妖精の義兄妹のありきたりな日常
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マグノリア探索
ある昼下がりタクヤとウェンディ、シャルル、エマはマグノリアの町を歩いていた。
まだ彼らはこの街に移り住んでから日が浅く、どこに何があるのか分からないためこうして街を探索していたのだ。
「マグノリアって大きな街だねー。」
「そうだな。いろんな店もあるし、なかなか楽しい街だな。」
ウェンディとタクヤが街の中を歩きながらたわいもない話をする。
「ちょっと!そんなにキョロキョロしないの!田舎もんと思われるでしょ!!」
シャルルがタクヤとウェンディを叱った。
「だって私たち、田舎者ですもん。」
「だな。」
それをエマとタクヤが笑いながら言い返した。シャルルも手で顔を抑え、やれやれといった感じでため息をついていた。
「見て!お兄ちゃん!!」
グイ
「わっ、そんなひっぱんなって。」
ウェンディがタクヤの腕を引っ張り、ある店のショーウインドウの前に連れてこられた。
「綺麗…。」
ウェンディが目を輝かせて見ていたのは一着のウェディングドレスだった。
それはいたるところに小さなリボンが付いており、ガラス越しにでもその輝きはタクヤたちに伝わってくる。
「へー、ウェディングドレスかー。」
「私もいつか着てみたいなー。」
「あら。ウェンディはウェディングドレスを着させてくれるお相手がいるのかしら?」
「どんな人ですかー?」
シャルルとエマはウェンディを囲んで笑いながら聞いてきた。
「えっ!!?そ、そんな人いるわけないじゃないっ!!!ほんとだよ!!!お兄ちゃん!!!」
ウェンディは顔を真っ赤にしながら必死にタクヤに誤解を解こうとした。
「え、いや、オレに言われても。ウェンディが良いと思った奴なら誰でもいいよ。」
「だから、そんな人いないってば!!!それに…。」
「ん?」
「な、なんでもない!!」
ウェンディはタクヤに背を向けて歩き出した。
「どうしたんだ?」
「タクヤは女心というものが分かっていませんね。」
「は?」
タクヤはエマの言っている事が理解できず、ウェンディの後を追う事にした。
(「それに私はお兄ちゃんしか見てないんだから…。」)
ウェンディは耳まで赤くして心の中て言った。
タクヤたちはマグノリアで一番のショッピングセンターに来ていた。
ここは食材の販売の他にも、洋服や靴、バックにアクセサリー、音楽ラクリマや映画館と
あらゆるジャンルのものがあり、一日では遊び尽くせないほどの規模を誇っていた。
「どこから回ろうか?」
「いろいろあって困っちゃいますねー。」
「あそこの案内ラクリマを見て決めましょ。」
「そうだな。」
タクヤたちは案内ラクリマの前に立ち、案内板を見た。
「へー、レストランやゲームセンターとかもあるのかー。」
「なんでも揃ってるんですねー。」
「これだけ多いんじゃ一日じゃ回りきれないわね。」
「じゃあ、みんなが行きたい所に行こうよ。」
ウェンディがそう提案したのでタクヤたちは一つずつ行きたい所を挙げた。
「良いの見つかったかー?」
「ハァ~、これなんかもいいですし、こちらも捨てがたいです~。」
「結局、決めきれてないじゃない。」
ここは調理器具や食器が置かれている店
世界中から様々な調理器具などが揃っており、マグノリアの主婦たちには大人気なのである。
ここを選んだのは普段から料理などをしているエマだ。タクヤの食事はほぼエマが作っているのだ。
ちなみに、今エマが見ているのは包丁のコーナーだ。
「いやー、良いのが揃いすぎていて困っちゃいますねー。」
「そんな風には見えないけど。」
「エマは本当に料理が好きだね。」
「はい!大好きです!!」
エマは目を輝かせながらウェンディに言った。
「よし!毎日メシ作ってもらってるから何でも好きなの一つだけ買ってやるよ。」
「本当ですか!!タクヤ!!!」
