でんきタイプで縛りプレイ
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7話:ハナダの岬イベント
ハナダシティに着いた俺は翌日、ハナダのみさきに向かった。
「今日は良い天気だ。サンダース、散歩しよう」
「ギャウ♪(ハルトと散歩デートキタコレ!!)」
……サンダースも喜んでくれているし、ビカさんはモンスターボールでお留守番だ。どうせ、あいつ歩かないだろうけども。
さて、俺は相棒と散歩がてらマサキという人物から【ふねのチケット】を貰いに行こうと思う。ゲームではそういうイベントがあるのだ。
タウンマップを見て、ポケセン・ハナダジムより北上すれば24番道路。その一つの道であり橋である通称・ゴールデンブリッジには5人のトレーナーが待ち構えており、避けては譲れない勝負をしかけてくる。
そんで、そいつらに勝てば6人目の怪しいおっさんが勝負仕掛けてきて【きんのたま】を戦利品としてもらえる。
「はい、これがおじさんの金の玉だよ。ハァハァ……」
………。
なんだか汚いが貰っておこう。
あとでフレンドリィショップで売って大金ゲットだぜ。
それで向かうは東側の25ばん道路を進み、何人かのトレーナー達とバトルをしていけばマサキのいる家に到着する。
「ごめんください。お邪魔します」
「ギャ、ギャウ…(いきなり了承も無しに入るの!?)」
一応声は掛けたがな。
マサラタウンでもトキワでもニビでもハナダでも他人ん家に無断で入らなかった俺がついに他人の家に、遠慮もなく入った。
ゲームと違って常識の範疇を越えている行動に相棒がドン引きしていたがスルーして。
「自分誰や? 勝手に人ん家入ったらドロボーやでってママに教わらんかったんか? まぁでも今日はえぇ、それより助けてくれや」
家の主・マサキが呆れた声で話しかけてきた。
しかし、家の中を見渡してもマサキらしき人物、というより人間はいなかった。
代わりにいた者は、喋った奴は……
「え……キモッ!??」
「ギャ、ギャウ!??」
マサキのイベントを知っている俺でもドン引きしてしまう光景が目の前にある。
サンダースなんかそいつにビビッて戦闘態勢に入ってしまう。
マサキは変態だ。
ポケモン転送システムを作った天才だが、転送システムで誤作動が置きて本人とポケモンが合体してしまう変態だ。
「ちょwwドン引きしやんといてーな…っつうのは無茶やろか。でも、ワイは人間や。マサキっちゅうねん、よろしくやでwwww」
「……ハルトだ。よろしく」
ピッピみたいな顔をしたピンク肌のエイリアンか何かだろうか……
俺のイメージしていた姿と違って動揺を隠せない。まず、人型というのがキモイ。
「ちょwwちゃんと今の状況説明したるさかい、そのサンダース牙むき出して怖いねんwwなんか『ハルトノテキハワタシノテキ』とか言ってるやんwwwwモンスターボールん中引っ込めてーなwwww」
サンダースが今にもマサキを亡き者にしようとしていたのでモンスターボールの中に戻ってもらった。
「実はな、そこに設置してあるマシーンでちょっとした誤作動があってな、奇跡的にもポケモンと合体してもーてんww」
「……お、おう」
「でな、ベースとなったポケモンがピッピでな、ピッピのあの丸い形で合体したんかと思ったら人型エイリアンみたいな感じでえらい姿になってしもうてんww最早ポケモンの擬人化に成功したとも言っても過言じゃないんちゃうかなとワイは思ってんなwwww」
「………」
いや、笑い事じゃないけど。
擬人化って……やっぱりコイツは変態だ。
「でもな、やっぱりこの姿で町行ったら騒ぎになるやろ? だから一旦人間の姿に戻ろうと思ってそこのマシーンを調整したんやけど、1人じゃ戻れんことに気付いてなwwwwだから助けてほしいんやけど、ワイがあのマシーンに入ったらパソコンのボタン押してくれへんか?? たのむわ」
「まぁボタンを押すぐらいなら……」
「おおきにな、じゃあさっそくやろか」
ちゃっちゃとすませるぞー。
俺はマサキの言われた通りにマシーンに納まったマサキを確認してはボタンを押した。
ポチッとな。
マシーンが起動する。
ブーンブーンブーンガタゴトガタゴトガガガガガガギュワーンギュワーンギュワーーーンッッッ!!
