が現れた。まぁ東方を一通りたしなんでいる暗基はすぐにわかったが、あえてたずねることにした。
「……、だれ?」
すると、その女の子は、
「私はルーミアなのだー。あなたは食べてもいい人類?」
でた。紅魔郷で霊夢を相手にした時……だったっけ? に言うあのセリフ。
生で聞けたぞオイうれしいなオイ。じゃなくてだな。
「んー、おれは食ってもうまくないと思うぞ?」
「そーなのかー。じゃぁ試してみるのだー」
「いやだから」
「試すのだー!」
「……、戦闘不可避なんですねわかります」
そして暗基は戦闘態勢になる……ところで、また何かが来た。
「やっぱりサイキョーなのはあたいよ!!」
「チルノちゃん相変わらずだよね」
「ホントホント。その自信はいったいどこから出てくるのか知りたいわ」
「お、ルーミアだ。おーい!」
「お? みんないたのかー」
「これってまさか……、バカルテットか?」
バカルテット。それはとある4人の妖怪のことをさしている。先ほど言ったルーミア、ミスティア。さらに後2人。⑨こと氷の妖精チルノ、蟲を操ることが出来る蛍の妖怪であるリグル・ナイトバグ。この4人は群を抜くおバカの集まりとされ、バカルテットと呼ばれている。
この場所には大妖精という、チルノの友達的なポジションのやつがいるが、こいつはバカルテットではない。ただチルノと一緒にいるだけである。
「お、どうしたのルーミア」
「おいしそうな人間を見つけたのだー」
「そういやなんかいるねそこに」
「おーやっと気づいたかおバカ共」
「なっ!?」
「さすがに今のは聞きづてならないね」
あ、あれ? 何で大ちゃんがキレるの?
てか、あれなんかおれが知ってるみんなと違う……?
「「「「「新しい力、試すときなり!! だね!!」」」」」
バカルテットと大妖精が突然叫んだ。すると、突然、まさに突然だ。
5人の体から、とてもおぞましい怪物の姿をしたものが生えてきた。
「う、うわなんじゃこれキモッ!!?」
偽りを捻じ曲げる程度の能力。確かに偽りだねこれは。こんなことさせるんですかこれ。
「さぁ、この新しい、優理亜様から授かったこの力、存分に発揮しよう!!!!」
……あの、その姿で言われるとものすごく怖いんですけど……。
「……、きっとどこかに、あいつらが封印されている道具があるはずだ……。だけど」
どこにあるのだろうか……。と考えているうちに、
「月符『ムーンライトレイ』」
攻撃を仕掛けられてしまったため、考えることをすぐにやめて、
「ちっ、やるしかないか……。霊符『夢想封印「妖」!!』」
迎え撃つことにした。
後書き
投げやりですみません。
次回、戦います。
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