「あぁ。」
「ありがとうございます!!!!」
バッ
エマは嬉しさのあまりにタクヤに飛びついた。
「早く決めちまえよ?」
「はい!!!」
エマは再び包丁のコーナーへ戻っていった。
「フフフ♪」
エマは大きな袋を抱え、鼻歌を歌いながら歩いていた。
「気に入ったものが見つかってよかったね。」
「はい!!」
「あんまりはしゃぐんじゃないわよ。」
ウェンディたちはそんなたわいもない話で盛り上がっていた。
「お、着いたぜ。」
タクヤたちが次に訪れたのはシャルルがチェックしていたお茶屋さんだった。
「中からいい匂いがしますね。」
「じゃあ、中に入ろっか。」
「えぇ。」
顔には出していないがシャルルも機嫌がいいようだ。
「いろんな種類あんのなー。」
「ま、私はこのダージリンティーだけどね。」
シャルルは他のお茶には目もくれずダージリンティーを取っていた。
「ほかのは買わなくていいの?」
「いいのよ。私、ダージリンティーしか飲まないから。」
ウェンディが他のお茶を勧めたがシャルルは頑なにダージリンティーを買うと言った。
それほどダージリンティーが好きなのだろう。
そして、ダージリンティーを買うため、レジに向かっていた時、
「あら?タクヤ君たちじゃないですか。」
偶然そこに居合わせたのは同じ妖精の尻尾の魔導士のジュビアだった。
「ジュビアじゃねーか。」
「ここで何してるんですか?」
ウェンディがジュビアに聞いた。
「もちろん紅茶を買いに来たんですよ。そしたら、とても良いものを見つけちゃったんです!!」
「良いもの?」
ジュビアは買った紅茶の袋から一つの茶葉を見せた。
「これアールグレイって言うんですよ。」
「うまいのか?」
「さぁ?」
「じゃあ、何で買ったのよ!」
シャルルは半ばキレながらジュビアに言った。
「だってこれ、名前の中に“グレイ”が入ってるんですものー!美味しくない訳ないじゃないですかー!!」
「あ、そ、そうですか…。」
「ダメだな、こりゃ。」
そう言ってタクヤたちは歓喜に包まれたジュビアと別れ、次の店へと歩いた。
次にタクヤたちが向かったのはレストラン街にあるケーキ屋だった。
ここは雑誌等でも取り上げられ、毎日大勢の女性客が訪れる人気のケーキ屋なのだ。
ここをチェックしたのはウェンディで、一度ここへ行きたいと日頃から言っていた。
「みんな何にする?」
ウェンディがタクヤたちに注文を聞いた。
「じゃあ、ショコラケーキとカプチーノにします。」
「私は、モンブランとダージリンティー。」
「お兄ちゃんは?」
「えーと、チーズケーキとアイスコーヒー。」
「私はイチゴのショートケーキとカフェオレにしよ。すいませーん。」
ウェンディがみんなの注文をウェイトレスに伝えた。
しばらくしてタクヤたちの前には色とりどりのケーキがズラリと並べられた。
「うまそーだな。」
「悪くないわね。」
「じゃ、食べよっか。」
「「いただきまーす。」」
タクヤたちはいただきますを済ませ、自分のケーキを食べ始めた。
「おっ!うめー!!」
「この程よい苦味が病みつきになりますー。」
「なかなかじゃない。」
「ん~おいし~。」
こうして、タクヤたちは午後のティータイムを優雅に過ごしたのだった。
「楽しかったですねー!」
「アンタは浮かれすぎなのよ。」
「そんな事ないですもーん。」
タクヤたちはショッピングセンターから家へ帰るため外を歩いていた。
空は夕焼けに染まり、鮮やかな緋色に輝いていた。
「楽しかったか?お前ら。」
「えぇ!!また来たいです!!」
「どうしてもって言うなら来ないこともないけど?」
シャルルは口ではああ言っているが、本心ではまた行きたいと思っている。
タクヤもウェンディも付き合いが長いのでそれくらいの事は分かってしまう。
「じゃあ、また今度な。」
「そういえば、お兄ちゃんはどこにも寄らなくてよかったの?」
「別に見たい所なんてなかったし、お前らが良ければいいんだよ。オレは。」