「……大丈夫か、これ」
ちょっとマシーンがガタガタ上下左右に揺れ出したぞ。
ちょっと不安。
でも、ちゃんと成功したようで。
「ぷはー、生き返った気分や、ホンマおおきにな」
「ギエピ……」
「……お、おう」
なんとか人命とポケモンを救うことができたようだ。
「そや、助けてくれたお礼にコレあげるわ。ワイはちょっと人が多いところ苦手やねん、だから代わりに行ってなー」
「……ありがとう」
俺は【ふねのチケット】を貰った。
「それじゃ、お邪魔しました」
「え、もう帰るん?? つーか、自分ホンマ何しに来たん??」
………。
こうして目的を果たした俺はさっさとマサキん家から退散するのであった。
さて、ハナダシティへ戻ろうと思うのだが、マサキん家からすぐ近くにあるハナダのみさきへ少し寄り道していこうかなと思った。
別に何もないけど黄昏るのもたまにはいいだろう。
「ひ、人が来た!! ほら、やっぱりだ!! だから僕は反対したんだ!!」
「まだガキじゃない、別に見られたって構わないわよ」
……なにやら揉め事のようだな。
原因は岬の高台になっているところを歩いては偶然にも出くわせた俺だ。
カップルが、少年の方が挙動不審だった。
「か、構わないって、さすがに僕が気にするよ! そもそも散歩デートっていう時点で怪しかったんだ、青〇だけは御免だよ!! カスミさんのビッチーーー!!」
「な、何勝手に勘違いしてんのよ!! 逃げるなコラ!!」
だが、ビッチから逃げだした少年。
なんかデジャブ。
つーか、ゲームでもこういう場面なかったっけ??ただしそれは金銀バージョンのイベントでしょうが。
「アンタのせいよ……」
「ふぇぇ……」
凄くにらまれた。
「ねぇ、お邪魔虫って知ってる?? アンタみたいなのを言うんだけどなんで今このタイミングで来るの??」
「……わ、悪かった」
理不尽な気もするが俺が襲われないために素直に謝っておこう。
「それに私はアイツと良い雰囲気になったからキスしようとしただけなのに……」
……でも、相手の少年の方は襲われると思っちゃったんだな。
「ねぇ私ってそんなに見た目がビッチに見えるかしら?」
「そ、そんなことないと思うけど…」
嘘でもそう言っておかなければいけない気がした。
「はぁ、こんなことになったんだから責任取りなさいよと言いたいのに、アンタがまだガキじゃねぇ。私の趣味じゃないわ」
「………」
見た目大して年齢変わらんと思うがな、ガキ。
「でも、他のやり方でこの落とし前をつけてもらうしかないわね。アンタもポケモントレーナーでしょ? 私のストレスの発散にでもなってもらいましょうか」
「……こっちもあんたと丁度戦いたかったからいいけど。ジム戦してくれよ」
「あら、私がジムリーダーと知ってて挑戦するのね? ちなみにジムバッジはいくつ?」
「まだ一個。ニビジムだけ……」
「そう、あのタケシに勝ったんだ。お邪魔虫でガキんちょのクセにやるじゃない」
……俺じゃなく相棒たちが凄いだけなんだがな。
「じゃあ手加減は必要ないわね、その可愛らしい顔を泣き顔にしてあげるんだから!」
「……上等」
こうして、俺たちはハナダシティへと戻る。
道も目的も同じなので道中は気まずくなるのだが。
その気まずさを作った原因がマサキだったり、ハナダのみさきを立ち去ろうとした俺達の前に現れては、
「ふあ~、今日はホンマえらい目にあったな、ピッピ」
「ギエピ!」
「ホンマ不幸としか言いようがないで……ってなんやハルトまだここら辺におったんかいな。しかも自分、可愛らしい女の子連れてデートかいな。それもジムリーダー……リアは充しね!」
「「お、おう……」」
……ふむ、マサキにもカスミが女の子に見えるらしい。やっぱりまだガキなのだ。
それと、デートじゃねえし。
マサキの戯言だし別に変に意識することなんてないのだが、さっきまで饒舌だったカスミたんが話しかけてくれなくて、変な空気になったままハナダシティへ戻るのであった。
「もしかして、さっきマサキが言ってたの怒ってる??」
俺と一緒にいただけでデートしてると勘違いされて迷惑だったかもしれない。
でも、カスミは「別に怒ってないわよガキんちょハルト!」などとニカっと笑っては俺をジムへと招待するのであった。
さあ、ジム戦だ。カスミに勝手ガキんちょ言わせないようにさせようか。
後書き
いろいろと時系列とか無視しています
ハルトは12歳ぐらい
カスミは14歳ぐらい
マサキは20歳あたり……
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