タクヤはそう言いながら空を見上げた。
(「オレはいつまでもみんなと一緒にいたいだけだから。」)
「…そっか。なら、私がお兄ちゃんに何かプレゼントするよ!!」
「えっ、別にいいよ。大した事してねぇし。」
「するったらするの!!」
(「ウェンディって見かけによらず頑固だからなー。」)
ウェンディはタクヤから視線を外さない。逆にタクヤの方が照れくさくなってしまった。
「わ、わかった。じゃ、お言葉に甘えて…。」
「ほんと!じゃあ、何がいいかな~…。ネックレスとか?」
「いや、それならオレ持ってるからいいよ。」
「そういえば、それってどこで買ったの?初めて会った時からつけているよね?」
ウェンディはタクヤの首にかかっている半分にかけた雫型のネックレスについて聞いてみた。
「…これは、マリーネから貰ったんだよ。マリーネの涙が結晶化したものなんだ。」
「そうだったんだ。」
「でも、なんでそれ欠けてるのよ?」
シャルルはネックレスを見てタクヤに聞いた。
「まぁ…それは…その…。」
「はっきりしませんねー。」
「わ、割れたんだよ!!あの時はまだ子供だったし!!!」
タクヤはシャルルたちに理由を言った。
「ドジね。」
「ギクッ。」
タクヤはシャルルの一言で少しだけ傷ついた。
だが、ウェンディは見逃さなかった。一瞬だけタクヤの顔がどこか寂しげな表情になったところを。
「だから、別のものでいいぜ。」
「う、うん。」
「あら、ちょうど良いところに雑貨屋があるわよ?」
シャルルが指を指した方向に小さな雑貨屋があった。
その雑貨屋は所持物“ホルダー”系の魔導士の為の店でもあり、魔導書や門“ゲート”の鍵などもあった。
「へぇ、こんなとこに魔法屋があったんだな。」
「あれ?タクヤにウェンディじゃない!!」
タクヤたちが中に入ろうとすると店の奥からルーシィが出てきた。
「あっ、ルーシィさん。どうしてこんな所に?」
「門の鍵を買いに来たのよ。そっちこそなんでここに?」
「タクヤに何かプレゼントしたいってウェンディが。」
「もしかしてデート中だった?ごめんねー、邪魔しちゃって。」
ルーシィはニタニタ笑いながらウェンディに言った。
「そ、そんなんじゃないですっ!!!!」
顔を赤くしながらウェンディはルーシィの誤解を解こうとするがそれは叶わなかった。
「それより、何の鍵を買ったんだ?」
ウェンディの困り果てた顔を見かねたタクヤがルーシィに鍵の話題を持ちかけた。
「ふふ、これよ!!!羅針盤座のピクシス!!!」
ルーシィは腰にぶら下げていたホルダーから一つの銀色の鍵を取り出した。
「…いや、これよって言われても…。」
「何の鍵か分かりませんね。」
タクヤとエマはどうリアクションをとれば良いのか分からなかった。
「それもそうね。じゃあ、私がアンタたちに星霊との契約を見せてあげる!!!」
そう言ってルーシィは鍵を突きだし、呪文を唱え始めた。
「我、星霊界との道を繋ぐ者。汝、その呼び掛けに答え門“ゲート”をくぐれ!!!」
ルーシィの周りから魔力が漂ってくる。魔力を集中させているようだ。
「開け!!!羅針盤座の扉!!!ピクシス!!!!」
ボゥン
「ピクーー!!!!」
「「……ん?」」
タクヤたちは目を疑った。目の前に現れたのは頭の上にコンパスを乗せていたフクロウのような鳥だった。
「どう?すごいでしょ!!」
「えーと…ですねー…。」
「正直言って、何の役に立つ訳?」
シャルルがルーシィにズバリと言わんばかりの質問をした。
「この子はね、どんな所でも正確に方角を示してくれるのよ!!!」
「…それだけですか?」
エマはルーシィに言った。
「それだけよ。」
サァァァァ
タクヤたちの間を冷たい風が通りすぎた。
「帰るか…。」
「そうだね…。」
タクヤたちが帰ろうとするのをルーシィは止めた。
「ちょ、ちょっと!!失礼ね!!!どんなに磁場が強くても正確に方角を示すんだから!!!ね、ピクシス!!!」
「ピクーー!!!!」
「使い道がなさすぎるだろ。」
ガーン
ピクシスはタクヤの一言に深く傷ついた。そのまま足を抱え座り込んでしまった。
「しかも、メンタルちょー弱いし。」
「と、とにかく!!ピクシス、契約の方に移るわよ。」
「ピクー…。」
少し、いや、大分テンションが低いが、どうやら契約には応じるようだ。
「よし!これで終わりよ。よろしくね、ピクシス!!!」
「ピクー…。」
ボゥン
ピクシスはテンションが低いまま星霊界へと帰っていった。
「どう?これが契約の流れよ。」
「どうってアンタが何曜日に来れるか聞いてただけじゃない!!!」
シャルルは半ばキレながらルーシィに言った。
そうなのだ。先程、契約に移ると言っていたので何か特別な事でもやるのだろうと思いながら眺めていたが、
ルーシィがピクシスに何曜日に来れるか聞いていただけで、
ピクシスがやるのは首を横に振るか、縦に振るぐらいだった。
「これが契約内容なの!」
「ルーシィさん、わざわざありがとうございました!」
「いいのよ。じゃ、あたしは行くから。ごゆっくりデートを続けてねー。」
ルーシィはニタニタ笑いながらタクヤたちと別れた。その時のウェンディの顔は言うまでもなかった。
「あーあ、あたしも彼氏ほしいなー。」
「おーい、ルーシィー!!」
ルーシィを呼んでいるのはナツだった。
「ナツじゃなーい。どーしたのー?」
ナツは走ってルーシィの所まで来て息を切らしながら言った。
「今から二人で羽魚取りに行くぞ!!!」
「二人で?ハッピーは?」
「ハッピーは朝から熱で寝てんだよ。そしたら、羽魚が熱に良いらしいから取りに行こーぜ!!」
「そんな話聞いた事ないけど。」
ルーシィは半信半疑になりながら首をかしげた。すると、
グイ
ナツがルーシィの手を握ってきた。
「ちょ…!」
「ほら!!早く行くぞ!!ハッピーもルーシィが取ってきてくれたって聞いたら嬉しいだろうからよ!!!」
そう言ってルーシィの手を握ったままナツは走った。ルーシィは少し顔を赤くなっていた。
「そ、そんなに焦んないでよー!!」
こうして、ナツとルーシィは羽魚を取りに行った。
「結局、ブレスレットにしたのね。」
場所を戻して例の雑貨屋
タクヤたちは雑貨屋で二組のブレスレットを購入した。
一組はエマとシャルル、もう一組はタクヤとウェンディのだった。
「私たちのも買って貰ってよかったんですか?」
「これでみんなお揃いでしょ。」
タクヤとウェンディのは翼を象ったブレスレット。エマとシャルルのはツルを象ったブレスレットだった。
「よかったな、大切にしような。」
「もちろんです!!」
エマは元気よくタクヤに返事した。
「じゃあ、そろそろ帰るか。二人とも送ってく。」
「うん!ありがとう、お兄ちゃん。」
そう言ってタクヤたちはフェアリーヒルズへと足を進めたのだった。
辺りもすっかり暗くなり、星々がきれいに輝いている。
「ありがとう、お兄ちゃん。おやすみ。」
「おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
「また明日ー。」
ウェンディとシャルルはタクヤたちと別れ、フェアリーヒルズの中へと入っていった。
「オレたちも帰るか。」
「そうですね。」
ウェンディとシャルルの姿を見送り、自分達の家へと帰っていった。
ウェンディとシャルルがフェアリーヒルズの中へと入ってまもなく、食堂でエルザと出会った。
「おぉ、帰ったか。どうだ?マグノリアの街は。」
「はい!!とても良い所ばかりでした!!楽しかったです!!」
「まぁ、悪くはないわね。」
ウェンディとシャルルはエルザにマグノリアの感想を伝えた。
「そうか。お前たち食事はまだだろう?今用意をするから座って待っていてくれ。」
「ありがとうございます。」
そう言ってエルザは厨房の中へと姿を消した。ウェンディとシャルルはイスに座り、エルザが来るのを待っていた。
「今日は楽しかったね、シャルル。」
「えぇ。結構良い街ね。気に入ったわ。」
シャルルの結構良いは普通の人のすごく良いと同等なのだ。なので、シャルルがここまで誉めるのは珍しい。
「それにお兄ちゃんとお揃いのブレスレットも買えたし…。へへ…。」
「ウェンディ。顔がニヤついてるわよ。」
「へっ…!?」
ウェンディは自分の口を咄嗟にふさぎ、辺りを見渡した。運よく誰もいなかった。
「ほっ…、よかった。」
「嬉しいのは分かるけど、もうちょっと落ち着きなさい。」
「だってぇ。」
ウェンディは頬を膨らませ、おまけに顔も赤くなっていた。
ちょうどその時、厨房からエルザが荷台を押し、夕食を持ってきた。
「待たせたな。今日はビーフシチューだぞ。」
ウェンディとシャルルの前におかれたのは、肉がゴロゴロ入った美味しそうなビーフシチューだった。
「これ、エルザさんが作ったんですか?」
「いや、今日のはミラが作ったんだ。ミラは料理が上手いからな。」
「じゃあ、いただくわ。」
「いただきまーす。」
ウェンディとシャルルはスプーンを手に取り、ビーフシチューをすくい、口の中へと運んだ。
「ん!美味しいです!」
「…なかなかのものね。」
二人の評価は共に満足の品だったようだ。それからも二人の手は進んだ。エルザも一緒に夕食を取っていた。
「ところで、今日はどんな所を回ったんだ?」
「マグノリアの街をぶらりとしてショッピングセンターに行って、帰りに小さな雑貨屋に行ったわ。」
「そうか、まだマグノリアの街には良い所があるからまた回ってみるといい。」
「はい!!」
ウェンディは元気よく返事をし、食事を再開させた。
「では、私は先に休ませてもらう。後の片付けは任せてもいいか?」
そんな話をしている間にエルザはビーフシチューを食べ終わり、席を立った。
「はい、わかりました。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
エルザは食器をシンクにかして自分の部屋へと帰っていった。
それから数分してウェンディとシャルルもビーフシチューを残さず食べきり、食器を洗って自分の部屋へ向かった。
場所を変えてタクヤの自宅
こちらも夕食を済まし、寝じたくをしていた。ちなみに、今日はの夕食はオムライスだった。
「そろそろ寝よーぜ。」
「そうですね。」
タクヤとエマは自分のベットの布団の中に入り、電気を消した。
「おやすみなさい。タクヤ。」
「おやすみー。」
そして、タクヤたちは眠りについた。
「ウェンディ、そろそろ寝ましょ。」
「うん、そうだね。」
ウェンディは化粧台の前で髪を解きながら答えた。
ウェンディとシャルルも自分の部屋へ戻り、入浴も済ませ、寝じたくをしていた。
「私、妖精の尻尾に入ってよかったよ。」
「何よ、急に。」
シャルルは既に自分のベットに入っていた。
「みんな、優しいし、楽しいし、なんていうか、温かいところだよね。」
「そうかしら?ただ騒がしいだけのような気がするけど。」
「もう!!シャルルってば。」
ウェンディは頬を膨らまし、シャルルに言ったが、よほど疲れていたのかすぐに眠りについた。
「…寝ちゃったか。」
ウェンディはシャルルが寝た事を確認して、自分のベットへと向かおうとしたが、ふとブレスレットが目に入った。
「……。」
ウェンディは優しくブレスレットを手に取り、じっと見つめた。
「今度はお兄ちゃんと二人でどこかに行きたいな…。」
ウェンディは少しだけ頬を赤く染め、自分のベットへと入り、電気を消して寝たのだった。
後書き
なんかほのぼのしたのを書いたつもりなんですが、そうでもなかった感じですかね?
感想とかあったらコメントくださーい。待ってまーす!
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